神様の転生のお供に選ばれまして ~異世界転生したら溺愛されるなんて聞いてません~

ものぽりー

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閑話*レオン視点

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 強制的に終了となったお茶会の後。

 俺は何故か、別室に一人で呼び出しを受けた。





「お待たせ、レオナルド君」

 暫し待っていると、現れたのは殿下だった。

 …あぁ、俺はここで殺されるのか…。


「アイルは随分と君に懐いたようだね」
「……ともだちですので…」

 優雅な足取りで俺の目の前の椅子に座り椅子を勧めてくる様子は、およそ2歳とは思えない威厳があった。
 これが王者の風格、と言うのだろう。
 生まれながらの王。自然と人を跪かせ、従える方。

 そしてこの方はきっと将来、その傍らにアイルをおくのだろう。




 …ならば。


「アイルが君を友達だと言うのなら、僕にとっても友達だ」
「もったいないおことばです」
「僕も君のことをレオン君と呼んでも?」
「もちろんでございます。……でんか、おそれながら、ひとつもうしあげてもよろしいでしょうか」
「何だい?」



「でんか、ぼくは、でんかとあいるさまをおまもりする、きしになります」




 俺は、
 この王となるべく誕生した方と、
 その王が愛する、あの可愛らしい少女を守る剣になろう。



「…君の家は、代々文官として王宮に出仕していたと記憶している」
「そのとおりです、でんか」

 我が家は代々文官として王宮に出仕していて、俺も、いつか文官になるものと漠然と思っていた。
 だが、それでは駄目だ。足りない。
 一番近くで見守りたいんだ。

 これほど殿下から愛情を向けられているのに無自覚で、少し自信なさそうに困った顔で苦笑する少女の、心からの笑顔と幸せを。



「僕はいずれ王になるだろう。その護衛となれば、この国随一の実力じゃないと無理だ。それでも?」
「ちをはいてでも、かならずかなえます」
「…そう」


 予想外の言葉を聞いた、というように僕を見ていた殿下は、真剣な顔で『できるのか?』と問うてきた。
 できるかどうかじゃなく、やらなければ。
 殿下から目を離さずに頷くと、殿下はじっと僕の目を見たあと、優しい顔で笑いかけて下さった。


「待ってるよ」
「はい!」



 一人の小さな少女との出会いをきっかけに、僕は生涯の目標を見つけた。
 泣いてなどいられない、今度は僕が手を差し伸べるんだ。










 そして、



「レオン君。レオン君も一緒にお茶しよう?」
「アイル様、私は護衛です。お気持ちだけありがたく頂戴致します」
「ほかに人いないし、普通に話してほしいな。ね、このお菓子懐かしいでしょ。あのお茶会でレオン君と食べたのと同じものを、料理長さんに作ってもらったの。思い出の味ってやつ」
「…暢気に座ってケーキ食べてる護衛がどこにいるんだよ。………大体、こんなのバレたら殺されるだろ……」
「誰にだい?レオン」
「ひっ」
「あ、ディー様」
「アイル、僕も混ぜてくれるよね?」
「もちろんです。これ美味しいんですよ。今日はレオン君との友達記念日なので、王宮で初めて食べた思い出の味を作ってもらったんです」
「その日はアイルと僕が王宮で初めて会った日と同じ日だったと思うんだけど、今日はレオンとの友達記念日なんだ?へぇ…そうなんだ」
「あ…アイル!何てこと言うんだ!今日が俺の命日になっちまうだろ⁉」
「え? えっと………あ、氷、氷食べましょ、ディー様との思い出の味ですよ!」
「アイルが突いてただけで、食べてはいないよね」
「う……じゃ、じゃあ、手!手を繋ぎましょう。シェークハンド記念日です」
「うん、じゃあ、ぎゅーもしないとね。ハグ記念日でもあるから」
「ふきゃっ」


 殿下に抱きしめられ、真っ赤に染まり嬉しそうに緩んでいく顔を必死に隠すアイル。
 満たされたような表情で笑い、幸せそうにアイルを抱きしめる殿下。
 今となっては、いつもと変わりない日常の光景だ。




 君に気づいてもらえなくてもいい。
 この光景を、これからも一番近くで守っていく。
 


 あの日の誓いは、今も変わらず。





 何があろうと決して揺らぐことのない、俺の誓いだ。

  



 
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