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第2章 公爵令嬢でもできること
27話 公爵令嬢でもできること
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ヨハンネス達が敵の猛攻を食い止める中、エレナが馬車馬に跨りましたわ。そして私に向けて手を差し出しましたわ。
「では、お嬢様少し身を隠しましょう」
やはりエレナの中では私が最優先のようですね。確かにこのような場所に公爵令嬢がいるべきではないのでしょう。しかし、私は彼女の手を振り払いましたわ。
「エレナ、向かいましょう彼女の元へ」
「……変わられましたね。あなたはもっとご自分を優先される方でした」
「今、私たちが直面している問題は、私たちの命だけがかかっている訳ではありません。ルーツィア様……いいえ、ルーツィアの私への殺意が仮にここ最近芽生えたものだとしましても! 以前よりジェスカたちと面識があったようです。彼女は根っからの悪人なのです。彼女を指名手配するだけなら、私が生き延びれば簡単なことでしょう。私は公爵家の名前を使うことが最も国に影響を与える手段だと思っています。私の……ベッケンシュタイン家の名前を出すということは、あらゆる人を動かすことができる。公爵令嬢にできること。公爵家だからこそできることなのです。ですが、今の私にできることはそれだけではありません。共に卓を囲い、笑いあえた友を、ひっぱたいてあげる必要があるのです。他の誰でもない公爵令嬢《わたくし》にできることなのです」
そういいますと、エレナはもう一度手を差し伸べました。私はそれを制そうしますが、今度は彼女がしっかりと私の手を握ってきましたわ。
「だったら行こう! ただ一つだけ勘違いして貰っちゃ困るぜ? 私はエレナ・ナダル。辺境伯の令嬢だ! 今はあんたのメイドじゃねえ! 友としてルクレシアのやろうとすることに助力してやる! ここはオカマ達に任せるぞ!」
私は彼女の手を取り、勢いよく馬の後ろに乗ろうとしましたが、これどうやって乗ればよいのですか?
「すまねえ。私も非力なんだ。ルクレシアは軽い方だと思うが、もう少し自力でよじ登れないのか?」
「これで全力です」
そのあと、馬に跨れなかった私はひとまずマリアに戻ってきて頂き、おしりを押して頂きましたわ。ごめんなさいマリア。それからマリアの分までカバーしているヨハンネスとマルッティもそれとえっと確かジェスカも……かっこ付きませんね私。
ナダル家の人間は昔から馬とともに生きてきたと聞いていましたが、エレナは敵兵の中に飛び込み、兵力の薄い場所を瞬時に見極め、剣や矢を上手にかわしながら突き進んでいきましたわ。また、私たちに集中した弓兵をすかさず機動力のあるマリアがその槍で薙ぎ払いました。片腕の怪我がありますが、やはりマリアも凄腕の騎士のようですね。
マリアに奇襲をかけようとする敵兵たちを大きめの盾でタックルして気絶させるマルッティ。ヨハンネスは自ら敵兵の集まっている場所に飛び込み、四方八方からの斬撃を躱したり受け流したりを繰り返し、隙をついては相手の利き腕や足を切りつけて戦闘不能にしていきます。
私達が向かう先、ルーツィア様が逃げた先ではジェスカが敵兵達の矢をすべて払い落とし手ました。
何それ矢ってそんな簡単に切り落とせるものなのですか? そして剣は鞘に戻す頻度多すぎません? 剣もなじみでない形をしていますし、よくわからないことだらけですね。
「今のうちだルクレシア! 突破するぞ!」
「ええ!」
私はエレナにしっかりしがみ付き、ルーツィアが去って行った建物の方に突っ込んでいきましたわ。
私達がジェスカのいたところを通り過ぎますと、敵兵達が追いかけてきます。それに立ちはだかるようにジェスカが立ちましたわ。
「俺の国では罪人は腕を切り落とすんだ。この国のルールってのはわからないから、俺の裁量でいいよな?」
私はそれを見たくなかったので振り返るのをやめました。そして一つだけ壊されていないけれど、手入れも行き届いてない民家がありました。
「この民家でしたよね」
何故か他の建物とちがい、一切壊されている様子のない民家。老朽化が進みボロさは感じますが、窓一つ割れていませんね。
「……私と二人だが、この建物の中が安全とは限らねえ。どうする?」
「……エレナ。あなたは今私のメイドではないのですよね?」
「ああ」
「でしたらお好きにどうぞ。私は向かいます。アルデマグラ公国の女は貴族平民問わず、友を助けるのが当たり前なのですから」
「おいおい、それは私に来いって言っているよな?」
「あら、気付きました?」
「言っておくが、私はルーツィア・ダンマークなんて友と思っていないし、ルクレシアに何かあれば躊躇しないぞ? それが友を助けるアルデマグラ公国の女なんだろ?」
そして私たちは二人で扉を開きましたわ。扉の向こうには少しボロボロの部屋の中に、不自然に綺麗なテーブルとソファが置かれていました。そしてそのソファにはルーツィアが座っています。
「逃げ出さなかったのですね」
「逃げませんよ。自宅よりも大切な場所ですから。……ここ、ベッケンシュタイン領でしたが、ダンマーク領にあるダンマーク家の屋敷からとっても行き来しやすい場所でしたの」
「続けて」
「ここに住んでいた少年は綺麗な銀髪の少年でした。私は幼い頃、貴族とかそういうしがらみをよく理解していなかったころ。彼のことが大好きだったのです」
つまりここは、昔ルーツィアが愛した方の民家ということなのですね。
「ある日、彼は他の村人の家から食料を盗んだと疑われました。疑われた理由は、村人の目撃情報と少年の証言がかみ合わなかったからです。それから彼は他の村人からも迫害されるようになり、この家のこの場所で、自害されましたわ。私は大泣きしました。村人たちが許せなかったですが、非力な私にはどうすることもできず、受け止められない事実で心が壊されていたのです。そんなある日でした。私の目の前に金の髪の少女と銀の髪の少年が現れたのです。ルクレシア様と王子殿下ですわ。王子殿下は彼とそっくりでした。私が王子殿下をお慕いするようになるのにそう時間はいりませんでした。ですが、その頃から王子殿下はルクレシア様をお慕いしていたのです。私から見た二人はとても幸せそうで、私はお二人の幸せの為に生きようと考えました。あなた方は私にとって最高の芸術だったのです。彼のことで廃れた気持ちが徐々に回復したある日、年を重ねこの村に訪れた時です。村人たちは広場で彼を笑い話にして子供たちに悪いことをするとあの少年のようになるぞ! というお話をしているところを目撃してしまいましたわ。その時でした。この村は美しくない! だからすべてなくしてしまおう。そう考えたのです」
少年の住んでいた家。ルーツィアにとってこの家は思い出のある場所だったのでしょう。だからこの村で唯一壊されなかった民家なのですね。
それから彼女の話すことは私たちの知っていた通りでした。偶然出会ったごろつきたちを集め、男爵家の名のもとに可能な限りではあるものの、ごろつきを束ね村民たちを襲ったのでしょう。
そしてジェスカたちと出会い、ジェスカたちをダンマーク男爵領に匿うことを条件に、奴隷商から稼いだお金などを横流しして資金を集めていたそうです。その資金でさらに兵力を蓄えた結果、今に至る。そしてあとはさきほど暴露された通り、私を殺そうとしたそうでしたわ。
「随分正直にお話しますのね」
「ここが見つかった時点で、私は逃げ出すという選択肢が選べなかったのです。彼と……パウルスと遊びつくしたこの民家のあるこの廃村を……私は離れることができないのです。だからここですべて終わらせます」
ルーツィアはプルプルと震えながらナイフを両手で握ります。決して強くないであろうひ弱な腕に、何か揺らいでいるであろう瞳。
「お止めなさい。あなたは弱い」
「逃げ道がないことをお察しください。あなたを殺す。決定事項です!」
私はすっと彼女に歩み寄りましたわ。一度お隣にいたエレナが私を止めようとしましたが、一言、いや今は友だったなと仰いまして、隣りに並んでくれましたわ。歩み寄るのは、決して彼女に殺されるためではありません。私が彼女の瞳を真っすぐ見つめていると、彼女は握っていたナイフを床に落としてしまいました。
「お美しい……」
「そうよ。だって今私大切な友達を救いたいって気持ちでいっぱいですもの。美しいものを壊すのがお嫌なのでしょう? ならば私を殺してはいけません。このルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインは例え老いても美しい!」
「そう、ですね。ルクレシア様はきっと最後の瞬間までお美しいと思います。ですが、捕まれば私は間違いなく処刑されるでしょう。もうあなた様のお友達でいられないのです。ですからどうかお願いします。パウルスが生きていたことを、せめて……あなたが覚えていてください」
「……甘いですわ」
「そうですよね。ごめんなさいルクレシア様」
公爵令嬢《わたくし》は彼女の頬を思いっきりビンタしましたわ。渾身の一撃です。ペチという音が、静かな部屋にかすかに響きました。
「お優しいのですね。この程度ですか?」
「…………そ、そうね。あなたにはこの程度で充分です。あなたが狂ってしまったのはパウルスとグレイ様が似ていて、グレイ様が愛し合えない相手を愛し続けるのが、気に入らなかったのですね。だからですよね」
「はい」
「グレイ様は誰かと愛し合ってほしかった。そのグレイ様の愛の矛先が、ご自分を愛して頂ければ、グレイ様が誰かと愛し合うことができる。と考えたのですね。ご自分でしたら決して裏切らないから。それがグレイ様と愛し合えると感じた一筋の光。それはグレイ様に選ばれるという甘い考えではなく……グレイ様を愛した相手がグレイ様を愛する気がない相手だったら際限なく殺すつもりだったのでしょう? その過程で最終的に自分のところにくるかもしれない。全く、何人殺すつもりなのよ」
“全力”で叩いたせいか、未だに手がジンジンします。その後、彼女を捉え、敵兵たちに剣を収めて頂くことに時間はかかりませんでしたわ。
ルーツィアの腕をエレナに縛って頂きましたわ。
「では、お嬢様少し身を隠しましょう」
やはりエレナの中では私が最優先のようですね。確かにこのような場所に公爵令嬢がいるべきではないのでしょう。しかし、私は彼女の手を振り払いましたわ。
「エレナ、向かいましょう彼女の元へ」
「……変わられましたね。あなたはもっとご自分を優先される方でした」
「今、私たちが直面している問題は、私たちの命だけがかかっている訳ではありません。ルーツィア様……いいえ、ルーツィアの私への殺意が仮にここ最近芽生えたものだとしましても! 以前よりジェスカたちと面識があったようです。彼女は根っからの悪人なのです。彼女を指名手配するだけなら、私が生き延びれば簡単なことでしょう。私は公爵家の名前を使うことが最も国に影響を与える手段だと思っています。私の……ベッケンシュタイン家の名前を出すということは、あらゆる人を動かすことができる。公爵令嬢にできること。公爵家だからこそできることなのです。ですが、今の私にできることはそれだけではありません。共に卓を囲い、笑いあえた友を、ひっぱたいてあげる必要があるのです。他の誰でもない公爵令嬢《わたくし》にできることなのです」
そういいますと、エレナはもう一度手を差し伸べました。私はそれを制そうしますが、今度は彼女がしっかりと私の手を握ってきましたわ。
「だったら行こう! ただ一つだけ勘違いして貰っちゃ困るぜ? 私はエレナ・ナダル。辺境伯の令嬢だ! 今はあんたのメイドじゃねえ! 友としてルクレシアのやろうとすることに助力してやる! ここはオカマ達に任せるぞ!」
私は彼女の手を取り、勢いよく馬の後ろに乗ろうとしましたが、これどうやって乗ればよいのですか?
「すまねえ。私も非力なんだ。ルクレシアは軽い方だと思うが、もう少し自力でよじ登れないのか?」
「これで全力です」
そのあと、馬に跨れなかった私はひとまずマリアに戻ってきて頂き、おしりを押して頂きましたわ。ごめんなさいマリア。それからマリアの分までカバーしているヨハンネスとマルッティもそれとえっと確かジェスカも……かっこ付きませんね私。
ナダル家の人間は昔から馬とともに生きてきたと聞いていましたが、エレナは敵兵の中に飛び込み、兵力の薄い場所を瞬時に見極め、剣や矢を上手にかわしながら突き進んでいきましたわ。また、私たちに集中した弓兵をすかさず機動力のあるマリアがその槍で薙ぎ払いました。片腕の怪我がありますが、やはりマリアも凄腕の騎士のようですね。
マリアに奇襲をかけようとする敵兵たちを大きめの盾でタックルして気絶させるマルッティ。ヨハンネスは自ら敵兵の集まっている場所に飛び込み、四方八方からの斬撃を躱したり受け流したりを繰り返し、隙をついては相手の利き腕や足を切りつけて戦闘不能にしていきます。
私達が向かう先、ルーツィア様が逃げた先ではジェスカが敵兵達の矢をすべて払い落とし手ました。
何それ矢ってそんな簡単に切り落とせるものなのですか? そして剣は鞘に戻す頻度多すぎません? 剣もなじみでない形をしていますし、よくわからないことだらけですね。
「今のうちだルクレシア! 突破するぞ!」
「ええ!」
私はエレナにしっかりしがみ付き、ルーツィアが去って行った建物の方に突っ込んでいきましたわ。
私達がジェスカのいたところを通り過ぎますと、敵兵達が追いかけてきます。それに立ちはだかるようにジェスカが立ちましたわ。
「俺の国では罪人は腕を切り落とすんだ。この国のルールってのはわからないから、俺の裁量でいいよな?」
私はそれを見たくなかったので振り返るのをやめました。そして一つだけ壊されていないけれど、手入れも行き届いてない民家がありました。
「この民家でしたよね」
何故か他の建物とちがい、一切壊されている様子のない民家。老朽化が進みボロさは感じますが、窓一つ割れていませんね。
「……私と二人だが、この建物の中が安全とは限らねえ。どうする?」
「……エレナ。あなたは今私のメイドではないのですよね?」
「ああ」
「でしたらお好きにどうぞ。私は向かいます。アルデマグラ公国の女は貴族平民問わず、友を助けるのが当たり前なのですから」
「おいおい、それは私に来いって言っているよな?」
「あら、気付きました?」
「言っておくが、私はルーツィア・ダンマークなんて友と思っていないし、ルクレシアに何かあれば躊躇しないぞ? それが友を助けるアルデマグラ公国の女なんだろ?」
そして私たちは二人で扉を開きましたわ。扉の向こうには少しボロボロの部屋の中に、不自然に綺麗なテーブルとソファが置かれていました。そしてそのソファにはルーツィアが座っています。
「逃げ出さなかったのですね」
「逃げませんよ。自宅よりも大切な場所ですから。……ここ、ベッケンシュタイン領でしたが、ダンマーク領にあるダンマーク家の屋敷からとっても行き来しやすい場所でしたの」
「続けて」
「ここに住んでいた少年は綺麗な銀髪の少年でした。私は幼い頃、貴族とかそういうしがらみをよく理解していなかったころ。彼のことが大好きだったのです」
つまりここは、昔ルーツィアが愛した方の民家ということなのですね。
「ある日、彼は他の村人の家から食料を盗んだと疑われました。疑われた理由は、村人の目撃情報と少年の証言がかみ合わなかったからです。それから彼は他の村人からも迫害されるようになり、この家のこの場所で、自害されましたわ。私は大泣きしました。村人たちが許せなかったですが、非力な私にはどうすることもできず、受け止められない事実で心が壊されていたのです。そんなある日でした。私の目の前に金の髪の少女と銀の髪の少年が現れたのです。ルクレシア様と王子殿下ですわ。王子殿下は彼とそっくりでした。私が王子殿下をお慕いするようになるのにそう時間はいりませんでした。ですが、その頃から王子殿下はルクレシア様をお慕いしていたのです。私から見た二人はとても幸せそうで、私はお二人の幸せの為に生きようと考えました。あなた方は私にとって最高の芸術だったのです。彼のことで廃れた気持ちが徐々に回復したある日、年を重ねこの村に訪れた時です。村人たちは広場で彼を笑い話にして子供たちに悪いことをするとあの少年のようになるぞ! というお話をしているところを目撃してしまいましたわ。その時でした。この村は美しくない! だからすべてなくしてしまおう。そう考えたのです」
少年の住んでいた家。ルーツィアにとってこの家は思い出のある場所だったのでしょう。だからこの村で唯一壊されなかった民家なのですね。
それから彼女の話すことは私たちの知っていた通りでした。偶然出会ったごろつきたちを集め、男爵家の名のもとに可能な限りではあるものの、ごろつきを束ね村民たちを襲ったのでしょう。
そしてジェスカたちと出会い、ジェスカたちをダンマーク男爵領に匿うことを条件に、奴隷商から稼いだお金などを横流しして資金を集めていたそうです。その資金でさらに兵力を蓄えた結果、今に至る。そしてあとはさきほど暴露された通り、私を殺そうとしたそうでしたわ。
「随分正直にお話しますのね」
「ここが見つかった時点で、私は逃げ出すという選択肢が選べなかったのです。彼と……パウルスと遊びつくしたこの民家のあるこの廃村を……私は離れることができないのです。だからここですべて終わらせます」
ルーツィアはプルプルと震えながらナイフを両手で握ります。決して強くないであろうひ弱な腕に、何か揺らいでいるであろう瞳。
「お止めなさい。あなたは弱い」
「逃げ道がないことをお察しください。あなたを殺す。決定事項です!」
私はすっと彼女に歩み寄りましたわ。一度お隣にいたエレナが私を止めようとしましたが、一言、いや今は友だったなと仰いまして、隣りに並んでくれましたわ。歩み寄るのは、決して彼女に殺されるためではありません。私が彼女の瞳を真っすぐ見つめていると、彼女は握っていたナイフを床に落としてしまいました。
「お美しい……」
「そうよ。だって今私大切な友達を救いたいって気持ちでいっぱいですもの。美しいものを壊すのがお嫌なのでしょう? ならば私を殺してはいけません。このルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインは例え老いても美しい!」
「そう、ですね。ルクレシア様はきっと最後の瞬間までお美しいと思います。ですが、捕まれば私は間違いなく処刑されるでしょう。もうあなた様のお友達でいられないのです。ですからどうかお願いします。パウルスが生きていたことを、せめて……あなたが覚えていてください」
「……甘いですわ」
「そうですよね。ごめんなさいルクレシア様」
公爵令嬢《わたくし》は彼女の頬を思いっきりビンタしましたわ。渾身の一撃です。ペチという音が、静かな部屋にかすかに響きました。
「お優しいのですね。この程度ですか?」
「…………そ、そうね。あなたにはこの程度で充分です。あなたが狂ってしまったのはパウルスとグレイ様が似ていて、グレイ様が愛し合えない相手を愛し続けるのが、気に入らなかったのですね。だからですよね」
「はい」
「グレイ様は誰かと愛し合ってほしかった。そのグレイ様の愛の矛先が、ご自分を愛して頂ければ、グレイ様が誰かと愛し合うことができる。と考えたのですね。ご自分でしたら決して裏切らないから。それがグレイ様と愛し合えると感じた一筋の光。それはグレイ様に選ばれるという甘い考えではなく……グレイ様を愛した相手がグレイ様を愛する気がない相手だったら際限なく殺すつもりだったのでしょう? その過程で最終的に自分のところにくるかもしれない。全く、何人殺すつもりなのよ」
“全力”で叩いたせいか、未だに手がジンジンします。その後、彼女を捉え、敵兵たちに剣を収めて頂くことに時間はかかりませんでしたわ。
ルーツィアの腕をエレナに縛って頂きましたわ。
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