侯爵令嬢の私は盗賊団に入団する!!-歪んだ愛から本当の愛を求めて-

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第三章:言葉が判らなくて感じる想いを。

離れる事で知る思い、願いすら一つのみ。

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ルドが用意してくれた食後は…

少し私は、そのまま星空を…
見ながら考えてた。

時間が経つ程にゼスも気になる。


でも…

会いたいよりも不安ばかりだった。

私は愛してるけれど。

ゼスは怒ってる?
もし嫌われたら…

私は何も出来ない。
それに知らない。

愛するだけなら出来るけれど。

また、あの目は…
恐いのもある。

ゼスと会わないのに…

他の皆と?
会うのは良いの?

でも…

ゼスが一番、偉いのでしょう?

だったら…

「なぁ、ユアナ。
ゼスからは動かねぇし?
好きに時間も使えば良いが。
流石に野宿は…
した事ねぇよなぁ?
俺は作れっし?
まぁ、俺は慣れてっし?
大丈夫だなぁ?
でもユアナは…
別に村の方でも…
どこでも大丈夫だと思うぞ?」

私が考えてると。
ルドの声で意味にも判った。

素直に私も…
そのまま言う。

「ねぇ、ルド?
ゼスが一番なのに…
ゼスに会わないでと。
他の皆に会って良いの?」

暗いのもあるけれど。
側に居るルドの口調は楽しそうで…
いつもと変わらずだった。

「別に?
大丈夫だろ?
どこでもなぁ。
でもユアナの気にしてんのは…
やっぱゼスの事でと。
そっから皆にかぁ?
らしいっちゃぁ、そうだがなぁ!!
まぁ、他の選択肢でも…
こっから一番近い街や村だと。
今からだと朝になるかぁ…」

街や村がと!?

でも…

私も考える。

「野宿って、どんなの?
ここで寝ても…
野宿でしょう?」

「な、なんにぃ!?
ここでかよ!?
いや、ユアナは…
野宿が判ってねぇからだなぁ!?
それは仕方ねぇとしても…
村に戻る選択よりも…
野宿する方をか!?
普通に選んだのかぁ!?
確かに…
どっちでも俺は大丈夫だし?
ユアナが選ぶ方で問題すらねぇが。
でも、ここよりは…
まだ木々がある方がマシだぞ?」

驚く様子をした感じの?
ルドの声に…

どうにか考えながら私は言う。

「うん…
私も考えたけれど…
あの村は…
ゼスが使ってるのでしょう?
皆の場所でしょう?
それなのに…
会わずにと?
勝手に寝泊まりを?
少し変だよね?
お金とかも私は持ってないと…
行った事はないけれど…
街や村にある?
泊まれる場所には…
お金を払うと?
だから泊まれるのでしょう?
他にも買いたい物と…
そこでも、お金を支払うと。
ここが、どこの国かも?
判らないなら通貨も?
何も持ってないなら…
普通は野宿だと思ったの。
違うの?」

その時。
ルドが起き上がった様子が判った。

そのまま更に私も抱き上げてきた。

「うわっ、えっ?
ルド?」

「なるほど…
大体の生活基準もかぁ?
ユアナの判断も含めてなぁ。
理解したが…
だが、更に明確にだ。
ユアナは無自覚だがなぁ…
本日に限っては完全にだ!!
ゼスのとこに戻る意思すら。
全く、無しっと!!
だったら移動すっぞぉ?
ここは石ばかりだからなぁ?
ユアナが知らんのは…
当たり前だがなぁ?
こんなとこで寝たらかぁ?
朝にだ!!
起きた時、身体が痛いだけ!!
木々の方に行けば俺が作れるし?
その方がマシ。
てか相変わらず…
軽いな、おい!!
やっぱ、もっと食わせねぇと…」

急に動き出したルドにと。
私は驚く。

しかも…

暗い!!
見えないのに!?

「えっ!?
ルド!?
移動してるでしょう!?
でも…
余り見えないよ!!
それに私を!?
抱えてるルドも…
危ないだけ!?」

もう慌てながら言う私を…

簡単にと?
ルドは運びながら?

見えなくて判らないけれど…

もう、ただ…
動いてるぐらいしか…

急にルドが笑い出した。

「ははははははっ!!
ユアナが?
こんな軽いのにかぁ?
落とさねぇって!!
はははっ!!
めっちゃ余裕だし?
俺は夜目も慣れてっかぁらなぁ!!
ははははっ!!
金に関しても問題ねぇよ!!
俺が持ってんし?
さっきの話で判ったぞぉ!!
ユアナは街や村すらだ。
知らねぇってなぁ!!
ゼスに関しての考える時間も?
充分あんし?
なぁんも問題ねぇぞぉ!!
ははははははっ!!
どうせだ!!
ただ、ずっと?
考え続けるぐれぇならだ!!
気晴らしにとかぁ?
街見学すら学べるだけだろ?
一石二鳥ってヤツかぁ!?
学んで、考えて、そんでもってだ!!
俺は娯楽好き!!
いくらでも探せるってぇの!!
ははははははっ!!」

私は暗くて良く見えない。

でも…

ルドの言う意味は私でも判った。
それにと、どうしても笑ってしまう。

そのまま判らない場所で降ろされると…

簡単にルドが?
移動先で何かしてからと?

言われた様にと。
用意してくれた場所に横になる。

そして私は初めて野宿をした…

**************************

陽の光でと私は目が覚めて…
ふと起き上がると。

身体に少し痛みが!?

私は夜…
ルドが言ってた意味に納得した。

少し離れた場所に…
既にルドが起きて居た。

「お?
ユアナも起きたかぁ?
どうだぁ?
身体が少し痛いだろ?
ははははっ!!
まぁ…
野宿は身体に良くねぇし?
街で宿でも取りゃ問題ねぇよ。」

いつも通りに笑ってるルドを見て…
私も安心して少し笑う。

「おはよう、ルド。
昨日の?
野宿の意味が判ったよ。
でも…
ルドは…
寝てたの?
それに…」

すぐに私は気付いた。

既に簡単な朝食を?
多い果物や焼き魚があるのに驚く。

「あぁ、俺かぁ?
一応、仮眠程度はしたぞぉ。
こればっかは慣れだなぁ…
普段から俺は仮眠が普通だし?
ユアナは慣れる事もねぇよ。」

また私は驚く。

普段からと?
仮眠程度と?

でも…
それを…

私は急いでルドに近付いた。

「そんなのを!?
ずっと!?
してたら…
絶対にルドもだよ!!
身体に良くないでしょう!?
ルドも寝ないと…」

慌てながら私が言うと…
でもルドは少し驚いた顔になった。

「うおぅ?
え、いや…
俺は慣れてっからかぁ?
別に…
今でも大丈夫だぞ?
勿論、ユアナの身体は駄目な?
ユアナの場合は特になぁ。
簡単にでも飯は食わねぇとだし?
必須だろ?
後は一気に街まで移動もすっから。
そこでも食えるし?
まぁ、朝食ってよりは…
軽食程度だが。」

慣れてると?

だったらルドは今までも…
ずっと…

そこで私は準備されてる。
食事も見るけれど…

「でも…
一人分しか…
ルドのは?」

どうしても私は心配になる。

そんなルドは普通に笑って言うだけで…
普段と何も変わらなかった。

「俺は作りながらかぁ?
簡単に食ったし?
心配すんなって!!
街に行けば食材もなぁ。
普通にあっから。
何も問題ねぇよ!!」

もう食べたと?

確かに…
街に行けばある。

そこで私は出来た食事を見て思う。

本当に家事もルドは出来てる?
この料理まで簡単に?

料理をしようとする私にと。
皆の言ってた事も私は思い出した。

だから食べる前にと思う。

すぐに私はルドを。
しっかりと見てから…

「ルド!!
私にも料理を教えてね?
絶対に頑張る!!」

そう言うと…
今度はルドが不思議そうな顔でと。
首を傾げたのも見てた。

「え…
な、ん?
頑張るだぁ?
料理をと?
いや…
俺も別に…
そんな詳しくねぇが?」

すぐに私は首も横に振る。

「ゼスも!!
皆も!!
どうしてか私には料理だけ…
絶対に教えてくれないの!!
私も頑張れば出来る!!」

ルドは急に目を閉じた…
そのままでと。

「これは…
まさか…」

目を開けたルドは微妙な顔になると…
ゆっくりと首を横に振った。

「いや…
やっぱ…
ユアナ?
料理は止めた方が良いかぁ?
多分…
怪我するだけだろ?」

それは!!

まさか!?
ルドも同じ理由でと!?

どうにか私が必死に頼んでも…
ルドは微妙な顔のまま…

首を横に振るだけで。
私も少し微妙な気分にもなった。

でも…

ルドに言われた通りに…
取り敢えず、私も食事を済ませる。

食べ終わると…
本当に、すぐだった。

ルドは私を簡単に抱き上げた。

「よっしゃ!!
行くぞぉ!!
ユアナは…
そのままなぁ?」

笑いながらも私が驚いて言う前に…
いきなり移動も始めた。
えぇ!!

本当に!?
凄く早い移動を!?

一気にと!!

「ルド!?
これは…
えぇっ!?」

でも…

この移動速度は…
ゼス達と全く変わらない!?

そんな中で…
ルドも…

やっぱり余裕な様子!?

普通にルドは笑って言ってくる。

「こっから一番近い国にだ!!
『チテア国』だなぁ。
街の方が遊べっし?
村は後回しっと!!
ユアナは知らねぇかぁ?」

抱き上げられて移動中…
一応、私も思い出す。

「本では知ってるぐらいの?
帝国からも…
確か離れてるよね?」

ルドも笑いながらだった。

「そうだ!!
やっぱ本のみかぁ?
実際に見てなぁ!!
そういうのは、やっぱ?
実物をだろっ!!
他にも、いっぱい!!
あっからなぁ。
ははははっ!!
楽しく学べんぞぉ?」

それにと私は思わず笑った。

「あはははっ!!
ルドも…
やっぱり凄い!!
それに楽しく学ぶと?
ルドらしい…」

すぐにとルドが…
嬉しそうに笑うのを私は見た。

そのまま移動もするのに…
本当に嬉しそうに笑って…

「そう、ユアナにはなぁ!!
笑顔が一番だ!!
考えるのと?
悩む時間ばっかぁ?
んなの、つまんねぇだけ!!
学んで、考えて、悩むぐらいかぁ?
そんぐれぇがだ!!
丁度良いってぇの!!」

学びながら…
更に考えたりと。

また私は納得して笑う。
そんなルドも笑いながら移動を。

「まぁ、しばらく移動だがなぁ。
このまま行けば昼前にかぁ?
ユアナは…
軽過ぎる!?
どうにかなぁ…
もっと食わせないと!!」

そんな様子でと移動もする。

私はルドが嬉しそうに笑うと…

更に普段から何も変わらず。
その優しい笑顔にも…
凄く嬉しくなる。

同時に思う。

やっぱり…
ルドは凄く優しい!!

それに、きっと…
ルドが強い事ぐらい私でも判る!!

だから嬉しくて私も笑う。

そのままルドと一緒に…
初めての国にと…

街にと向かいながらでも充分だった。

ルドも私を信じてる事。
私もルドを信じられる事。

何も変わらない!!

本当に私は安心も出来た。

**************************

一方、ゼス。

昨夜すら一睡もせず…
ゼスは痛感するどころでもなかった。

普段から常に一緒に居たからこそ。
家に居るとユアナが居ない事に…

更にユアナにと!!

した事を。

もう、どうにもならない感情ばかり。
湧き上がるだけだった。

食事すら一切、手を付けず。
目を閉じる。

それでもと…

ゼスは通常通りに報告も目を通す。
全て指示も的確に出す。

そんな中でも…
どうにも出来ず…

ユアナを考えてばかり。

だから家に戻る事も出来ず…
常にゼスは広場にと居た。

そんな首領しゅりょうにと、もう…
皆すら全員が明らかに判る程だからこそ…

普段とも違い過ぎる首領しゅりょうの様子すら…
判ってしまう事も大きかった。

既にユアナの状況を見ていた者達から。
一応、全て聞いて居ても…

あんな首領しゅりょうの状態も。
あの優しいユアナが居ない理由も。

更にルドも居ない事も含めて…
首領しゅりょうの言葉でと判っても居た。

ユアナは悪くないと…
そして首領しゅりょうがだと。

あの首領しゅりょう自身が叫ぶ様にと。
言った意味も。

そんな状態にも関わらず…
首領しゅりょうが普段通りに指示までする姿。

どうにか皆も指示通りに動きながらでも。

もう、皆は余計に今の…
痛々しい首領しゅりょうの姿にとだった。

だからこそ!!
あんなにも首領しゅりょうがだと!!

判ってしまうからこそ。
もう…
見てられない!!

皆すら首領しゅりょうに何を。
どうすれば良いか判らず…

だが、それすらゼスは判る。
その皆にすら判っても…

自分自身も痛感してる事を!!

言える筈もないと…
何も食べる気にもなれないと…
すぐに目を閉じる事しか出来なかった。

一通りの報告や指示を終えると。
また、すぐに目を閉じる。

右手を口元に当てながら考える。

俺がした事でと…
こんな事にと…

したのもだぁ!!

全て俺なのに…
それなのに…

俺自身が!!

何も出来ねぇ!!
何も動けねぇ!!

どうしても浮かぶユアナ…

あの時、僅かに見せた目を。
更にルドの言葉も全てをだった。

あの時…
ルドの言った通りだろうがぁ!!

それなのに俺がと…

また大きく息だけ吐き出す。

必死に感情だけを抑え付けて考える。

ユアナには…
今は俺がだろう!?

近付いたら…
困惑だけじゃない!!

余計にと…
ルドの言う通り泣いてしまう!!
悲しませる事にしかならん!!

どんだけ俺がだぁ!!
馬鹿どころじゃねぇ!!

あのユアナをと…
俺がだぞぉ!!

またルドの言葉を思い出す。

あの時、ルドは…
すぐだった…

ユアナの…
僅かな変化に気付いてだ。

『ユアナが…
ただ、嬉しいと!!
そんな純粋な感情すら』

ルドの言う通りだろう!!

ユアナは無自覚でと…
ただ、嬉しくて…
しただけと!!

俺も判ってた筈だろうがぁ!!
それなのに…

『もうユアナは笑えねえし?』

そう…
ユアナも…
すぐに下を向いて…

悪くもねぇのにだぁ!!

俺にすら謝ってきた。

ユアナは何も悪くない!!

それすら…
俺にとだろうがぁ!!

『ゼスもユアナをと!!
独占欲でするクズにと!!』

そんなのは…
クズ以下のザザラと…

同じじゃねぇかぁ!!

俺がユアナにだぁ…

絶対に許せねぇと!?
俺自身がだったろう!?

それなのに俺がと!?

ルドが怒るのも…
当たり前だろうがぁ!!

ルドは一切、間違ってねぇ…

ユアナの恐がる目を…
あのユアナが止まった事を…

あの時、したユアナの…
他すらも全てを思い出せる。

更にとルドが見せた行動も。
言った言葉の全てが…

『これは誤解をかぁ?
ユアナは…
されたかねぇだろうし?
そんな俺すらも同じだ。』

『俺はなぁ。
ユアナには恋愛感情だけはねぇ。』

『ただ、守りてぇと。』

だからこそだろう!?
あのルドがだ…

俺にと…
完全にと言った。

言葉すら全てがだ…

『物事じゃねぇだろうがぁ!!
何も知らない中でもなぁ…
ユアナは相手の感情すらをと!!
感じ取れるからこそ…
更に判んねぇ中でと!!
必死に足掻いて頑張ってんのにだ!!』

ルドの…
言う通りだろうがぁ!!

俺だって判る事だった筈だぁ!!

ルドは真っ先にと。
気付いただけじゃねぇ!!

最初からだろう…
あんな短時間でとユアナが。

ルドの心にあった痛みに…
ユアナが感じ取ってと…

既に、あんなにもユアナが泣いた事を。

ルドは…

ユアナにだけを。
本当に信じてだ!!

裏切りたくないと!!

その時に、ルド自身が…
優し過ぎる程のユアナに…

あのルドが救われたからだろう?

それだけの痛みを…
ルドが感じ続けてたのにと。
ユアナがだろう!!

ルドが見せた目でと…
完全に強い意志すら判ったんだぞ!!

ルドも全てを…
本気でユアナにだけをと…

『ユアナが笑う事を望んでんだよ!!』

『だからこそ、俺はユアナのみをと!!
絶対に信じ抜く。
そしてユアナは絶対に裏切らねぇと!!』

『そのユアナが望む事のみにと動くんだと。』

俺だって…
あのユアナが笑う事を!!
俺が…
ずっと望んでた筈だろう!?

『更に今すら…
泣いてるかも知れねぇのにと…
全く判ってねぇだろうがぁ!!』

何も悪くねぇユアナを。
俺が泣かせてか…

『今のゼスはユアナからだ…
ただの危険人物のみ…』

『ゼス以外の者ならだ!!
ユアナは僅かに安心を…
そして考える為の時間はなぁ?
ユアナにと作れるんだ!!』

また湧き上がる感情をと…
必死に抑え付ける。

俺以外にと…
愛してるユアナが!!

俺にはユアナ以外…
愛せる筈もねぇのに…

それすら…
したのも俺自身だろうがぁ!!

『信頼ってのはなぁ。
築くのは絶対、時間が必要だがなぁ…
壊れるのは一瞬だ。』

『俺はユアナの信頼は絶対に裏切らねぇし。
絶対に壊したくねぇと。
だからこそ!!
俺はユアナにとだ!!』

俺すら何も言えねぇぐらいにと。

ルドは…
絶対にユアナの為のみ!!

動いてる事だけは確信すらある。

だったら、もう…
俺の側に戻って来なかった選択も。

ユアナ自身が判らずでもだ!!
ルドが判るからこそ!!

あのユアナが…
迷って悩んでるからこそだろう!?

その為だけにルドが動いてる筈だぁ!!

ユアナに安心を。
ユアナに考える為の時間を。

そして…

ユアナを守る為だけにと!!
ユアナが笑う為にしてると!!

俺は…
動けねぇのにかぁ!!

もう、どうにもならず。
ゼスは目を閉じたまま首を横に振る。

ふと気付く。

左手首にあるミサンガを…
思い出して目を開けた。

ゼスはミサンガを貰ってから…
常に左手首にと着けていた。

見ながら思い出す。

全て淡い色でと。
白も多いが…
淡い青と僅かな緑でと…

その中にある淡いユアナの…
美しくも輝く淡い赤のブロンドを。

貰った時なぁ。

ユアナ…

俺は…
あんなに嬉しかった事もねぇよ?

俺はユアナにと…
願いたいと言ったなぁ。

ミサンガではない願いをと…

僅かにミサンガを見ながら考える。

『ゼスは光る海や星よりも…
空や自然が似合うと思うの!!
きっと空なら夕日もある。
だから少しだけ淡い赤もと。』

『ゼスが笑うなら!!
それにゼスの願いが叶うなら…
私も嬉しい!!』

ユアナの笑顔も、言葉も、思い出す。

本来…
一度、着けたら外すのは駄目だがなぁ?

でもユアナ?

俺は…
ミサンガの願いを『ユアナ』に変える!!

俺の願いは『ユアナ』だけだぁ!!

その場でゼスは左手首に着けてたミサンガを。
右手首へと着け直した。

僅かに翡翠ひすいが揺らめいた。

ミサンガを見れば…
ユアナの淡く美しい赤すら僅かに輝く。
ゼスはミサンガにと。
ユアナを願いながらも触れて思う。

俺もなぁ?

もうユアナだけ愛してる…
他すら愛する気はねぇ…

そのユアナだけを。
俺だけ愛してくれる事を。
俺の側に居てくれる事だけを願うのみ。

他の願いはなぁ?
俺自身で叶えてみせるぞ?

だからユアナ…

頼むから俺をだ。

ゼスは目を閉じてユアナの笑顔を。
思い出しながら感情を抑えた…

**************************

一方、ルド。

本当は夜にと一睡もしてなかった。

ユアナを安心させる為だけに。
考えながら常に行動もしていた。

全てが繋がったからこそ…
夜は簡易的にと作った場所へ。

ユアナを寝かせた後。
更に考えてた。

俺が決めた事でもあるが…
一度…
全ての整理が先だな。

ユアナの場合。
最善にする為にもだ。

息を大きく吐き出した。
目を閉じて集中する。

ユアナは帝国でと。
常に洗脳されてた事。

もう会話で理解したが確実だ。

全てを『判らない』事にと…
その為だけにある洗脳だ。

最初のユアナはヤラリス侯爵家を。
その内情を知らずにと…
ある程度、年齢でと理解する歳。
初めてヤラリス侯爵家の内情をだ。

それをユアナは否定した。
理由も当たり前過ぎる普通の願い…

『本当に愛した人を。
私も愛したいと。』

それすら一切、許さずにと行動もだ!!

ユアナが否定をしてから家出を…
でも、これも当たり前だな。

世間知らず以上にだ。
更に何も知らないユアナを見つける事。
簡単だった筈。

どうにかユアナも頑張って繰り返して…
父親のした事が外出禁止だと!?

立場を逆転させれば…
それはユアナが必死にとだ。

頑張り続ける中でと…
常に捕まる上に、何も判らない。

だからユアナからしたら…
何度も失敗し続ける事の…

痛みが残るだけだろうがぁ!!

でもユアナの場合…
洗脳のせいで気付けない!!

更にだ。
洗脳すら続ける為にと…
外出禁止と、くだらねぇ内情でだ!!

洗脳しながらもユアナの…
身体のみを!!

予測しても帝国ではだ。
あの馬鹿二人だろうがなぁ!?

ルドは僅かに怒りが出そうになるが…
どうにか抑え付けた。
同時に思い出す事もあった。

だが、あの帝国に居る馬鹿二人も…
予測だが父親の強制と暗示もか!!

そんな中でもだ。

あの二人はユアナを…
本気で愛したのも事実だろう。

そうでなければ…
ユアナをとだ。

あんな試験薬の時点でと。
もう耐えられず…

だからこそ表側から逃す為に…
最後まで抵抗はしたのだろうが。
どうにも出来ず…

最後にと裏側のゼスへ。
裏側へだろう。

そして今でも表側でと…
帝国を二人でしてる理由。

あの返答…
ユアナの為になのは明確だし?

今の帝国を考えれば、動機も簡単だ。

表側で全てを動かし守る為にと…
真っ先に両親の始末すらユアナの為に…

そこまでして…
今の帝国全てを動かせる事。

だからこそ、ザザラの件でも。
表側からと…

更にネカティア国の時すらだ。

ルドは少し息を吐き出す。

僅かに帝国の二人を想像した事でと。
首を横にだけ振って考える。

じゃなきゃ…
あんな形でとかぁ?
動いてねぇからなぁ…

でも…
こればかりは完全な予想外でと。

新たな問題にとなった事。
ゼスとの接触でだろう。

ユアナの洗脳に影響も与え…
これは予測だが新たな洗脳の為にと。
何度も帝国の二人がユアナにと動いた事だ。

その度にゼスがだろう。

常にゼスが助け続けたからこそ。
ユアナはゼスや皆に信頼を。

更にユアナの場合。
全ての初めてが、そこからだ。

今でも世間知らずや…
無自覚は変わらないが…

さっきの会話でも充分だ。

ユアナは帝国内でも外出禁止なら…
常に帝国の中では一応かぁ?

どうにも複雑な気分だが…

ユアナにと洗脳も…
でも同時に二人で常に…
一切、怒る事をしないでとだ。

表側では常に二人でと。
ユアナを守ってた筈。

一応、ザザラも表側に居たし?
あれだけ早く暗号文にも対応してる。

だったら、ユアナにと…
かなり前から表側でともだ。

接触すら二人で防ぎ…
ユアナを守ってたからこそ。
暗号文の時。
すぐに動いた理由にもなる。

裏側のゼスにも接触してる二人は…
ゼスならば裏側でユアナを守れると。

だから表側では帝国の二人が守る為にか。

確かに…
ユアナを守るには最善にも思えるがなぁ…

あの二人は知らん。

表側に居るから仕方ねぇし?
俺みたいな存在も裏側には居ると…

おまけに違う部分にと…
ユアナに影響しちまった事だ。

帝国では…
どんなに予測しても…
ユアナに接触してた者。

あの二人だけだろう。

そっから常にゼスと皆のみ!!

そもそも、洗脳でとだ。
ユアナ自身が判らねぇだろうが!!

だからこそ、ユアナは…
他の全てを知らん状態にとだ!!

街や村、他国も多いがなぁ。
関わる人間すら限定状態?

ゼスに関しても…
そんなんユアナ自身がだ。
いくら考えても…

ゼスや皆以外…
知らねぇなら余計にだろうがぁ!!

もっとユアナの場合。
最善にする為にと。

それならばユアナ自身が知る事だ!!

ルドは目を開けた。
ユアナが寝てるのも簡単に確認する。

こっから一番、治安も良い。
更に近い国ならば…

『チテア国』だ!!

僅かに知る事でも…
ユアナには大きな影響もある。

更にと教える事でもだ。

ユアナ自身がだ!!

俺が何かあっても…
守る事すら変わらねぇ!!

ユアナが笑う為にこそ…

判断したルドは僅かに食材を。
簡単に食事代りを用意してからと。

いつも通りにユアナへ接してた。

**************************

私はルドと一緒に移動してると。
早過ぎるのもあるけれど。

山や森から出た。
そのまま僅かでと…
明らかに少し離れた場所にだった。

あれは!!
もしかして!?

僅かに離れたところからでも判る。
建築物が見えた。

でも…
自然すら周りに…

ある中にと!?
帝国程では、ないけれど…

あれが『チテア国』なの?

「ユアナ!!
あそこがチテア国の都市だぞぉ?
本よりもだ!!
スッゲェ綺麗だろ?
俺も気に入ってからなぁ!!」

咄嗟に私はルドを見ると…
また嬉しそうに笑ってた。

それにと私も笑う。
感動すらしながらと…

「うん!!
ルド!?
ここがなの!?
凄く綺麗にと!!
自然すらもなのに!?
それなのに街が…
あの街並みすらだよ!!
色すら綺麗でと建物が!?
あんなにも…
建物があるのにと!?
でも違和感すらない!?
どうして!?
自然の色すらある?
あれが都市と!!」

もう表現すら出来ない私にと…
ルドも凄く嬉しそうに笑った。

「ははははははっ!!
ユアナ…
落ち着けって…
まだ入ってもねぇのにかよ?
はははははっ!!
もう…
俺は既に?
笑うだけ…
それになぁ!!
やっぱユアナはだ!!
笑ってんのがだ!!
似合うぞぉ?
でも…
これだけでと?
もうかよ?
はははははっ!!
俺もかぁ?
こんだけ喜ぶならかぁ?
もっとだぞぉ!!
俺は楽しい事が好きだ!!
そう…
今だってなぁ?
ユアナもだ!!
そうやってかぁ?
はははははっ!!
きっと、もっとなぁ?
学んでだ!!
そっから楽しんでかぁ?
考えろ?
ただ、本で学ぶだけ?
んなの、つまんねぇし?
だったなぁ。
学ぶ事すら楽しんですんだ!!
考える事や、悩む事?
それだけでも、つまんねぇ…
だからこそ、学ぶ事すら楽しめ!!
そうすれば、どっちも同時にだ!!」

私は嬉しいだけでもなかった。
笑いながらルドに言葉をと。

「うん!!
ルドの言う意味は判ったよ!!
楽しんでと!!
学びながらと!!
私も初めて知った!!
こんなにと!!
もう私も!!
それに…
判らないけれど?
不思議な感覚も?
言葉が判らないけれど?
でも、そう!!
凄く嬉しい事だけは判るの!!」

ルドは笑ってたけれど。

急に目が…
私には…
いつもより優しく見えた。

それに普段よりも…

「ユアナ?
言葉が…
浮かばねぇんだろ?
もしなぁ。
その判らねぇ事をかぁ…
言葉にするならなぁ。
楽しいとも違うぞ?
ただ…
ユアナの心がだ。
『喜び』をと。
それと一緒にかぁ?
嬉しい気分でと…
『心地良い』だけだろう?
別になぁ。
それすら誰だって同じだ。
楽しい事も。
嬉しい事も。
他にも言葉に出来ない感情かぁ?
たくさんだ。
勿論、悲しい事も。
辛い事もあるがなぁ。
でも…
それだけじゃねぇんだ。
きっとユアナは…
感じんのになぁ?
言葉だけが判らねぇだけだ。
そう言うのもかぁ?
学べんだぞ、だから安心しろ?
俺自身が決めた事だ。
ユアナだけは絶対にだ。
信じるってなぁ。」

いつもよりも優しい口調でと。
ルドの目すら…

でも…
笑ってるのに私は…

「うん…
ルドは優しいと。
だから私もルドを信じてるよ?
そうやって笑う顔すら…
ルドは優しいの。
でも…
これが『喜び』と。
確かに『心地良い』だけと。
きっとルドも…
言葉は判らないけれど。
痛くはないでしょう?」

私が笑って言うと…
ルドは凄く驚いた顔になった。

でも、いつもと同じ様にとだった。
嬉しそうに笑い出した。

「はははははははっ!!
相変わらず…
無自覚でと…
もう…
ユアナはマジでだ!!
本当にスゲェなぁ…
ははははははっ!!
あぁ、そうだ!!
俺もだ!!
なんも?
痛くねぇなぁ…
それよりもかぁ?
はははははははっ!!
面白いだけ?
はははははは…
苦し…
また新手?
これもヤベェ…
でもなぁ…
充分だ!!
それにユアナもだなぁ?
もっと…
きっとだ!!
楽しいぞぉ?
ははははははっ!!」

私は首を傾げる。

凄いと?

でもルドの方が…
凄いのにと?

そんなルドは嬉しそうに言ってきた。
けれど、その言葉にと…
私は驚くだけだった。

「ユアナはなぁ。
もっと学べ?
そんでだ!!
本当に叶えるんだ!!
本当に愛した人を。
本当に愛して笑う事をだ!!
それがユアナには似合うんだ!!」

私が言った事を…
その願いをと…

ルドも望んでくれると?

そこで私は改める様にと…
ルドを良く見た。

とても肌は白いのに…
真逆の様にと黒くて…
少し癖っ毛のある短い髪。

もっと不思議な瞳。
右目が青で、左目は明るい茶色。
左右で違う瞳の色。

整った顔立ちで…

でも普通の時。
少しキツく見える目を。
けれど笑うと凄く優しくなる目を。

歳もゼスぐらいで若い。

体付きも、ゼスや…
お兄様達と似てる…
しっかりとした姿でと。

きっとゼスや皆と同じ様に強い事。
私にすら判るのに、でも凄く優しい。

着てる服すら肌を隠す様にと。
黒が多いけれど。

でも…
不思議な雰囲気すらある。

ルドへは愛するのとも違う。

そんな感情すら湧かないのに…
ルドからも…
私に向ける目からは…

似てる様にも感じる。

それにルドが私を見てくる時は…
なぜか安心だけが伝わってくる。

そんなルドもだった。

いつも優しく笑って私の頭を。
撫ででくるだけで…

なぜだか私は自然にと…
安心して笑う事が出来た。

「よっしゃ!!
もう、そのまま街にだぞぉ?
この時間なら店もだ!!
だが、まぁ…
先に衣類関係だなぁ。」

急に笑いながらルドは言うと。
また、すぐ移動だった。

私も驚く。

でもルドに抱え上げられたまま…
一応、私も考えるけれど。

店は判る。

でも…

先に衣類と?

不思議に私は思いながら…
でもルドは本当にそのまま…

一緒にチテア国の街へと入った。
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