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たのしい誕生日
おねだりとの戦い
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街を一望できる展望台は、いざ上がってみるとすごい迫力。想像の5割増。
「すごい!」
「今度は夜に来ようか。夜景も綺麗なんだって」
案内板には、夜の景色が紹介されている。
うわあ、ぜひともこの目で見てみたい!
「ごめんなさい、来週は弟と買い物に行く約束をしてて」
「本当に仲がいいね」
「誕生日だから、私が買い物に付き合ってってお願いしたの」
「誕生日? 紗夜ちゃんの? 魁十くんの?」
「私の。魁十の誕生日は私の誕生日のちょうど2ヶ月後」
「紗夜ちゃん誕生日いつ?」
「8月20日」
今年は水曜日。
週の真ん中だから、ちょっと早いけど来週魁十とショッピングでーす!
「誕生日のデートは僕と行ってほしかったな」
「ごめんなさい、だいぶ前から約束取り付けてたから」
ママの誕生日が来て、魁十と出かける理由がなくなっちゃったけど楽しかったから嫌がる魁十に頼み込んだ。
ここで予定変更なんてしたら、2度とお出かけしてくれないかもしれない。
「じゃあさ、来週会えない分今日いっぱい一緒にいよ」
「う……うん」
家族連れもいるのに、背の高い大輝くんが後ろから抱きついて肩を抱く。
一瞬ビクッと体がこわばって、トキメキとは違うドキドキ感。
「今から紗夜ちゃんの家行こうよ。紗夜ちゃんと二人きりでお話したいな」
「それもごめんなさい……」
ごめんなさい、ばっかりでさすがに申し訳なくなってきた。
「弟が家に人を入れるのを嫌がるの」
「僕はもっと紗夜ちゃんのことが知りたいのに」
「あ、私も。私も大輝くんのこともっと知りたいと思ってるよ」
付き合い始めて、1か月以上が経った。
会社でも前よりはしゃべる機会が増えたし、週末のデートで順調にお互いを知っていっていると思う。
大輝くんは会社では真面目で人当たりが良くて誰にでも好かれる仕事できる人のイメージだったけど、付き合ってみるとスキンシップが多くて少し甘えん坊さんなところもある。
「じゃあ紗夜ちゃんの家行こう? 魁十くんには僕からごめんねするから」
「大輝くんの家は?」
「うち、マンションで欄間が透かし彫りになってるから声が筒抜けなんだ。嫌でしょ」
「そっか、お母さんがいらっしゃるんだよね」
初対面のお母さんに大輝くんとの会話を全部聞かれるのは気まずいかも。
「だから、紗夜ちゃん家。ね?」
ニコッと笑って手を繋がれる。
恋人繋ぎにも慣れてきたけど、手が触れた瞬間はまだビックリしちゃって引っ込めそうになってしまう。
そして、季節的に手汗かきそうで恥ずかしいからできればやめてほしい。
「うーん……せめて誕生日までは……」
魁十を怒らせたくない。
魁十にサンダル選んでもらうの楽しみにしてたのに、私が約束を破ったら魁十は平気で行かないって言うだろう。
「じゃあ、せめて誕生日当日は僕と食事行こうよ。仕事定時で終わらせるから」
「うん! 楽しみにしてる!」
やっとうなずけて、ホッとする。
最寄り駅に着くと、駅と駅ビルの隙間へと連れて行かれる。
駅でキスされると家族や知り合いに見られたら困る、と伝えたら、この場所を探し出した。
体はこわばるし唇まで硬くなっちゃってそうで恥ずかしいから正直キスはしたくない。
だけど、付き合ってるのに嫌だとは言えない。
唇を離すと、思いっきり強く抱きしめられる。
……胸が潰れそう……。
「ねえ、紗夜ちゃんの家に行きたい。どうしてもダメ?」
「ごめんなさい、今日は弟バイトも休みだし、きっと家にいると思うから……」
またごめんなさいに戻ってしまった。
きゅるるんとしたおねだり顔の大輝くんのお願いを断り続けるのは申し訳なくて心苦しい。
「すごい!」
「今度は夜に来ようか。夜景も綺麗なんだって」
案内板には、夜の景色が紹介されている。
うわあ、ぜひともこの目で見てみたい!
「ごめんなさい、来週は弟と買い物に行く約束をしてて」
「本当に仲がいいね」
「誕生日だから、私が買い物に付き合ってってお願いしたの」
「誕生日? 紗夜ちゃんの? 魁十くんの?」
「私の。魁十の誕生日は私の誕生日のちょうど2ヶ月後」
「紗夜ちゃん誕生日いつ?」
「8月20日」
今年は水曜日。
週の真ん中だから、ちょっと早いけど来週魁十とショッピングでーす!
「誕生日のデートは僕と行ってほしかったな」
「ごめんなさい、だいぶ前から約束取り付けてたから」
ママの誕生日が来て、魁十と出かける理由がなくなっちゃったけど楽しかったから嫌がる魁十に頼み込んだ。
ここで予定変更なんてしたら、2度とお出かけしてくれないかもしれない。
「じゃあさ、来週会えない分今日いっぱい一緒にいよ」
「う……うん」
家族連れもいるのに、背の高い大輝くんが後ろから抱きついて肩を抱く。
一瞬ビクッと体がこわばって、トキメキとは違うドキドキ感。
「今から紗夜ちゃんの家行こうよ。紗夜ちゃんと二人きりでお話したいな」
「それもごめんなさい……」
ごめんなさい、ばっかりでさすがに申し訳なくなってきた。
「弟が家に人を入れるのを嫌がるの」
「僕はもっと紗夜ちゃんのことが知りたいのに」
「あ、私も。私も大輝くんのこともっと知りたいと思ってるよ」
付き合い始めて、1か月以上が経った。
会社でも前よりはしゃべる機会が増えたし、週末のデートで順調にお互いを知っていっていると思う。
大輝くんは会社では真面目で人当たりが良くて誰にでも好かれる仕事できる人のイメージだったけど、付き合ってみるとスキンシップが多くて少し甘えん坊さんなところもある。
「じゃあ紗夜ちゃんの家行こう? 魁十くんには僕からごめんねするから」
「大輝くんの家は?」
「うち、マンションで欄間が透かし彫りになってるから声が筒抜けなんだ。嫌でしょ」
「そっか、お母さんがいらっしゃるんだよね」
初対面のお母さんに大輝くんとの会話を全部聞かれるのは気まずいかも。
「だから、紗夜ちゃん家。ね?」
ニコッと笑って手を繋がれる。
恋人繋ぎにも慣れてきたけど、手が触れた瞬間はまだビックリしちゃって引っ込めそうになってしまう。
そして、季節的に手汗かきそうで恥ずかしいからできればやめてほしい。
「うーん……せめて誕生日までは……」
魁十を怒らせたくない。
魁十にサンダル選んでもらうの楽しみにしてたのに、私が約束を破ったら魁十は平気で行かないって言うだろう。
「じゃあ、せめて誕生日当日は僕と食事行こうよ。仕事定時で終わらせるから」
「うん! 楽しみにしてる!」
やっとうなずけて、ホッとする。
最寄り駅に着くと、駅と駅ビルの隙間へと連れて行かれる。
駅でキスされると家族や知り合いに見られたら困る、と伝えたら、この場所を探し出した。
体はこわばるし唇まで硬くなっちゃってそうで恥ずかしいから正直キスはしたくない。
だけど、付き合ってるのに嫌だとは言えない。
唇を離すと、思いっきり強く抱きしめられる。
……胸が潰れそう……。
「ねえ、紗夜ちゃんの家に行きたい。どうしてもダメ?」
「ごめんなさい、今日は弟バイトも休みだし、きっと家にいると思うから……」
またごめんなさいに戻ってしまった。
きゅるるんとしたおねだり顔の大輝くんのお願いを断り続けるのは申し訳なくて心苦しい。
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