先生、運営が仕事してくれません!

紫堂 涼

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はじまりの地

第二話

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 ヴン……と、起動音を耳にしていたはずが、何の音も聞こえなくなる。
 ゆっくりと目を開くと、真白ましろい空間に、独りたたずんでいた。

『あなたの名前を教えて下さい』
 目の前に小さなウインドウが表示される。半透明のそれに表示された言葉の下には、入力欄があった。
「サクヤ……っと」
 いつもゲームをする時に使ってた名前を入力する。
『こちらでよろしいですか?』
 OKを選択すると、入力欄の名前が色を変え、決定された事を示す。

『あなたの姿を決めてください』
 ウインドウが広がり、己の全身が表示される。髪、目、肌、身長、体重。それぞれを調整できるように、多くの項目が現れるが……そのまま佐久弥は迷わずOKを押す。
『こちらでよろしいですか?』
 ミニサイズの自分の姿が表示されている。
 自分としては見慣れているつもりでも、こうして見ると新鮮に感じる。
 襟足を覆い隠す程度の長さの黒髪、前髪も目にかかるかどうかの長さ。普段は整髪料で整えているが、休日の今日はそのままさらりと滑り落ちていた。
 涼しげで切れ長だと言われる目は髪と同じく黒。
 柔らかく見せるために染めようとした時、当時一緒に暮らしていた妹の猛反対にあい、そのままだ。
 妹いわく、私より綺麗なキューティクルを保つこの髪を染めるなんて、許せないそうだ。どうやら生まれつき柔らかな色を備えた妹にとっては黒髪は憧れらしい。様々な言葉で褒められ、思いとどまるように力説されたが、男の髪が綺麗で何の意味がある。クライアントに不快感を与えなければそれでいいのだ。
 妹を説き伏せるのも面倒で、そのままにしている髪が、そのままゲーム内の姿に映し出された。
 肌は外回りも多いため、かすかに日に焼けている。
 身長は、平均より少し高い程度だ。長身に憧れはするが、逆に現実が悲しくなりそうなのでやめておく。
 体重もそのままでいく。がっしりした身体つきには憧れるが……身長と一緒だ。どうせ自分で自分を見るわけでなし、己の姿を鏡に映す趣味は無い。

『こちらで決定してよろしいですか?』
 選択した通りのものが表示され、またもやOKを押す。

『それでは、Ideal World Onlineにようこそ!この世界には職業といったものはありません。あなたが、剣を持ち戦うならば、あなたは戦士であり、魔法を極めれば魔術師に、何かを作り出すのであれば職人になったということでしょう。この世界に何を求めるのかは、あなた次第です。私たちの愛しいこの世界を、あなたも愛してくれることを祈ります』
 わたしたちって、誰だ?
 この世界の総意か、製作者か、それとも神とかが設定上いて、その存在か?
 答えなどもらえないまま、目の前のウインドウが消され、自動的に目を閉じてしまう。



 ざわりと木の葉が風に遊ばれる音、遠くに聞こえる水の音、先ほどまでの静寂とは相反する世界がそこにはあった。
「うっわぁ……すげぇ……」
 眩い日差しに、どこか甘く感じる空気、今までに感じた事の無い圧倒されるほどの大自然。
 とん、と軽くその場で弾んで見ると、自分とは思えない軽やかな感覚。何度も瞬きをしながら大きく首を巡らせるが、それだけでは飽き足らずにその場に背中から倒れる。
 柔らかな草の感触と、倒れこんで初めて感じる青い香り。
「これが作りもんとか、冗談じゃねぇの?」
 しっかりとした自分のものらしい手をまじまじと見つめ、その手で太陽を遮りながら、どこまでも透き通る青い空を見上げる。
「あいつの誘いを断りまくって、もったいない事してたかなぁ」
 ぼんやりと目に染み入る青を眺めながら、ぽつりと呟く。この世界を全身で感じられるだけでもこのゲームを始めた意味がある気がした。
(あれ?いっそ休日はここで昼寝……とかするの良いんじゃないか?)
 最早何をするために購入したのかさえ間違い始めた時、ざわめきが耳に届く。
 自分以外はこういった世界に慣れているのか、佐久弥のように世界そのものに感動するどころか、迷う事さえなく、目の前に広がる草原や、すぐ後ろにある門へと向かって歩き始めている。互いに声をかけあっているのは知り合いなのだろうか。
 佐久弥は知るよしもないが、大抵のプレイヤーはすでに公式にアップされている情報を調べたり、wikiを作成したり、掲示板で発売前から交流をしていた。
 今までにしたゲームで仲良くなった者や、リアルの友人と共にはじめたりするものも多い。

 寝転がったまま、佐久弥はその光景をぼんやり見つめる。
 たいてい佐久弥がしていたゲームだと、まずは自分のステータスを確認したり、近くにいる人間から情報を集めたり、装備を整えたりするのが先で、この光景にはやはり違和感を感じる。寝転がる佐久弥をちらちらと見てくる目もあって、この人ごみの中ではせっかくのこの世界を満喫できないと思い、立ち上がる。
 視界の端にある光を指で撫でると、半透明のウインドウが開かれる。説明書によれば、これで自分のステータスを確認したりでき、他人には見えないようになっているらしい。
 レベルという概念はあるのか、そこにはLV1の表示と、初期値であろう数値が並んでいた。スキルの欄はまだ何も無い。後は……。
「称号?」
 説明書には無かったはずの言葉がそこには表示されていた。そのすぐ下に書かれている文字を見て、さすがに眉を寄せそうになった。

【初心者の中の初心者】……VRMMORPGの基本さえ何一つ知らない正真正銘の初心者

 まずは言いたい。何故分かる。
 自分は今はじめたばかりだ。これといって何もしてないのに、何故こんな称号が。

 これが、普通に初心者と書かれていたなら納得するが、これは何か違うだろうと佐久弥は内心つっこむが、すぐに事実だしと開き直る。
 調べていけばそのうちわかるだろう。まずはこのゲームがどんなものなのかを知ることからははじめるべきだ。佐久弥は勝手の違いに戸惑いはするものの、こういった事は初めてじゃない。
 たいした説明のないゲームも、何をするのかわからないまま始まるゲームも、ざらにある。だからこそ色々試してみるのだ。
 この世界をどう楽しむかは自分次第らしいし。とはいえ、ルールくらいあるかもしれない。
 変わったものだと、モンスターを仲間にする事は出来るが、同属を殺しまくってたり、相容れない属性だと憎まれるものもあった。
 モンスターを倒すどころか、救うものもあった。
 ただひたすらに謎解きをし、その世界感を楽しむものもあったし、何もこれといってせず、メインのキャラクターと交流するだけのものまであった。
「好きにしろって事は、そんな風に楽しんでも良いって事だよな」
 もともと風変わりなゲームの方が好きだったので、大多数が好んでいた、ひたすら魔物と戦い、最後のボスを倒して平和になりましたとかいうゲームは殺伐としていて、あまり好みではなかった。
「とはいえ、まずは話を聞きに行きたいんだが……」
 ぽつりと呟き、首を振る。
 あの中には入りたくない。
 さすがにスタート地点なだけあり、続々と人数が増えてゆく。本当なら町に入って情報収集したいのだが、その気さえ失せる。通勤ラッシュかのようなあの中をかき分けてゆく気力など佐久弥には無い。
「よし、初志貫徹」
 きっぱりと、格好良さ気な事を呟いた佐久弥は……昼寝に良さそうな場所を求め、人のいない方、いない方へと彷徨いはじめた。

 歩くだけでは疲れないのか、佐久弥は黙々と歩き続け……開けた場所に辿たどりつく。
 近くに小川が流れているのか、水の流れる音が気持ち良くて、佐久弥はその場に寝転がる。
 柔らかな草が身体を包み込むので快適だ。極上の環境で空を仰ぐと、変わらず怖いほど真っ青で、佐久弥が眠ろうとすると…ガサリ、と小さな音がする。 
「ん……?」
 転がったまま視線だけを向けると、そこには青く透き通った物体がいた。
「…………」
 ふるふるふる、と震えながら茂みから出てきたその物体と視線が合ったような気がするが、相手のどこにも目があるように見えない。
(戦うべき?)
 装備、アイテムの確認くらい行っておくべきだったのだが、景色に見惚れ、その後は人波に辟易へきえきし、そのままここに来た佐久弥は何一つしていない。
 いざとなったら……逃げよう、と心に決め立ち上がろうとすると、びくっ、と小さな塊が震える。
 ぶるぶるぶるぶると、先ほどまでとは違い、大きく揺れるその姿に動きを止める。
 ここまで怯えられると、どうにも虐めているような気分になってくる。
 じり、と身動きするたびに一度びっくーんと大きく震えるのには、いっそ謝りたくなるほどで……佐久弥はゆっくりと元の体勢に戻り寝転がる。
 そうしてしまえば、ふる、ふる、ふる、と一歩ずつその物体――スライム?は近寄ってくる。
 視線を向けると固まるので、再び青い空を見る。
 ――あまりにも綺麗なその空と同じ色をした存在が、そう悪いものとは思えないし、いざとなってもまだ開始直後だ。どうとでもなるかとゆっくり目を閉じる。

 さわさわと触れる風の快さに、自然と目が覚めた。
 完全に寝入っていた事に気付き、ぼんやりとしたまま目を開くと、そこには青い光景が――青い、青……

「どうしろと!」

 無意識に叫んでしまうほど、自分をぐるりと囲むスライム達。皆穏やかな雰囲気で……どう見ても寝ている。
 身動きしたら自分にくっついてる数匹を起こしてしまいかねなくて、自主的金縛りのような姿で途方に暮れる。
 佐久弥の初日は、そうしてスタートを切ったのだった。
 
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