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第後章 公爵令嬢をやめること
後日譚2話 生誕祭当日
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グレイ様の生誕祭まであと零日。…………それってつまり今日よね。
私はたくさんの侍女たちに髪型のセットやドレスの用意をして頂いています。
当然、仕切っているのは私専属メイドのエレナ。本日付けで王宮侍女に所属が変更されました。
何故かそれは簡単な答えです。だって今日、私は公爵令嬢をやめるのですから。
王宮仕えになった父と兄。それから親しい方々がお隣の部屋で待機している中、女性陣は当然のようにこちらに入ってきていました。
「いやぁ、ついに僕のルクレシアが手の届かない所に」
「公爵夫人で大切な義姉《あね》であるのですから。むしろぐいぐい里帰りするつもりですので覚悟してください」
最初に傍に来たのは当然のようにお義姉様。足元のエミリアさんは、三回ほど追い出して諦めました。いないってことにしています。
友好国となったジバジデオ王国から新たに女王に就任したエディータが窓の外を眺めています。
ちゃっかりこの部屋まで訪れる辺り、私のことを友人として認識してくださっているのですね。
彼女に微笑みますと、ムッとした表情だけしますが、すぐに顔を背けられてしまいました。
「お嬢様、準備が整いました」
エレナに声をかけられ、鏡に映る自分の顔を見ますと、長い髪は後頭部に円状にまとめられていました。
「そういえば髪をアップにしたことってありませんでしたね」
私がまとめて頂いた髪を撫でようとすると、お嬢様が触るとダメになりますと言われ、エレナに払いのけられてしまいました。泣きそう。
エミリアさんを踏まない様に歩くことになれた私は、彼女の奇怪な動きで二度ほど転びそうになりました。
私が転んでいないと言えば、三度までならなかったことになります。なりなさい。
見かねたエディータが、エミリアさんの襟首を摘まみ上げ大人しくしてくださいました。
「そういえばルイーセ様は来ていないのかしら?」
「彼女は昇格した婚約者が忙しいからそのお手伝いといって生誕祭の為の守護警備の門付近にいるよ。まあ、お披露目には顔を出すと言っていたから」
「あら残念」
マリアと、メルヒオール様も警備職で王都内を巡回。お兄様は本日、ベッケンシュタイン公爵として出席していらっしゃいますので騎士職はお休みですね。
ついでにヨハンネス。いえ、もうフランスワ男爵とお呼びすべきですね。フランスワ男爵もお休みだそうです。
ちなみにジェスカは騎士でありませんので普通にお休みです。彼らはみな、お隣の部屋で待機していらっしゃいますので、そろそろご挨拶に行きましょうか。
私達は隣りの部屋に出向きますと、待機していた皆様からおめでとうとか綺麗ですとかお声がけされるのではなく。
「絶対に髪を触ってはいけませんよ」
「それは言われました」
「転ばない様に」
「助けて頂きます」
「姫さんヒール? ヒール!?」
「いつも履いてるじゃない! 転ばないわよ!!」
転びました。この部屋に入る前に二度ほど。
まあ、あれは奇怪な動きをする敷きエミリアがいたからであって、通常時でしたら私って転びませんし?
そんな話で盛り上がっていますと、部屋の扉が開かれて、正装をしたグレイ様が登場致しました。
「あ、グレイ様」
「おはようルー。君が誕生日プレゼントかい?」
「そんな訳ないでしょう?」
「そう、まあ貰うけどね」
「何を仰いますか。既に! ……何を言わせようとしているのですか!」
何か変なことを口走りそうになり、口を動かすのをやめましたが、周囲の皆様がニヤニヤしています。グレイ様も私の言葉を聞いて耳元で口を動かされました。
「最後まで言って」
「言いません!!」
全く。これから貴方の生誕祭ですのよ。国中がお祭り状態。王子ってだけで凄い盛り上がりじゃないですか。
ベッケンシュタイン領も私の誕生日こんな感じでしたね。規模は著しく小さくなりますが。
王都内は露店が展開されておりまして、平民の方々もお祭り騒ぎ。それに乗じて色々食べまわりたいとか考えるようになったのは、旅生活が続いたせいでしょうか。
巡回中のマリアにこっそり会うことはできないかしら? 難しいですよね。だって王都のどこにいらっしゃるかもわからないのですもの。
ですが、私のこの姿。一緒に旅した皆様に見て頂くべきですよね。お父様とお母さまには日を改めてにしましょうか。
ベッケンシュタイン領までこの格好でいる訳にはいきません。
どうやら私とグレイ様は決められたルートを馬車に乗って巡回することになっているみたいです。
馬車に乗り込みますと、御者の席にはジェスカが座り、その隣に私の世話役としてエレナが……私の世話いる!? いるのね。ドジやらかすタイミングがあるのね。わかった。私黙って従います。
私がグレイ様の腕にしがみ付きますと、グレイ様はそれを振りほどいてしまいました。
私は一瞬驚いてしまいグレイ様の方に顔を向けますと、私を振りほどいた腕で私のことを強く抱き寄せてきたのです。
「この方が好きかな。君にそうされるのも幸せだけど、やっぱり僕は君を幸せに驚かせたい」
「……私もこちらの方が好きです」
顔が真っ赤になる感覚。周囲を見ることが一切できませんが、必死になって集まった民衆に手を振りました。
周囲から先ほど聞けなかった。綺麗とかおめでとうございますとか。お姉様好きとか……しれっと混ざっているエミリアさん移動速度おかしいです。
もしあの日。半年前。この人を即決で選んでいたら私は…………。
いいえ、悪は悪。イサアークも以前からでしたし、ルーツィアだってそう。ジバジデオ王国は未だにアルデマグラ公国民を奴隷にしていたでしょうし、何より、ユリエも納得せず戦争は起きていたでしょう。
そしてレティシアもお父様も、罪が暴かれることがなかったかもしれない。
何より、こんな素敵な方々に囲まれることができたのは、歩んだ道がこの道だったからでしょう。
決して百点満点じゃない道でしたが、きっと私は……私達は、罪のない誰かの涙を拭うことはできたと思います。
だからいい加減私も幸せになります。
グレイ様と二人で王都内を巡回していますと日が登り切った辺り。貴族街の中央広場にて立食パーティが開かれていました。
まあ、私とグレイ様は思いっきり着席していますが。
そこには貴族当主とその夫人程度しか招かれていませんでしたが、護衛騎士たちは皆貴族。
その中には、メルヒオール様がいらっしゃいましたので、手を振りましたが、切なそうな表情でおめでとうございますと言われました。
現宰相のマックス様や、公爵家当主のお兄様に夫人のお義姉様。その他にもお会いしたことある方々がご挨拶に来ました。
「ガルータ伯爵家。当主ミコラーシュ・ガルータです」
「ええ、今後もよろしく」
最後の挨拶をちょうど終えたところで、食事会も終了。あまり食べることはできませんでしたが仕方ありませんね。
午後からの巡回が始まりますと、またまた声援を頂きました。
「慣れてきた?」
「ええ!」
「それじゃあ、次はこれだね」
「え?」
グレイ様にそう返事をしてしまったことが早計でした。だってこの人は、私の表情を見て楽しむ変態なのですから。
王都の街中で彼は、集まってきた民衆に見せつけるように私にキスをしたのです。
当然周囲からの声はエキサイトして行きますが、私の頭は一切の処理ができなくなり真っ白になってしまいました。
王宮に戻るまでの道のり、私は彼からの突然のキスを忘れることができず、ずっと赤面して硬直してしまい、巡回の後半ではお疲れになられているということで何とか納得して頂きました。
そして当然これから夜会が始まります。生誕祭はまだまだ続くのでした。
私はたくさんの侍女たちに髪型のセットやドレスの用意をして頂いています。
当然、仕切っているのは私専属メイドのエレナ。本日付けで王宮侍女に所属が変更されました。
何故かそれは簡単な答えです。だって今日、私は公爵令嬢をやめるのですから。
王宮仕えになった父と兄。それから親しい方々がお隣の部屋で待機している中、女性陣は当然のようにこちらに入ってきていました。
「いやぁ、ついに僕のルクレシアが手の届かない所に」
「公爵夫人で大切な義姉《あね》であるのですから。むしろぐいぐい里帰りするつもりですので覚悟してください」
最初に傍に来たのは当然のようにお義姉様。足元のエミリアさんは、三回ほど追い出して諦めました。いないってことにしています。
友好国となったジバジデオ王国から新たに女王に就任したエディータが窓の外を眺めています。
ちゃっかりこの部屋まで訪れる辺り、私のことを友人として認識してくださっているのですね。
彼女に微笑みますと、ムッとした表情だけしますが、すぐに顔を背けられてしまいました。
「お嬢様、準備が整いました」
エレナに声をかけられ、鏡に映る自分の顔を見ますと、長い髪は後頭部に円状にまとめられていました。
「そういえば髪をアップにしたことってありませんでしたね」
私がまとめて頂いた髪を撫でようとすると、お嬢様が触るとダメになりますと言われ、エレナに払いのけられてしまいました。泣きそう。
エミリアさんを踏まない様に歩くことになれた私は、彼女の奇怪な動きで二度ほど転びそうになりました。
私が転んでいないと言えば、三度までならなかったことになります。なりなさい。
見かねたエディータが、エミリアさんの襟首を摘まみ上げ大人しくしてくださいました。
「そういえばルイーセ様は来ていないのかしら?」
「彼女は昇格した婚約者が忙しいからそのお手伝いといって生誕祭の為の守護警備の門付近にいるよ。まあ、お披露目には顔を出すと言っていたから」
「あら残念」
マリアと、メルヒオール様も警備職で王都内を巡回。お兄様は本日、ベッケンシュタイン公爵として出席していらっしゃいますので騎士職はお休みですね。
ついでにヨハンネス。いえ、もうフランスワ男爵とお呼びすべきですね。フランスワ男爵もお休みだそうです。
ちなみにジェスカは騎士でありませんので普通にお休みです。彼らはみな、お隣の部屋で待機していらっしゃいますので、そろそろご挨拶に行きましょうか。
私達は隣りの部屋に出向きますと、待機していた皆様からおめでとうとか綺麗ですとかお声がけされるのではなく。
「絶対に髪を触ってはいけませんよ」
「それは言われました」
「転ばない様に」
「助けて頂きます」
「姫さんヒール? ヒール!?」
「いつも履いてるじゃない! 転ばないわよ!!」
転びました。この部屋に入る前に二度ほど。
まあ、あれは奇怪な動きをする敷きエミリアがいたからであって、通常時でしたら私って転びませんし?
そんな話で盛り上がっていますと、部屋の扉が開かれて、正装をしたグレイ様が登場致しました。
「あ、グレイ様」
「おはようルー。君が誕生日プレゼントかい?」
「そんな訳ないでしょう?」
「そう、まあ貰うけどね」
「何を仰いますか。既に! ……何を言わせようとしているのですか!」
何か変なことを口走りそうになり、口を動かすのをやめましたが、周囲の皆様がニヤニヤしています。グレイ様も私の言葉を聞いて耳元で口を動かされました。
「最後まで言って」
「言いません!!」
全く。これから貴方の生誕祭ですのよ。国中がお祭り状態。王子ってだけで凄い盛り上がりじゃないですか。
ベッケンシュタイン領も私の誕生日こんな感じでしたね。規模は著しく小さくなりますが。
王都内は露店が展開されておりまして、平民の方々もお祭り騒ぎ。それに乗じて色々食べまわりたいとか考えるようになったのは、旅生活が続いたせいでしょうか。
巡回中のマリアにこっそり会うことはできないかしら? 難しいですよね。だって王都のどこにいらっしゃるかもわからないのですもの。
ですが、私のこの姿。一緒に旅した皆様に見て頂くべきですよね。お父様とお母さまには日を改めてにしましょうか。
ベッケンシュタイン領までこの格好でいる訳にはいきません。
どうやら私とグレイ様は決められたルートを馬車に乗って巡回することになっているみたいです。
馬車に乗り込みますと、御者の席にはジェスカが座り、その隣に私の世話役としてエレナが……私の世話いる!? いるのね。ドジやらかすタイミングがあるのね。わかった。私黙って従います。
私がグレイ様の腕にしがみ付きますと、グレイ様はそれを振りほどいてしまいました。
私は一瞬驚いてしまいグレイ様の方に顔を向けますと、私を振りほどいた腕で私のことを強く抱き寄せてきたのです。
「この方が好きかな。君にそうされるのも幸せだけど、やっぱり僕は君を幸せに驚かせたい」
「……私もこちらの方が好きです」
顔が真っ赤になる感覚。周囲を見ることが一切できませんが、必死になって集まった民衆に手を振りました。
周囲から先ほど聞けなかった。綺麗とかおめでとうございますとか。お姉様好きとか……しれっと混ざっているエミリアさん移動速度おかしいです。
もしあの日。半年前。この人を即決で選んでいたら私は…………。
いいえ、悪は悪。イサアークも以前からでしたし、ルーツィアだってそう。ジバジデオ王国は未だにアルデマグラ公国民を奴隷にしていたでしょうし、何より、ユリエも納得せず戦争は起きていたでしょう。
そしてレティシアもお父様も、罪が暴かれることがなかったかもしれない。
何より、こんな素敵な方々に囲まれることができたのは、歩んだ道がこの道だったからでしょう。
決して百点満点じゃない道でしたが、きっと私は……私達は、罪のない誰かの涙を拭うことはできたと思います。
だからいい加減私も幸せになります。
グレイ様と二人で王都内を巡回していますと日が登り切った辺り。貴族街の中央広場にて立食パーティが開かれていました。
まあ、私とグレイ様は思いっきり着席していますが。
そこには貴族当主とその夫人程度しか招かれていませんでしたが、護衛騎士たちは皆貴族。
その中には、メルヒオール様がいらっしゃいましたので、手を振りましたが、切なそうな表情でおめでとうございますと言われました。
現宰相のマックス様や、公爵家当主のお兄様に夫人のお義姉様。その他にもお会いしたことある方々がご挨拶に来ました。
「ガルータ伯爵家。当主ミコラーシュ・ガルータです」
「ええ、今後もよろしく」
最後の挨拶をちょうど終えたところで、食事会も終了。あまり食べることはできませんでしたが仕方ありませんね。
午後からの巡回が始まりますと、またまた声援を頂きました。
「慣れてきた?」
「ええ!」
「それじゃあ、次はこれだね」
「え?」
グレイ様にそう返事をしてしまったことが早計でした。だってこの人は、私の表情を見て楽しむ変態なのですから。
王都の街中で彼は、集まってきた民衆に見せつけるように私にキスをしたのです。
当然周囲からの声はエキサイトして行きますが、私の頭は一切の処理ができなくなり真っ白になってしまいました。
王宮に戻るまでの道のり、私は彼からの突然のキスを忘れることができず、ずっと赤面して硬直してしまい、巡回の後半ではお疲れになられているということで何とか納得して頂きました。
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