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第16話 穏やかな夜
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夜、傭兵達へ炊き出し状態で食事を作り後片付けを終えた私は椅子に寄りかかっている。
「はふぅ」
(今日も色々あったなぁ)
1日を思い返していると、目の前に湯気の立ったカップを置かれる。
「あ、ありがと」
お茶を煎れてくれたニュクスが微笑んで席に着く。
「朝もありがとね……ニュクスのお陰で助かっちゃった」
「いえ、姉さんの考えを推測して代弁したに過ぎません」
(いやいや……そんなに賢い事考えて無いから……日々の生活分で精一杯だよ)
「しかし、明日はどうなるであるかな。要望が通れば良いのであるが」
ハクがニュクスの膝に飛び乗り、そのまま丸くなる。
やはり普通の状態だと足が太い猫にしか見えない。
「……モフモフは今日寝てばかりだったんだから、明日は姉さんの役に立つように」
「んむ、判ったのである。それよりいい加減モフモフは……あふぅ……そこそこ……にゃふぅ」
(私の平穏と同じくらい聖獣の威厳が行方不明になってるよ……)
「あれ? そう言えばプロイは?」
「プロイは外です。今日は外の連中と寝ると……」
プロイは『一緒にご飯を食べたら友達だ』という感じな性格なのだけど……どうやら傭兵団とも仲良くなってしまったらしい。
窓から外を見ると、野営用の天幕がいくつも張られているのが見える。
あのいずれかの中でプロイも寝ているのだろう。
「プロイが悲しまないよう、明日の話し合いで頑張らないとかな……」
私の発言を聞いたニュクスも頷く。
そしてそのまま立ち上がって眠そうに伸びをする。
「僕も休みます。おやすみなさい、姉さん」
「ん、おやすみニュクス」
部屋に戻る途中で立ち止まった弟は、振り返って微笑む。
「きっと姉さんは……プロイの事が無くても頑張るんだと思いますよ。弱い人間を放っておけないでしょう?」
「……そんなにお節介じゃないわよ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今度こそ部屋へ戻った弟を見送り、自分の部屋へと入る。
そんな私の足元について来たハクが椅子の上に丸まり、片目だけを開ける。
「吾輩が言えた事では無いが、聖獣やら傭兵やら面倒なものを拾うな……アイリスは」
「本当、本人が言う事じゃないでしょ」
思わず笑ってしまう。
窓から入る月明かりを映すハクの目を見て……ふと気になった。
「ねえ、ハク。私って……死んだのよね」
「……うむ。理由等は語れんが……」
「うん……ただ……」
「……」
「私は、笑ってた?」
「……うむ」
「それなら、良かった。ありがとう」
「……朝早く来るやも知れん。早く眠るが良いのである」
「ん……おや……すみ」
「…………る……だ」
眠りに落ちていく間に何か言われた気がしたけど……それは形にならずに夜の空気と流れて行った。
「はふぅ」
(今日も色々あったなぁ)
1日を思い返していると、目の前に湯気の立ったカップを置かれる。
「あ、ありがと」
お茶を煎れてくれたニュクスが微笑んで席に着く。
「朝もありがとね……ニュクスのお陰で助かっちゃった」
「いえ、姉さんの考えを推測して代弁したに過ぎません」
(いやいや……そんなに賢い事考えて無いから……日々の生活分で精一杯だよ)
「しかし、明日はどうなるであるかな。要望が通れば良いのであるが」
ハクがニュクスの膝に飛び乗り、そのまま丸くなる。
やはり普通の状態だと足が太い猫にしか見えない。
「……モフモフは今日寝てばかりだったんだから、明日は姉さんの役に立つように」
「んむ、判ったのである。それよりいい加減モフモフは……あふぅ……そこそこ……にゃふぅ」
(私の平穏と同じくらい聖獣の威厳が行方不明になってるよ……)
「あれ? そう言えばプロイは?」
「プロイは外です。今日は外の連中と寝ると……」
プロイは『一緒にご飯を食べたら友達だ』という感じな性格なのだけど……どうやら傭兵団とも仲良くなってしまったらしい。
窓から外を見ると、野営用の天幕がいくつも張られているのが見える。
あのいずれかの中でプロイも寝ているのだろう。
「プロイが悲しまないよう、明日の話し合いで頑張らないとかな……」
私の発言を聞いたニュクスも頷く。
そしてそのまま立ち上がって眠そうに伸びをする。
「僕も休みます。おやすみなさい、姉さん」
「ん、おやすみニュクス」
部屋に戻る途中で立ち止まった弟は、振り返って微笑む。
「きっと姉さんは……プロイの事が無くても頑張るんだと思いますよ。弱い人間を放っておけないでしょう?」
「……そんなにお節介じゃないわよ」
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今度こそ部屋へ戻った弟を見送り、自分の部屋へと入る。
そんな私の足元について来たハクが椅子の上に丸まり、片目だけを開ける。
「吾輩が言えた事では無いが、聖獣やら傭兵やら面倒なものを拾うな……アイリスは」
「本当、本人が言う事じゃないでしょ」
思わず笑ってしまう。
窓から入る月明かりを映すハクの目を見て……ふと気になった。
「ねえ、ハク。私って……死んだのよね」
「……うむ。理由等は語れんが……」
「うん……ただ……」
「……」
「私は、笑ってた?」
「……うむ」
「それなら、良かった。ありがとう」
「……朝早く来るやも知れん。早く眠るが良いのである」
「ん……おや……すみ」
「…………る……だ」
眠りに落ちていく間に何か言われた気がしたけど……それは形にならずに夜の空気と流れて行った。
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