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19話 夢なんてみるものじゃないと思うんだけどなぁ
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バルツァー様とお別れをし、馬車に乗り込んで出発。帰宅している最中、リアに尋ねられました。
「お互いのことを家名でお呼びするのですね」
「当たり前ですよ。私とバルツァー様はそのような関係ではありません」
私がそう言い切りますと、リアは深くため息をつきました。
「お嬢様はご結婚をどのようにお考えですか?」
「仮に考えていたとしても、私が公爵家に嫁ぐなんてありえませんよ」
「いえ、そういう答えが聞きたかったわけではなくてですね」
確かにクラスメイト達は既に婚約者がいらっしゃる方々ばかり。
もしかしたら婚約者がいないのは私とミシェーラ様くらいかもしれないくらい貴族の婚約は若年層で決まることが多いです。
しかし、ミシェーラ様はバルツァー様に片思いするばかりで婚約をしていません。
では私は?
確かに、結婚をどのように考えているか聞かれてもおかしくないですね。
いつも両親に話していることをリアに言いましょう。
「私は正直、そのどっか適当に政略結婚して平和に慎ましく生活できればと」
私の回答に対し、どこか不服そうなリア。
「昔話をしましょう。昔と言いましても私にとってはついこないだのお話です」
リアの話。嘘のような出来事の羅列ばかりで眠くなりそうな時。どこか似たようなお話を別の方からお聞きしたことがあるような気がしました。
大体婚活していたら隣国に馬車で右往左往して、様々な土地で危機的状況に陥るなんてありえないんですよ。
物語の読みすぎとしか思えません。でも、このお話どこか懐かしい。やはり作り話。きっと幼い頃にどなたかに読み聞かせられたのでしょう。
確か、あれはエミリア様のお屋敷に遊びに行ったときに、偶然いらした長い金色の髪にペイルレッドの瞳の女性。
特徴はミシェーラ様にそっくりの方でしたけど、幼い頃の記憶ですのであまり覚えていませんね。
とにかくリアはその長いお話を終えると、結婚したいと思っても上手くいかないこともあると語りました。それ、私絶対該当しないやつなので大丈夫です。
「もっと現実的なお話をですね」
「実話なんですけどね。しかし、そうですね。もっと身近なお話をするとしたら、私は結婚願望を持ってから十一年。未だに独身です」
「……そ、それは恐ろしいお話ですね」
リアの年齢は二十五。我が国では貴族女性なら行き遅れと言われる年齢層です。平民の身分ですらその年齢の独身は結婚を諦める方々がいらっしゃるくらいです。
正直、私だって一応結婚くらいはしたいと思っています。幼い頃は夢を見るくらいかっこいい方。いわゆるバルツァー様のような方と結婚したいとか、馬鹿馬鹿しい夢を持っていました。
実際、私のような田舎者伯爵令嬢を欲しがるのなんて、お金がなく爵位を維持できない家系が援助目的でお声がけするくらいでしょう。
それに気付いてから、私は結婚に夢を持つことを諦めました。
もし、それで不幸な結婚をするくらいなら、しない方が良いのかもしれませんね。
「リアはまだ結婚をしたいですか?」
「もはや生涯の目標です」
「いつか諦めて!? ではなく、そうですか。私もしたいですよ。小さな幸せに囲まれた平凡な結婚を…………」
私がそう呟くと、リアは困った表情をして呟きました。
「お嬢様。人の願望は少しずつ変化します。きっとバルツァー様との未来もあるのではないでしょうか?」
「しつこいですよリア。夢は砕ける瞬間が、一番怖いんです」
私がそう言ったら、リアの表情は一瞬で青くなり、いつもの私のように小刻みに震え始めました。
もしかしたら、彼女にとっての禁句だったのかもしれませんね。もし彼女の今の姿が夢が壊れた先だと言うのなら、なおさら夢は見れませんね。
そんな怖い橋。叩かなくても砕けてしまうじゃないですか。
「お互いのことを家名でお呼びするのですね」
「当たり前ですよ。私とバルツァー様はそのような関係ではありません」
私がそう言い切りますと、リアは深くため息をつきました。
「お嬢様はご結婚をどのようにお考えですか?」
「仮に考えていたとしても、私が公爵家に嫁ぐなんてありえませんよ」
「いえ、そういう答えが聞きたかったわけではなくてですね」
確かにクラスメイト達は既に婚約者がいらっしゃる方々ばかり。
もしかしたら婚約者がいないのは私とミシェーラ様くらいかもしれないくらい貴族の婚約は若年層で決まることが多いです。
しかし、ミシェーラ様はバルツァー様に片思いするばかりで婚約をしていません。
では私は?
確かに、結婚をどのように考えているか聞かれてもおかしくないですね。
いつも両親に話していることをリアに言いましょう。
「私は正直、そのどっか適当に政略結婚して平和に慎ましく生活できればと」
私の回答に対し、どこか不服そうなリア。
「昔話をしましょう。昔と言いましても私にとってはついこないだのお話です」
リアの話。嘘のような出来事の羅列ばかりで眠くなりそうな時。どこか似たようなお話を別の方からお聞きしたことがあるような気がしました。
大体婚活していたら隣国に馬車で右往左往して、様々な土地で危機的状況に陥るなんてありえないんですよ。
物語の読みすぎとしか思えません。でも、このお話どこか懐かしい。やはり作り話。きっと幼い頃にどなたかに読み聞かせられたのでしょう。
確か、あれはエミリア様のお屋敷に遊びに行ったときに、偶然いらした長い金色の髪にペイルレッドの瞳の女性。
特徴はミシェーラ様にそっくりの方でしたけど、幼い頃の記憶ですのであまり覚えていませんね。
とにかくリアはその長いお話を終えると、結婚したいと思っても上手くいかないこともあると語りました。それ、私絶対該当しないやつなので大丈夫です。
「もっと現実的なお話をですね」
「実話なんですけどね。しかし、そうですね。もっと身近なお話をするとしたら、私は結婚願望を持ってから十一年。未だに独身です」
「……そ、それは恐ろしいお話ですね」
リアの年齢は二十五。我が国では貴族女性なら行き遅れと言われる年齢層です。平民の身分ですらその年齢の独身は結婚を諦める方々がいらっしゃるくらいです。
正直、私だって一応結婚くらいはしたいと思っています。幼い頃は夢を見るくらいかっこいい方。いわゆるバルツァー様のような方と結婚したいとか、馬鹿馬鹿しい夢を持っていました。
実際、私のような田舎者伯爵令嬢を欲しがるのなんて、お金がなく爵位を維持できない家系が援助目的でお声がけするくらいでしょう。
それに気付いてから、私は結婚に夢を持つことを諦めました。
もし、それで不幸な結婚をするくらいなら、しない方が良いのかもしれませんね。
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「もはや生涯の目標です」
「いつか諦めて!? ではなく、そうですか。私もしたいですよ。小さな幸せに囲まれた平凡な結婚を…………」
私がそう呟くと、リアは困った表情をして呟きました。
「お嬢様。人の願望は少しずつ変化します。きっとバルツァー様との未来もあるのではないでしょうか?」
「しつこいですよリア。夢は砕ける瞬間が、一番怖いんです」
私がそう言ったら、リアの表情は一瞬で青くなり、いつもの私のように小刻みに震え始めました。
もしかしたら、彼女にとっての禁句だったのかもしれませんね。もし彼女の今の姿が夢が壊れた先だと言うのなら、なおさら夢は見れませんね。
そんな怖い橋。叩かなくても砕けてしまうじゃないですか。
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