馬鹿神のおかげで異世界『チート過ぎる』生活になった。

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第一章:馬鹿神のミスから始まる生活。

人間は嫌いと、そんな悲しい笑顔なら…

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ラークは優しいんだと判ってるのもある。

不思議な目を、私には…
まだ判らないけど…

でも…
やっぱりだった。
私は人間なんか大嫌いだ!!

もう私は…

**************************

とある日。

どうにか私は本と薬草を見比べながらと。
家の中で覚えてる時、急にラークが言った。

「誰か森に入って来た様だ。
ネオは俺から離れずにな。」

私は疑問になって聞いた。

「ラーク?
どうして判るの?
それに…
誰が…」

ラークは外を見ながら簡単に言った。

「異能の一つでもあるな。
この森でも、一応、それなりに縄張りもある。
入ってくれば俺にも判るだけか。
簡単に普通、この家にも来れない様にもしてる。
入ってくるとしたら、まぁ、商売人だろう。」

商売人…

私は帝国の事を思い出す。
まさか…

私が立ち上がるとすぐだった。
ラークが側にと引き寄せてきた。

「確かに人間だが、動物達は心配ない。
それも理解してる事だ。
俺にと、薬草関係を仕入れたいから来てるだけだろ。
まぁ、俺からも交渉は多少するが。」

薬草関係…
動物達じゃない…

私は少し、それは良かったけど。
人間だと思うと警戒心は高まった。

「ネオは何も言わず、側に居れば良い。
俺が話すだけだからな。
だがなぁ、俺の欲しいのは時期的に難しい。
持ってないだろう。
あれば買う程度だが、他は売るだけか。」

何も言わずに頷いた。

**************************

そうしてラークの後ろに私はどうにか。
背に隠れる様子でもあるけど…
玄関の扉を開けて、少し歩いた庭のテーブルの様な場所にと。
そこでしばらく待ってた。

その間もラークは私の頭を撫でて来るけど。
私は何も言わず…
警戒心だけを高めてた。

それから確かに一人の中年男性が来た。

私は良く見る。

45歳前後ぐらいだけど…
服装は帝国民でも一般かな?

普通でもある。

でも私と僅かに目が合うと変わった。
それも一切、見逃してなかった…

「アンタにしては珍しいな?
普段の薬草とも違うのか?」

ラークがいつもの口調と少し違うのにも気付く。
でも私は人間の方を優先して見てた。

男性はラークを見て、また目を変えた。

明らかに、この目は警戒も!?
私にとも違う!?

「ラークさんは商売が難しいからだよ。
だから最後にいつも周るだけさ。
ナヤクサを持ってたら仕入れたいんだ。
他の仕入れ先は全部、駄目でね。」

「なるほど。
確かにあるが、どれくらいだ?」

「1束だけで良いんだが。」

「1束だけでか…
なら4万パルぐらいか?」

私は商売人がだった。
明らかにまた警戒度を上げたのも見た。

でも溜息をして言った。

「ラークさん、またか!?
だが、1束でなら当たり前かぁ。
そうなんだよ。
一部足りないとかでか?
俺も難しいと断ったが…
お得意さんでなぁ。
せめて3万パルは?」

私は少しだけラークを見ると。
少し笑って言った。

「お得意さんでなら、前金ありだろ?
3万パルは安くないか?」

でもすぐに私は商売人を優先して見る。
それと聞いて判断もする。

前金、お得意さん…
でもあの目はまだ…

「あぁ、やっぱりか。
バレバレだ。
ラークさん程、商売人泣かせは居ないぞ?」

「当たり前だ。
俺も商売人だぞ?」

「なら、3万5千で頼むよ。
流石に4万じゃ手元になくなる。」

「判った、それで良いか。
でも一つ、俺も欲しいのがあるんだが。
アンタが持ってたら…
2万パルにするが?」

「何!?
だが、ラークさんが言ったなら…」

私はまた見逃してなかった。

目が変わった事に。
警戒だけじゃない、あれは…

「そうだ。
俺が欲しいのはヤガラだ。
時期的にも難しいからな。
駄目元だ。
ないなら最初の値段で良いだろう?」

私は薬草の価値は判らない。
でも見逃してもいなかった。

「悪いが持ってないからなぁ。
最初の値段で頼めるか?」

「そうか。
なら、俺はまぁ、構わないが。
他の情報は?」

「いや…
俺の常連や仲間でも、今は難しいだろう。
時期もだが、今年は更に少ない。
それもある。」

「まぁ、そうなるよな。
なら、最初のままで良いか。」

私はもう我慢が出来なくなった。

**************************

「ねぇ。
貴方はどうして…
嘘を付くの?」

私は睨みながら商売人に言った。

僅かな動揺もだった。
商売人が私を見た目にも…
更に僅かな視線の動きにも私は気付く。

でも…
すぐに作り笑いで私にと向いた。

「お嬢さん。
商売人同士のやり取りだよ?
嘘は付いたら、上手くいかないんだ。」

「ネオ?
今はまだ…」

私はラークを僅かに見るだけで、すぐに商売人を睨んだ。

「持ってるでしょう?
ヤガラ。
それなのにラークへと、嘘を付いて断ってたよね?
私には価値は判らないけど。
でも、今のやり取りなら…
もっとヤガラが高いのでしょう?
すぐに買い手が出してる値段とも…
比較した様子だったけど?
それでラークには売らないの?
いくらなの?」

商売人は明らかに動揺もした。

「いや、お嬢さん?
本当に、持ってないんだよ。
ラークさんに売らなかった訳じゃない。」

私は最後にと思って言った。

「ねぇ…
私の質問にも、何も答えてくれないけど…
いくらなの?
本当に持ってないなら…
貴方の腰にある小袋を見せてくれる?
嘘を付いてないなら、見せれるよね?」

「ネオ?」

私はラークを見ずに商売人を睨みながら見てた。

商売人は慌てて言った。

「こ、これは、別の…
大切な物が入ってるんだ。
だから、見せられないが。
持ってないんだ!!
それに嘘だと、勝手に決めつけてるぞ!?
お嬢さんの方が変だ!?
どうかしてる!!」

私は大きな溜息をした。
手を翳す。

「やっぱりかぁ。
会話が成り立たない…
本当に…
馬鹿馬鹿しい。」

「ネオ!?
まさか…
ネオ、止めるんだ!!」

私は商売人しか見てなかった。

怒りが湧き上がる。

ラークを騙して…
更に嘘すら誤魔化す。

会話すら成り立たない…

「腰にある小袋以外『消えろ』。」

私が言った瞬間に小袋だけが残った。

**************************

ラークがすぐだった。

もう驚く様子だけでもなく…
慌てる感じでもあった。

「な…
まさか、これが…
行方不明の…
ネオは…
殺してるよりも、これは…
消してるのか!?
ネオ!?
なぜだ!!
あんな事をしたら、もう商売人は消滅だ!!
これだと、殺した事と同じなんだぞ?
判ってるのか!?」

私はラークを少し見て言う。

「今の話を…
ラークも聞いてたでしょう?
私の質問に、あの人間は何も答えない…
最初から私にも、疑惑の目。
更にラークには、警戒の目。
商売の話をしてる中は常に、我欲の目のみ。
疑いがバレそうになれば、逆に私への敵意の目。
会話すら成り立たない…
馬鹿馬鹿しい…」

ラークも目を閉じて僅かに言う。

「それは…
確かに、あんな会話で。
更にあれだと…
だが、もしヤガラを持ってなければ…」

私は商売人の小袋を取りに動いて中を見る。

確かに私にはヤガラか判らない…

そのまま持ってからラークにと小袋を渡す。

ラークはそれもあって目を開けた。
そして渡された小袋の中を見てだった。
驚く様子をしたのは気付いた。

それも見て、確信もあった私はラークを見て言う。

「それがヤガラなんだよね?
最初から私は言った。
でも嘘を付いて、ラークを騙して?
更にあんな会話すらも成り立たない。
私が最初に、言った時にだけど?
あの人間は視線だけ僅かに動かした。
持ってるからこそ、無意識にとする…
でも、私が最後の確認する為にと。
小袋を指摘したら…
あの人間は、どう動いたの?
あんなクズみたいな人間ばかり…
それで得をする為だけにと商売を?
馬鹿馬鹿しい…」

ラークは目を閉じて、少し首を振る。

「こう言う事か…
今まで会話をしてもと。
成り立たない理由も、同じか。
だが、ネオは嘘を付いてないなら…
しなかった理由もか。
確か王城内部に来る前にと、一人だけと。
その女性は嘘を付かなかったとも言ったな。」

「あぁ、あの女性かぁ。
そうだよ、理由は同じ…
確かに金しか見てなくても…
あの女性が言った言葉も、良く覚えてる。」

「良く、覚えてると?
ネオに言った言葉を?」

私はラークから視線を外した。
空にと上を向いて、思い出しながら言う。

「うん、かなり稀だからね…
確かに金を見せた時にも、すぐだった。
普通はもっと安いですよと。
最初からだった…
それからも一切、その女性は嘘も付かなかった…
その後も全部、覚えてる…
女性が言った。
私の場合は稼げないので助かると。
だから私はそこでも疑問になって聞いた。
どこか悪いとかと。
そうしたら女性は、家の扉を更に開けてだった…
私が中を見ると、小さい子供達が居たんだぁ。
それを見せてから女性がだった。
子供達を見てないといけないので働けないと。
家で編み物ぐらいしかと。
夫をと。
何の嘘もない目で…
明らかに最近亡くなったんだろうって、判ったし…
だから私は、服も編み物も買うと。
それでもだった…
女性の方から言ったの。
本当にそんな高価な品ではと。
だから…
私は金なら困らないし、嘘も付かなかった女性にと渡した。
次の日に見送る時でも、本当に嘘を付かなかった…
私は女性が危ない事に気付いたから指摘も言った。
言うよりも、見つからない方がと。
でも女性の目で、判らない様だったからと再度教えた。
大金のある家、なら通報よりも簡単だと。
それは周りの人達に狙われたら…
子供達すらも危ないと。
その女性は理解した時にだったけど。
あの明らかに、真剣な目で言った言葉なぁ。
愛した夫以上、絶対に我が子を守りますと。
もう無理だと思ってたと。
でも生きれると。
子供達を育てられると。
更にだった…
だから私には何も出来なくても、我が子達だけでも必ずと。
私はあの女性を見た時なぁ。
本当に愛してた夫だったんだろうなぁって思ったよ。
それで子供達だけでもとする姿だった。
私には親が判らないけど…
これがきっと親なのかなぁって。
私には確認も出来ないし、判らないけど。
でも、あの目なら…
必ず女性は子供達の為に金を使うと、判るし?
私は別に金なんて、何にも、いくらでも出せる。
だから、子育ての方が大変だろうと思うし?
それなら、あの金は私より女性が使う方が絶対に良い…
あんな女性は極稀にしか居ないけど。
人間なんて…
さっきの商人みたいな馬鹿ばっかりのクズしか居ない。」

「ネオ…
それは、やはり。
金だけじゃないのに、気付いてるのか?
女性はネオを、今でも忘れてないぞ?」

私はでも…
そのまま言った。

「今なら、そうかもだけどなぁ。
でも…
あの女性は金があったから、私にとした。
それに…
あの女性が本当に欲しいのは…
違うし…」

「違うと?
それが、ネオには判るのか?」

私はラークを見て、少し笑って言う。

「当たり前な答えだよ。
彼女が本当に欲しいのは、金じゃないでしょ?
それは二度と戻って来ない…
愛した夫だよ。」

ラークは凄く驚いた顔をした様子だった。

「それは…
でも、それがネオにも判るなら…
なぜだ…」

私は不思議に思う。
ラークの目は判らない、そのまま言った。

「なぜって…
何が?」

ラークは首を横に振ってから私を見て言ってきた。

「今の商売人でも良いが。
その商売人にすらもだとだ。
愛してた者が居たかも知れないだろう!?
なぜ、そこは思わない!?」

私は少し考える。

「ラーク?
それも、違う…」

「な、何が…」

「私は多くの人間を見てきたからなぁ…
そういう稀な人間がだけど…
愛する人間も同じだと知ってる…
その人間もなんだって事だよ?
嘘も付かず、でも…
もしだけど…
嘘を付いたとしても、目が違うんだ。
そういう人達の目は、本当に珍しいけどなぁ…
大切な者をと、自分の為に付く嘘じゃないんだよ。
金でもなく、欲でもなく、必死に守り抜こうとする様な…
決意の目をするんだ…
さっきの商売人、あの嘘の目は全てが我欲だった。
最初からずっと変わってない…
疑念も、警戒も、更に騙すのもそう。
全て我欲からだしなぁ?」

ラークは急に目を閉じて、考える様な仕草もした。

「ネオは…
優しいのもあるが、それすら見て判るから余計に…
それなのに、愛されてないなど…
俺には、どうしても理解出来ん。」

愛されて?

そうだなぁ。

**************************

私は…

「ラーク…
少し不思議なんだけど。
聞いても、いや、判らないかぁ。」

ラークは目を開けて私を見るけど。
その複雑な目は…
やっぱり判らないなぁ。

だから少し笑って私は、そのまま言う。

「私は…
愛して貰えない理由が、あったのかなぁ?
でもなぁ、私も愛した事もないから。
もう何も判らないけど。」

驚く様に、でもラークはすぐにだった。

「ネオは何も悪くない!!」

そんなラークを見てだった。
少し笑う。

「ラークは『提案』としてだけどなぁ。
私はやっぱり…
『誰かを愛せる』気すらない。
でもラークは裏切らないからと。
私は居るけどなぁ…
ラークは良く、判らないのもあるけど…
人間でもないし、動物でもない目…
どうして…
あんな『提案』を、私にしたのかも。
私を見てくれる、話してくれる。
そんな人間が居る訳もない…
今更、提案を反故にする気はないけど。
少しだけ、ラークにと私は後悔してる…
私が居たら…
ラークの邪魔にしか、ならない気もするんだよ。
ラークが普段から、どんな生活かも判らない。
それに…
さっきの口調も、仕事だからかも知れないし。
初めて私は聞いた…
本当はラークが優しいと、私にもだけど。
もう判ってるからなぁ。
だから本当は…
ラークは、『ラークの愛する者』を探した方が良い。
私は邪魔でしかないんだ…」

ラークはまた驚く様子もしながらすぐだった。

「違うっ!!
俺はネオを邪魔だと、思った事すらないぞ!!」

私は首を横に振る。
少し、また笑ってラークを見るけど。

「私には判らない…
でも…
私は人間なんか、『愛せる』気がしない…」

**************************

ラークは急に首を横に振ってだった。

「そんな…
そんな悲しい笑顔なんて違う!!
ネオが嬉しそうに笑う時の…
本当の笑顔を俺は知ってるんだ!!
その悲しい笑顔は…
もう…
痛みも、悲しみすらも、全部を隠す様にと…
ネオ自身の心すらも、誤魔化す為の笑顔なんだ!!」

私は少し驚く。

私が誤魔化してる?

「私はでも…
別に痛くは…」

ラークが急に動いて私を抱き寄せた。
それにもまた驚く。

私にとラークが目を見てだった。

「これ以上、もう駄目だ!!
そんな悲しい笑顔なんてさせたくもない!!
もし、ネオがどうしても…
どうしても『人間を愛せる』気がしないと言うならば。
『俺がネオを』愛する!!
『ネオも俺を』愛してくれ!!
これ以上…
もう傷だらけで、泣く事すらも出来なく、そんなにも悲しい笑顔を…
そんな顔で笑うぐらいならばだ。
提案には『誰かを愛せる』までと俺は言った!!
だから俺も裏切らない!!
もう人間に限らない、俺はネオを愛するとも決めた。
でも『ネオが愛する』者は自由だ。
俺は『ネオが愛する』までは、絶対に傷付ける事もしない。
そして傷付けさせたりもしない。」

私はもう…
どう答えて良いかも判らないけど…

ラークを…
そしてラークが私を?

「でも、それはラークには…
判らないけど…
だって、ラークは私を?
愛しても何も…」

ラークは首を横に振ってから強く言った。

「それも違う。
愛する事にも、愛する者にもだ。
理由なんて、本来ないんだ!!
一緒に居てもそうだ。
ネオが痛くないと。
ネオが楽しいと。
ネオが嬉しいと。
そう思える時間を与えてくれる者がだ!!
それが『愛する者』にとする事が普通なんだ!!
俺はもう、ネオがそんなにも痛そうな…
悲しい笑顔なんて見たくない!!
ネオが笑って、嬉しそうにと。
動物達と楽しそうに遊んでる姿だって同じだ!!
あの本当に嬉しそうに笑ってる笑顔を見てると。
俺だって嬉しいんだ!!
そんなネオを俺は大事だ。
ネオがどれだけ優しいかも俺は知ってるからこそ。
俺はネオを愛せると言える。
でも、ネオが愛する者に関しては自由なんだ。」

私は僅かにしか言えなかった。

「自由と…?
愛する事も…?
でも、判らない…」

でも…

私はスッとラークの頬にと手を伸ばして触れる。
ラークは何も動かなかった。

「ラークが私を?
でも、私はどうすれば…」

少しラークが笑って言う。

「今は判らなくて良い。
それもすぐに何て俺は考えてない。
急がなくて良いんだ。
ネオが困るのも見たくない。
愛し方が判らないのは、簡単だ。
愛された事がないからだとも俺は知ってる。
だったら、俺がネオを愛するだけだ。
それにネオが気にする事もない。
ネオが自然に笑って、嬉しそうにするのなら。
俺はそれだけで充分なんだ。
だからもう、あんな悲しい笑顔はしないでくれ…
俺はネオを愛してる。
でもネオは、そのままで充分だ。
いつも通りにと、普通に過ごせば良い。
俺の提案すらも変わらない。
ネオが『誰かを愛せるまで、俺と一緒に居る事』は変えない。」

私は、どうにか考える。

『提案』も変えないと?
『誰かを愛せる』までと?
『ラーク』と一緒に居る事をと?

そして、『ラークが私を愛する』と?

それは…

「私は、まだ、判らないけど…
それでラークは、良いの?
だって、ラークなら他にも…」

スッと動いたラークが抱き締めてからだった。
それに私は少しビクリとする。

「大丈夫だ、ネオ…
俺はネオが痛い事も絶対にしない。
ネオが安心する様にと。
必ず守りたいと、俺は思ってる。
それにネオも言っただろう?」

「私が…?」

私は驚きながらも声を聞く…

「あぁ、そうだ。
ネオが言ったんだぞ?
まぁ、少し微妙な感覚だったが…
俺は『新種』なんだろう?
『俺だけ』は違うと言ってたからな。
確かに人間でもない。
それに動物でもない。
だけど、俺にとっても『ネオだけ』だ。
良いんだ、俺は『ネオだけ』をと。
大切に愛したいだけなんだから…」

私はふと思い出す。

確かにそれは…
私が言った事でもあるけど…

でも…

「そうだなぁ。
ラークだけは…
温かいのも、あるんだよなぁ…
この感覚が…
ハッキリとしないけど…」

少し腕を緩めて、ラークが支えながらも。
私にと笑ってくる。

「良いんだ、ネオ!!
ネオは、もう痛い事も勿論だが。
ネオが、そのままでも嬉しそうにと。
楽しそうにする姿を、俺が見てたいだけだ!!
今までとも変わらん。
それにもし『ネオが俺を』愛してくれたら。
それはただ、俺には嬉しいだけだ!!」

私はもう、どうにか。
そのまま言った。

「ラークなら…
そうだなぁ。
この温かい理由も判るかもしれないなぁ。」

ラークが少し嬉しそうにまた笑った。

「急がなくて良いぞ?
俺はゴミとは違うからな?
そんな馬鹿しないぞ?」

私はふと思い出して笑った。

「あはははは!!
それを…
気に、してた!?
あはははは!!
あんな…
人間のクズと…
あははははっ!!
最初からラークだけは…
なぜか、違うし?
あははははっ!!
会話すら出来ない…
あんなのと?
比べたら…
あははははっ!!
ラークが!?
可哀想過ぎるだけ…
あははは!!」

「そうだぞ。
俺をあんなゴミ扱いは勘弁しろ?
それに、そうやってだ。
ネオが本当の笑顔でだな!!
そうやって笑ってくれるのが、俺は嬉しいぞ!!
まぁ、俺もゴミになる気なんてない。
だから、大丈夫だ。
心配するな?」

私はもう、こんなに笑ったのが久々過ぎて。
思い出せないけど…

でも私は一つだけは思った事があった。

『ラークだけ』はやっぱり違うなぁ。

**************************

私とラークはまた…
一緒に暮らすのもあるけど。

私は初めてだった。
本当の私を見て言われた初めての言葉…

『俺はネオを愛してる』と。

何だかとても。
前とも違う不思議な感覚は残った…

それでもやっぱりラークだけは違うと。
安心すら出来た。
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