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序章
トイレの〇〇さん
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「なぁ、さっきお釣りでギザ十もらったって言ってたよな?ちょっと見せて見せて。」
「は?いきなりなによ。」
「いや、ギザ十だよギザ十。周りがギザギザしてる十円玉。ちょっとあれ見たいのよ。」
「今更珍しいものでもないだろうに…ちょっと待って。」
時間は昼の十二時半。お昼休みで僕たちは教室で机をよせ集めてご飯を食べているところであった。今日のご飯は購買で購入したコッペパンに唐揚げを挟んだだけの自家製唐揚げドッグ。口いっぱいに熱々の唐揚げと油が染み込んだパンを頬張ろうというところであった。
確かにさっき一緒に買い物をしているとき、お釣りとしてもらった十円玉が普通の十円とは異なるというのは気付いていたのだが、まさかそこまで食いつくようなものなのか?と首を傾げながら財布から取り出す。やはりギザギザしている。
「ほれ。これがどうしたよ。」
「いやね、今頃思い出したんだけどさ、この中に書いてある鳳凰院平等堂ってあるじゃん。「「ブッ――」」ギザ十はこの扉が開いてるらしいんだよね。」
友よ、大真面目なのか巫山戯ているのか判断しかねるが、鳳凰院ではなく平等院鳳凰堂だ。あまりにも不意打ちで堂々とした馬鹿発言に隣で同じようにご飯を食べていたクラスメイトの二人が食べていた物を吹き出した。そりゃ、いきなり言われたら驚くわ。
「で、どうだったのさ。開いてた?」
「ダメだ。全然開いてねぇや。なんかそこの扉が開いてたらメチャメチャ高く売れるらしいぜ。」
「エラーコインってやつ?それなら確かに高く売れるかもな。」
「そそ、それそれ。500円の穴がズレてたりする奴のことよ!」
500円に穴が空いてたらそれだけでエラーな気がするよ。というよりさっきからこいつ考えて喋ってるのだろうか?
「何?都市伝説のサイトでも見たの?」
「昨日さ、ラジオで稲ジュンのホラーものやってたんだよ。そこでなんか視聴者からの募集のコーナーでその話がやってたから気になっちゃって。」
「あぁ、怪談ホラーナイトだっけ。あれまだやってんの?」
「昨日はたまたま特番扱いでやってたみたいだわ。」
「ふーん……怖い話はどんなのあった?」
「あー……口裂け女とかテケテケみたいのやってたわ。」
随分とまた懐かしいのをやってるな。っていうか怪談というか聞いた限りの内容だと完全に都市伝説特集みたいなもんだな。
「そういえばさ、学校の怪談ってあるじゃん。あれってうちにもあんのかな?」
「いや、どうだろ…あれって小学校とかが主流だろ?中学高校になると流石に怪談話なんて信じなくなるじゃん。うちには無かったと思うし、あったとしても気にならなかったけど……あー、でも怪談かどうかはわかんないけど、あれはいた。ペットボトルおじさん。」
「それもただの都市伝説じゃん。学校の怪談じゃねぇし。」
「いや、それがうちの中学には頭からペットボトル生やした謎のおじさんが夜な夜な徘徊してるらしいぜ。」
何それ超怖い。絶対に夜中に学校で―――道端でも会うのだって避けたい。
お喋りも一段落したので唐揚げドッグを頬張る。やや唐揚げが冷めてしまったが、熱々とはまた違った美味さがあるな。
美味そうに食べてる僕を、目の前のそいつは何とも言えない顔で見つめてくる。そんなに見てもやらんぞ。
「なぁ、唐揚げってさ。なんか中身に不確かな部分があるやつない?」
「ふぉういうふぉふぉ(どういうこと?)」
「肉っぽいんだけど肉じゃないんだよな。脂身って訳じゃなさそうだけどなんか白くてベタベタしてて。なんかサマチキとかで偶に見かけるんだけど食べる度にいっつも疑問に思ってるんだわ。」
ゴクンと飲み込み、言われた内容をもう一度思い出す。サマチキは僕も好きだが、そんなもんあったかな?ウーン…わからん。こいつにわかってて僕にわからない味の感じ方か。少し興味が出てきたな。
「じゃあ、帰りにサママ(※サマエルマートの略)寄ろうぜ。」
「だな。サマチキもだけど蛸カツ食いてぇし。」
「揚げ物ばっかじゃん。太るわー。」
「テレビで揚げ物の油は飲み物だからカロリー0っていうのが常識って言ってたよ。」
「どこの並行世界のどこの種族の常識だよ。聞いたことないし。」
「あれだよ…炎エン人ジンの所の火力発電部隊。番組の中でメッチャ唐揚げ食べて燃え盛ってたわ。あれ絶対に火事になったよな。カメラのフレームもちょっと溶けてたし」
「でしょうね!!」
ガチモンの炎人間じゃないか!文字通り火に油を注いだらそりゃあ燃えるだろう。どこのプロデューサーだよそんな企画通したの。余談だがこの後にネットで調べてみると、割と話題になっていた事件だったらしく、番組プロデューサーの○witterも炎上をしており、その事を元ネタにコントを作ったお笑いコンビにも飛び火をして炎上するという誰も幸せにならない出来事であった。
「オィ、オ前ラ帰リニサママ行クノカ?」
「あ、そういえば今週号の王者チャンプまだ読んでないや。俺も帰りに寄らなきゃ」
「今週号の納頭ナットは本気マジで見たほうがいいぜ。本気マジでお勧めだから!なんとあのキャラが―――」
「馬鹿!ネタバレヲヤメロ!!」
お昼ご飯を食べてる最中だったのにあーだこーだと周囲のザワつきが僕たちの周りに集まり始めた。まずい――お喋りな不語カタラズの頭をマーク君が押さえようとしている。このままではあの大惨事が引き起こされてしまう!!未だ事態に気づいていない目の前の同級生をよそに、僕は残った唐揚げドッグを一気に食べ尽くす。そんな俺の様子にどうした?とばかりに不信感を抱いていたが、隣で繰り広げられている光景を目にし、顔色を去唖サァと青褪めさせ、僕同様に口にご飯を詰め込むのだが―――既に遅かったか。
「エィッ―――あ、ごめん」
「「「ぎゃあああ!!」」」
磨奔スポン!と音を立てて不語の首が抜ける。マーク君こと人造人間ホムンクルスのFrankenstein・mark6は、人の30倍以上の怪力を有する心優しい少年である。だが、時たま力の制御を誤って嗚呼やって悲惨な事故が起きてしまう。
「おいマーク!死んだらどうする!!」
首を取られた本人が元気にしているのだから問題はないのだろう。というか首を取られたら普通なら死んでいる。それでも生きているのは彼が飛頭蛮と呼ばれる種族の1人だからである。ただ頭が取れるだけだというのなら、僕たちだってそこまで悲鳴をあげたりはしない。僕の目の前に座っている奴も最初から頭なんて付いていない。
頭の有無は問題ではない。飛頭蛮の中でも『ペナンガラン』に属する不語の場合、取れた頭の下に彼自身の内蔵が漏れなく着いてきて酷い絵面になるのが問題なのだ。食道から胃袋から大腸から――兎に角全部出てきて一切隠すことなく曝け出す酷い絵面が出来上がっている。
「うぅ…酷いもん見ちまった…。おい不語、早くその汚いモツしまえよ。」
「好きで出したんじゃないよ!?」
僕は食べ終わってたから良かったものの、食べてない組は食欲をなくした者が続出してしまった。『ご飯メシ時に不語の頭を外すべからず』。これは僕たちの中での暗黙の了解ルールである。
食事時の空気を壊してしまった2名は周りのみんなに謝罪をして回る中、一緒に食べていた首無し騎士デュラハンの剣持ケンモチがふと扉の方へと視線を向けた。釣られて僕もそちらを向くと、扉が勢いよく開けられ、廊下から1人の生徒が飛び込んでくる。
あまりにも勢いがつきすぎてそのまま前のめりに机に突撃をし、凄まじい音を立てながらバラバラになってしまった。生徒の方がだ。
「知ってる?」
「隣のクラスのやつだな。なんか慌ててるみたいだけどクラス間違えてないか?」
スカートを履いているのでおそらくは女子であると思われる。ぱっと見はとてもスレンダーでどちらかわからないのだが。
「みんな大変!!幼おさない先生が廊下の向こうでろくろ首の子と正面衝突して組んず解れつの状態になっちゃってる!!」
またか…小人ホビットの幼先生がろくろ首とぶつかるのは何度目だろう。
「おい、カメラの準備急げ!!」
「次のコミケの新刊表紙用が丁度欲しかったところなんだよな」
「どんなアングルからでもバッチリ撮ってやるぜ!!」
誰も助けに行こうという殊勝な奴がいない。本当にこのクラスは最低だな。
それに―――
「なぁ、スケルトンってどこから声出してるんだ?」
「知らね」
身を呈して報告しに来てくれた彼女を助けようという奴もいなかった。
◇
「なぁなぁなぁなぁ!トイレの花子さんってさ、あれってだいぶ昔の話だよな?」
「突然なんだよ。まぁそうだね……50年代にあった三番目の花子さんっていうのが一応初出だと思ってたけど…突然どうした?」
「あのさ、昨日の稲ジュンで「うちのトイレに花子さんが出ました」っていうのがあったんだけどさ、最近のバリアフリーなトイレになっても花子さんってまだ出てるのかな?っていうか花子さんって全国各地にいるのか?」
「いや、僕が花子じゃないから何とも言えないな…。」
「その辺も含めて謎だよな。まぁ、男子トイレに花子さんが出たらうちの学校だとただの痴女騒ぎで終わりそうだけどさ。」
「……そうね。」
もしも僕が花子さんに本気でビビるような男だとしたら、きっとこうして同級生と会話をすることもままならないだろう。先程から僕は自分の机を見下ろしながら会話をしている。別に頭がイタいとかそういうわけではない。僕は自分の机にゴロンと置かれた首と会話をしているのだ。
彼の名前は剣持勝手。アイルランドに古くから伝わる由緒正しき首無し騎士の末裔である。今、体は隣の席でスリープモードに入っており、顔だけで僕と会話をしているのだ。興味があることになんでも首を突っ込み、思ったことを直ぐに口にするので会話が突然突拍子もないことになるのも少なくはない。ちなみに、デュラハンはこんな形をしているが妖怪とかの類ではなく精霊の一種とされており、死を告げる者と言われているが、別に恐れられているわけではない。
既に本日の授業は終了しており、SHRで幼先生が連絡事項を話している。昼間、ろくろ首と絡まって痴態を晒したとは思えないほどに凛々しい顔をしているが、彼女は小人と淫魔のハーフであり、ちょっとした時に起きるトラブルは僕を含めてこのクラス、学年、学園の賎し――癒やしとなっているに違いない。
「花子って当時の名前だと男子の太郎並にポピュラ-だったんだろ?なんで廃れたんだろうな。」
「男の名前にある太郎と違って花子って名前よりも女の子らしい名前をつけたがるもんじゃないのか?『花』とか『華子』とか。花子って名前も戦後の日本の教科書に出てきたのが切っ掛けと言われてるな。」
「……花子さんっておかっぱ頭に白いシャツと赤いスカート…だよな。戦後の日本ってそんなにハイカラな格好が流行ってたのか。」
「いや、別に戦後直後ってわけではなさそうだ。諸説あるんだけどその中の一つは本名は長谷川花子って言って明治12年生まれ。牛乳と白系の色を嫌悪し、赤系と青系の色が好き、学校では卓球部に所属、花粉症――なんて言われている。もっと起源的な部分になると、江戸時代から昭和初期にかけてトイレの神様の信仰が盛んで、赤や白の女子の人形や、美しい花飾りを便所に供えることで厠神を祀ってたから、日本人形にありがちなおかっぱ頭で服装が赤と白を基調にしているっていうのも考えられるな。ハイカラなのは…おそらく噂が広まったのが1980年代だから、その頃の子供たちの格好って欧米化が大分進んでたからじゃないか?」
「はーなるほどねー。人間も侮れないんだな。」
「第二次ベビーブームの世代で小学校には子供たちがいた頃だからな。子供たちの噂の拡散力は今の○witterや○acebookレベルだったはずで、友達の友達の友達の友達まで交友があったから、爆発的に広まったんじゃないかと思われる。」
「もしも今の時代に花子さんが出たら華子さんになるのか?それとももっと今風な名前になんのか?乃絵瑠とか音音とか泡姫とか?」
「なんでDQNネームだよ。もっと普通に葵とかさくらとかで良いじゃん。」
それにしてもトイレの葵さんとかトイレのさくらさん―――駄目だ、頭の中で大人向けビデオのパッケージが思い浮かぶ。どんだけマニアックなジャンルだ。
「おいおい、何だお前ら。女の話か?女子の話か?エロい話か?俺にも教えろよ。」
「あー……トイレに女子が出るって話だ」
ガタッ
「「「「「その話詳しく教えろ!」」」」」
このクラスにはマニアが多いらしい。
「もう、みんなちゃんと聞いt「あんた達!いい加減にしなさいよ!!」」
SHRそっちのけで僕たちの周囲に集まってきた男子達に、痺れを切らした幼先生の声を遮る怒りの声。椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がり僕たちを睨みつけるのはクラス委員の鍛冶町媚呂である。
「特に、剣持と露峯!さっきからあんた達が一番五月蝿いのよ!」
背中まで届きそうな長い髪を後頭部で縛ってポニーテールにしている彼女だが、それはただ髪を留めているわけではない。開放された彼女の髪は彼女の意思に呼応するかのように、風も吹いていないのにうねりながら周囲に拡がる。
「先生をあんまり困らせるんじゃないわよ!」「この××××共が!頭が××ほど××××するまで××××やる!×××でミルクを飲むようになるまで×××××ぞ!」
「ほら、周りの奴らもさっさと席に戻って。」「遅れてるのは誰だ!どの××だ!××の手先の××××××め!貴様らの××××を切り取って××の家系を断絶させてやろうか!!」
うぉ…今日も鍛冶町の罵詈雑言は絶好調である。なんだろう…最近戦争物の映画でも見てるのかな…。集まりかけてた男子たちは皆股間をそっと抑えながらオズオズと自分たちの席に戻っていった。剣持も自分の頭を首の上に置いておとなしくなった。
「花子さんじゃないけど今日は白い牛乳を飲む気にはならなくなったわ。」
「同感だよ。」
普段の鍛冶町は礼儀正しく品行方正、曲がったことが大嫌いというクラス委員に相応しい真面目な生徒である。容姿端麗でもある。彼女をスカウトしに芸能プロダクションがやってきたという噂も聞くほどなのだが、彼女は驚く程そういったことに興味がなく、罵詈雑言を浴びせて追い返したと言われている。
そう、普段の彼女は非常に真面目なのだが、それはあくまでも表面上で取り繕っているものである。その証拠が彼女に存在するもう一つの口の存在である。彼女は『二口女』と呼ばれる妖怪であり、その名の通り口が二つあるのだ。彼女が一度後頭部の封印を解いてしまうと、今みたいに彼女の本音が顔を表してしまう。
「先生、続きをお願いします。」「任務完了!!」
僕たちを黙らせて再び席に座り直すと、髪の毛を後頭部で結んで後ろ口を黙らせた。あれって原理としては腹話術の要領で声を出しるのか?にしてもなんか今日のは野太い男の声で聞こえた気がするんだけど…
「え、えーっと…それじゃあ連絡事項を続けますね。最近生徒の買い食いが目立っているそうです。この前も学校帰りにちょっとした買い食いのつもりが、何故か焼肉の食べ放題の梯子に発展したそうです。」
それはもう買い食いじゃない。買い食いっていうのはもっと静かに豊かで自由で…なんというか救われてなきゃあダメなんだ。
「今日の帰りにサママに行こうと思ってたけどこれじゃあ難しいな。」
「仕方ねぇよ。っていうかどんだけ大食いの生徒が居たんだろうな…
「野づちとかヤカンズルとか豚人……後は…」
ちらりと先程まで大声で叫んでいたクラスメイトに視線を向ける。二口女である彼女と同じように頭に口を生やした『食わず女房』が確か大食いだったはずだ。特徴が同じというだけで、片や人面瘡が正体ではないかと言われており、もう片方は山姥か鯉や蜘蛛の変化と言われている。鍛冶町に「お前って食わず女房なの?」と訪ねた馬鹿は、その発言の直後に彼女から熱烈な一撃を叩き込まれてしまい、首を吹き飛ばされていた。
「それと、保健室から『包帯の消耗が最近非常に激しいので、注意しましょう』とのことです。木乃伊やゾンビの生徒は全身交換をする際にはなるべく自前の包帯を使うようにしてくださいね。」
「はーい」
「ウィーッス」
「じゃあ今日はここまでです。皆さん、気をつけて帰ってくださいね。鍛冶町さん、号令をお願いします。」
「はい。起立――礼。」
「は?いきなりなによ。」
「いや、ギザ十だよギザ十。周りがギザギザしてる十円玉。ちょっとあれ見たいのよ。」
「今更珍しいものでもないだろうに…ちょっと待って。」
時間は昼の十二時半。お昼休みで僕たちは教室で机をよせ集めてご飯を食べているところであった。今日のご飯は購買で購入したコッペパンに唐揚げを挟んだだけの自家製唐揚げドッグ。口いっぱいに熱々の唐揚げと油が染み込んだパンを頬張ろうというところであった。
確かにさっき一緒に買い物をしているとき、お釣りとしてもらった十円玉が普通の十円とは異なるというのは気付いていたのだが、まさかそこまで食いつくようなものなのか?と首を傾げながら財布から取り出す。やはりギザギザしている。
「ほれ。これがどうしたよ。」
「いやね、今頃思い出したんだけどさ、この中に書いてある鳳凰院平等堂ってあるじゃん。「「ブッ――」」ギザ十はこの扉が開いてるらしいんだよね。」
友よ、大真面目なのか巫山戯ているのか判断しかねるが、鳳凰院ではなく平等院鳳凰堂だ。あまりにも不意打ちで堂々とした馬鹿発言に隣で同じようにご飯を食べていたクラスメイトの二人が食べていた物を吹き出した。そりゃ、いきなり言われたら驚くわ。
「で、どうだったのさ。開いてた?」
「ダメだ。全然開いてねぇや。なんかそこの扉が開いてたらメチャメチャ高く売れるらしいぜ。」
「エラーコインってやつ?それなら確かに高く売れるかもな。」
「そそ、それそれ。500円の穴がズレてたりする奴のことよ!」
500円に穴が空いてたらそれだけでエラーな気がするよ。というよりさっきからこいつ考えて喋ってるのだろうか?
「何?都市伝説のサイトでも見たの?」
「昨日さ、ラジオで稲ジュンのホラーものやってたんだよ。そこでなんか視聴者からの募集のコーナーでその話がやってたから気になっちゃって。」
「あぁ、怪談ホラーナイトだっけ。あれまだやってんの?」
「昨日はたまたま特番扱いでやってたみたいだわ。」
「ふーん……怖い話はどんなのあった?」
「あー……口裂け女とかテケテケみたいのやってたわ。」
随分とまた懐かしいのをやってるな。っていうか怪談というか聞いた限りの内容だと完全に都市伝説特集みたいなもんだな。
「そういえばさ、学校の怪談ってあるじゃん。あれってうちにもあんのかな?」
「いや、どうだろ…あれって小学校とかが主流だろ?中学高校になると流石に怪談話なんて信じなくなるじゃん。うちには無かったと思うし、あったとしても気にならなかったけど……あー、でも怪談かどうかはわかんないけど、あれはいた。ペットボトルおじさん。」
「それもただの都市伝説じゃん。学校の怪談じゃねぇし。」
「いや、それがうちの中学には頭からペットボトル生やした謎のおじさんが夜な夜な徘徊してるらしいぜ。」
何それ超怖い。絶対に夜中に学校で―――道端でも会うのだって避けたい。
お喋りも一段落したので唐揚げドッグを頬張る。やや唐揚げが冷めてしまったが、熱々とはまた違った美味さがあるな。
美味そうに食べてる僕を、目の前のそいつは何とも言えない顔で見つめてくる。そんなに見てもやらんぞ。
「なぁ、唐揚げってさ。なんか中身に不確かな部分があるやつない?」
「ふぉういうふぉふぉ(どういうこと?)」
「肉っぽいんだけど肉じゃないんだよな。脂身って訳じゃなさそうだけどなんか白くてベタベタしてて。なんかサマチキとかで偶に見かけるんだけど食べる度にいっつも疑問に思ってるんだわ。」
ゴクンと飲み込み、言われた内容をもう一度思い出す。サマチキは僕も好きだが、そんなもんあったかな?ウーン…わからん。こいつにわかってて僕にわからない味の感じ方か。少し興味が出てきたな。
「じゃあ、帰りにサママ(※サマエルマートの略)寄ろうぜ。」
「だな。サマチキもだけど蛸カツ食いてぇし。」
「揚げ物ばっかじゃん。太るわー。」
「テレビで揚げ物の油は飲み物だからカロリー0っていうのが常識って言ってたよ。」
「どこの並行世界のどこの種族の常識だよ。聞いたことないし。」
「あれだよ…炎エン人ジンの所の火力発電部隊。番組の中でメッチャ唐揚げ食べて燃え盛ってたわ。あれ絶対に火事になったよな。カメラのフレームもちょっと溶けてたし」
「でしょうね!!」
ガチモンの炎人間じゃないか!文字通り火に油を注いだらそりゃあ燃えるだろう。どこのプロデューサーだよそんな企画通したの。余談だがこの後にネットで調べてみると、割と話題になっていた事件だったらしく、番組プロデューサーの○witterも炎上をしており、その事を元ネタにコントを作ったお笑いコンビにも飛び火をして炎上するという誰も幸せにならない出来事であった。
「オィ、オ前ラ帰リニサママ行クノカ?」
「あ、そういえば今週号の王者チャンプまだ読んでないや。俺も帰りに寄らなきゃ」
「今週号の納頭ナットは本気マジで見たほうがいいぜ。本気マジでお勧めだから!なんとあのキャラが―――」
「馬鹿!ネタバレヲヤメロ!!」
お昼ご飯を食べてる最中だったのにあーだこーだと周囲のザワつきが僕たちの周りに集まり始めた。まずい――お喋りな不語カタラズの頭をマーク君が押さえようとしている。このままではあの大惨事が引き起こされてしまう!!未だ事態に気づいていない目の前の同級生をよそに、僕は残った唐揚げドッグを一気に食べ尽くす。そんな俺の様子にどうした?とばかりに不信感を抱いていたが、隣で繰り広げられている光景を目にし、顔色を去唖サァと青褪めさせ、僕同様に口にご飯を詰め込むのだが―――既に遅かったか。
「エィッ―――あ、ごめん」
「「「ぎゃあああ!!」」」
磨奔スポン!と音を立てて不語の首が抜ける。マーク君こと人造人間ホムンクルスのFrankenstein・mark6は、人の30倍以上の怪力を有する心優しい少年である。だが、時たま力の制御を誤って嗚呼やって悲惨な事故が起きてしまう。
「おいマーク!死んだらどうする!!」
首を取られた本人が元気にしているのだから問題はないのだろう。というか首を取られたら普通なら死んでいる。それでも生きているのは彼が飛頭蛮と呼ばれる種族の1人だからである。ただ頭が取れるだけだというのなら、僕たちだってそこまで悲鳴をあげたりはしない。僕の目の前に座っている奴も最初から頭なんて付いていない。
頭の有無は問題ではない。飛頭蛮の中でも『ペナンガラン』に属する不語の場合、取れた頭の下に彼自身の内蔵が漏れなく着いてきて酷い絵面になるのが問題なのだ。食道から胃袋から大腸から――兎に角全部出てきて一切隠すことなく曝け出す酷い絵面が出来上がっている。
「うぅ…酷いもん見ちまった…。おい不語、早くその汚いモツしまえよ。」
「好きで出したんじゃないよ!?」
僕は食べ終わってたから良かったものの、食べてない組は食欲をなくした者が続出してしまった。『ご飯メシ時に不語の頭を外すべからず』。これは僕たちの中での暗黙の了解ルールである。
食事時の空気を壊してしまった2名は周りのみんなに謝罪をして回る中、一緒に食べていた首無し騎士デュラハンの剣持ケンモチがふと扉の方へと視線を向けた。釣られて僕もそちらを向くと、扉が勢いよく開けられ、廊下から1人の生徒が飛び込んでくる。
あまりにも勢いがつきすぎてそのまま前のめりに机に突撃をし、凄まじい音を立てながらバラバラになってしまった。生徒の方がだ。
「知ってる?」
「隣のクラスのやつだな。なんか慌ててるみたいだけどクラス間違えてないか?」
スカートを履いているのでおそらくは女子であると思われる。ぱっと見はとてもスレンダーでどちらかわからないのだが。
「みんな大変!!幼おさない先生が廊下の向こうでろくろ首の子と正面衝突して組んず解れつの状態になっちゃってる!!」
またか…小人ホビットの幼先生がろくろ首とぶつかるのは何度目だろう。
「おい、カメラの準備急げ!!」
「次のコミケの新刊表紙用が丁度欲しかったところなんだよな」
「どんなアングルからでもバッチリ撮ってやるぜ!!」
誰も助けに行こうという殊勝な奴がいない。本当にこのクラスは最低だな。
それに―――
「なぁ、スケルトンってどこから声出してるんだ?」
「知らね」
身を呈して報告しに来てくれた彼女を助けようという奴もいなかった。
◇
「なぁなぁなぁなぁ!トイレの花子さんってさ、あれってだいぶ昔の話だよな?」
「突然なんだよ。まぁそうだね……50年代にあった三番目の花子さんっていうのが一応初出だと思ってたけど…突然どうした?」
「あのさ、昨日の稲ジュンで「うちのトイレに花子さんが出ました」っていうのがあったんだけどさ、最近のバリアフリーなトイレになっても花子さんってまだ出てるのかな?っていうか花子さんって全国各地にいるのか?」
「いや、僕が花子じゃないから何とも言えないな…。」
「その辺も含めて謎だよな。まぁ、男子トイレに花子さんが出たらうちの学校だとただの痴女騒ぎで終わりそうだけどさ。」
「……そうね。」
もしも僕が花子さんに本気でビビるような男だとしたら、きっとこうして同級生と会話をすることもままならないだろう。先程から僕は自分の机を見下ろしながら会話をしている。別に頭がイタいとかそういうわけではない。僕は自分の机にゴロンと置かれた首と会話をしているのだ。
彼の名前は剣持勝手。アイルランドに古くから伝わる由緒正しき首無し騎士の末裔である。今、体は隣の席でスリープモードに入っており、顔だけで僕と会話をしているのだ。興味があることになんでも首を突っ込み、思ったことを直ぐに口にするので会話が突然突拍子もないことになるのも少なくはない。ちなみに、デュラハンはこんな形をしているが妖怪とかの類ではなく精霊の一種とされており、死を告げる者と言われているが、別に恐れられているわけではない。
既に本日の授業は終了しており、SHRで幼先生が連絡事項を話している。昼間、ろくろ首と絡まって痴態を晒したとは思えないほどに凛々しい顔をしているが、彼女は小人と淫魔のハーフであり、ちょっとした時に起きるトラブルは僕を含めてこのクラス、学年、学園の賎し――癒やしとなっているに違いない。
「花子って当時の名前だと男子の太郎並にポピュラ-だったんだろ?なんで廃れたんだろうな。」
「男の名前にある太郎と違って花子って名前よりも女の子らしい名前をつけたがるもんじゃないのか?『花』とか『華子』とか。花子って名前も戦後の日本の教科書に出てきたのが切っ掛けと言われてるな。」
「……花子さんっておかっぱ頭に白いシャツと赤いスカート…だよな。戦後の日本ってそんなにハイカラな格好が流行ってたのか。」
「いや、別に戦後直後ってわけではなさそうだ。諸説あるんだけどその中の一つは本名は長谷川花子って言って明治12年生まれ。牛乳と白系の色を嫌悪し、赤系と青系の色が好き、学校では卓球部に所属、花粉症――なんて言われている。もっと起源的な部分になると、江戸時代から昭和初期にかけてトイレの神様の信仰が盛んで、赤や白の女子の人形や、美しい花飾りを便所に供えることで厠神を祀ってたから、日本人形にありがちなおかっぱ頭で服装が赤と白を基調にしているっていうのも考えられるな。ハイカラなのは…おそらく噂が広まったのが1980年代だから、その頃の子供たちの格好って欧米化が大分進んでたからじゃないか?」
「はーなるほどねー。人間も侮れないんだな。」
「第二次ベビーブームの世代で小学校には子供たちがいた頃だからな。子供たちの噂の拡散力は今の○witterや○acebookレベルだったはずで、友達の友達の友達の友達まで交友があったから、爆発的に広まったんじゃないかと思われる。」
「もしも今の時代に花子さんが出たら華子さんになるのか?それとももっと今風な名前になんのか?乃絵瑠とか音音とか泡姫とか?」
「なんでDQNネームだよ。もっと普通に葵とかさくらとかで良いじゃん。」
それにしてもトイレの葵さんとかトイレのさくらさん―――駄目だ、頭の中で大人向けビデオのパッケージが思い浮かぶ。どんだけマニアックなジャンルだ。
「おいおい、何だお前ら。女の話か?女子の話か?エロい話か?俺にも教えろよ。」
「あー……トイレに女子が出るって話だ」
ガタッ
「「「「「その話詳しく教えろ!」」」」」
このクラスにはマニアが多いらしい。
「もう、みんなちゃんと聞いt「あんた達!いい加減にしなさいよ!!」」
SHRそっちのけで僕たちの周囲に集まってきた男子達に、痺れを切らした幼先生の声を遮る怒りの声。椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がり僕たちを睨みつけるのはクラス委員の鍛冶町媚呂である。
「特に、剣持と露峯!さっきからあんた達が一番五月蝿いのよ!」
背中まで届きそうな長い髪を後頭部で縛ってポニーテールにしている彼女だが、それはただ髪を留めているわけではない。開放された彼女の髪は彼女の意思に呼応するかのように、風も吹いていないのにうねりながら周囲に拡がる。
「先生をあんまり困らせるんじゃないわよ!」「この××××共が!頭が××ほど××××するまで××××やる!×××でミルクを飲むようになるまで×××××ぞ!」
「ほら、周りの奴らもさっさと席に戻って。」「遅れてるのは誰だ!どの××だ!××の手先の××××××め!貴様らの××××を切り取って××の家系を断絶させてやろうか!!」
うぉ…今日も鍛冶町の罵詈雑言は絶好調である。なんだろう…最近戦争物の映画でも見てるのかな…。集まりかけてた男子たちは皆股間をそっと抑えながらオズオズと自分たちの席に戻っていった。剣持も自分の頭を首の上に置いておとなしくなった。
「花子さんじゃないけど今日は白い牛乳を飲む気にはならなくなったわ。」
「同感だよ。」
普段の鍛冶町は礼儀正しく品行方正、曲がったことが大嫌いというクラス委員に相応しい真面目な生徒である。容姿端麗でもある。彼女をスカウトしに芸能プロダクションがやってきたという噂も聞くほどなのだが、彼女は驚く程そういったことに興味がなく、罵詈雑言を浴びせて追い返したと言われている。
そう、普段の彼女は非常に真面目なのだが、それはあくまでも表面上で取り繕っているものである。その証拠が彼女に存在するもう一つの口の存在である。彼女は『二口女』と呼ばれる妖怪であり、その名の通り口が二つあるのだ。彼女が一度後頭部の封印を解いてしまうと、今みたいに彼女の本音が顔を表してしまう。
「先生、続きをお願いします。」「任務完了!!」
僕たちを黙らせて再び席に座り直すと、髪の毛を後頭部で結んで後ろ口を黙らせた。あれって原理としては腹話術の要領で声を出しるのか?にしてもなんか今日のは野太い男の声で聞こえた気がするんだけど…
「え、えーっと…それじゃあ連絡事項を続けますね。最近生徒の買い食いが目立っているそうです。この前も学校帰りにちょっとした買い食いのつもりが、何故か焼肉の食べ放題の梯子に発展したそうです。」
それはもう買い食いじゃない。買い食いっていうのはもっと静かに豊かで自由で…なんというか救われてなきゃあダメなんだ。
「今日の帰りにサママに行こうと思ってたけどこれじゃあ難しいな。」
「仕方ねぇよ。っていうかどんだけ大食いの生徒が居たんだろうな…
「野づちとかヤカンズルとか豚人……後は…」
ちらりと先程まで大声で叫んでいたクラスメイトに視線を向ける。二口女である彼女と同じように頭に口を生やした『食わず女房』が確か大食いだったはずだ。特徴が同じというだけで、片や人面瘡が正体ではないかと言われており、もう片方は山姥か鯉や蜘蛛の変化と言われている。鍛冶町に「お前って食わず女房なの?」と訪ねた馬鹿は、その発言の直後に彼女から熱烈な一撃を叩き込まれてしまい、首を吹き飛ばされていた。
「それと、保健室から『包帯の消耗が最近非常に激しいので、注意しましょう』とのことです。木乃伊やゾンビの生徒は全身交換をする際にはなるべく自前の包帯を使うようにしてくださいね。」
「はーい」
「ウィーッス」
「じゃあ今日はここまでです。皆さん、気をつけて帰ってくださいね。鍛冶町さん、号令をお願いします。」
「はい。起立――礼。」
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