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第三章:言葉が判らなくて感じる想いを。

頑張る私と新たな珍騒動でも。

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村暮らしにも慣れてきた頃。

また私はネックレスを見る。

銀色の飾りまで綺麗な…
青いラピスラズリを。

見る度にあの時すらも…

ゼスは私をと。
私の為にと。

全て私は覚えてる。

『ただの宝石よりも…
ユアナには、その鉱石だぁ!!』

ゼスの言葉も…
ゼスの笑顔も…

思い出すだけでも充分、嬉しい!!
だから私は自然と笑う。

でも…

やっぱり、私ばかり…

私も一生懸命に考える。
最近は特にだった。

私もゼスにと何かを…

でも…

どうすれば良いの?

いつもゼスと一緒なのも変わらない。

朝食の為にと一緒で広場へ向かう…

普段通りに皆と食事もしながら考える。
楽しそうに騒いでる皆を見る。

皆も、そう…
いつも皆は優しいのも変わらない。

私が失敗しても…
怒った事もないし、教えてくれる。

ふと私は気付いた。

皆も私に教えてくれると?

それに…
もしかして、これなら…

多分?
皆の方が?

私は悩んだけれど。
少しだけゼスを見ると…
普段と変わらず食事をしてた。

そんなゼスを私も愛してるのに?
私もゼスにだけと…

何かをしたいのに?

それなのに…
私自身がゼスすら知らない事も多い…
でもゼスが喜ぶ事を…

嬉しそうな笑顔を見ながら決める。

再度、私は皆を見る。

きっと皆だけしか?

違う!!

これは皆にだけ!?
ゼスにだけ言えない事!?

だったら…

**************************

食後。

普段通りにと私は行動もしながら…
いつも皆と一緒を片付けもする。

だから私も片付けをする時にと。

先に私は少しだけゼスを見た。

いつも私が見える場所に居るけれど…
今日も書類関係や指示してる姿を。

確認してからと。
それから私は皆と一緒に片付けを。

でも…

皆を見てからも少し目を閉じて考える。

きっと皆も…
怒らないで教えてくれる筈!!

目を開けてから私は集まってる皆の方へと。
近付いてから、それぞれをと。

しっかりと、見てから…
僅かに皆も気付いた様子で私を見てきた。

勇気を出して私は多い皆に…

「あのね?
皆にと…
少しだけ…
お願いがあるの。」

ゼスには聞こえないぐらいにと。
私は小さく皆にと言う。

そんな私にと皆が、全員がだった。

不思議そうな顔もしたけれど。
すぐにゼスを見る様子をした。

でも皆は周りと目を合わせてから…
私にと頷くだけで見てきた。

その様子も考える。

多分?
皆もゼスが首領しゅりょうだからと?

一番偉いからと…

私も少しだけ同じ様にゼスを見ると。
やっぱり書類関係を読んでる。

でも、これだけは…

すぐに皆の方を私は向いてから…
どうにか小さく皆にと言う。

「その…
もう皆だけしか…
だから教えて欲しいの。
ゼスが喜ぶ物?
他にも…
ゼスが好きそうな事?
それを…
ゼスに気付かれない様にと…」

私が言うと皆は凄く驚いた顔をした。
また皆は、すぐにゼスを見たけれど。

同じ様にと周りの皆は目を合わせてから…
それぞれ皆は小さく私にとだった。

「ユアナ…
意味も判ったかんな?
俺らに首領しゅりょうをだな?」

「ユアナがしたい事も判ったぞ。
それを首領しゅりょうにとだろ?
バレずにしてぇと。」

首領しゅりょうの場合はだ。
こりゃ簡単じゃねぇ…
だから俺らがユアナに協力すっぞ?」

「ユアナに教えるが…
俺らもだがなぁ…
首領しゅりょうには要注意だかんな?」

「充分に判ったぞ、ユアナ?
特に首領しゅりょうには気ぃ付けろ?
慎重に動くぞ。」

皆が私に言ってくる事が嬉しくて思う。

やっぱり皆も優しい!!

それにと私も笑って頷いた。
皆も笑って頷くのも見た。

そんな時。

「ん?
ユアナ?
いつもと様子が…」

ゼスの声で私は驚く。

咄嗟に私も首を横に振る。

「ゼス!?
ううん?
何もないよ?
すぐに片付けも終わるから…
少しだけ待ってくれる?」

急にゼスは微妙な顔になると…
私よりも周りの皆を見た。

それにも皆は片付けを再開したり…

首領しゅりょう
ちっと遅れてたなぁ。
すぐに済ますから問題ねぇぞぉ?」

首領しゅりょう、大丈夫だ!!
もう片付けも終わるかんなぁ。
先に報告もかぁ?」

「ユアナも、すぐだぜぃ?
片付けも完璧なぁ。
首領しゅりょうにゃあ問題すらねぇよ?」

それぞれ皆も言ってくれて片付けをと。
私も一緒に素早く済ませた。

**************************

それから私もゼスと一緒も変わらない。
いつも通りに住んでる家へと戻る。

同じ様に私は掃除をし始めるけれど。
最近は慣れた事もあって早く終わる。

ゼスを見ると書類関係を読んでた。

そんな時。
僅かに窓の方からだった。

団員が一人がスッと。
紙を置いてから去るのを私は見た。

意味に私は気付いた。

ゼスに注意しながらも私は紙を…
読むと単語だけ書かれてた。

これは…
料理名?

ゼスの食事を私も思い出しながら…

確かに?
ゼスが良く食べてる?

だったら…

これがゼスの好きな料理と?

少しゼスを見るけれど。
まだ書類みたいなのを読んでた。

だから私は片付けのゴミへ。

ふと私も皆が言ってた事も思い出す。

ゼスには…
『要注意』と。
『慎重に動く』と。

考えてから私は気を付ける意味でと…
更に小さく破いてからゴミと一緒に捨てた。

どうにかゼスだけにとバレず数日間。

そうしながらも皆からと。

ゼスの話を。
ゼスに関してを。

もう私は驚くばかりだった。

でも…

だったら必ず私もゼスに!!

必死に考え続けながら…
皆からゼスの情報を聞いてと…

更に私も頑張ろうと思った。

**************************

一方、ゼス。

既に一応、気付いてもいたが。

報告を読む様子をしながらも…

目を閉じて右手を口元に当てる。
そして考える。

最初にしたユアナの僅かな変化…
更に皆の言動…

それだけでも完全に気付くがなぁ!?

だが何を、あのユアナがとだ。

あくまで、これは予測…
ユアナから皆にとだ。

そうなると…
ユアナ自身から皆にと言って動いたと?

それにと…
皆が同意したからこそ動いた事にもなる。

だが、あのユアナからは初めてだろう。

自発的な行動を…
ならばユアナには良い傾向でもある。

俺から止める事も避けるべきだな?

まぁ一応かぁ?

あんな皆の動きも…
すぐに違いすら判ったが…

予測するがユアナにと…
どうにか皆もだぁ?

ユアナに言われて皆も…
してんだろうがなぁ…

それでも…
あの馬鹿共、全員がだぞぉ!?

もう皆がする、あの顔…
明らかに判ってないだろ!?

それでもとかぁ?
ユアナを優先してっからかよ!!

もう、これは単純に…
ユアナのしてる内容すら判ってねぇし!?

そのユアナも?

バレバレでも…
確かに動いてっけどなぁ…

今回は初めてだし?

皆すらだが…
俺も迂闊に言えん!?

そもそも?
ユアナは村の中だけだぞぉ?

更に行動範囲すらもだし?

どうやっても出来る事すら…
無理な事ばかりな筈なのにかぁ?

随分と続けてる様子だし?

わざと俺も…
どうにか時間だけをと。

ユアナには出来ても…

そのユアナがだぞぉ!?

何をしてるのか…
全く俺すら判らん!?

いくら危険がないとしても…
いや、これも単純にと。

この村には誰も近付けねぇ様にと。
俺が気ぃ付けてるかんなぁ。

見てるが料理とも違う様子だし?
ならば一体、ユアナは何を…

これだと俺すらもかぁ!?

全く予測不可能だと!?

目を開けてから報告を見る様子でと。
視線のみ。

ユアナを見ると…
普段よりも急いで掃除をしてるのが判る。

もう動揺すら隠して思う。

俺すら判らねぇとか…

どんだけだぁ!?
ユアナ!!

そんな日々でもあった。

**************************

私は皆からの紙情報。
それだけでもなかった。

常にある食事の片付け中もと。
僅かな時間もと。
そんな皆も嬉しそうに教えてくれた。

小声で私に話しながらも…
ゼスに関してなら良いと。
皆がと。
全員からだった。

そのおかげもあって…
初めて私はゼスについてと。
驚きながらも知った事をと。

私は考えながらも…
ゼスについて纏め始める。

最初は簡単な紙情報でと。

好きな料理から…
嫌いな食べ物も…
他にも様々ある。

けれど皆の話を聞いて…
もう私は何度も驚いた。

どうにか私もゼスの事をと纏めた。

ゼスの年齢は24歳と。

私の場合…
正確な日数は判らないけれど。

今なら多分?
随分経つから18~19歳ぐらい?

それに…
全部いきなりだったと?
ゼスが急に現れてと?
盗賊団の首領しゅりょうになってからと?

ここから私も想像しながらと考える。

そんなゼスが真っ先にした事。

それが盗賊団の体制変更。
実際には約8年以上前になると。

けれど…

ゼスは過去を誰にも言わないと?
だから誰も判らないとも聞いた。

しかも盗賊団の加入時にと?

前の首領しゅりょうにゼスが、いきなりと?
勝負でゼスが勝ったと!?

その後にゼスが首領しゅりょうになったと。

驚きながら聞く私にと。
皆が同じ事を言ってた…

今のゼスや皆を私は思い出しながら…

皆が言った事。

『ゼスは常に仲間を見捨てたりしない』と。
『ゼスは凄く頭が良い』と。

もう一つ…

『ゼスが首領しゅりょうになってから…
皆は怪我すら減って任せられる』と。

どれだけゼスが皆を…
考えてしてるかだけは充分。
私でも判った。

更に私が驚いたのが…
皆の名前に関してだった。

皆は普通に笑って教えてくれたけれど…

名前すら最初から無いと!?
皆には名前が、無かったからと!?

そんな皆にとゼスの言った事も…

名前すら必要ないと!?
でも皆はゼスから名前は貰ったと!?

それでも普段から変わらず…

ゼスすら皆を名前で呼ばない理由。

あくまでゼスが皆にと…
付けた名だからと…
自分の名前ぐらい自由だと…

だから好きに名乗れば良いだけと!?

それからは皆は場合に合わせてと。
常に名前すら変えると!?

私は思う事もあった。
目を閉じてゼスの言葉を思い出す。

『本当に愛する者をと。
それがユアナの本心だった筈だ。』

『ずっとユアナは望んでた筈だ。
本当の自由を。
本当に愛する者をだ。』

『ユアナの本心だったからこそ出たんだ。』

あぁ…
だから…

あの時すらも私に同じ事を!?

ゼスは本当に自由すらも…

私も…
皆すらも…

少し私は笑う。

本当の自由を。

今まで私は…
それすら考えた事もなかったと。

その時だった。
更に私は昔を思い出した。

私は思い出した事で閃く。

これなら!?
私にも出来る!?

それに…
これはゼスにだけ!!

すぐに私は作業の為にと。
思い出しながらゼスだけにと。

ゼスの為に作り始めた。

**************************

真っ先に私は皆へと。
準備の為に、その必要な物をと。
どうにか用意して欲しいと。

一生懸命、お願いをした。

皆は複雑な顔もしたけれど。

でも皆は…
すぐに私にと渡してくれた。

そう…
これは『ゼスだけ』の為に!!

皆から聞いたゼスについてと。
その中にもあった事を思い出す。

それは色に関してだった。
どうやらゼスは淡い色を好むと!!

ゼスを思い出しながら私が考えた時も。

確かに?
いつも、そうでしょう?
華美でもない…
けれど普段から着てる服も?
清潔感すらある印象しかない!!

私が出来る事も少ないけれど。

それでも…
これだけは私がと。

ゼスだけしたい!!

どうにか思い出しながら…
私はゼスが寝てる時だけにと…
一生懸命にと…

頑張って作っていく。

時間も、日数も、勿論かかる。

でも…

ゼスのを…
失敗したくない!!

ふと作業途中で私は気付く。

淡い色と?
それに、これなら…

僅かに自分の長い髪を見た。
組み合わせを考えながら少しだけ切る。

それに、ずっと気になってる物もあった。

多分?
あれを最後に付ければ…

きっと私でも手に入る!?

どうにかゼスが寝てる時。
綺麗に完成した。

ただ…
後は、あの石だけ!?

白い様な?
青い様な?
緑の様な?

凄く不思議な淡い色も。
それに大きさも小さめで丁度に!?

あの石で完成させられる!?

でも…

そうなると…

ゼスに見つからない様にと!?

いつもゼスは私と一緒に居るけれど。
勿論、私も一緒に居たいのも変わらない。

でも私は完成したのを見て思う。

絶対に最後の仕上げとして欲しい!!

また私も考える。

これだと時間も?
やっぱり朝?

私は完成した物を。
見つからない様に小袋へ入れる。

時間も?
また皆に相談すれば?

考えながらもゼスの横でと。
すぐに私は安心する。

そのまま寝た…

**************************

翌朝。

いつもと同じ様に皆と一緒で食事をする。

その片付けへ行くけれど。
気を付けながら私はゼスも見る。

ゼスも同じ様子を確認した。

片付けにと私も行くけれど。
既に集まってる団員の皆にと。
嬉しくて私は笑った。

「あのね!!
やっと出来たの!!
後一つだけでと…
完成もするよ!!」

そう言うと皆は凄く驚いた顔をした。

私は笑いながら皆に小さく続ける。

「だから多分?
5分程度?
片付けが終わる前に…
絶対に戻るから…
私が取って来れるの!!
その間だけゼスを…
少しだけ、お願いね?」

急に皆が凄く慌てながらもゼスを見た。

すぐに私も音だけ出さずにと走る。

前から気になってた物…

あれを見つけてから。
私は気になって場所も覚えてた。

だから、すぐに走って向かう。

あの不思議な石を!!
それさえ付ければ完璧に!!

広場から少し離れるけれど…
村からも出ない場所だった。

そのまま私は目的地に着いて探す。

崖下にと様々な石がある。

多分?
昔は川か何か?

今は何もないけれど。

すぐに私は見つけた!!

私は手に入った不思議な石を。
小袋からも出してから仕上げに付ける。

その場で完成した。

眺めながら思う。

これなら…
私には判らない。

でもきっと…
ゼスの『願い事』も…

急いで皆の居る広場に戻る為にと。
また私は走った。

**************************

一方、ゼス。

普段通りにはしてたが。
僅かに目を離した時。

すぐに気付いた。

ユアナが居ないだと!?

だが、村から出れない筈。

ならば…

すぐに動こうとした瞬間。
団員全員が包囲してきた。

「な…
ユアナは…
どこに行ったんだぁ!!
それにお前らも居た筈だぞ!!」

僅かに怒りとして怒鳴ったが…

すぐに全員が持ってた武器を。
暗器すらも含めて武器類をと。
全て放り投げたのを見た。

意味に気付く。

これは…
単純に俺の足留めのみを!?

まさか…
ユアナが言ったと!?

そんな中で皆の方からだった。

首領しゅりょう
悪りぃが僅かで良いし?
俺らがだぁ。」

首領しゅりょう
怪我すらねぇが。
俺らも本気でと…」

首領しゅりょう
ユアナにならゼッテェだぁ。
僅かでも必ず。」

首領しゅりょう
今の俺らなら数分程度…
どうにかするのみ。」

全員が真剣な目を見せたが…
すぐに理解も出来た。

大きく息を吐き出す。

「なるほど。
ユアナにとだな?
だが…
僅かだろうが俺は変えねぇぞ?
ユアナを一人にする訳もねぇんだ。」

言うと同時に皆が複雑に動いた。
冷静に分析しながらと全員を避ける。

同時にユアナの行く可能性も考えるが…

首領しゅりょうにとだぁ!!
あのユアナが必死にと!!」

「そうだぁ!!
首領しゅりょうの為にと、あんだけ!!」

「ユアナがだぁ!!
首領しゅりょうを今だけゼッテェ止めるんだぁ!!」

「俺らが首領しゅりょうをと!!
必ず止めるだけにと動いてやらぁ!!」

僅かに驚きながらも皆を見ると…
更に全員での連携までか!?

だが…

「こんの馬鹿共がぁ!!
それでもユアナは…
まだ知らねぇ事すら多過ぎる!!
僅かだろうが…」

言う途中でと全員が…
明らかに連携しながら動き出した。

すぐに気付いて全てを避けながら対処する。
だが僅かに逸らして、すぐに離れた。
そこから他の団員達も動く中でだった。

「俺達でも首領しゅりょうを僅かにと!!
それでもユアナを守るんだぁ!!」

「こんなん当たり前だぁ!!
ユアナが俺達にと信じてるなら尚更だぁ!!」

「ユアナがとだぁ!!
首領しゅりょうを今だけはゼッテェにとなぁ!!」

「俺らが首領しゅりょうをと!!
ユアナの為にこそ止めるだけだぁ!!」

俺が動きを僅かに止めた時。

全員が更にだった。

皆の意味は判るが…
ユアナは知らん!!

だからこそ!!
予測すら…

**************************

私が急いで広場に戻ると…
もう驚くだけだった。

「良い加減にしやがれぇ!!
こんの馬鹿共がぁ!!
ユアナを一人に出来るかぁ!!」

ゼスの怒鳴り声にと…

首領しゅりょうは駄目だぁ!!
今だけは待って貰うしかねぇ!!
それにユアナも村から出ねぇ!!」

首領しゅりょうも判るだろぅがぁ!!
あのユアナがだぞぉ!!
もう少しって言ったんだぁ!!」

首領しゅりょう!!
あんなにユアナが頑張ってんのにだぁ!!
だったら俺らも全力に決まってらぁ!!」

首領しゅりょうにと判ってんだぁ!!
すぐだってユアナも言った!!
それならゼッテェだかんなぁ!!」

皆が全員でゼスを必死にと…
どうにか、しがみ付くけれど。

「こんの…
大馬鹿共がぁ!!
僅かでも変わらねぇだろうがぁ!!
ユアナにと…
何かあってからでは遅い!!」

ゼスが皆を投げ飛ばしながら…
それでもと…

皆は着地してから素早く動く。
またゼスにと…

「一応それも判っけど…
首領しゅりょうにと!!
あのユアナが…
ずっと、続けてだったのにかぁ!!」

首領しゅりょうにと必ずだぁ!!
俺らにと…
もう頼まれたんだぁ!!
ユアナの為なら首領しゅりょうでも通さねぇ!!」

「そうだぁ!!
首領しゅりょうには手加減も要らねぇ!!
全員で俺らが全力でなら…
ユアナの為にと、必ずしてやらぁ!!」

「あのユアナがと…
必死で首領しゅりょうにと頑張ってるんだぁ!!
ゼッテェだかんなぁ!!
俺らも連携もすんぞぉ!!」

私は何も言えず…

既に何十人もとゼスは投げ飛ばして叫ぶ。

「そんなん…
馬鹿共に言われる前に判ってらぁ!!
この村に居ても俺がだと…
ずっと言ってんだろうがぁ!!
こうなりゃ…」

皆は着地してから驚く顔でと。
素早く動きながらも…

「これは…
首領しゅりょうにと連携4と9だぁ!!
気絶防止策もだぁ!!」

「連携4と9、それに体勢もだな!!
必ず首領しゅりょうの動きにと…
すぐだぁ!!」

「判ったぁ!!
皆でも防ぐだけじゃねぇ!!
早さも注意だぁ!!」

「人数でも連携でとだぁ!!
きっと首領しゅりょうなら連携4と9でと!!
どうにかすっぞぉ!!」

ゼスが投げ飛ばしながらも…
更にと着地した皆がだった。

動きを複雑に変えた?
早過ぎて私には判らない。

けれどゼスは息を大きく吐き出した。

「だったらなぁ…
連携4と9の弱点のみだぁ!!」

大きく言ったゼスが更にと早く動くけれど。

私には全く判らない。
でも皆の動きが急に止まった。

「そんなんじゃ…
まだまだ甘過ぎるなぁ?
俺には余裕かぁ?」

皆は気絶もしてないけれど…
一瞬で全員が座り込んで息すら荒かった。

「俺はユアナを…」

ゼスが動いた、その時。
私と目が合った。

**************************

そこでゼスが凄く慌てながらも…

「ユアナ!!
どこに行ってた!?」

急いで言って私の側にときた。

他の皆すら私に気付いた様子でと。
ゼスから離れたまま疲れてる様子でと。
座ったまま笑った。

「ゼ、ゼス?
それに皆も…
数分ぐらいだったけれど。」

どうにか私が言うけれど。
すぐにゼスは私を抱き締めた。

「ユアナ…
何をしてるか…
俺すら判らなかったがなぁ?
頼むから俺の側にだ。
心配したぞ…」

やっぱり…
ゼスは優しい…

「ごめんね?
でも…
どうしても…
ゼスだけなの。
頑張ってね?
私もゼスだけにと…
渡したい物がある。」

そのままで私も言うと…
ゼスは少しだけ腕を緩めた。

いつもと同じ様に私の腰を…
腕だけ回して支えてくるけれど。

不思議そうな顔でだった。

「ん?
ユアナが…
俺だけにと?
渡したい物をだと?」

私は笑いながら小袋から…
完成したばかりの物を出した。

それからゼスにと。

「うん!!
これを私が作ってたの!!
皆からもね?
ゼスの事も色々と聞いたけれど。
昔の事も思い出したから…
だから…
これはゼスだけ!!」

私は淡い糸だけで作った…
『ミサンガ』をゼスに渡しながら言う。

凄く驚いた顔でゼスは…

「ユアナが作ってたのは…
これだったのか?
それに…
俺だけだと?
俺の為だけにと?
ずっと、あんなにも…
それに…
この淡い赤は…」

そう言いながらもミサンガをと…
良く見てるゼスを私は嬉しく思った。

だから私は笑いながら…
ゼスの頬にと触れた。

「ゼスは…
淡い色が好きでしょう?
だからね?
淡い青と白が多いけれど…
でも緑もと。
ゼスは光る海や星よりも…
空や自然が似合うと思うの!!
きっと空なら夕日もある。
だから少しだけ淡い赤もと。
その不思議な石はね?
ずっと前から気になってたからね!!
けれど、その綺麗な不思議な石もと。
結び目から釣り下がれば…
ミサンガをしながらも…
僅かに揺らめくでしょう?」

そう…
私はゼスが好む色でと…

全て淡く、白も多いけれど。

ゼスは強い。

でも光とも違うと。

きっと安心すら出来る優しい…
淡い空の様な自然の方が似合うと。

だから淡い青と緑と白を。
更に僅かにと淡い赤を。

それから結び目に吊り下がる様にと。
あの不思議な小さな石も絡めた。

そう私が言うと…
ゼスは驚きながら私を見た。

「俺には空や自然が似合うと?
だからユアナがこれを…
俺の為だけにと?
ミサンガなら意味すら…
それに…
この淡い赤で僅かに輝く色。
まさか…」

ゼスはミサンガを確認する様にと。
再度、見ながら私にと言ってくる。

「うん!!
そう…
ミサンガの意味は…
ゼスなら知ってるよね?
まだ私は『ゼスの願い』を…
知らないでしょう?
それでもゼスにならと…
空なら淡い青でと。
ゼスの優しい笑顔も似合う。
淡い緑の優しさも似合う。
それでも僅かな赤も白も…
ゼスなら全てがと。
そして切れた時には…
ゼスの願いも叶う様にと。」

私がゼスに笑って言うと…

「ミサンガの意味は判るが…
それすら全て含めてと…
俺だけの為にと!?
それにだ!!
この淡く輝きすらある赤は…
ユアナの…
淡いブロンドだろう!?
僅かでも俺には判るぞ!?
俺の願いにと…
その美しい髪すら使ったのか!?」

すぐにゼスが気付いた事にと。
私は嬉しくて笑った。

「本当に少しだけね?
髪なら自然に伸びるよ?
それに…
そのミサンガはね?
ゼスだけにと。
着けて欲しいの。」

驚いた顔のゼスにと。
目を閉じて私は続けた。

「私がね?
ゼスにと…
前に少し話したでしょう?
ずっと昔の夢を。
その頃にね。
私は作り方を覚えてたの。
一応、理由もあったよ?
私が願ってた事と同じにと…
本当に愛した人を、私も愛したいと。
それを願ってたけれど…
あの頃は家の秘密も。
全て知らなかったからね…
だから小さい頃は…
政略結婚になってもと。
全てを私は受け入れて…
『相手を愛する』と。
でも私が…
どれだけ愛しても…
その愛した人が…
私を愛するか判らないと。
それでも、もし…
本当に愛した人を見つけたらと。
本当に愛した人の願いもと。
叶えられたらね。
きっと喜ぶだろうと。」

私は目を開けてゼスにと笑う。

「私はゼスをと!!
見つけられたよ?
そんな優しいゼスが願う事。
だったら、きっと…
ゼスだけでもないと判る!!
きっと皆も喜ぶのでしょう?
だからね。
そのミサンガをゼスにと。
ゼスだけにと、渡したかったの!!」

そう言うとゼスは…
凄く驚いた顔もしたけれど。

すぐに嬉しそうに笑いながらも。
優しい声でだった。

「もうユアナの方がだろ?
ずっと俺よりもなぁ…
優しいのが判るかんなぁ…
その上で俺の願いすら…
叶う事すらもだ。
ユアナが願ってくれてんだぞぉ?
もう俺すらなぁ…
こんな贈り物は初めてだし?
それに意味すら充分…
俺は理解もだがなぁ…
でもユアナ?
先に俺の願いをかぁ?
それとも、ちっと違うが。
思いを言うならなぁ?
俺はユアナだけを愛してるんだ。
だからユアナと一緒に居たいと。
その願いはミサンガにじゃねぇ…
俺はユアナにと願いたい。」

ゼスが嬉しそうに笑ってくれた事に…
私も嬉しくて笑う。

「うん!!
私が探してたのはゼス!!
ゼスだけを愛したいの。
そのゼスが言うなら…
私は嬉しいだけだよ!!」

ゼスは凄く嬉しそうに笑い出した。

「あはははは!!
もう…
俺すら…
予想も…
出来ねぇとか…
あはははは!!
それすら?
初めてなのにかよ!!
しかも…
俺の願いを…
その為だけにと…
あははは!!
こんなに嬉しい事!?
もう、ねぇだろうなぁ!!
あはははははっ!!
ユアナはマジで…
スゲェなぁ!!
俺すら勝てねぇ!!
くっ。
あはははははは!!」

側に居た皆すら嬉しそうに笑った。

ゼスが喜んでくれた事も。
皆が協力してくれた事も。

全てが嬉しくて…
私も笑うだけだった。

**************************

ゼスはミサンガの不思議な石を見て…
私にと向いて笑いながらと。

「ユアナ。
この石をマジで知らねぇのかぁ?
良く選べたもんだがなぁ…
これは鉱石の翡翠ひすいだ。
その原石みてぇなもんだなぁ。
だからこそ見分けは難しいし?
白い部分すらも多いかんなぁ。」

私は首を傾げた。

翡翠ひすいと?
私は知らないけれど…」

それにとゼスは…
凄く驚いた顔をしたけれど。

すぐに爆笑した。

「本当に!?
知らねぇと?
俺もユアナにと…
鉱石をだったが…
まさかユアナが?
しかも…
これをと!?
俺にかぁ?
あはははははっ!!
翡翠ひすいを知らねぇ上にと!?
だったら意味すら…
あはははははは!!
知らねぇのにと?
それでもと?
俺にか!?
くっ。
あはははははは!!
もう…
とんでもねぇ!?
マジでかぁ!!
あはははははっ!!
こりゃ…
スゲェどころじゃねぇ!?
また無自覚で!?
どんだけだぁ?
くっ。
あはははは!!」

私は焦る。

「その…
もしかして…
変な意味もあると?」

不安になりながらも私が聞くと…
ゼスは首を横に振った。

「いんやぁ?
寧ろ逆だろ!!
翡翠ひすいの意味は多いがなぁ…
『あらゆる成功と繁栄』をと。
それを、もたらす意味だぞぉ!!
更に言うと…
持ち主に知恵を授け人徳も。
『幸運と守護を象徴する石』とだ!!
しかも白と僅かな青すら…
かなり貴重でもあるし?
それすら完全にユアナは無自覚でと…
とんでもねぇ!!」

私は安堵した。
でも、すぐにゼスは皆に向いた。

「おい!!
馬鹿共すらもだなぁ!!
この翡翠ひすいをだぞ?
価値すら判るだろ?
だが…
ユアナは無自覚でと!?
もうスゲェどころじゃねぇな!!
お前らすら予想外だろ!?
あはははは!!
まぁ?
このミサンガは俺だけなぁ?」

大きくゼスが言うと…
皆すら驚いた顔で動かず叫んだ。

首領しゅりょう!!
もう俺には見分けらんねぇし?
めっちゃズリィよ!!」

「あはははは!!
これはユアナが凄過ぎるだけかぁ!?
首領しゅりょうすらも驚きなぁ!!」

「俺らよりもユアナがヤベェし!?
こんなん首領しゅりょうにと判るかぁ!!
それに俺だけじゃねぇっての!!」

「ユアナ!!
こりゃ想像以上にだぞぉ。
もう大成功だろうなぁ!!」

「くっ、俺らすらも予想外過ぎ!?
だが頑張った甲斐があったなぁ、ユアナ!!
俺らも首領しゅりょうにとだったかぁ?」

「ユアナに負けてるかもしんねぇ!?
考えろ、首領しゅりょう!!
この村だけであり得ねぇ!?」

もう、それにもゼスは嬉しそうに笑う。

「だろうなぁ!!
俺すら予想外過ぎる!?
あははははは!!」

私は驚きながら考える。

そんなにと?
あの石がと?

でも…

「ねぇ、ゼス?
その不思議な石…
翡翠ひすいって言うらしいけれど?
もっと他にもあると思うよ?」

私が首を傾げて言うと…
急にゼスは驚きながら首を横に振った。

「何ぃ!?
まさか…
ユアナ!?
その場所が判るのか!?」

素直に私は頷く。

ゼスは目を閉じた。

「これなら、しばらく何もかぁ?」

目を閉じたまま言ったけれど。
すぐに目を開けてゼスは嬉しそうにと。
私を抱き上げた。

凄く嬉しそうに笑いながらだった。

「やっぱユアナは…
スゲェなぁ!!
それに…
これは俺からもだ。
ちゃんと言わねぇとなぁ…
ユアナ?
こんなにも綺麗なミサンガを。
ありがとう。
俺も大切にする。」

それにと私も嬉しくて笑う。

「良いんだよ!!
ゼスが笑うなら!!
それにゼスの願いが叶うなら…
私も嬉しい!!」

そのままでゼスは大きく言った。

「俺は充分!!
もう幸せだろうなぁ!?
あはははは!!
よし、ユアナ?
今日は、このまま家に帰るぞぉ?」

私も頷いて、皆にも笑った。

「皆も本当にありがとう!!
私は優しい皆も凄く嬉しいよ!!」

皆も嬉しそうに笑ったのを見た。
もう、それだけで私は嬉しかった。

それに思う…

頑張って良かった!!
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