神様の転生のお供に選ばれまして ~異世界転生したら溺愛されるなんて聞いてません~

ものぽりー

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神様のお部屋。

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「まずは説明をするね。はじめまして神南 愛瑠さん。僕はさっきも言ったけど、この天界において“天帝”の位にいる者です」


 まず今いるココ。
 ムダに広い部屋のムダに広くてふっかふかのお高そうなベッドのあるココは、神様たちが暮らす天界にある、天帝さんの寝室だそう。さすがにいい寝具使ってる。私なんてセットで1万円未満のうっすい布団使ってたのに。うらやま。

 
 それで、私はやはり死んだらしい。
 まぁそうだよね。ミンチでは生きていけないよね。


 それで、死んだ私の魂を天帝さんが天界の私室にお持ち帰り。魂を入れると生前の姿に変わるというメイドイン天帝のお人形、『ヒトガタ』に収容。
 そのおかげで、生きてるわけじゃないけど、こうして違和感なくお話できているらしい。(…それにしてもネーミングセンス…。)


 というわけで今現在、鏡を見ていないのでわからないけど、背中の中ほどまでの少しウェーブがかった黒いくせっ毛、真っ黒な目、高くも低くもない鼻、日焼けはしてないけど真っ白でもない典型的な日本人!の肌色な、いたって平凡な私が天帝さんの前にいるのでしょう。



 ちなみに、この目の前の天帝さん・・・・

 吾輩は天帝である。名前はまだない。状態だそう。
 たくさんいる神様にも天帝や主上と呼ばれているので、名前がなくてもやってこれたらしいけど…それでいいの??
 

 まぁ本人がそれで良いみたいなので、とりあえず私も天帝さんと呼ぶことにした。ちなみに様付けはしない。
(何故か敬わなきゃという気持ちがこれっっっっぽっちも湧いてこないので)
(ついでに心を読むのも禁止した。破ったら頭突きだ。)




 天帝さんは中性的なお顔なのに、白いゆったりした法衣?から時々チラリズムする細マッチョがとても色っぽく男性的な魅力もある。

 長くてサラサラな金の髪は輝くようで、満月のような輝き。少し首を傾げたときにさらっと流れるのが綺麗で、シャンプーのイメージモデルにしたら爆発的ヒット間違いなし。

 肌は白く、透き通る真珠の様。玉のお肌ってやつですね。長い睫毛が顔に微かな影を落としている。羨ましい。

 絶妙に配置された顔立ちは少し上から見ると(私ゴージャスベッドの上、天帝さんベッド横のなんだか無駄に豪華で重量級な椅子なので)優しげなのに、目尻がほんの少しだけ吊り上がっている為か目線の高さを正面に合わせると精鍛に見える。
 角度によっていろいろお楽しみいただけますとか一粒で2度おいしいってやつですね。サービス精神の塊ですね。


 でも何より、その琥珀のような瞳が目を惹きつける。
 不純物の一切混じらない、とろりと濃密なハチミツを固めたような瞳がいけない。

 楽しいのか嬉しいのか何だかよくわからないけど、好奇心旺盛な子供のようにキラキラ輝かせながらじっと見つめてくるので、今にも吸い込まれそうで、でも包まれるような感じで、見ていてどうにも落ち着かない。はずかしい。ソワソワする。人に会う前にパンツにスカート挟まってないか何度も確認したくなる時みたいな感じ。いや会わなくても確認するけど。


 なんかもう、目の前にこんな平凡な顔さらしてすみませんと平伏したい。

 今までの人生でこんなに卑屈になったことないってくらい……あ、もう人生終わってるんだった。



 とにかくとんでもない美形だ。けしからん天帝だ。



「なんだか納得いかないこと思われてそうな気配はするけど、とりあえず説明続けていいかな?」
「あぁ、世の無常さについて熟考してました。どうぞ続けてください」
「うん、じゃあお言葉に甘えて。僕が君をここに連れてきたのは、君にお願いがあったからなんだ」
「お願い?」
「こっちに来てもらってもいい?」


 立てる?とさりげなく手を取りゆっくりエスコートしてくれる天帝さんマジ紳士。

 一番偉い神とか言ってたけど、自然に気遣いできるとかマジ神かよ。あ、神だった。







 どうやら天帝さんの目的地は別の部屋らしい。
 死にたての私に気遣うようにゆっくりしたペースで、隣の部屋に案内される。
 

 豪華な扉には、なぜか『STAFF ONLY』のステッカー。


 …そんなもの貼らないとたまり場にでもされるの?
 え、一番偉いとか言ってたけど天帝って小学校の学級委員長かコンビニのバイトリーダーレベルなの?


 一瞬スンと表情が消えたけど、なんとなく天帝さんに同情心が芽生えて、生暖かいまなざしで『大丈夫、わかってるよ』的な視線を送ると、にっこり笑った天帝さんに強烈なデコピンをされた。解せぬ。



「普段は絶対に立ち入り禁止にしているんだけど、きみは特別ね」
「え、そんな重要な秘密知りたくないので遠慮します」
「さぁどうぞ」


 心底遠慮したくてくるっと身を翻したが、無情にも腹に腕を回され即捕獲されてしまい、簡単に開いた扉の中にポイっと放り込まれた。


 さっきまでの紳士っぷりはどこに消えた。
 ゲスの極みが紳士の皮を食い破ったか。




 そして目を開けると嫌でも見えてしまった光景に、私は再び出目金になった。



 
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