47 / 102
第3章 ポンコツしかできないこと
3話 あのマゾヒストな令嬢が訓練を積んだそうですよ?
しおりを挟む
どうしてこのような状況になってしまったのでしょうか。王都に帰って早一日。グレイ様の生誕祭まで残すところ149日となりましたわ。
夏真っ盛りの今日この頃。王都ではもうすぐ建国記念日のパレードが行われる頃になりましたわ。ですが…………
私がベッドから足をおろすと、カーペットのように敷かれているエミリアさんがいらっしゃいましたわ。ここは私の私室なのですが。
「エレナ?」
私がベルを鳴らしますと、すっと現れるエレナ。本当に優秀なメイドですこと。ですが、不法侵入者は許しません。
「新しいカーペットなのですが、さっそく取り換えて頂けますか?」
「廃棄ですか! ありがとうございます!」
「…………?」
下から声が聞こえましたね? どなたか一階の方で奇声でもあげていらっしゃるのでしょうか?
「こちらを廃棄するのはお嬢様自らでないといけないのですが」
「んー?」
私自ら廃棄などなるべく避けたいのですが、何故この下品なカーペットに褒美を与える必要があるのかしら? そもそも、彼女はどのようにこの部屋に入られたのかを聞いておくべきだったわね。
「エミリアさん。あとで散歩して差しあげますから。そこで大人しく服従なさい」
「お散歩? お姉様と……お散歩ですか? 私は四つん這いで?」
「それは……その……いつかまたして差し上げますから今回は擬態してくださいませ」
四つん這いで散歩を要求されたのは初めてですが、その彼女はまた何か危ない扉を……いえ、その前にベッドの横に敷かれていたことが一番ゾッとしたことですわ。
「それで? どのように不法侵入されたのかしら?」
「お姉様は戸締りをちゃんと致しませんので、窓から入らせて頂きましたわ」
さり気無く私のミスでしたのね。まあ、良いわ。
「二階なのですが?」
「私今まではお姉様を困らせるために失態ばかりこなしていましたが、あれらは全てわざとなのですよ! 本当は私なんでもできるくらい器用なのです! 一応、筋力的にできないことは不可能ですが。投げ縄くらいでしたら」
私この変態よりできることが少ないとでもいうのですか? 本当は私と五分五分くらいですよね? 投げ縄……挑戦してみようかしら? 彼女にできるなら私にもできるはず。
「どちらにせよ、くせ者が侵入できるくらい護衛に失敗されていますがどういうことなのでしょうか? エレナ、女装癖護衛隊長をお呼びになって」
ヨハンネス、エミリアさんだからスルーして通しましたわね。マルッティやマリア、ジェスカでしたら彼女が不法侵入を始めたら必ず引き留めるはずですわ。
しばらくして、なぜか既に女装をしているヨハンネスが現れましたわ。
「何故ラウラなのかしら?」
「えっと……今日はお嬢様をお誘いして丘の上の花畑にでもと…………」
それ、女装する理由ではないのですよ? 全く、かっこいいかと思った矢先にすぐ女装で現れるのよね。そんなにお好きなら死に装束にして差し上げましょうか?
ヨハンネスは、自ら着ているメイド服のフリルを愛おしそうに撫でながらかすかにはにかみます。男とはっきりわかった後だと気色悪すぎますわ。
「とにかく、お誘いはお受けしますが、それよりもこの賊を通したのはあなたかしら?」
「ディートリヒ嬢ですか? いえ、私ではありませんよ?」
つまり、我が家に侵入できるだけの実力をお持ちだというのですか? それとも、我が家の警備緩すぎ? ことの詳細をはっきりさせるためにマルッティとマリアの二人に彼女を尋問して頂くことになりましたわ。ごめんなさいねお二人とも。
用意された朝食を頂いていますと、起きたばかりの様子のジェスカが入室してきましたわ。大きなあくびをされ、寝癖の目立つ髪。身だしなみくらい整えて頂きたいですわ。
「エレナ、ゴー!」
「仰せのままに」
エレナがとびかかりものの数分でジェスカの髪が綺麗に整いましたわ。
「お? おお、あんがとよメイドちゃん」
ジェスカは二カっと笑いながらエレナの頭を撫でようとしますが、エレナはすすすっとスライドするように後退し、それを躱しましたわ。
「あらら? 嫌われちゃった?」
「ジェスカは女性の頭を軽々しく触りすぎなのです。いえ、頭以外は問題ない訳ではないのですが」
「あー、西側の国ってなんか厳粛って感じだよな」
異文化交流なら他所でやって頂きたいですわ。仮にもここは公爵家の屋敷内。例え東の人間でもそこのところは守っていただきましょう。
暫くしてエミリアさんがこちらに戻されましたわ。いえ、追い出して頂きたいのですが?
マリアからの報告を聞けばどうも我が家の庭の木々の枝を飛び越えながら誰の視界にも入らない様に私の部屋のベランダまで訪れたそうですわ。ちょっとその話嘘つかれたのではなくて?
半信半疑などではなく、根底から否定を入れたくなるお話ですが、一応彼女に実演して頂いたところ、ほぼ音もなくそれをこなしてしまいました。
「密偵なの貴方?」
「こんなの序の口ですよ。お姉様に蔑まれるために日夜努力をした様々な技術! そう! 今私はドン引きの的!」
「おかしいですわね。認識が一致しましたわ。それが喜ばれることではないことは確かなはずなのですが…………?」
私にドン引きされるのが目的なのでしたら、それはもう十分に達成できてましてよ? そもそもその音もなく木々の枝上を移動する技術は私にどのように蔑んでもらうつもりで習得したのかしら? もしかして、今朝の為だけに習得されましたの?
「はぁ…………こちらの負けです。次回からはエミリアさん級の密偵が来ても大丈夫なように警備してください」
「え?」
何ですか? 皆さんその無理ですよ? みたいな表情。変態小娘が力をつけ始めたのですよ? どう考えても身の危険です。彼女曰く、私がいない間にベッケンシュタイン家にいつでも侵入できるようにと体を鍛え始めたそうです。普通の発想ではありませんね。普通の発想の方ではありませんでしたね。
「エミリアさん、何も忍び込まなくても、正面玄関からいらしてください」
「え? ですが、私はお姉様に嫌われているのでは?」
「そうね、貴方はとっても気色悪い変わり者よ? ですが、あなたは私利私欲で私の自由を奪おうとする方ではありませんもの。いい?」
「うーん、蔑みが足りませんね。これではお姉様とは呼べません」
「何が不満だといいますか!!」
「そ! れ! で! す! わ!」
エミリアさんは目を輝かせながら、私にすがり寄ってきましたわ。ええ、そうでしたわね。あなたは称賛よりも軽薄が欲しい令嬢でしたわね。
「では、エミリアさん? 私の元に伺いたいのでしたら、人目に付く道のりで四つん這いになっておいでなさい? そしたら服従の姿勢をすることを許して差し上げますわ」
「ありがとうございます! 毎朝伺います!」
毎朝《それ》は嫌ですわ。ですが彼女はまだ友好的な部類で助かっています。今までおかしくなった方々は一々不穏な方々ばかりでしたからね。イサアークやルーツィアは一体なぜあの様になられてしまったのでしょうか。
「そういえば…………」
突然帰国を宣言した彼女は…………いえ、深く考えないことにしましょう。
「ヨハンネス! …………いえ、ラウラでしたね。丘の上でしたよね? 行ってあげても宜しくてよ」
「本当ですかお嬢様! 誠心誠意エスコートさせて頂きます」
エスコートする気はあるのですね。メイド服に袖を通していますが、見間違いなのでしょうか?
エミリアさんには適当にほっぺを引っ張って差し上げましたらうへへと笑いながら満足されて帰宅されましたわ。そのまま一生分満足して頂けたら良いのですが。
「しかしあの変わった嬢ちゃん。夜目が利く俺ですら見落としちまったんだよな。いっそ雇ったらどうだ?」
「報酬は何とかなりそうですね。ブツとか」
ジェスカとマリアが冗談でもよしてほしいことを仰っていますが、…………いえ、もしかして使えるのかしら?
夏真っ盛りの今日この頃。王都ではもうすぐ建国記念日のパレードが行われる頃になりましたわ。ですが…………
私がベッドから足をおろすと、カーペットのように敷かれているエミリアさんがいらっしゃいましたわ。ここは私の私室なのですが。
「エレナ?」
私がベルを鳴らしますと、すっと現れるエレナ。本当に優秀なメイドですこと。ですが、不法侵入者は許しません。
「新しいカーペットなのですが、さっそく取り換えて頂けますか?」
「廃棄ですか! ありがとうございます!」
「…………?」
下から声が聞こえましたね? どなたか一階の方で奇声でもあげていらっしゃるのでしょうか?
「こちらを廃棄するのはお嬢様自らでないといけないのですが」
「んー?」
私自ら廃棄などなるべく避けたいのですが、何故この下品なカーペットに褒美を与える必要があるのかしら? そもそも、彼女はどのようにこの部屋に入られたのかを聞いておくべきだったわね。
「エミリアさん。あとで散歩して差しあげますから。そこで大人しく服従なさい」
「お散歩? お姉様と……お散歩ですか? 私は四つん這いで?」
「それは……その……いつかまたして差し上げますから今回は擬態してくださいませ」
四つん這いで散歩を要求されたのは初めてですが、その彼女はまた何か危ない扉を……いえ、その前にベッドの横に敷かれていたことが一番ゾッとしたことですわ。
「それで? どのように不法侵入されたのかしら?」
「お姉様は戸締りをちゃんと致しませんので、窓から入らせて頂きましたわ」
さり気無く私のミスでしたのね。まあ、良いわ。
「二階なのですが?」
「私今まではお姉様を困らせるために失態ばかりこなしていましたが、あれらは全てわざとなのですよ! 本当は私なんでもできるくらい器用なのです! 一応、筋力的にできないことは不可能ですが。投げ縄くらいでしたら」
私この変態よりできることが少ないとでもいうのですか? 本当は私と五分五分くらいですよね? 投げ縄……挑戦してみようかしら? 彼女にできるなら私にもできるはず。
「どちらにせよ、くせ者が侵入できるくらい護衛に失敗されていますがどういうことなのでしょうか? エレナ、女装癖護衛隊長をお呼びになって」
ヨハンネス、エミリアさんだからスルーして通しましたわね。マルッティやマリア、ジェスカでしたら彼女が不法侵入を始めたら必ず引き留めるはずですわ。
しばらくして、なぜか既に女装をしているヨハンネスが現れましたわ。
「何故ラウラなのかしら?」
「えっと……今日はお嬢様をお誘いして丘の上の花畑にでもと…………」
それ、女装する理由ではないのですよ? 全く、かっこいいかと思った矢先にすぐ女装で現れるのよね。そんなにお好きなら死に装束にして差し上げましょうか?
ヨハンネスは、自ら着ているメイド服のフリルを愛おしそうに撫でながらかすかにはにかみます。男とはっきりわかった後だと気色悪すぎますわ。
「とにかく、お誘いはお受けしますが、それよりもこの賊を通したのはあなたかしら?」
「ディートリヒ嬢ですか? いえ、私ではありませんよ?」
つまり、我が家に侵入できるだけの実力をお持ちだというのですか? それとも、我が家の警備緩すぎ? ことの詳細をはっきりさせるためにマルッティとマリアの二人に彼女を尋問して頂くことになりましたわ。ごめんなさいねお二人とも。
用意された朝食を頂いていますと、起きたばかりの様子のジェスカが入室してきましたわ。大きなあくびをされ、寝癖の目立つ髪。身だしなみくらい整えて頂きたいですわ。
「エレナ、ゴー!」
「仰せのままに」
エレナがとびかかりものの数分でジェスカの髪が綺麗に整いましたわ。
「お? おお、あんがとよメイドちゃん」
ジェスカは二カっと笑いながらエレナの頭を撫でようとしますが、エレナはすすすっとスライドするように後退し、それを躱しましたわ。
「あらら? 嫌われちゃった?」
「ジェスカは女性の頭を軽々しく触りすぎなのです。いえ、頭以外は問題ない訳ではないのですが」
「あー、西側の国ってなんか厳粛って感じだよな」
異文化交流なら他所でやって頂きたいですわ。仮にもここは公爵家の屋敷内。例え東の人間でもそこのところは守っていただきましょう。
暫くしてエミリアさんがこちらに戻されましたわ。いえ、追い出して頂きたいのですが?
マリアからの報告を聞けばどうも我が家の庭の木々の枝を飛び越えながら誰の視界にも入らない様に私の部屋のベランダまで訪れたそうですわ。ちょっとその話嘘つかれたのではなくて?
半信半疑などではなく、根底から否定を入れたくなるお話ですが、一応彼女に実演して頂いたところ、ほぼ音もなくそれをこなしてしまいました。
「密偵なの貴方?」
「こんなの序の口ですよ。お姉様に蔑まれるために日夜努力をした様々な技術! そう! 今私はドン引きの的!」
「おかしいですわね。認識が一致しましたわ。それが喜ばれることではないことは確かなはずなのですが…………?」
私にドン引きされるのが目的なのでしたら、それはもう十分に達成できてましてよ? そもそもその音もなく木々の枝上を移動する技術は私にどのように蔑んでもらうつもりで習得したのかしら? もしかして、今朝の為だけに習得されましたの?
「はぁ…………こちらの負けです。次回からはエミリアさん級の密偵が来ても大丈夫なように警備してください」
「え?」
何ですか? 皆さんその無理ですよ? みたいな表情。変態小娘が力をつけ始めたのですよ? どう考えても身の危険です。彼女曰く、私がいない間にベッケンシュタイン家にいつでも侵入できるようにと体を鍛え始めたそうです。普通の発想ではありませんね。普通の発想の方ではありませんでしたね。
「エミリアさん、何も忍び込まなくても、正面玄関からいらしてください」
「え? ですが、私はお姉様に嫌われているのでは?」
「そうね、貴方はとっても気色悪い変わり者よ? ですが、あなたは私利私欲で私の自由を奪おうとする方ではありませんもの。いい?」
「うーん、蔑みが足りませんね。これではお姉様とは呼べません」
「何が不満だといいますか!!」
「そ! れ! で! す! わ!」
エミリアさんは目を輝かせながら、私にすがり寄ってきましたわ。ええ、そうでしたわね。あなたは称賛よりも軽薄が欲しい令嬢でしたわね。
「では、エミリアさん? 私の元に伺いたいのでしたら、人目に付く道のりで四つん這いになっておいでなさい? そしたら服従の姿勢をすることを許して差し上げますわ」
「ありがとうございます! 毎朝伺います!」
毎朝《それ》は嫌ですわ。ですが彼女はまだ友好的な部類で助かっています。今までおかしくなった方々は一々不穏な方々ばかりでしたからね。イサアークやルーツィアは一体なぜあの様になられてしまったのでしょうか。
「そういえば…………」
突然帰国を宣言した彼女は…………いえ、深く考えないことにしましょう。
「ヨハンネス! …………いえ、ラウラでしたね。丘の上でしたよね? 行ってあげても宜しくてよ」
「本当ですかお嬢様! 誠心誠意エスコートさせて頂きます」
エスコートする気はあるのですね。メイド服に袖を通していますが、見間違いなのでしょうか?
エミリアさんには適当にほっぺを引っ張って差し上げましたらうへへと笑いながら満足されて帰宅されましたわ。そのまま一生分満足して頂けたら良いのですが。
「しかしあの変わった嬢ちゃん。夜目が利く俺ですら見落としちまったんだよな。いっそ雇ったらどうだ?」
「報酬は何とかなりそうですね。ブツとか」
ジェスカとマリアが冗談でもよしてほしいことを仰っていますが、…………いえ、もしかして使えるのかしら?
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる