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第1章 何もできない公爵令嬢
15話 偏見通り、わがままを施行します
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ヨゼフィンさんに身支度をしてもらい、グレイ様の待っているサロンに足早に向かいました。
グレイ様がこちらにいらっしゃったということは、イサアークの件に進展があったに違いありません。
サロンの前まで到着しますと、ヨハンネスが扉の前で待機していていました。
「おはようございますお嬢様。今日はいつもに増して気合の入った装いですね」
「当然よ。ヨゼフィンさんに任せたのですもの。一般的に王子殿下と会おうとするなら、いつも以上に綺麗にするのは当然ですものね。普段の私はしませんが」
いえいえ、別にグレイ様のことがお嫌いな訳ではありません。今更取り繕って綺麗に見せる必要性が感じませんってことです。
それに何もしなくても私って綺麗でしょ?
私は待機している幼馴染から一刻も早く吉報をと思い、サロンに入室しました。
「グレイ様、イサアークの件ですよね?」
「いきなりだね。勿論、その話をしに来た。そして君の期待通りにことは進んだよ。ただ思ったよりも早く決着がつきそうでね」
「……と、いいますと?」
「イサアークが自首したのさ」
「自首? そこまで潔い方でしたら、私を娶れない可能性を考えましたとしても、襲わないで欲しかったですわ」
吉報ではありますが、どうにも釈然と致しませんね。自首されるような方が取るような行動ではありませんでしたわ。
「ですが、自首されましたとしても、私に行った仕打ちから考えれば最低でも終身刑にはなるのでしょう?」
本当であれば、極刑にでもしてやりたいところですが、イサアークはあくまで公爵家。
対するヤーコフさんの身分は、騎士家に属していますが、平民階級に違いはありません。
身分差もありますし、ヤーコフさんの件での処罰はある程度軽く扱われるでしょう。
勿論、公爵家令嬢に対しての仕打ちは、同じ公爵家でもかなりの重罪ですわ。ですから低く見積もっても終身刑になるはずですわ。
「それで一応、イサアークを王宮の高位貴族専用の牢に投獄したのが昨日の話。これでロムニエイ家を脅威に思う必要はなくなった」
グレイ様が少々深刻な表情をしています。何かあったのでしょうか?
そしてグレイ様が続きを話そうと口を開きました。
「今朝、彼は自殺……とは言い難いね。上手く見せているけど、自殺に偽装させるような殺され方をしていたんだ。おおやけには自殺ってことにしているけど、関係者の君にはこちら側の調べた範囲の話をしておこうと思ってね」
イサアークが殺された?
彼が何故?
殺された件につきましてはよくわかりませんが、おそらくイサアークに恨みを持ったものは他にもいたのでしょう。
彼は未婚の貴族令嬢にも手を出していたはずですわ。そこが事件になっていないのは、あくまで相手がロムニエイ公爵家であったからでしょう。
私なら事件にできますものね。投獄されている今がチャンスだと思いになった方がいらしたのかもしれませんわね。
イサアークも焦られましたわね。私とヤーコフさんたった二人しかいない状況こそ私を手に入れるチャンスと思いになられたのでしょう。
正攻法で頑張って欲しかったところですが、今思えばあのような下種であることが事前に発覚してくれたことだけは……いえ、微塵でも良かったなどと思ってはいけませんわね。
例え貴族でない方だとしても、命は尊い。私は、人一倍何もさせて貰えないくらい大切に育てられたからこそわかるのです。
使用人達。彼ら彼女らがいなくなったら、私は生活できるはずがありませんわ。
民の為に音楽を指揮するのが指揮者だとしたら、それに従い、民の為の音楽を演奏するは、演奏者の仕事ですわ。私にもきっと担当がある。まだ楽器はありませんが、少なくとも民を虐げるような真似を演奏者がしていいはずがありませんもの。
「グレイ様、イサアークのことはよく理解しましたわ。彼が行ったことは許されることではありませんが、彼は何者かに殺されてしまい、その罪も償うことすらできなかったのですね。更に、この件は自殺として世間で扱えばよろしいのですね。それでしたら、私どもベッケンシュタイン家に対する卑劣なについて、ロムニエイ公爵家はどのように対応してくださるのかしら?」
「まず爵位剥奪だね。それに伴い宰相不在になってしまう。僕としてはベッケンシュタイン家に宰相について欲しくがないのだが、最有力候補はヘロニモ・ファン・ベッケンシュタイン公爵閣下。君の父上だ」
「あらあら? 何故我が家に宰相を任せたくないのかしら?」
「ベッケンシュタイン家にはこれ以上権力を手に入れてほしくないんだよ。君との婚姻に反対者が増えてしまうだろう?」
「是非我が父を宰相に」
「君のそういう素直な所、とても気に入っているんだけどね。なんでかな? 僕との婚姻に対しての拒否が早すぎるよね」
「そうですか。ロムニエイ公爵家は爵位剥奪。無難ですわね。でも無難ということは……悪いことではありませんわ」
「露骨に逸らしたね。まあ、ベッケンシュタイン公爵閣下が宰相になっても、あの約束は続行するさ。反対者が増えるってだけだしね。些細な問題だろう?」
些細な事でしょうか? まあ、良いでしょう。
元々ベッケンシュタイン家のことを良く思っていない方々なんて、この国にはたくさんいらっしゃいますわ。
……些細な事に思えてきましたわ。
イサアークの件が私の知らない所で片付いてしまったのは、さすがといったということでしょうか。
そもそも公爵令嬢が自ら動くことなど一切ありませんものね。特に彼が自首すれば私の証言も不要でしょう。
縛られ、殴られ、ヤーコフさんを殺され、三日間泥まみれになりながら恐怖に怯え、そして救出されたと思ったら変質者と一つ屋根の下。私、この件について何もできていませんわね。ですが、きっと何もできないことが普通なのですわ。私がやたらと動き回っても、自体が好転するとは思えません。一人の少女にできることは限られているのですから。
「グレイ様、一つお願いがあります」
「ルーのお願い? 何でもは聞かないつもりだけど、今の君は自分のことじゃないお願いをしようとしているよね?」
「どうでしょうか? 結果的には私の利益につながることかもしれませんよ? それはともかくとして、私は巷で噂のわがままな公爵令嬢だから。偏見通り、わがままを施行します」
「わがまま?」
グレイ様は私がこれから何を言うつもりなのか、ちゃんと聞いてくれるようですわ。
「宰相職にはリンナンコスキ公爵閣下を任命致しますわ」
「君に決定権は……そうか、ワガママか。 何もわざわざ対立している貴族を宰相にする必要はないと思うし、あえて君側に立たせてもらうならば、ベッケンシュタイン家の権力にも影響するんだよ? 僕と結婚したいの?」
私はグレイ様の問いかけに対して大きく息を吸ってから、落ち着いて考えを語り始めましたわ。
「ベッケンシュタイン家は、あくまでアルデマグラ公国の古き良きしきたりを護ることを重視しています。そこには身分問題もありますわ。ですが、リンナンコスキ公爵家は、平民への救済と勉学を学ばせる政策を考えています。貴族と平民に隔たりがあることは仕方ないことだと思いますが、今回の件、ヤーコフさんの命を奪う行為だけで見れば、公爵家へのお咎めは軽い刑罰となります。リンナンコスキ公爵家が宰相職につけば、少なくとも今よりは平民の方々を救済してくれますわ。それは父にはできません。伝統と格式を守ることも必要です。父はその代表格といってもいいです。私が父にお願いすることは簡単です。ですが、それは他の保守派の貴族を見捨て、肩身の狭い思いをさせてしまいます。彼らの為に父は先頭に立つのです。それがベッケンシュタイン家の矜持なのです」
グレイ様は私の話を清聴してくださっていますが、腹の内はどうなのでしょうか。そもそも彼は民のことをどう思っているのでしょうか。ないがしろにする方でないと信じていますが。
グレイ様は、カップをソーサーに音もたてずに置きましたわ。一息つくとゆっくりと私と目を合わせました。
「うーん、さっきも言ったけど、君に決定権はない。でもわがままだと言うならそういう意見もあったと心にとどめておくよ。何より、ルーが僕にわがままを言うなんて珍しいことだ。無理してでも叶えたくなっちゃうな。ごめんね王子殿下で。王家が率先してそういう政をしちゃうとさ、やっぱり反感買うからね。宰相職がそういう意見を持つべき時代が来れば、きっともう少し僕たちが差し伸べることができる人が増えるんだろうね」
やはりグレイ様は、私の最高の幼馴染ですわ。
「惚れなおした?」
「いえ、想定通りの回答を頂きましたので。それにそういうのは無しですわ」
本当は他の回答を頂くこともあの一瞬で何パターンも考えてしまいましたわ。貴方の言葉を聞いて安心しましたわ。
でも、それとこれとは話は別です。彼を好きだと思ってはいけません。
もし本当に彼が私を好きだというのならそれは、おもちゃとしての好きに違いありませんわ。騙されませんわ。
=== グレイside ===
ディートリヒ家の屋敷から出発し、王宮に戻る馬車の中。僕は彼女に一つだけ着いた嘘を思い返す。
「イサアークは自首なんかじゃない。君の知らない所で君の為に流れた血を君は知る必要がないだけだ」
ぽつりと呟いた言葉は、誰の耳に届くわけでもなく、風にかき消されたのだった。さてと、イサアーク殺しの真相も考える必要があるのかな?
正直、この件はひと月二月で解決するとは思えないのだけどね。
彼は持ち込んだ何かを飲んだという報告だった。だが、毒殺ではないかという見解もある。あの時騎士団の人間を見張りにつけていたが、あの三人の中で犯人になりえる可能性があるとしたらおそらく、マリアだろう。
グレイ様がこちらにいらっしゃったということは、イサアークの件に進展があったに違いありません。
サロンの前まで到着しますと、ヨハンネスが扉の前で待機していていました。
「おはようございますお嬢様。今日はいつもに増して気合の入った装いですね」
「当然よ。ヨゼフィンさんに任せたのですもの。一般的に王子殿下と会おうとするなら、いつも以上に綺麗にするのは当然ですものね。普段の私はしませんが」
いえいえ、別にグレイ様のことがお嫌いな訳ではありません。今更取り繕って綺麗に見せる必要性が感じませんってことです。
それに何もしなくても私って綺麗でしょ?
私は待機している幼馴染から一刻も早く吉報をと思い、サロンに入室しました。
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「いきなりだね。勿論、その話をしに来た。そして君の期待通りにことは進んだよ。ただ思ったよりも早く決着がつきそうでね」
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吉報ではありますが、どうにも釈然と致しませんね。自首されるような方が取るような行動ではありませんでしたわ。
「ですが、自首されましたとしても、私に行った仕打ちから考えれば最低でも終身刑にはなるのでしょう?」
本当であれば、極刑にでもしてやりたいところですが、イサアークはあくまで公爵家。
対するヤーコフさんの身分は、騎士家に属していますが、平民階級に違いはありません。
身分差もありますし、ヤーコフさんの件での処罰はある程度軽く扱われるでしょう。
勿論、公爵家令嬢に対しての仕打ちは、同じ公爵家でもかなりの重罪ですわ。ですから低く見積もっても終身刑になるはずですわ。
「それで一応、イサアークを王宮の高位貴族専用の牢に投獄したのが昨日の話。これでロムニエイ家を脅威に思う必要はなくなった」
グレイ様が少々深刻な表情をしています。何かあったのでしょうか?
そしてグレイ様が続きを話そうと口を開きました。
「今朝、彼は自殺……とは言い難いね。上手く見せているけど、自殺に偽装させるような殺され方をしていたんだ。おおやけには自殺ってことにしているけど、関係者の君にはこちら側の調べた範囲の話をしておこうと思ってね」
イサアークが殺された?
彼が何故?
殺された件につきましてはよくわかりませんが、おそらくイサアークに恨みを持ったものは他にもいたのでしょう。
彼は未婚の貴族令嬢にも手を出していたはずですわ。そこが事件になっていないのは、あくまで相手がロムニエイ公爵家であったからでしょう。
私なら事件にできますものね。投獄されている今がチャンスだと思いになった方がいらしたのかもしれませんわね。
イサアークも焦られましたわね。私とヤーコフさんたった二人しかいない状況こそ私を手に入れるチャンスと思いになられたのでしょう。
正攻法で頑張って欲しかったところですが、今思えばあのような下種であることが事前に発覚してくれたことだけは……いえ、微塵でも良かったなどと思ってはいけませんわね。
例え貴族でない方だとしても、命は尊い。私は、人一倍何もさせて貰えないくらい大切に育てられたからこそわかるのです。
使用人達。彼ら彼女らがいなくなったら、私は生活できるはずがありませんわ。
民の為に音楽を指揮するのが指揮者だとしたら、それに従い、民の為の音楽を演奏するは、演奏者の仕事ですわ。私にもきっと担当がある。まだ楽器はありませんが、少なくとも民を虐げるような真似を演奏者がしていいはずがありませんもの。
「グレイ様、イサアークのことはよく理解しましたわ。彼が行ったことは許されることではありませんが、彼は何者かに殺されてしまい、その罪も償うことすらできなかったのですね。更に、この件は自殺として世間で扱えばよろしいのですね。それでしたら、私どもベッケンシュタイン家に対する卑劣なについて、ロムニエイ公爵家はどのように対応してくださるのかしら?」
「まず爵位剥奪だね。それに伴い宰相不在になってしまう。僕としてはベッケンシュタイン家に宰相について欲しくがないのだが、最有力候補はヘロニモ・ファン・ベッケンシュタイン公爵閣下。君の父上だ」
「あらあら? 何故我が家に宰相を任せたくないのかしら?」
「ベッケンシュタイン家にはこれ以上権力を手に入れてほしくないんだよ。君との婚姻に反対者が増えてしまうだろう?」
「是非我が父を宰相に」
「君のそういう素直な所、とても気に入っているんだけどね。なんでかな? 僕との婚姻に対しての拒否が早すぎるよね」
「そうですか。ロムニエイ公爵家は爵位剥奪。無難ですわね。でも無難ということは……悪いことではありませんわ」
「露骨に逸らしたね。まあ、ベッケンシュタイン公爵閣下が宰相になっても、あの約束は続行するさ。反対者が増えるってだけだしね。些細な問題だろう?」
些細な事でしょうか? まあ、良いでしょう。
元々ベッケンシュタイン家のことを良く思っていない方々なんて、この国にはたくさんいらっしゃいますわ。
……些細な事に思えてきましたわ。
イサアークの件が私の知らない所で片付いてしまったのは、さすがといったということでしょうか。
そもそも公爵令嬢が自ら動くことなど一切ありませんものね。特に彼が自首すれば私の証言も不要でしょう。
縛られ、殴られ、ヤーコフさんを殺され、三日間泥まみれになりながら恐怖に怯え、そして救出されたと思ったら変質者と一つ屋根の下。私、この件について何もできていませんわね。ですが、きっと何もできないことが普通なのですわ。私がやたらと動き回っても、自体が好転するとは思えません。一人の少女にできることは限られているのですから。
「グレイ様、一つお願いがあります」
「ルーのお願い? 何でもは聞かないつもりだけど、今の君は自分のことじゃないお願いをしようとしているよね?」
「どうでしょうか? 結果的には私の利益につながることかもしれませんよ? それはともかくとして、私は巷で噂のわがままな公爵令嬢だから。偏見通り、わがままを施行します」
「わがまま?」
グレイ様は私がこれから何を言うつもりなのか、ちゃんと聞いてくれるようですわ。
「宰相職にはリンナンコスキ公爵閣下を任命致しますわ」
「君に決定権は……そうか、ワガママか。 何もわざわざ対立している貴族を宰相にする必要はないと思うし、あえて君側に立たせてもらうならば、ベッケンシュタイン家の権力にも影響するんだよ? 僕と結婚したいの?」
私はグレイ様の問いかけに対して大きく息を吸ってから、落ち着いて考えを語り始めましたわ。
「ベッケンシュタイン家は、あくまでアルデマグラ公国の古き良きしきたりを護ることを重視しています。そこには身分問題もありますわ。ですが、リンナンコスキ公爵家は、平民への救済と勉学を学ばせる政策を考えています。貴族と平民に隔たりがあることは仕方ないことだと思いますが、今回の件、ヤーコフさんの命を奪う行為だけで見れば、公爵家へのお咎めは軽い刑罰となります。リンナンコスキ公爵家が宰相職につけば、少なくとも今よりは平民の方々を救済してくれますわ。それは父にはできません。伝統と格式を守ることも必要です。父はその代表格といってもいいです。私が父にお願いすることは簡単です。ですが、それは他の保守派の貴族を見捨て、肩身の狭い思いをさせてしまいます。彼らの為に父は先頭に立つのです。それがベッケンシュタイン家の矜持なのです」
グレイ様は私の話を清聴してくださっていますが、腹の内はどうなのでしょうか。そもそも彼は民のことをどう思っているのでしょうか。ないがしろにする方でないと信じていますが。
グレイ様は、カップをソーサーに音もたてずに置きましたわ。一息つくとゆっくりと私と目を合わせました。
「うーん、さっきも言ったけど、君に決定権はない。でもわがままだと言うならそういう意見もあったと心にとどめておくよ。何より、ルーが僕にわがままを言うなんて珍しいことだ。無理してでも叶えたくなっちゃうな。ごめんね王子殿下で。王家が率先してそういう政をしちゃうとさ、やっぱり反感買うからね。宰相職がそういう意見を持つべき時代が来れば、きっともう少し僕たちが差し伸べることができる人が増えるんだろうね」
やはりグレイ様は、私の最高の幼馴染ですわ。
「惚れなおした?」
「いえ、想定通りの回答を頂きましたので。それにそういうのは無しですわ」
本当は他の回答を頂くこともあの一瞬で何パターンも考えてしまいましたわ。貴方の言葉を聞いて安心しましたわ。
でも、それとこれとは話は別です。彼を好きだと思ってはいけません。
もし本当に彼が私を好きだというのならそれは、おもちゃとしての好きに違いありませんわ。騙されませんわ。
=== グレイside ===
ディートリヒ家の屋敷から出発し、王宮に戻る馬車の中。僕は彼女に一つだけ着いた嘘を思い返す。
「イサアークは自首なんかじゃない。君の知らない所で君の為に流れた血を君は知る必要がないだけだ」
ぽつりと呟いた言葉は、誰の耳に届くわけでもなく、風にかき消されたのだった。さてと、イサアーク殺しの真相も考える必要があるのかな?
正直、この件はひと月二月で解決するとは思えないのだけどね。
彼は持ち込んだ何かを飲んだという報告だった。だが、毒殺ではないかという見解もある。あの時騎士団の人間を見張りにつけていたが、あの三人の中で犯人になりえる可能性があるとしたらおそらく、マリアだろう。
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