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17話 小さなことで喜ばれますと、こちらまで恥ずかしくなるんだけどなぁ
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あまり派手ではありませんが、黄色く淡いドレスに着替えさせられた私は、誰にも見られないことを祈りながら、バルツァー家のお屋敷に向かいました。
「お嬢様? お顔がすごいことになっていますよ?」
「リア? いいですか? 私は今、学校の人に見つかって、登校日に休日までバルツァー様のところに向かった女という烙印を押されないかですね…………」
私が真剣に話しているのに、リアは知らん顔。どうでもよさそうですね。
馬車から降り、付き人としてリアも一緒に来て下さることになりました。大丈夫、リアがいれば大丈夫。一人じゃない。
バルツァー公爵家のお屋敷は広く、エントランスまで足を運びますと、私をお呼びしたバルツァー様が既にいらっしゃいました。
「急な呼び出しに関わらず、よく来てくれた」
「…………いえ、お気になさらず」
段々この人のこういう強引な所に慣れてきましたが、まだまだ許容できません。
書面では、時間が空いているのであればと記されていました。しかし、公爵家からのお呼び出しに拒否したらと考えると、何をおいても優先しなければと、無意味なことを考えて要求にこたえてしまいます。
いいえ、それは今までならですね。
この人でしたら、深い意味がなく断っても怒りはしない。そういう人だとわかっています。けど、きっとこの人はどんな理由で断っても寂しそうにする。
根拠なんてありません。でも、頭にそういう表情をしたバルツァー様が浮かんでしまったら、バルツァー様の身分なんて関係なく、私は断れませんでした。
「素敵なドレスだな。似合っているぞコースフェルト嬢」
「ふえ!? ありがとうございます」
そういえば普段は制服でお会いしていましたので、私服のバルツァー様はどこか新鮮です。
大丈夫、この人は怖くない。大丈夫。この人は優しい。だから、もっと近寄れる。
「あの…………バ! バルツァー様もその服、お似合いですよ!」
私がそう言いますと、バルツァー様は、目を見開いて固まってしまいました。
何か、まずいことを言ってしまったのかと思い、肩を震わせながらリアの方に視線を向けると、彼女は両手で大きく丸を作っています。何が!?
私が左右に首を動かし、どうしたらいいかわからなくなっていた時でした。不意に誰かに抱きしめられます。
「へ? ヘアああああああああ!?」
私を抱きしめていたのは、バルツァー様だとわかった瞬間、私は恥ずかしさのあまり、彼を突き飛ばそうとしました。
勿論、彼の胸を強く叩く以外できず、それを拒否と受けとった彼から解放して頂く形で抜け出すことになりました。
しばらくして頭の中が状況を理解し、私は恐る恐るバルツァー様のお顔を見ますと、彼はいつもの眉間にしわを寄せた表情で私を見つめていました。
「あの?」
「すまなかった。つい嬉しくて」
嬉しくて? 嬉しくて? 何が嬉しいのかと考えたらやはり、似合っていると言われたことでしょうか。そんなにお気に入りの服だったのでしょうか?
「あの、本日はどのような御用件でしょうか?」
なんか午前中もこんなやり取りをしたようなきがします。もちろん、バルツァー様がエミリア様のように可愛がるのに理由なんているとか言い出すとは思いませんが。
「せっかく仲良くなれたのだから、もう少し互いのことを知るいい機会だと思ったが、どうだろうか?」
いえ、私は結構です。きっと他の令嬢だったら両手を上げて喜ぶシチュエーションかもしれませんが、敵を作りたくない私には、答えにくいお誘いでした。
そもそもですが私達、仲良くなれていたのですね。
「…………それでしたら手紙に書いてください」
「それはだな。いつでもいい用事を書いてしまったら、コースフェルト嬢が来てくれないかもしれないと思っただけだ」
確かに、何の用事かわからなかったのは、後回ししても必ず呼びつけられるものかもしれないと思ってはいましたけど。
「お付き合いします」
全くこの人は。たった一言お返事しただけで、嬉しそうにしないでください。お顔に似合わず子供みたいですよ。
「お嬢様? お顔がすごいことになっていますよ?」
「リア? いいですか? 私は今、学校の人に見つかって、登校日に休日までバルツァー様のところに向かった女という烙印を押されないかですね…………」
私が真剣に話しているのに、リアは知らん顔。どうでもよさそうですね。
馬車から降り、付き人としてリアも一緒に来て下さることになりました。大丈夫、リアがいれば大丈夫。一人じゃない。
バルツァー公爵家のお屋敷は広く、エントランスまで足を運びますと、私をお呼びしたバルツァー様が既にいらっしゃいました。
「急な呼び出しに関わらず、よく来てくれた」
「…………いえ、お気になさらず」
段々この人のこういう強引な所に慣れてきましたが、まだまだ許容できません。
書面では、時間が空いているのであればと記されていました。しかし、公爵家からのお呼び出しに拒否したらと考えると、何をおいても優先しなければと、無意味なことを考えて要求にこたえてしまいます。
いいえ、それは今までならですね。
この人でしたら、深い意味がなく断っても怒りはしない。そういう人だとわかっています。けど、きっとこの人はどんな理由で断っても寂しそうにする。
根拠なんてありません。でも、頭にそういう表情をしたバルツァー様が浮かんでしまったら、バルツァー様の身分なんて関係なく、私は断れませんでした。
「素敵なドレスだな。似合っているぞコースフェルト嬢」
「ふえ!? ありがとうございます」
そういえば普段は制服でお会いしていましたので、私服のバルツァー様はどこか新鮮です。
大丈夫、この人は怖くない。大丈夫。この人は優しい。だから、もっと近寄れる。
「あの…………バ! バルツァー様もその服、お似合いですよ!」
私がそう言いますと、バルツァー様は、目を見開いて固まってしまいました。
何か、まずいことを言ってしまったのかと思い、肩を震わせながらリアの方に視線を向けると、彼女は両手で大きく丸を作っています。何が!?
私が左右に首を動かし、どうしたらいいかわからなくなっていた時でした。不意に誰かに抱きしめられます。
「へ? ヘアああああああああ!?」
私を抱きしめていたのは、バルツァー様だとわかった瞬間、私は恥ずかしさのあまり、彼を突き飛ばそうとしました。
勿論、彼の胸を強く叩く以外できず、それを拒否と受けとった彼から解放して頂く形で抜け出すことになりました。
しばらくして頭の中が状況を理解し、私は恐る恐るバルツァー様のお顔を見ますと、彼はいつもの眉間にしわを寄せた表情で私を見つめていました。
「あの?」
「すまなかった。つい嬉しくて」
嬉しくて? 嬉しくて? 何が嬉しいのかと考えたらやはり、似合っていると言われたことでしょうか。そんなにお気に入りの服だったのでしょうか?
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「せっかく仲良くなれたのだから、もう少し互いのことを知るいい機会だと思ったが、どうだろうか?」
いえ、私は結構です。きっと他の令嬢だったら両手を上げて喜ぶシチュエーションかもしれませんが、敵を作りたくない私には、答えにくいお誘いでした。
そもそもですが私達、仲良くなれていたのですね。
「…………それでしたら手紙に書いてください」
「それはだな。いつでもいい用事を書いてしまったら、コースフェルト嬢が来てくれないかもしれないと思っただけだ」
確かに、何の用事かわからなかったのは、後回ししても必ず呼びつけられるものかもしれないと思ってはいましたけど。
「お付き合いします」
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