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交通の都ヘパイドン
23.仮面の男
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藤枝の死は直後にセニャーレに伝わった。
転移者で新兵とは言え、藤枝の能力は様々なことに応用が利き、生存能力に長けていることもあってそのままにしていたのが逆に仇になった。
それに比べて、もう1人の転移者はあまりにも言うことを聞かないのであのような有様になっているが、未だに生きながらえている。今度から新兵は皆あのような姿にしないと駄目か、とセニャーレは考えるが、通常であれば命令のことしか行動しないはずが、新たにやってきた男を見て命令外の行動に出た。
いい加減な仕事ばかりする開発部の責任者へと詰め寄るいい口実が出来た、と拓郎との殺し合いの最中でありながら余裕を見せる。
それに対し、拓郎は一瞬でも気を緩めることが出来ない状況下で、徐々に徐々に体力をすり減らしながらも神経を尖らせ続ける。
過去に対峙した際には一切見ることができなかった攻撃が今では見ることができる。更に、少し前から体の調子が上がっているようにさえ思えるようになってきたのだ。
実際、拓郎の身体能力は僅かではあるが向上をしていた。彼が知りえぬことだが、藤枝の能力によって拓郎は毒を吸引していた。だが、その元凶たる藤枝が死んだことで、彼の体は確実に元に戻りつつあったのだ。
身体能力が元に戻れば魔力消費も節約が効くようになる。高速移動をしながら互いに一撃を与えんと牽制しあい、隙を見ては攻撃をし合うという状況が続く中、拓郎はふと緑朗太のことが気にかかった。
正確には緑朗太が相手をしている仮面の男だ。あれは、4年前に存在しなかった兵隊である。
「おい、糞魔族…あの仮面は一体何だ?あんなの前はなかっただろうよ…。」
拓郎が突きを放とうと接近した直後、セニャーレの足元の地面から巨大な獣の口が開口し、拓郎が立っていた地面を噛み砕いて飲み込んだ。
『あれは新たに作られた生きた屍人を作成する為の魔道具じゃよ。従来の屍人と異なり、あれは転移者に使えば固有スキルをも使えるようになる優れものよ。』
獣の頭が真っ二つに割断される。拓郎の不可避の[光刃]を真正面から至近距離で受けたのだ。
「碌でもないもの作りやがって…ってことはあの男はあの仮面をつけた段階で既に屍人か…。」
『拾ってやったのはいいけど、全然使い物にならないから実験体には丁度良かったわい。藤枝の方がまだ見込みがあったのに先に死によるし…貧乏くじばかりじゃ。』
藤枝という男が死亡したと聞き、拓郎はリゴラが上手いことやってのけたのだとホッとする。あんなのでも昔の仲間だ。いつ寝首をかかれるかはわからないが、それでも頼りにしているのも事実である。
それよりも、気掛かりなのは拾ってやったということは、つい最近の話なのだということが伺えた。それも、藤枝とほぼ同時ということはあの仮面の男も1000人の中の1人ということは間違いないだろう。
ロクさん…死ぬなよ、拓郎は己が死なないようにするので必死なのに関わらず、緑朗太の安否を気遣うのであった。
その緑朗太は、実戦をしながらも自らの命の危険を一切感じていなかった。
強さに酔いしれていたり、自らを過信しているわけではない。ただ、目の前のこの男との最初の1合で理解した。こいつは自分よりも弱いと。
実際、戦ってみたところで、目の前の相手からは敵意こそ感じれども、感情というのを一切感じ取れない。攻撃そのものも工夫などがあるわけではなく、単純な身体能力だけであれば間違いなく緑朗太よりも上だということはわかったが、ただそれだけである。
致命的な問題があるとすれば、緑朗太の攻撃が通用しないぐらいだ。槍による刺突と短刀による斬撃を試みたが、肉を斬り、骨を断つものの、肝心の相手の動きが止まらない。傷口は瞬く間に癒えてしまうし、何事もなかったかのように再び動き出す。
緑朗太は最小限の動きで避けはするものの、いい加減鬱陶しさを感じつつあった。
「攻撃しても死なないか…有効な攻撃はこれかな。」
大振りで斬りかかってきた瞬間、緑朗太の槍が仮面の男の首の右半分をすれ違いざまに切り裂き、頚椎を損傷させる。大抵のゾンビ映画であれば確実に行動を停止させる鉄板のパターンであるが果たしてどうか?
結果はすぐに出た。傷口が煙を上げながら再生していき、何事もなかったかのように動き出したのだ。
結果が駄目であったこと落胆をするかと思いきや、緑朗太はとある光景を目撃しており、そのことに関して考える方が先決だった。再生が始まった瞬間、確かにその時敵の顔の部分からよからぬ気配を感じ、よく観察をすると、仮面の裏側が発光しているではないか。
真正面からでは分り難い変化である為、裏側に回ってみないことにはわからなかったが、どうやら仮面に秘密があると予想し、緑朗太の次の攻撃方法が決まる。幸いなことに、拓郎の攻撃で既に罅が入っている箇所が仮面にはあり、そこを狙えばいいだけだ。
「UuOoooooooooooooooooo!!」
一際大きな叫び声をあげながら仮面の男が迫り来る。攻撃は横一線の胴薙ぎ払い。それに対し、緑朗太は僅かに体を引き、槍の鋒を相手の顔に合わせると、勢いよく顔目掛けて投擲をした。
当然、敵は槍に対応する為、刀を振るった。槍が弾かれた直後、罅の入った仮面に緑朗太の僅かに反った短剣が突き刺さる。仮面だけでなく確実の裏側の顔にまで到達しているが、不思議と緑朗太は冷静だった。
短剣を引き抜きながら緑朗太が離れると、仮面の男は顔を抑えて声にならない叫びを発しつつ地面を転げ周る。
動きを一旦停止させてから数秒の間を空けた後、立ち上がると、仮面は音を立てながら割れ、更に男の手も仮面に手をかけて引き剥がさんとしている。露になった口元には上唇と下唇が縫い付けられていたような痕跡が生々しく残されており、緑朗太の攻撃で縫合がちぎれたのだ。
男の手に力が篭められる度、仮面の罅は口元から全体へと拡がり、そして緑朗太の目の前で粉々に砕け散った。
それまで相手のことを興味なさげに見ていた緑朗太の視線が初めて揺れる。その顔に見覚えがあったから、そう遠くない過去に、その男と緑朗太は確実に遭遇をしていたからだ。
『手前何シカトこいてんだこら!そんなにボコられてぇんなら黙ってこっちに頭出せや!』
『くそがぁぁぁぁ!!』
『何言ってるんだ手前?なんで手前何かにそんなことわかるんだよ!さては手前ここに連れてきたやつとグルか!?』
「お前…あの時の男か…。」
転移直前、緑朗太が知り合った奏朱栞という女の子と、名前の知らない青年。1000人も並べられたあの世界で、緑朗太の左右に並んだというだけの対照的な2人だったが、なにか奇妙な縁も感じていのも確かだ。
しかし、転移直後の緑朗太が感じた苦労は、近くに拓郎という親友がいたからこそ最低限のものだったのだ。
それが引っ込み思案の奏や血の気が多いこの男に果たして対応できるのかどうか――それだけが心配だった。不安だった。
その不安が見事に的中した形となって、緑朗太の目の前に敵として立ちはだかった。
「Ku……So…Ga…」
「何?」
「Kusoga!Kusoga!!Kusogaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
絶叫と共に、男の体が闇に包まれた。
◇
突如、広場を木霊する絶叫に、拓郎とセニャーレの意識が同時にそちらへと向けられる。声に乗せられた[闇魔法]の気配を感じ取り、片や友を考えた焦燥、片や思わぬ拾い物ゆえに歓喜。互いに正反対の表情を作る。
『どうやら勝負は決するようじゃな。』
「まだわからねぇだろ。お前が思っている以上にあの人は柔じゃねぇんだよ。」
拓郎の槍の柄を握り締める指に力が篭る。本当はすぐにでも助けに行きたいのだが、そういう訳にもいかない。
拓郎が食いついてくるとわかるやセニャーレは『そろそろ本気を出すかの』と彼女の周りを2つのダイヤ状の闇が浮遊させた。
今までセニャーレが披露した攻撃方法は2つ。単純な身体能力に物を言わせた攻撃と、足元から獣の口を召喚して襲いかからせるという攻撃だ。
防御の闇魔法こそ上級であれども、攻撃には中級程度のものしか使用していない。
一見して大したことがなさそうなこの魔法こそ、彼女が最も得意とした闇魔法[不確定な刃]である。
今までの戦いも互角であるように見えていたが、拓郎は自身の固有スキルと保有スキルを全て費やしての互角である。それでも、魔王軍幹部で二つ名持ちの敵を相手取り、ここまで互角であるというだけでも大検討であったが、ヒシヒシと近寄る戦いの限界に、額からは嫌な汗を流し始めるのであった。
緑朗太の目の前で男だった存在が、獣へと変貌を遂げていく。腕に、背に、足に、そして両目に。不定形な黒に侵食された男は、口端を嬉しそうに頬に到達するまで釣り上げ、緑朗太を見据える。
突然の変化に内心で驚きを隠せないが、狼狽するよりも早く、緑朗太は槍を構える。
『会いたかったぜぇ…ロクロウタとか言ったなぁ……。』
叫びや片言だったのが嘘のように、男の口から言葉が紡がれた。
『お前だお前……シカトきめこんでるお前だよぉ…。』
『あの場所で会った時からお前は気に入らなかったんだ…。』
『俺をこんな目に合わせたあの女も許せないけどよ…。』
『まずはお前をグチャグチャにしてやらねぇと俺の気がすまねぇんだよぉ!』
両手両足を駆使した四足機動で緑朗太に迫り来る男に、緑朗太は槍の鋒を真っ直ぐに向け、真正面から最短距離で詰め寄る。
両足に力を籠め、[チャージ]の力を上乗せした突進力で、敵の顔のど真ん中に槍を突き放つ。
激突音はない。緑朗太の渾身の突きは空を貫き、躱した男は緑朗太の腹部を爪状に変化した闇で緑朗太の鞄ごと抉ったのだ。
「ぐブッ」
『殺ったぁぁぁぁあ!!』
革鎧は鎧としての効果を果たさず、緑朗太の腹部を容赦なく攻撃が直撃した。こみ上げる血反吐で喉が詰まり、視界が一瞬で暗転する。
焼けるような熱さが痛みであると脳が認識するのに時間はかからない。緑朗太の周囲この間も大量の血が失われる。鞄の中身を周囲にぶちまけられた状態で、緑朗太が傷口を確認しようとすると、傷こそあるものの、緑朗太が痛みを感じているほど傷は深くなさそうであった。
緑朗太が知らぬことではあるが、攻撃の折、緑朗太の鞄に入っていたレッドポーションが全て割れ、奇しくも傷口に直接かけられることとなった。
高笑いをする男の足元で転がる緑朗太の口が小さく「最適化」と呟く。
藤枝が死んだことで煙は消え去り、地面で寝そべった緑朗太でも目を開けば、そこは雲一つない空が拡がっている。
緑朗太は一先ず起き上がる為に最適化を発動させた。その様子を見ていた男は、自身の感じた手応えだと確実に致命傷を与えたと思っていた緑朗太が起き上がったことに驚きこそしたが、すぐに自分の思い通りにならない事態になったことで苛立ち、再び緑朗太をその手にかけんと飛びかかった。
再び「最適化」と緑朗太が口にすると、緑朗太の体は右へと飛び、逃すまいとした男の爪が緑朗太を薙ぎ払い、あまりの威力に緑朗太の身体が地面に叩きつけられながら転がる。
だが、緑朗太は再び立ち上がる。彼の固有スキルはその時にどれだけ満身創痍であろうとも、体が動くのであればどんな手段を用いらせても立ち上がらせる。
それが使用者の望みであれば、如何なる不可能をも可能にせんと作用し続ける。
拓郎同様、緑朗太も死の気配をより身近に感じていた。けれども、不思議と絶望はしていなかった。死にたくないと強く願った。それ以上に、この男は任せろと拓郎に宣言をした。ならば、この男を向かわせるわけにはいかないのだ。それが、拓郎の力になる為にここに来た自身の役目なのだから。
『お前ぇ…なんで立ち上がんだよ。さっさと死んでろよ。』
「あぁ、悪いな。こう見えて結構しぶといんだよ。」
にへらと顔を崩す緑朗太の態度。致命傷を与えたと思いきや起き上がり、そして余裕そうに笑みまで浮かべる。そんな緑朗太の態度に男の神経は更に逆撫でされ、唯でさえ怒りで満ちていた頭にブチッと何かが切れる音が響く。
『GYaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!』
より動きは荒々しく、人間としての精彩さなどかなぐり捨てている。男の両爪が緑朗太を切り裂かんと振り上げられた刹那、緑朗太の体が消える。
マーヴィスとの1戦で見せた限界の解放である。男の脇をすり抜けるように移動し、すれ違いざまに短剣で男の肉体にスラッシュを奔らせる。
実剣で金属の錠すら叩き切る緑朗太のスラッシュに、背中を闇で覆っているとは言え男の腹部は生身も同然である。
男が自身が斬られたのだと判断するよりも早く、緑朗太の斬撃が続けて背後から男の左腕の付け根に振り下ろされる。男は緑朗太の突然の消失に戸惑ったままであり、左腕を切断するのは容易かった。
この段階で、緑朗太は自身の短剣が限界であるということを悟る。切断した瞬間、記憶にはない感触が蘇った。トロールを切断し、武器が駄目になったときの感触である。
『有り得ねぇ!有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ!!』
斬られたことに激怒する男から距離を取るが、短槍は男の攻撃を受けた際にどこかに飛んでいってしまい、残っているのは最早この短剣のみであった。
と、そこで緑朗太は男に背を向けて走り出す。突然の逃走行為に、男はここまで虚仮にされて逃がすかと緑朗太をすぐさま追いかける。
だが、逃げたはずの緑朗太が大した距離も走らずに突然立ち止まり、しゃがんだ。
男は緑朗太に与えた傷が深く、もう逃げたのを諦めたのだとほくそ笑み、今度こそ息の根を止めてやると、地面を力強く蹴り、緑朗太へと一直線に飛びかかった。
男と緑朗太の影が交差し終えた後、片方の影には交差前と変化が生じていた。
交差から数秒後。広場に音を立てて何かが落ちる。
その正体は人間の右腕。直前まで包み込んでいた闇は霧散を開始し、腕を切断された男は地面に膝をつき、何度も「有り得ねぇ」と連呼していた。
緑朗太の両手に握り締められているのは、男が変化するまで装備し、変化と同時に捨てられていた日本刀であった。
緑朗太もすれ違いざまの攻撃で左頬と額の左側を爪で僅かに抉られ、血を流してはいるものの、致命傷というわけではない。
「勝負ありだ。」
『ど、どうなってやがる…なんで俺の固有スキルが発動しねぇんだよ!![瞬間再生]っていうのはこういう時に発動するもんじゃねえのかよ!!』
男の発言に緑朗太はまずいと焦るが、どれだけ時間が経とうとも再生する気配は感じられない。演技か?と疑いもしたが、それよりも1つの可能性に至り、男の背後から男の首筋に冷たい刃を押し当てる。
「お前、自分のMPがどれぐらいあるか知ってるか?」
『な、なんだと?』
「任意発動スキルを使うにはMPが必要になるんだよ。自動発動だけど作用しないときは、再生回数に制限でもあるとか…まぁ、そうそう上手くいかないもんだよな。」
『ふ、ふざけんな!!最初から俺のことを馬鹿にしやがって…お前何しようとしてるかわかってんのか!?』
この期に及んで緑朗太が何を言いたいのかがさっぱり分からず「何言ってんだ?」と質問を投げかける。
『お前がやろうとしてんのは人殺しだぞ!?えぇ?そんなことして許されると思っt』
「でもお前は殺そうとしたんだろ?」
男の突然の倫理観の追求に緑朗太の冷たい言葉が被さる。
「殺そうとしたなら殺されても文句は言えないよな。」
『い、嫌だ…俺はまだ死にたくねぇ!!』
「奇遇だな。」
最後の悪あがき、と男が突如振り返り、緑朗太に噛み付こうと襲いかかる。だが、最後に男の見た緑朗太は上下が逆さまで、なぜか頭から地面が降ってきた。
「俺もだよ。」
もう男が何かを言うことはなかった。踵を返して遠ざかる緑朗太の背後で、首を失った男の身体が倒れる音だけが響くのであった。
転移者で新兵とは言え、藤枝の能力は様々なことに応用が利き、生存能力に長けていることもあってそのままにしていたのが逆に仇になった。
それに比べて、もう1人の転移者はあまりにも言うことを聞かないのであのような有様になっているが、未だに生きながらえている。今度から新兵は皆あのような姿にしないと駄目か、とセニャーレは考えるが、通常であれば命令のことしか行動しないはずが、新たにやってきた男を見て命令外の行動に出た。
いい加減な仕事ばかりする開発部の責任者へと詰め寄るいい口実が出来た、と拓郎との殺し合いの最中でありながら余裕を見せる。
それに対し、拓郎は一瞬でも気を緩めることが出来ない状況下で、徐々に徐々に体力をすり減らしながらも神経を尖らせ続ける。
過去に対峙した際には一切見ることができなかった攻撃が今では見ることができる。更に、少し前から体の調子が上がっているようにさえ思えるようになってきたのだ。
実際、拓郎の身体能力は僅かではあるが向上をしていた。彼が知りえぬことだが、藤枝の能力によって拓郎は毒を吸引していた。だが、その元凶たる藤枝が死んだことで、彼の体は確実に元に戻りつつあったのだ。
身体能力が元に戻れば魔力消費も節約が効くようになる。高速移動をしながら互いに一撃を与えんと牽制しあい、隙を見ては攻撃をし合うという状況が続く中、拓郎はふと緑朗太のことが気にかかった。
正確には緑朗太が相手をしている仮面の男だ。あれは、4年前に存在しなかった兵隊である。
「おい、糞魔族…あの仮面は一体何だ?あんなの前はなかっただろうよ…。」
拓郎が突きを放とうと接近した直後、セニャーレの足元の地面から巨大な獣の口が開口し、拓郎が立っていた地面を噛み砕いて飲み込んだ。
『あれは新たに作られた生きた屍人を作成する為の魔道具じゃよ。従来の屍人と異なり、あれは転移者に使えば固有スキルをも使えるようになる優れものよ。』
獣の頭が真っ二つに割断される。拓郎の不可避の[光刃]を真正面から至近距離で受けたのだ。
「碌でもないもの作りやがって…ってことはあの男はあの仮面をつけた段階で既に屍人か…。」
『拾ってやったのはいいけど、全然使い物にならないから実験体には丁度良かったわい。藤枝の方がまだ見込みがあったのに先に死によるし…貧乏くじばかりじゃ。』
藤枝という男が死亡したと聞き、拓郎はリゴラが上手いことやってのけたのだとホッとする。あんなのでも昔の仲間だ。いつ寝首をかかれるかはわからないが、それでも頼りにしているのも事実である。
それよりも、気掛かりなのは拾ってやったということは、つい最近の話なのだということが伺えた。それも、藤枝とほぼ同時ということはあの仮面の男も1000人の中の1人ということは間違いないだろう。
ロクさん…死ぬなよ、拓郎は己が死なないようにするので必死なのに関わらず、緑朗太の安否を気遣うのであった。
その緑朗太は、実戦をしながらも自らの命の危険を一切感じていなかった。
強さに酔いしれていたり、自らを過信しているわけではない。ただ、目の前のこの男との最初の1合で理解した。こいつは自分よりも弱いと。
実際、戦ってみたところで、目の前の相手からは敵意こそ感じれども、感情というのを一切感じ取れない。攻撃そのものも工夫などがあるわけではなく、単純な身体能力だけであれば間違いなく緑朗太よりも上だということはわかったが、ただそれだけである。
致命的な問題があるとすれば、緑朗太の攻撃が通用しないぐらいだ。槍による刺突と短刀による斬撃を試みたが、肉を斬り、骨を断つものの、肝心の相手の動きが止まらない。傷口は瞬く間に癒えてしまうし、何事もなかったかのように再び動き出す。
緑朗太は最小限の動きで避けはするものの、いい加減鬱陶しさを感じつつあった。
「攻撃しても死なないか…有効な攻撃はこれかな。」
大振りで斬りかかってきた瞬間、緑朗太の槍が仮面の男の首の右半分をすれ違いざまに切り裂き、頚椎を損傷させる。大抵のゾンビ映画であれば確実に行動を停止させる鉄板のパターンであるが果たしてどうか?
結果はすぐに出た。傷口が煙を上げながら再生していき、何事もなかったかのように動き出したのだ。
結果が駄目であったこと落胆をするかと思いきや、緑朗太はとある光景を目撃しており、そのことに関して考える方が先決だった。再生が始まった瞬間、確かにその時敵の顔の部分からよからぬ気配を感じ、よく観察をすると、仮面の裏側が発光しているではないか。
真正面からでは分り難い変化である為、裏側に回ってみないことにはわからなかったが、どうやら仮面に秘密があると予想し、緑朗太の次の攻撃方法が決まる。幸いなことに、拓郎の攻撃で既に罅が入っている箇所が仮面にはあり、そこを狙えばいいだけだ。
「UuOoooooooooooooooooo!!」
一際大きな叫び声をあげながら仮面の男が迫り来る。攻撃は横一線の胴薙ぎ払い。それに対し、緑朗太は僅かに体を引き、槍の鋒を相手の顔に合わせると、勢いよく顔目掛けて投擲をした。
当然、敵は槍に対応する為、刀を振るった。槍が弾かれた直後、罅の入った仮面に緑朗太の僅かに反った短剣が突き刺さる。仮面だけでなく確実の裏側の顔にまで到達しているが、不思議と緑朗太は冷静だった。
短剣を引き抜きながら緑朗太が離れると、仮面の男は顔を抑えて声にならない叫びを発しつつ地面を転げ周る。
動きを一旦停止させてから数秒の間を空けた後、立ち上がると、仮面は音を立てながら割れ、更に男の手も仮面に手をかけて引き剥がさんとしている。露になった口元には上唇と下唇が縫い付けられていたような痕跡が生々しく残されており、緑朗太の攻撃で縫合がちぎれたのだ。
男の手に力が篭められる度、仮面の罅は口元から全体へと拡がり、そして緑朗太の目の前で粉々に砕け散った。
それまで相手のことを興味なさげに見ていた緑朗太の視線が初めて揺れる。その顔に見覚えがあったから、そう遠くない過去に、その男と緑朗太は確実に遭遇をしていたからだ。
『手前何シカトこいてんだこら!そんなにボコられてぇんなら黙ってこっちに頭出せや!』
『くそがぁぁぁぁ!!』
『何言ってるんだ手前?なんで手前何かにそんなことわかるんだよ!さては手前ここに連れてきたやつとグルか!?』
「お前…あの時の男か…。」
転移直前、緑朗太が知り合った奏朱栞という女の子と、名前の知らない青年。1000人も並べられたあの世界で、緑朗太の左右に並んだというだけの対照的な2人だったが、なにか奇妙な縁も感じていのも確かだ。
しかし、転移直後の緑朗太が感じた苦労は、近くに拓郎という親友がいたからこそ最低限のものだったのだ。
それが引っ込み思案の奏や血の気が多いこの男に果たして対応できるのかどうか――それだけが心配だった。不安だった。
その不安が見事に的中した形となって、緑朗太の目の前に敵として立ちはだかった。
「Ku……So…Ga…」
「何?」
「Kusoga!Kusoga!!Kusogaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
絶叫と共に、男の体が闇に包まれた。
◇
突如、広場を木霊する絶叫に、拓郎とセニャーレの意識が同時にそちらへと向けられる。声に乗せられた[闇魔法]の気配を感じ取り、片や友を考えた焦燥、片や思わぬ拾い物ゆえに歓喜。互いに正反対の表情を作る。
『どうやら勝負は決するようじゃな。』
「まだわからねぇだろ。お前が思っている以上にあの人は柔じゃねぇんだよ。」
拓郎の槍の柄を握り締める指に力が篭る。本当はすぐにでも助けに行きたいのだが、そういう訳にもいかない。
拓郎が食いついてくるとわかるやセニャーレは『そろそろ本気を出すかの』と彼女の周りを2つのダイヤ状の闇が浮遊させた。
今までセニャーレが披露した攻撃方法は2つ。単純な身体能力に物を言わせた攻撃と、足元から獣の口を召喚して襲いかからせるという攻撃だ。
防御の闇魔法こそ上級であれども、攻撃には中級程度のものしか使用していない。
一見して大したことがなさそうなこの魔法こそ、彼女が最も得意とした闇魔法[不確定な刃]である。
今までの戦いも互角であるように見えていたが、拓郎は自身の固有スキルと保有スキルを全て費やしての互角である。それでも、魔王軍幹部で二つ名持ちの敵を相手取り、ここまで互角であるというだけでも大検討であったが、ヒシヒシと近寄る戦いの限界に、額からは嫌な汗を流し始めるのであった。
緑朗太の目の前で男だった存在が、獣へと変貌を遂げていく。腕に、背に、足に、そして両目に。不定形な黒に侵食された男は、口端を嬉しそうに頬に到達するまで釣り上げ、緑朗太を見据える。
突然の変化に内心で驚きを隠せないが、狼狽するよりも早く、緑朗太は槍を構える。
『会いたかったぜぇ…ロクロウタとか言ったなぁ……。』
叫びや片言だったのが嘘のように、男の口から言葉が紡がれた。
『お前だお前……シカトきめこんでるお前だよぉ…。』
『あの場所で会った時からお前は気に入らなかったんだ…。』
『俺をこんな目に合わせたあの女も許せないけどよ…。』
『まずはお前をグチャグチャにしてやらねぇと俺の気がすまねぇんだよぉ!』
両手両足を駆使した四足機動で緑朗太に迫り来る男に、緑朗太は槍の鋒を真っ直ぐに向け、真正面から最短距離で詰め寄る。
両足に力を籠め、[チャージ]の力を上乗せした突進力で、敵の顔のど真ん中に槍を突き放つ。
激突音はない。緑朗太の渾身の突きは空を貫き、躱した男は緑朗太の腹部を爪状に変化した闇で緑朗太の鞄ごと抉ったのだ。
「ぐブッ」
『殺ったぁぁぁぁあ!!』
革鎧は鎧としての効果を果たさず、緑朗太の腹部を容赦なく攻撃が直撃した。こみ上げる血反吐で喉が詰まり、視界が一瞬で暗転する。
焼けるような熱さが痛みであると脳が認識するのに時間はかからない。緑朗太の周囲この間も大量の血が失われる。鞄の中身を周囲にぶちまけられた状態で、緑朗太が傷口を確認しようとすると、傷こそあるものの、緑朗太が痛みを感じているほど傷は深くなさそうであった。
緑朗太が知らぬことではあるが、攻撃の折、緑朗太の鞄に入っていたレッドポーションが全て割れ、奇しくも傷口に直接かけられることとなった。
高笑いをする男の足元で転がる緑朗太の口が小さく「最適化」と呟く。
藤枝が死んだことで煙は消え去り、地面で寝そべった緑朗太でも目を開けば、そこは雲一つない空が拡がっている。
緑朗太は一先ず起き上がる為に最適化を発動させた。その様子を見ていた男は、自身の感じた手応えだと確実に致命傷を与えたと思っていた緑朗太が起き上がったことに驚きこそしたが、すぐに自分の思い通りにならない事態になったことで苛立ち、再び緑朗太をその手にかけんと飛びかかった。
再び「最適化」と緑朗太が口にすると、緑朗太の体は右へと飛び、逃すまいとした男の爪が緑朗太を薙ぎ払い、あまりの威力に緑朗太の身体が地面に叩きつけられながら転がる。
だが、緑朗太は再び立ち上がる。彼の固有スキルはその時にどれだけ満身創痍であろうとも、体が動くのであればどんな手段を用いらせても立ち上がらせる。
それが使用者の望みであれば、如何なる不可能をも可能にせんと作用し続ける。
拓郎同様、緑朗太も死の気配をより身近に感じていた。けれども、不思議と絶望はしていなかった。死にたくないと強く願った。それ以上に、この男は任せろと拓郎に宣言をした。ならば、この男を向かわせるわけにはいかないのだ。それが、拓郎の力になる為にここに来た自身の役目なのだから。
『お前ぇ…なんで立ち上がんだよ。さっさと死んでろよ。』
「あぁ、悪いな。こう見えて結構しぶといんだよ。」
にへらと顔を崩す緑朗太の態度。致命傷を与えたと思いきや起き上がり、そして余裕そうに笑みまで浮かべる。そんな緑朗太の態度に男の神経は更に逆撫でされ、唯でさえ怒りで満ちていた頭にブチッと何かが切れる音が響く。
『GYaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!』
より動きは荒々しく、人間としての精彩さなどかなぐり捨てている。男の両爪が緑朗太を切り裂かんと振り上げられた刹那、緑朗太の体が消える。
マーヴィスとの1戦で見せた限界の解放である。男の脇をすり抜けるように移動し、すれ違いざまに短剣で男の肉体にスラッシュを奔らせる。
実剣で金属の錠すら叩き切る緑朗太のスラッシュに、背中を闇で覆っているとは言え男の腹部は生身も同然である。
男が自身が斬られたのだと判断するよりも早く、緑朗太の斬撃が続けて背後から男の左腕の付け根に振り下ろされる。男は緑朗太の突然の消失に戸惑ったままであり、左腕を切断するのは容易かった。
この段階で、緑朗太は自身の短剣が限界であるということを悟る。切断した瞬間、記憶にはない感触が蘇った。トロールを切断し、武器が駄目になったときの感触である。
『有り得ねぇ!有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ有り得ねぇ!!』
斬られたことに激怒する男から距離を取るが、短槍は男の攻撃を受けた際にどこかに飛んでいってしまい、残っているのは最早この短剣のみであった。
と、そこで緑朗太は男に背を向けて走り出す。突然の逃走行為に、男はここまで虚仮にされて逃がすかと緑朗太をすぐさま追いかける。
だが、逃げたはずの緑朗太が大した距離も走らずに突然立ち止まり、しゃがんだ。
男は緑朗太に与えた傷が深く、もう逃げたのを諦めたのだとほくそ笑み、今度こそ息の根を止めてやると、地面を力強く蹴り、緑朗太へと一直線に飛びかかった。
男と緑朗太の影が交差し終えた後、片方の影には交差前と変化が生じていた。
交差から数秒後。広場に音を立てて何かが落ちる。
その正体は人間の右腕。直前まで包み込んでいた闇は霧散を開始し、腕を切断された男は地面に膝をつき、何度も「有り得ねぇ」と連呼していた。
緑朗太の両手に握り締められているのは、男が変化するまで装備し、変化と同時に捨てられていた日本刀であった。
緑朗太もすれ違いざまの攻撃で左頬と額の左側を爪で僅かに抉られ、血を流してはいるものの、致命傷というわけではない。
「勝負ありだ。」
『ど、どうなってやがる…なんで俺の固有スキルが発動しねぇんだよ!![瞬間再生]っていうのはこういう時に発動するもんじゃねえのかよ!!』
男の発言に緑朗太はまずいと焦るが、どれだけ時間が経とうとも再生する気配は感じられない。演技か?と疑いもしたが、それよりも1つの可能性に至り、男の背後から男の首筋に冷たい刃を押し当てる。
「お前、自分のMPがどれぐらいあるか知ってるか?」
『な、なんだと?』
「任意発動スキルを使うにはMPが必要になるんだよ。自動発動だけど作用しないときは、再生回数に制限でもあるとか…まぁ、そうそう上手くいかないもんだよな。」
『ふ、ふざけんな!!最初から俺のことを馬鹿にしやがって…お前何しようとしてるかわかってんのか!?』
この期に及んで緑朗太が何を言いたいのかがさっぱり分からず「何言ってんだ?」と質問を投げかける。
『お前がやろうとしてんのは人殺しだぞ!?えぇ?そんなことして許されると思っt』
「でもお前は殺そうとしたんだろ?」
男の突然の倫理観の追求に緑朗太の冷たい言葉が被さる。
「殺そうとしたなら殺されても文句は言えないよな。」
『い、嫌だ…俺はまだ死にたくねぇ!!』
「奇遇だな。」
最後の悪あがき、と男が突如振り返り、緑朗太に噛み付こうと襲いかかる。だが、最後に男の見た緑朗太は上下が逆さまで、なぜか頭から地面が降ってきた。
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