89 / 102
終章 有史以前から人々が紡いできたこと
10話 オルガハウス
しおりを挟む
船の上で流れが弱まるのを待っていた私達は、疲れ果てお互い眠ってしまっていたようです。
日はまだ沈んでいない様子。とにかく陸地を探しましょう。
「もしかしてあれは島じゃないかな?」
「島!? いえ、船の上よりは幾分かマシよね」
何やら小さな島。人がいることは期待できなさそうなそこに、何があるのでしょうか。
手漕ぎで何とかその島にたどり着いたのは、そもそもの潮の流れがその島に行きつくようになっていたようにさえ感じました。
「あれは人工物のようだけど」
グレイ様が指さしたその先には、オルガハウスと書かれた立札つきの小さな小屋がありました。
ん?
そういえば以前お義姉様が仰っていたような。確か……
『僕は昔北方の蛮族から逃げた時にね。無人島にたどり着いてそこで大量の保存食を作って自分専用の小屋を建てたのさ!』
これのことですよね。
オルガハウスと書かれた小屋の扉を開けようと思いましたが、鍵まで自作されています。
私は何の迷いもなくミセリコルデでそれを破壊しました。
「こんな場所に防犯なんて不要ですわ」
「まあ、そうかもしれないけど」
小屋の中には大きめのハンモックと小さめのテーブルがあるだけ。保管されていたであろう保存食はさすがに食べようとは思えませんでした。
「とりあえずあれ捨てといてください」
「令嬢に命令される王子。まあ、その後君が僕の為に何かしてくれるならいいけど」
「やっぱり私がやりましょう」
グレイ様にお任せするほどのことでもありません。
一応腐っている感じもなく、匂いもきつくないのでさっと捨てることができました。
海に捨てに行っている間にグレイ様は森のどこかに進んでしまいましたので、私は重りになる鎧を脱いでハンモックの上に寝転がりました。
そのまま眠りについてしばらく。ハンモックが揺らされています。
「起きないと全部脱がすよ?」
ガバっと飛び起きたらそこにはグレイ様がいらっしゃいました。
「え? いつの間に鎧が!?」
「それは僕じゃないね」
「あら? あ、そうでした自分で脱ぎました」
ハンモックからおろして頂き、テーブルの上に置かれた木の実や果物。
この時期でも果物ってあるのですね。
「栽培したものじゃなくて自然のものだから味は期待しちゃだめだよ」
「そうなのですか?」
言われてみれば色もなんか食事で出されるようなものと違いますね。後小さい。
ナイフで切って頂いたそれを口に含みますと、みずみずしくもなく甘くも酸っぱくもなく渋い。
次の果物は苦い。これは厳しいですね。
「明日はどうするんだい?」
「そうね、食料を集めつつ大陸を目指しましょう。いつまでも公爵令嬢と王子が行方不明という訳には行きませんわ」
「それもそうだね。でもルーは何をしてくれるんだい?」
「…………すみません、お助け下さい」
さすがに一切手伝うつもりがない訳ではありませんが、その私が手伝って食べ物を台無しにする方が問題ですよね。
私は集まった食料の管理だけさせて頂くことになりました。
食料確保と簡単な調理。火の管理をすべてグレイ様にお願いしているのは申し訳ありませんし、せいぜい運び出すのを手伝うくらいはしましょうか。
そして一晩過ごすとことになるのですが別の問題が発生しました。
ハンモックが一つしかありません。
「一緒に寝よう」
「嫌です」
「じゃあルーがハンモックに乗って」
「では」
私がハンモックに乗りますと、当然のようにグレイ様も乗ってきました。とりあえず二人分の重さには耐えられるようです。さすがお義姉様製。
「ってちがーう! 何平然と一緒に寝ようとしているのですか?」
「焦った顔、動揺した顔。全部近くで見せてよ。そして幸せな顔も、できればして欲しいな」
「難しいご注文」
グレイ様が隣りで眠られるのよね。幼い頃に経験がないわけではありませんが、はっきり言ってあり得ない状態。
心臓が急加速し、顔が真っ赤になるのがわかった私は、迷わず顔の向きをグレイ様の方から逸らそうとしましたが、グレイ様は私の両頬をしっかりと抑え込みました。
「こっちを見ていて欲しい」
「私の表情を楽しみたいだけですよね」
「それもあるけど、僕を見ていて欲しい」
「安っぽい言葉」
「ダメか」
いいえ、決してダメという訳ではないんですけど。むしろ美しい顔をみたいなど、安易な誉め言葉よりも自らの欲望に直球なお言葉の方が、愛されているような気がします。
だからつい、もっと言ってほしくて、ダメ出ししたくなるのです。
「じゃあ、もう言わない」
「え!? あ、そうですか」
私が驚いてはいけません。きっとそういう反応すら楽しまれているのです。
「ほら、拗ねちゃった。言って欲しいならそう言わなきゃだめだよ」
「拗ねてなんて」
これはそういう感情なのでしょうか。表情に出さないことができない。本当にグレイ様は昔からずるい方です。
私が喜ぶことも、怒ることも、拗ねてしまうことも全部知っているのですね。
「もう離してください。十分でしょう。寝にくいです。顔は……背けませんから」
「合格」
そういってグレイ様は私の頬に口づけをし、そっと手を放してくださいました。
私の顔はどんどん熱くなり、ですが背けないと言った手前顔の向きを変えることもできず、そうこうしているとグレイ様の表情がより一層楽しそうになり、本当にずるい方。
「明日からどんどん働いてもらいますからね」
「君とこうして過ごせるならいくらでも」
「ああ、もう! おやすみなさい!」
「おやすみ」
そういったグレイ様は私のことを思いっきり抱きしめて眠りにつきました。
なんてことをなさるのですか!?
グレイ様の行動のせいで私は心臓の鼓動が高まり、バクンバクンとするそれを抑えるのに必死になり、中々眠りにつけませんでした。
ずるい人なので制裁が必要だと思います。そう思いませんか?
私はそっとグレイ様の頬に悪戯をし、眠りについてやりました。
翌朝。何かが思いっきり私を抱締めています。
「何をなさっているのですかグレイ様」
「この生活も悪くないね。でも、君に苦労は掛けられないね」
「質問の回答になっていません」
「気にする必要はないよ。だから明日もよろしく」
「嫌です」
「おはよう」
そういった彼は、また私の頬にキスをし、そのままハンモックからおりました。私も彼に抱っこしてもらいおります。
「それじゃとりあえずまた果物を取りに行こうと思うけど君はどうする?」
「暇ですので安全な範囲で付いていきます」
「そっかー僕から離れたくないんだね」
「あまり変なことを言いますと、寝ているあなたにかみつきますよ」
怖い怖いと呟いたグレイ様は、容器になりそうなかごを持って森に入っていきました。
そのかごはやはりお義姉様お手製なのでしょうか。昨日作った感じではなさそうですね。
「鎧を着たいので手伝って頂けますか?」
「重くないかい?」
「見た目と違い結構軽いんですよ。ですがそれでも動きにくくて、それでも慣れておこうと思いまして」
「そう」
グレイ様に手伝って頂き鎧を着用。
途中明らかに不要ないたずらを仕掛けられそうになりましたが、あとでお相手しますと一言添えましたら真面目にやってくださりました。
後でお相手したくないので、忘れていてくださることを願いましょう。無理でしょうけど。
「しかし君がそんな恰好をすることになるなんてね。成長したんだか、ワガママが強くなっただけなんだか」
「いいじゃない。私のワガママな悪評を広めた張本人でしょ?」
そういいますと、グレイ様は笑いながら、こうなるなんて想像しないよって言われてしまいました。
ええ、私も想像したことすらありませんでしたよ。
鎧に包まれ、父の剣を持ち歩く。このようなことで、こんなに高揚するだなんて少し前の自分では考えられませんね。
その後、果物の採取をしたり、本の知識で得た食べられる野草集めが始まりました。私案外公爵令嬢やめても生活できるのではなくて?
本日の分と保存用の食糧を集め、これで問題なし。船のオールになりそうな太めの流木もゲット。
その晩もグレイ様に悪戯され、私がこっそり悪戯を仕返しての夜を過ごし、朝を迎えました。
それから数日、ついに目標数の量の食料の確保に成功。保存できるように乾燥もさせています。
飲み水もある程度集められました。本の知識だけでなんとかなるか不安でしたが、グレイ様もある程度の知識と騎士団と一緒に演習を受けていらっしゃったそうで何とかなりましたわ。
「では戻りましょうか」
「方角は大丈夫?」
「太陽があちらから登りますので、大陸は太陽が昇る方に違いありませんわ。まあ、万が一間違えても海の端まで行けば逆だとわかりますわ!」
「端がすぐそばにあればね」
さあ、帰りましょう。アルデマグラ公国。
日はまだ沈んでいない様子。とにかく陸地を探しましょう。
「もしかしてあれは島じゃないかな?」
「島!? いえ、船の上よりは幾分かマシよね」
何やら小さな島。人がいることは期待できなさそうなそこに、何があるのでしょうか。
手漕ぎで何とかその島にたどり着いたのは、そもそもの潮の流れがその島に行きつくようになっていたようにさえ感じました。
「あれは人工物のようだけど」
グレイ様が指さしたその先には、オルガハウスと書かれた立札つきの小さな小屋がありました。
ん?
そういえば以前お義姉様が仰っていたような。確か……
『僕は昔北方の蛮族から逃げた時にね。無人島にたどり着いてそこで大量の保存食を作って自分専用の小屋を建てたのさ!』
これのことですよね。
オルガハウスと書かれた小屋の扉を開けようと思いましたが、鍵まで自作されています。
私は何の迷いもなくミセリコルデでそれを破壊しました。
「こんな場所に防犯なんて不要ですわ」
「まあ、そうかもしれないけど」
小屋の中には大きめのハンモックと小さめのテーブルがあるだけ。保管されていたであろう保存食はさすがに食べようとは思えませんでした。
「とりあえずあれ捨てといてください」
「令嬢に命令される王子。まあ、その後君が僕の為に何かしてくれるならいいけど」
「やっぱり私がやりましょう」
グレイ様にお任せするほどのことでもありません。
一応腐っている感じもなく、匂いもきつくないのでさっと捨てることができました。
海に捨てに行っている間にグレイ様は森のどこかに進んでしまいましたので、私は重りになる鎧を脱いでハンモックの上に寝転がりました。
そのまま眠りについてしばらく。ハンモックが揺らされています。
「起きないと全部脱がすよ?」
ガバっと飛び起きたらそこにはグレイ様がいらっしゃいました。
「え? いつの間に鎧が!?」
「それは僕じゃないね」
「あら? あ、そうでした自分で脱ぎました」
ハンモックからおろして頂き、テーブルの上に置かれた木の実や果物。
この時期でも果物ってあるのですね。
「栽培したものじゃなくて自然のものだから味は期待しちゃだめだよ」
「そうなのですか?」
言われてみれば色もなんか食事で出されるようなものと違いますね。後小さい。
ナイフで切って頂いたそれを口に含みますと、みずみずしくもなく甘くも酸っぱくもなく渋い。
次の果物は苦い。これは厳しいですね。
「明日はどうするんだい?」
「そうね、食料を集めつつ大陸を目指しましょう。いつまでも公爵令嬢と王子が行方不明という訳には行きませんわ」
「それもそうだね。でもルーは何をしてくれるんだい?」
「…………すみません、お助け下さい」
さすがに一切手伝うつもりがない訳ではありませんが、その私が手伝って食べ物を台無しにする方が問題ですよね。
私は集まった食料の管理だけさせて頂くことになりました。
食料確保と簡単な調理。火の管理をすべてグレイ様にお願いしているのは申し訳ありませんし、せいぜい運び出すのを手伝うくらいはしましょうか。
そして一晩過ごすとことになるのですが別の問題が発生しました。
ハンモックが一つしかありません。
「一緒に寝よう」
「嫌です」
「じゃあルーがハンモックに乗って」
「では」
私がハンモックに乗りますと、当然のようにグレイ様も乗ってきました。とりあえず二人分の重さには耐えられるようです。さすがお義姉様製。
「ってちがーう! 何平然と一緒に寝ようとしているのですか?」
「焦った顔、動揺した顔。全部近くで見せてよ。そして幸せな顔も、できればして欲しいな」
「難しいご注文」
グレイ様が隣りで眠られるのよね。幼い頃に経験がないわけではありませんが、はっきり言ってあり得ない状態。
心臓が急加速し、顔が真っ赤になるのがわかった私は、迷わず顔の向きをグレイ様の方から逸らそうとしましたが、グレイ様は私の両頬をしっかりと抑え込みました。
「こっちを見ていて欲しい」
「私の表情を楽しみたいだけですよね」
「それもあるけど、僕を見ていて欲しい」
「安っぽい言葉」
「ダメか」
いいえ、決してダメという訳ではないんですけど。むしろ美しい顔をみたいなど、安易な誉め言葉よりも自らの欲望に直球なお言葉の方が、愛されているような気がします。
だからつい、もっと言ってほしくて、ダメ出ししたくなるのです。
「じゃあ、もう言わない」
「え!? あ、そうですか」
私が驚いてはいけません。きっとそういう反応すら楽しまれているのです。
「ほら、拗ねちゃった。言って欲しいならそう言わなきゃだめだよ」
「拗ねてなんて」
これはそういう感情なのでしょうか。表情に出さないことができない。本当にグレイ様は昔からずるい方です。
私が喜ぶことも、怒ることも、拗ねてしまうことも全部知っているのですね。
「もう離してください。十分でしょう。寝にくいです。顔は……背けませんから」
「合格」
そういってグレイ様は私の頬に口づけをし、そっと手を放してくださいました。
私の顔はどんどん熱くなり、ですが背けないと言った手前顔の向きを変えることもできず、そうこうしているとグレイ様の表情がより一層楽しそうになり、本当にずるい方。
「明日からどんどん働いてもらいますからね」
「君とこうして過ごせるならいくらでも」
「ああ、もう! おやすみなさい!」
「おやすみ」
そういったグレイ様は私のことを思いっきり抱きしめて眠りにつきました。
なんてことをなさるのですか!?
グレイ様の行動のせいで私は心臓の鼓動が高まり、バクンバクンとするそれを抑えるのに必死になり、中々眠りにつけませんでした。
ずるい人なので制裁が必要だと思います。そう思いませんか?
私はそっとグレイ様の頬に悪戯をし、眠りについてやりました。
翌朝。何かが思いっきり私を抱締めています。
「何をなさっているのですかグレイ様」
「この生活も悪くないね。でも、君に苦労は掛けられないね」
「質問の回答になっていません」
「気にする必要はないよ。だから明日もよろしく」
「嫌です」
「おはよう」
そういった彼は、また私の頬にキスをし、そのままハンモックからおりました。私も彼に抱っこしてもらいおります。
「それじゃとりあえずまた果物を取りに行こうと思うけど君はどうする?」
「暇ですので安全な範囲で付いていきます」
「そっかー僕から離れたくないんだね」
「あまり変なことを言いますと、寝ているあなたにかみつきますよ」
怖い怖いと呟いたグレイ様は、容器になりそうなかごを持って森に入っていきました。
そのかごはやはりお義姉様お手製なのでしょうか。昨日作った感じではなさそうですね。
「鎧を着たいので手伝って頂けますか?」
「重くないかい?」
「見た目と違い結構軽いんですよ。ですがそれでも動きにくくて、それでも慣れておこうと思いまして」
「そう」
グレイ様に手伝って頂き鎧を着用。
途中明らかに不要ないたずらを仕掛けられそうになりましたが、あとでお相手しますと一言添えましたら真面目にやってくださりました。
後でお相手したくないので、忘れていてくださることを願いましょう。無理でしょうけど。
「しかし君がそんな恰好をすることになるなんてね。成長したんだか、ワガママが強くなっただけなんだか」
「いいじゃない。私のワガママな悪評を広めた張本人でしょ?」
そういいますと、グレイ様は笑いながら、こうなるなんて想像しないよって言われてしまいました。
ええ、私も想像したことすらありませんでしたよ。
鎧に包まれ、父の剣を持ち歩く。このようなことで、こんなに高揚するだなんて少し前の自分では考えられませんね。
その後、果物の採取をしたり、本の知識で得た食べられる野草集めが始まりました。私案外公爵令嬢やめても生活できるのではなくて?
本日の分と保存用の食糧を集め、これで問題なし。船のオールになりそうな太めの流木もゲット。
その晩もグレイ様に悪戯され、私がこっそり悪戯を仕返しての夜を過ごし、朝を迎えました。
それから数日、ついに目標数の量の食料の確保に成功。保存できるように乾燥もさせています。
飲み水もある程度集められました。本の知識だけでなんとかなるか不安でしたが、グレイ様もある程度の知識と騎士団と一緒に演習を受けていらっしゃったそうで何とかなりましたわ。
「では戻りましょうか」
「方角は大丈夫?」
「太陽があちらから登りますので、大陸は太陽が昇る方に違いありませんわ。まあ、万が一間違えても海の端まで行けば逆だとわかりますわ!」
「端がすぐそばにあればね」
さあ、帰りましょう。アルデマグラ公国。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる