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終章 有史以前から人々が紡いできたこと
11話 帰国
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船を真っすぐ漕ぎ、三日ほどでしょうか。もう何日経ったか覚えていませんが、まだグレイ様の生誕祭まで先のはずです。
食料もつきかけ、限界を迎えそうだった時でした。
漁船が通り過ぎたのです。グレイ様がすかさず大きな声で呼びますと、漁船は私達に気付き乗せて頂きましたわ。
「あれ? ルクレシア様?」
「あら?」
漁船に乗っていたとある女性。名前はわかりませんが何者かは察しがつきます。
黒髪に東方人の肌色。ジェスカの仲間のお一人。物干しざおで矢を落としていた女性です。
私達は彼女に事情を話し、アルデマグラ公国まで戻って頂くことになりました。ベッケンシュタイン領の船に偶然出会えてよかったですわ。
ついでに日付も確認しますと、どうやらグレイ様の生誕祭まで残り二十八日ほどまで迫っていたようです。
そしてたどり着いたベッケンシュタイン領。海に面した大都市サクリア。
「懐かしいですわ」
「久しぶりに来たな。嫁の故郷」
「違うから!」
東方の女性。ハナ・フォンドゥというそうです。ハナちゃんね。
ハナちゃんにお願いしてパウルスにいるであろうジェスカに連絡してもらうことにし、私が無事であることを伝えて頂くことになりました。
そして実家に戻りますと、社交シーズンが過ぎていらっしゃるのでヘロニモやお母様、お兄様にお義姉様もいらっしゃいました。
ヘロニモ……。いいですわ。あなたの断罪は最後です。
「ルクレシアよく無事だった」
「ええ、安心しました」
我が子のように接してくださる両親。もう信用しません。いえ、お母様はまだ信用できますが。あとでお話でも聞かせて頂きましょう。
お義姉様のおなかはすでに膨らんでおり、ベッドから動かないそうです。お兄様はそんなお義姉様の傍にいつもいらっしゃるそうです。
「ただいま僕のルクレシア。捜索隊のみんなにはすぐ連絡が必要だね」
どうやら私とグレイ様の捜索に国中が動いていたどころか、ジバジデオ王国やデークルーガ帝国まで動いてくださったそうです。
「さすが王族の捜索」
「いいや、デークルーガ帝国もジバジデオ王国もなんとしてもルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインを見つけ出せって躍起になっていたよ」
私、いつのまにそんな影響力を得てしまったのでしょうか。
ベッドでお義姉様と談笑。グレイ様はヘロニモの所に向かったそうです。
私とお義姉様とお兄様。三人でいるはずのなのに相変わらず無言の兄。
ミセリコルデをくださった時はあんなにも饒舌でしたので、必要な時は思ったよりも喋れると知って、少しは安心しています。
しばらくしてお兄様の部屋をノックする音。お兄様がどうぞと声をかける前にお義姉様が声を出します。部屋の主変わった。
「おねーしゃま!」
「あら? おいでミシェーラ」
我が妹ミシェーラ。あ、ダメよね。こんな天使を我がなんておこがましい。
大天使ミシェーラの突進を見事受け止めきれずそのまま床に倒れ込みそうになる私。
その動作をいち早く察知していたミシェーラ専属メイドのフリーデリケ・ケストナ。綺麗な靑髪に茶色い三白眼。背は私と同じくらいの女性がとっさにクッションを設置。
私はクッションの上に倒れ込みました。
「ありがとうフリーデリケ」
「ルクレシア様に傷がつくとミシェーラ様も泣いてしまいます」
彼女の行動理念はミシェーラ第一。完璧じゃない!
ミシェーラは私にすりついて離れる気配がありません。今日はもうこのまま一日を過ごしましょう!
と、いう訳には行きませんので一応天使を抱っこしたまま起き上がります。
「とにかく私たちの捜索は打ち切りでヨハンネス達はこちらに戻られると言うことかしら?」
「そうなるね。静かになったと思ったら一気ににぎやかになるね。それが君の魅力なのかい? ルクレシア」
「どうでしょうか。私にはあまりいい魅力に感じませんわ」
ミシェーラが腰に抱き着いている感覚。エミリアさんと違って可愛い。けしてエミリアさんが可愛くない訳じゃないんですけど、そのあちらは私を性的に見ていますので。あとサイズ。
胸のサイズは、4歳のミシェーラとエミリアさんって変わりませんねとか、そういうよこしまな考えはひとまず忘れることにしました。
「とりあえず皆様が集まるまでしばらく実家にいましょうか」
「僕は基本この部屋から動かないから何かあったら来ると良い」
お義姉様がそう言いますと、お兄様も横で頷きます。
ミシェーラは私の胸で深呼吸中。可愛い。フリーデリケも何事もなかったようにクッションを抱えています。
ひとまずグレイ様の様子を見に行くことにし、私はお兄様の部屋を退室。
当然のように私に抱えられたままのミシェーラとそれについていくようにフリーデリケも退室。
グレイ様は応接室でしょうか?
そう思った矢先、何やら私の部屋で物音が聞こえるではありませんか。
私は夏ぶりの自室をそっと覗き込みますと、そこにはグレイ様と大きめのベッドを運ぶ使用人達。
「何をしているのですか?」
「僕は一人用のベッドでもルーのベッドは広いから大丈夫って言ったんだけど、王子も寝るならって」
「ベランダとかはいかがですか?」
「すっごい冷ややかな表情だね。良いじゃないか。毎日一緒に寝ていただろう?」
「あのね、今は別々で問題ないと思いません? 本当に何考えているんですか? いつから私たちはそういう関係になったというのですか? 頭おかしいんじゃないですか? とにかく、あとでお話があります!」
「僕もあるよ」
そういってなぜか私の部屋にグレイ様を残して退室。なんでよ。
私は一度部屋に戻りグレイ様と使用人達を追い出し、ベッドを戻しておくようにと散々お説教してからミシェーラを抱きかかえたまま母の部屋の前にたどり着きました。
さすがにここから先はミシェーラに聞かせる訳には行きませんね。
「ミシェーラ。ちょっとだけお母様とお話してきますので、いい子にしていてくださりますか?」
「わたしもいくー!」
「んー。フリーデリケ?」
「仕方ありません。ミシェーラ様あとでルクレシア様がたくさん遊んでくださるそうですので、疲れないように今のうちに少しだけお休みしましょう」
「はーい」
そういってミシェーラはフリーデリケの方に移ってしまい、私の体には天使の残照ともいえる温もりだけとなってしまいました。
私はお母様の部屋のノックをしますと、中からお母様の声でどうぞと返事が返ってきました。
「来たのですねルクレシア」
「お母様、教えてください。私はあなたの娘ですか?」
「……それは、答えを知った上での質問かしら?」
「ええ」
お母様は窓のカーテンを閉め、部屋にあるテーブルに腰かけ、私に反対側に座るように促しました。
私はその椅子に座り、お母様と正面に向き合いました。
「経緯は聞きません。ですが、全てを話しましょう。ただ一つだけあなたに知って欲しいことがあります」
「それは?」
「ヘロニモのことはわかりませんが、私はあなたを本当に愛しています。幼子であったあなたを大切に育てあげました。ドジや失敗が多いくせに、不思議と自信満々なあなたを幼い頃からここまで育てたのは、間違いなく私とベッケンシュタイン家です」
「そうですか。私も育てられたこの環境を、血縁以上に濃い物だと思っています。お父様のしたことを許すつもりはありませんが、私もここが私の家族だと思っています」
私がそこで泣き始めると、お母様は私をそっと抱きしめてくださいました。本当の母の温もりは知りませんが、私を育てた温もりは確かにここにありました。
何度も誰かの胸を借りて泣いているような気がします。それでも、心が潰れないのは抱きしめてくださる皆様が真剣に私を愛してくださっているからだと感じられました。
「ヘロニモを許せませんか?」
「はい」
「あなたの好きになさい。あなたのこれから歩む道こそ、ヘロニモと私がした教育です。あなたは自慢の娘です。間違うこともあるでしょう。ですが、恐れないでください。娘の失敗を受け入れらない親なんて、親である資格もありません」
私はもう一度だけお母様の胸を借りて大泣きしてしまいました。
食料もつきかけ、限界を迎えそうだった時でした。
漁船が通り過ぎたのです。グレイ様がすかさず大きな声で呼びますと、漁船は私達に気付き乗せて頂きましたわ。
「あれ? ルクレシア様?」
「あら?」
漁船に乗っていたとある女性。名前はわかりませんが何者かは察しがつきます。
黒髪に東方人の肌色。ジェスカの仲間のお一人。物干しざおで矢を落としていた女性です。
私達は彼女に事情を話し、アルデマグラ公国まで戻って頂くことになりました。ベッケンシュタイン領の船に偶然出会えてよかったですわ。
ついでに日付も確認しますと、どうやらグレイ様の生誕祭まで残り二十八日ほどまで迫っていたようです。
そしてたどり着いたベッケンシュタイン領。海に面した大都市サクリア。
「懐かしいですわ」
「久しぶりに来たな。嫁の故郷」
「違うから!」
東方の女性。ハナ・フォンドゥというそうです。ハナちゃんね。
ハナちゃんにお願いしてパウルスにいるであろうジェスカに連絡してもらうことにし、私が無事であることを伝えて頂くことになりました。
そして実家に戻りますと、社交シーズンが過ぎていらっしゃるのでヘロニモやお母様、お兄様にお義姉様もいらっしゃいました。
ヘロニモ……。いいですわ。あなたの断罪は最後です。
「ルクレシアよく無事だった」
「ええ、安心しました」
我が子のように接してくださる両親。もう信用しません。いえ、お母様はまだ信用できますが。あとでお話でも聞かせて頂きましょう。
お義姉様のおなかはすでに膨らんでおり、ベッドから動かないそうです。お兄様はそんなお義姉様の傍にいつもいらっしゃるそうです。
「ただいま僕のルクレシア。捜索隊のみんなにはすぐ連絡が必要だね」
どうやら私とグレイ様の捜索に国中が動いていたどころか、ジバジデオ王国やデークルーガ帝国まで動いてくださったそうです。
「さすが王族の捜索」
「いいや、デークルーガ帝国もジバジデオ王国もなんとしてもルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインを見つけ出せって躍起になっていたよ」
私、いつのまにそんな影響力を得てしまったのでしょうか。
ベッドでお義姉様と談笑。グレイ様はヘロニモの所に向かったそうです。
私とお義姉様とお兄様。三人でいるはずのなのに相変わらず無言の兄。
ミセリコルデをくださった時はあんなにも饒舌でしたので、必要な時は思ったよりも喋れると知って、少しは安心しています。
しばらくしてお兄様の部屋をノックする音。お兄様がどうぞと声をかける前にお義姉様が声を出します。部屋の主変わった。
「おねーしゃま!」
「あら? おいでミシェーラ」
我が妹ミシェーラ。あ、ダメよね。こんな天使を我がなんておこがましい。
大天使ミシェーラの突進を見事受け止めきれずそのまま床に倒れ込みそうになる私。
その動作をいち早く察知していたミシェーラ専属メイドのフリーデリケ・ケストナ。綺麗な靑髪に茶色い三白眼。背は私と同じくらいの女性がとっさにクッションを設置。
私はクッションの上に倒れ込みました。
「ありがとうフリーデリケ」
「ルクレシア様に傷がつくとミシェーラ様も泣いてしまいます」
彼女の行動理念はミシェーラ第一。完璧じゃない!
ミシェーラは私にすりついて離れる気配がありません。今日はもうこのまま一日を過ごしましょう!
と、いう訳には行きませんので一応天使を抱っこしたまま起き上がります。
「とにかく私たちの捜索は打ち切りでヨハンネス達はこちらに戻られると言うことかしら?」
「そうなるね。静かになったと思ったら一気ににぎやかになるね。それが君の魅力なのかい? ルクレシア」
「どうでしょうか。私にはあまりいい魅力に感じませんわ」
ミシェーラが腰に抱き着いている感覚。エミリアさんと違って可愛い。けしてエミリアさんが可愛くない訳じゃないんですけど、そのあちらは私を性的に見ていますので。あとサイズ。
胸のサイズは、4歳のミシェーラとエミリアさんって変わりませんねとか、そういうよこしまな考えはひとまず忘れることにしました。
「とりあえず皆様が集まるまでしばらく実家にいましょうか」
「僕は基本この部屋から動かないから何かあったら来ると良い」
お義姉様がそう言いますと、お兄様も横で頷きます。
ミシェーラは私の胸で深呼吸中。可愛い。フリーデリケも何事もなかったようにクッションを抱えています。
ひとまずグレイ様の様子を見に行くことにし、私はお兄様の部屋を退室。
当然のように私に抱えられたままのミシェーラとそれについていくようにフリーデリケも退室。
グレイ様は応接室でしょうか?
そう思った矢先、何やら私の部屋で物音が聞こえるではありませんか。
私は夏ぶりの自室をそっと覗き込みますと、そこにはグレイ様と大きめのベッドを運ぶ使用人達。
「何をしているのですか?」
「僕は一人用のベッドでもルーのベッドは広いから大丈夫って言ったんだけど、王子も寝るならって」
「ベランダとかはいかがですか?」
「すっごい冷ややかな表情だね。良いじゃないか。毎日一緒に寝ていただろう?」
「あのね、今は別々で問題ないと思いません? 本当に何考えているんですか? いつから私たちはそういう関係になったというのですか? 頭おかしいんじゃないですか? とにかく、あとでお話があります!」
「僕もあるよ」
そういってなぜか私の部屋にグレイ様を残して退室。なんでよ。
私は一度部屋に戻りグレイ様と使用人達を追い出し、ベッドを戻しておくようにと散々お説教してからミシェーラを抱きかかえたまま母の部屋の前にたどり着きました。
さすがにここから先はミシェーラに聞かせる訳には行きませんね。
「ミシェーラ。ちょっとだけお母様とお話してきますので、いい子にしていてくださりますか?」
「わたしもいくー!」
「んー。フリーデリケ?」
「仕方ありません。ミシェーラ様あとでルクレシア様がたくさん遊んでくださるそうですので、疲れないように今のうちに少しだけお休みしましょう」
「はーい」
そういってミシェーラはフリーデリケの方に移ってしまい、私の体には天使の残照ともいえる温もりだけとなってしまいました。
私はお母様の部屋のノックをしますと、中からお母様の声でどうぞと返事が返ってきました。
「来たのですねルクレシア」
「お母様、教えてください。私はあなたの娘ですか?」
「……それは、答えを知った上での質問かしら?」
「ええ」
お母様は窓のカーテンを閉め、部屋にあるテーブルに腰かけ、私に反対側に座るように促しました。
私はその椅子に座り、お母様と正面に向き合いました。
「経緯は聞きません。ですが、全てを話しましょう。ただ一つだけあなたに知って欲しいことがあります」
「それは?」
「ヘロニモのことはわかりませんが、私はあなたを本当に愛しています。幼子であったあなたを大切に育てあげました。ドジや失敗が多いくせに、不思議と自信満々なあなたを幼い頃からここまで育てたのは、間違いなく私とベッケンシュタイン家です」
「そうですか。私も育てられたこの環境を、血縁以上に濃い物だと思っています。お父様のしたことを許すつもりはありませんが、私もここが私の家族だと思っています」
私がそこで泣き始めると、お母様は私をそっと抱きしめてくださいました。本当の母の温もりは知りませんが、私を育てた温もりは確かにここにありました。
何度も誰かの胸を借りて泣いているような気がします。それでも、心が潰れないのは抱きしめてくださる皆様が真剣に私を愛してくださっているからだと感じられました。
「ヘロニモを許せませんか?」
「はい」
「あなたの好きになさい。あなたのこれから歩む道こそ、ヘロニモと私がした教育です。あなたは自慢の娘です。間違うこともあるでしょう。ですが、恐れないでください。娘の失敗を受け入れらない親なんて、親である資格もありません」
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