侯爵令嬢の私は盗賊団に入団する!!-歪んだ愛から本当の愛を求めて-

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第一章:判らなくても求める者。

完全な激昂からの愛をと。

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私が目を覚ました時。
なせが頭がボンヤリする。

僅かに声だけは聞こえた。

「ユアナ…
もう、こんなにも…
リアン、もう…
こんな姿にと俺は…」

私は何も言わなかった。

多分…
お兄様達だとは思うけれど…

なぜか私は夢の中みたいに感じる。

「ユアナ…
やはり使いたくなかったのに…
こんなに…
もうアラン!!
それは使うな!!」

「俺も使いたくない!!
だが父様には逆らえないだろう!?
もうリアン!?
どうにかユアナをだ!!
誤魔化しても…
俺達がだ!!」

お父様と?

「判った!!
アランもだ!!
もう、これは俺達のみでだ!!
ユアナをと…
どうにかするぞ!!」

「ユアナ…
だが、どうすれば良い…
2日目で、こんな…
もう無理だ!!
リアン!!
これを処分してだ!!
どうにかユアナを隠すしかない!!」

「アラン!!
ならば先にと時間稼ぎをするんだ!!
俺も帝国内でなら…
どうにか隠せる可能性はある。
だが下手な策をしたら…」

どうにか私は言う。

「お兄様…」

「ユアナ!!
もう良いから!!
俺達が帝国からも守るから!!
だから意識だけを!?」

「ユアナ!?
頼むから…
意識だけで良い!!
だから声を!!」

なぜか判らない…

でも涙だけは勝手に私は零れた。
僅かにと誰かに言う。

「どうして…
私は…
ただ…
誰かに、言ったの…
だから…」

もう判らない…
私は…

すぐに意識を手放した。

**************************

一方、ゼス。

ユアナを連れて行かれてから既に9日が経つ。
もう薬を見てから既に怒りしかなかった。

言葉での予防すら意味がないと…
それすらも判断していた。

薬を見てから帝国にと…
召集させた人数が既に2000人以上…

もっと増やせるが…
それでもだった。

どうにか解毒剤も間に合った…
我慢すら限界なゼスは予定より早いが決行にと。

皆の前に立つとゼスは完全な怒りを示した。
剣すら持ったまま大きく怒鳴る様に言う。

「お前らに俺が出す指示は二つだぁ!!
一つはユアナの救出をする事!!
これは俺が直接にだぁ!!
もう一つは帝国軍の足留めのみ!!
だが先に言っておく!!
俺が完全に怒りしか湧かねぇとなぁ…
ただ、これは俺自身が決めただけの事だぁ!!
それはヤラリス侯爵家をと…
もうユアナ以外とかぁ?
もし邪魔をするぐらいなら滅ぼす予定だぁ!!
それは俺が直接すりゃ良い事!!
帝国だぁ?
んな事、知るかぁ!!
くだらねぇクズ共が…
あぁ、良いだろぅ…
そんなに死にてぇならなぁ?
俺一人でも帝国全土を相手にしてやらぁ!!
一族程度で済めば良いが?
だが俺の予測、ヤラリス侯爵家のみ!!
それだけ滅ぼしてしまえば充分!!
もう他は余裕過ぎるしなぁ…
これは俺が完全に怒りでするだけだぁ!!
だから今回の事は皆が決めろ!!
俺一人でもユアナを助け出す!!
死人が出ねぇ様にと一応かぁ…
ずっと俺がしてた事だがなぁ…
だが、もう俺がだぁ!!
ヤラリス侯爵家だけは許せねぇ…
俺だけの私情すらある事!!
だからこそ、もう俺は待てねぇ!!
そんな覚悟のある馬鹿者だけで良い!!
作戦も簡単な事!!
俺が予定した場所、そして時間になったら…
ユアナの居る『ヤラリス侯爵邸』をだぁ!!
完全に全部を、ぶっ壊すのみ!!」

すぐに全員が武器を掲げて叫んだ。

首領しゅりょう!!
どんな理由だろうが関係ねぇ!!
あのユアナをだぁ!!」

首領しゅりょう!!
俺も絶対にだぁ!!
またユアナにと最低のクズ共をだぁ!!」

首領しゅりょう!!
俺も行くに決まってんぞぉ!!
もう許せねぇのは同じだぁ!!」

首領しゅりょう!!
俺らが揃えば帝国全土だろうが余裕だぁ!!
俺すら我慢が出来ねぇ!!」

それにもゼスは怒りの目で大きく言った。

「前は罠すらだったがなぁ!!
今から俺らがだぁ。
する事は帝国すら全て相手にと…
それが本当に判ってやがるのかぁ!!
もう俺は、どんな手段すらしてでも…
ぶっ壊すかんなぁ!!」

それにも皆が同じ事を…
覚悟を再度と…
武器を掲げて示しながらも叫んだ。

首領しゅりょう!!
俺らは首領しゅりょうと同じだぁ!!
ユアナにと…
してる事を許せねぇんだぁ!!」

首領しゅりょう!!
ユアナをだぁ!!
助けるのは首領しゅりょうに任せるぞぉ!!
他は全力で、ぶっ壊すのみだぁ!!」

ゼスは皆にと大きく言った。

「そうだぁ!!
お前らの本気を再度だぁ!!
二度と手を出させねぇ様にと…
完全に俺がユアナを守り助けるだけだぁ!!
そして予定の位置にと!!
予定の時間でと、今から決行だぁ!!」

そうして皆が一斉にだった。
『ユアナ』を救出する為にと動き出した。

**************************

一方、アランとリアン。

ユアナをと…
二人共がだった。

どうにか考えてた。

リアンが目を閉じたまま言う。

「アラン…
もう俺は帝国軍を辞めてでもユアナを!!
流石に俺だけだとヤバくなるだろう?
だから先に決めるぞ。」

アランも目を閉じたまま言う。

「リアン…
俺も各国にと必ずだ。
どうにか他国にとユアナを連れて行くぞ。
帝国内では父様にすら予測されるだろう。
だからこそ、もう俺すらだ。」

リアンが目を閉じたまま言う。

「アラン、判った。
俺が帝国軍と皇帝を。
帝国内の貴族を止める。」

アランも目を閉じたまま言う。

「リアン、判った。
どうにか俺も解毒剤を入手する。
帝国にはないが予測する他国にある。」

二人は同時に目を開けて、お互いを見る。
そして頷く。

どうにか二人も動き出そうとしてた…

**************************

私が目を覚ました時。

誰も部屋には居ない様子に思えた。

なぜか私の身体も動かない…

ただ…
眠いだけでもある。

それでも何かを…
忘れてる感覚しかなかった…

だから、また私は目を閉じてた時。
凄く大きな音がした。

でも私は…
そのまま目を閉じてた…

けれど声だけが聞こえた。

「ユアナ!!」

その聞いた事のある声にと。
私も気付いた…

どうにか私は目を開けると…
男性が居る事だけは判った。

でも…

「ユアナ!?
やはりか!?
くそ、解毒剤もある!!」

男性が焦る様子にも思えたけれど。
私を抱き寄せてから唇が触れた。

触れた時に何か…
そのまま私は飲んだ…

僅かに変わった感覚がした。
それでも私は動けなかった…

「ユアナ!!
先に意識だけでも!!
ユアナ!!
俺が判るか!?
僅かでも良い!!
すぐに助けるから…
だから…
返事をするんだぁ!!」

そう言う男性がと。
抱き締めてきたのも判った。

その感覚を私は知ってる…
でも私は動けない…

その男性にと…
私は僅かに言った。

「頑張ると…
諦めな…」

なぜか私は…
勝手に涙が零れた。

名前が…
顔は判るのに…

私に確か言った男性だと…
それが判らない。

だから…
その男性の目だけを見てた…

「ユアナ…
既に名前をだな!?
どれだけの量を…
だが言葉のみで耐えてか…
俺が教えた事だけをと!!」

私は知ってる男性なのに…

でも…

僅かに意識が薄れそうになる。
だから私は目を閉じた。

「ユアナ!?
駄目だ!!
意識を保つんだ!!
すぐに俺も運ぶ!!」

私は身体を抱えられる感覚は判った。
どうにか目を閉じたまま言う。

「助け…
ゼス…
信じ…」

「ユアナ!?
そうだ!!
俺がゼスだ!!
そのまま意識を保つんだ!?」

私は徐々に思い出す。
でも僅かにしか言えなかった…

「ゼス…
そう、確か…
いつも…
ゼスがと…」

「ユアナ!?
良かった!!
まだ自我もある!!
これなら俺が助けられるぞ!!」

ゼス…
あぁ、そうだった…

更にと私は思い出していく。
だからゼスを見ながら言う。

「信じると。
そう、ゼスにと…
だから…
食事もと…」

ゼスが複雑な顔で私を見て言った。

「ユアナ!!
そうか、食事に入れられて…
だからかぁ!!
この状態ならば、すぐにか…
まだ解毒剤もある!!
悪いが口移しで飲ませるぞ!!」

そう言うとゼスが何かを口にと…
それを私の口にと唇が触れる…

また私は何かを飲んだ。

徐々にと意識も…
なぜか判らないけれど…

どうにか思い出せる事もあった。

それからゼスにと。
動けなくても私は話せた…

「ゼス…
来てくれた…
信じてたの。
だから…」

ゼスが少しだけ…
さっきの表情が変わった様に見えた。

「ユアナ!!
よし、解毒剤も効いたな!?
このまま俺が運ぶぞ!!」

ゼスを見て私は安心したのもある。
だから少しだけ笑って言う。

「うん、ゼスは…
いつも助けてくれる。
だから信じられる。」

多分ゼスに抱えられてると思うけれど。
凄い早さで移動をしながら私にと…

少しゼスも笑って言った。

「あぁ、そうだ!!
俺はユアナを助けると!!
諦めないと言っただろう!!」

**************************

そんな時。
あちこちから声も聞こえるけれど。

「ユアナ!?
どうしてゼスが、ここに!?
この襲撃をしたのもか!?」

私は動けないけれど。

ゼスに抱えられながも見えた。
それに聞こえてた…

アラン兄様?

「ユアナ!?
また…
お前がユアナをとか!?」

リアン兄様も?

私は動けないけれどアラン兄様の側にと…
リアン兄様も驚きながらも居たけれど。

私は動けずゼスに抱えられたまま…
何も言わなかった。

その時だった。

ゼスは…
お兄様達にと…

私がゼスを見ると驚くのもある。

初めて見る程の怒る顔でと…
更に聞いた事すらない声で大きく怒鳴った。

「ふざけんじゃねぇ!!
ユアナを殺す気かぁ!!
イカれたクズ共がぁ!!
あんなのを使えば…
完全に壊れるのは判ってた筈だぁ!!
しかも…
その前は『洗脳』までしておきながら…
そんなクズ共のお前達がと…
どうユアナを愛してると言うんだぁ!!」

洗脳と?

ゼスは今、言ったけれど…
それを…

私にと?
お兄様達がと?

私は驚くけれど…
何も言わずに全てを見て聞いてた。

けれど、お兄様達は首を横に振った。
更に複雑な顔で大きく叫んだ。

「違う!!
俺はユアナを愛してるからこそだぁ!!
この帝国からすら守ると決めた事も…
俺達ですら…
そんなものは使いたくないと…
だからこそ、もう。
他国にとユアナを連れて行くと!!」

アラン兄様?

「お前に判る筈がない!!
俺はユアナを愛してるからこそ!!
ずっと皇帝や多過ぎる貴族からもと…
常に守り続けてきたんだぁ!!
ユアナを守る為だけにと…
どんな手段でも守ると決めて動くと!!」

リアン兄様?

私には判らない…

でもゼスは更に怒鳴った。

「こんの馬鹿共がぁ!!
そんなので守る事にも、ならねぇのがだぁ!!
まだ判らねぇのかぁ!!
ヤラリス侯爵家の内情だと!!
それで俺には既に予測すらあった事だがなぁ…
今の話で充分、もう予測すら出来る事だぁ!!
お前らが『ヤラリス侯爵家』をと!!
全く理解してねぇだろうがぁ!!
どうせ父親からの指示だったんだろうがなぁ?
お前らにユアナをと…
先に年数すら決められてたんだろうがぁ!!
そう父親からも指示されてた筈だぁ!!」

アラン兄様が驚いた顔で言った。

「な、なぜ知ってる!?
お前が!?
だがユアナをと…
俺達すら愛してるのも変わらない!!」

リアン兄様も驚いた顔で言った。

「まさか予測をしたのか!?
だが俺達が愛さなければ…
ユアナを守らなければ…
もう皇帝すらも全てがと。
ユアナに必ず動くだけだ!!」

そんな兄様達にとゼスは怒鳴る。

「こんの大馬鹿野郎共がぁ!!」

動けない私はゼスをと、また見る。

それは初めて…
完全に怒りの顔なのが私にすら判った。

そんなゼスがと…
お兄様達を見てから、また大きく怒鳴った。

私は聞く事しか出来ないけれど…

「お前達が本当にユアナだけをと!!
愛してると言うなら…
そんな事は最初からだぁ!!
何がヤラリス侯爵家だぁ?
もう簡単だっただろうがぁ!!
『ヤラリス侯爵家』を捨ててだぁ!!
それだけでと!!
ユアナだけを守りながらでも愛せた筈だぞ!!
それに、なぜ皇帝から信頼すらの理由も簡単な事!!
ヤラリス侯爵家は…
俺の『元一族』を模しただけだろうがぁ!!
頭脳と実力をと…
それが欲しいからこそ、帝国がしてるとだぁ!!
そして俺は『末裔』だが…
理解したからこそだぁ!!
同じ事は二度と繰り返えさねぇ!!
それにヤラリス侯爵家は…
まだ弱過ぎるからだぁ!!
だからこそ『権力』を与えてと…
更に力も高める為にと『近親婚のみ』を…
させられてるだけだろうがぁ!!」

アラン兄様が驚きながら言う。

「やはり…
お前が末裔だったのか!?
だが記録すら…
だから、あんなにも…」

リアン兄様も同じだった。

「そんな理由でと!?
だが裏に居ても判る筈…
それでも…
俺達は本気でユアナだけ愛してる!!
だからこそ帝国からと…」

ゼスは大きく息を吐き出した。
お兄様達に向かって更に低い声で怒鳴る。

「だったらなぁ…
今のユアナにとかぁ?
お前達のした事をと…
どう言い訳するんだぁ!!
こんな状態にまでしてと?
それすら、お前達がだぁ…
しておきながら更にと?
ユアナを苦しめ続けるのかぁ!!
お前達みたいな馬鹿共など…
今更どう言い訳を並べようがなぁ…
もう完全に俺が許さねぇ!!
これ以上、お前達が邪魔をするなら…
簡単な事だがなぁ?
もうユアナ以外をだぁ!!
裏側全力すらも必要ない!!
こんな帝国を滅ぼすぐらい…
俺には余裕だぞ!!
既に俺には全て出来るからなぁ!!」

私は判らない事も多いけれど。

帝国をと?
ゼスがと?

動けない私をゼスは優しく壁の方にと…
降ろしてから背を向けた。

私は見てると…
お兄様達が剣を手にした瞬間だった。

すぐにゼスは更にと素早く動いて…
お兄様達の剣だけを粉々に砕いた。

またゼスは私の側にと来てから…
私には背を向けて低い声でと言った。

「お前ら如きに俺は負けねぇ…
たかが、その程度の力ならなぁ…
俺一人でも本来ならば瞬殺だぞ?」

お兄様達の…
凄く驚いた顔が見えた。

どうにか私は動けないけれど言った。

「ゼス…
やめて…
お兄様達にも、もう…
私の事なら…」

それにとゼスは反応してくれた。

**************************

振り向いて私を抱き上げると…
少し笑って言ってくる。

「大丈夫だ、ユアナ?
今のは『警告』だかんなぁ?
次はねぇぐらい…
こんの馬鹿共も判っただろうし?
ユアナが、そう望むなら…
しないから安心しろ?
これは『いつでも同じ』だしなぁ?」

もう私は思う。

こんなにも優しいゼスにと…
少し笑って私は思ったままを言う。

「あぁ、ゼスは…
やっぱり…
本当に優しいのが嬉しい…」

それにもゼスは、いつも通りの顔でと…
笑って私にと言ってきた。

「当たり前だぞ!!
今更かよ?
こんの無自覚馬鹿がぁ!!」

ふと私は、その時だった。

無自覚と?

でも、ずっとある…
この感覚は…

あぁ…

「もう…
無自覚じゃないよ?
やっぱりゼスだけだと…
私の探してたのは…
ゼスだと思うの。」

私が笑いながら言うと…
ゼスは急に凄く驚きながら言った。

「ん!?
今、何て…」

どうしてもゼスを見ると私は笑う。

「ゼスだけを…
愛したいと。
だから…
私はゼスだけを愛してる。」

それにも凄く驚いた顔をしたけれど。
急に凄く嬉しそうにゼスが笑った。

「マジでか!?
やっと自覚を!?
俺の根性勝ちだな、おい!!
よし、もう判ったぁ!!
なら一度、皆と合流するぞぉ!!
もう二度と離さねぇかんなぁ?」

少しだけ複雑な顔のままで居る…
お兄様達が見えて少し私は笑って言う。

きっと…

「お兄様達は…
何も悪くないよ?
ごめんね?
ずっと…
私の、せいで…
だから、もう…
お兄様達も自由にと。」

私が言うと驚いた顔を二人共がした。
でも、すぐに二人共が首を横に振った。

アラン兄様が目を閉じたまま大きく言う。

「ゼス!!
俺は先に帝国の後始末をする!!
それにユアナをと…
俺はユアナだけを…
もう泣かせる事もしたくない!!
だからユアナ以外、俺は今後も愛さない!!
そのユアナがだ。
帝国から狙われるならば…
俺が帝国全てを必ずだぁ!!」

リアン兄様も目を閉じたまま大きく言う。

「ゼス!!
もう全て判った事でもある!!
俺もユアナ以外を愛さない!!
そして理由も判ったからこそ…
ならばこそだ!!
俺はヤラリス侯爵家を…
必ず変えてみせる!!
更にユアナの為にと情報規制もだ!!
だから…
早く行けぇ!!」

ゼスは振り向いてから普段の口調で言った。

「こんの馬鹿共がぁ!!
ユアナ以外を見れば良いんだ!!
帝国全土?
俺には余裕だかんなぁ?
それにも判ってんのかぁ?
後、最後にとだが…
俺はユアナにとだぁ。
あんなにもした…
お前達を許す気はねぇし…
次もねぇぞ…」

それだけ言うと…
すぐにゼスは私を抱えたまま移動した。

私は少し涙が浮かぶ。

きっと…

お兄様達が、ずっと私の為と。
それには嘘もなかったのだと。

だから…
私は目を少し閉じると…

「ユアナ?
大丈夫だぞぉ。
あんの馬鹿共なら…
今ので充分、理解したかんなぁ?
だが…
また先にユアナは、しばらく安静だ!!
返事は?」

そのゼスの声で私が目を開けると…
やっぱり、ゼスは笑ってた。

動けない理由は判らない。
でも私は少し笑って言う。

「はい、ゼス。」

ゼスは凄く嬉しそうに笑って言う。

「あははは!!
解毒剤も効果も有り!!
意識もあるのも確認っと!!
さっきのを忘れたら…
また俺は根性か!?
はぁ…」

そう言いながらゼスは私をと。
抱えながら簡単に素早く移動もしていく。

動けない私は見る事しか出来ない。
それでも嬉しいのが湧き上がる。

また、どうにか私もゼスと一緒にと。
皆の居る盗賊団と合流も出来た…

**************************

一方、アランとリアン。

二人共が『ヤラリス侯爵家』の事。
ゼスの『警告』した意味を正確に理解してた。

アランは完全にだった。
崩壊した『侯爵邸』を見ながら言う。

「リアン。
やはり俺はユアナだけ愛してる。
だが全て判った事もあるな?
それに悔しいが…
ゼスならばユアナを守り抜くだろう。
後、ユアナがと…
俺達をだった。
あんなにも俺達がした…
それでも言った言葉を…」

リアンも全てを理解する。

同じ様にと。
崩壊した『侯爵邸』を見ながら言う。

「あぁ…
そうだな、アラン。
ユアナが止めたからこそ…
あのゼスは…
俺達を殺さなかっただけだろう。
そして俺もユアナだけを愛してる。
だがゼスの言う通りだった。
俺達も『ヤラリス侯爵家』にと…
縛られてた事に気付けなかった。
あんなにとユアナを…
でもな、最後のゼスにか?」

アランとリアンは目を合わせて少しだけ笑う。

「リアン?
俺達は産まれた時からだぞ?
ユアナだけをな…
他の女を見ればとか?」

「アランと同じだな?
ユアナは美しいだけでもないとだ。
他の女を見たから余計に思ったぞ?
今更ユアナ以外をか?」

そんな二人も同時に目を閉じた。

アランは全てを理解しながらも言う。

「リアン。
俺は必ず変えるぞ?
ユアナを愛し続けるのもあるが…
先にだろうな。
その上でゼスの言葉だ。
意味は判るな?」

リアンも全てを理解しながらと言う。

「アラン、勿論だ。
俺も全て同意する。
必ず変えてみせるぞ?
ユアナを愛してるのも変わらない。
だからこそだな。
俺達の出来る事をだ。」

また二人は同時に目を開けて頷いた。

それから動き始める…

帝国を変える為にと。
更にユアナの言った言葉も忘れない。

『お兄様達も自由にと』の意味も。
だからこそだった…
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