やり直しで健康的な人生に!

ノッポ

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番外編 あなたと出会えた日

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その日は、ほんの少しだけ早起きをして、テーブルクロスをお気に入りの生成りに替えた。
白い皿の上には、小さなハート型のパンケーキ。ベリーソースをかけて、仕上げにミントを添える。

「記念日らしい朝ごはん……うまくできたかな」

そう呟いていたら、背後からふわっとした足音が聞こえた。

「おはよう、未来」

「おはよう、晴翔くん。……おめでとう、だね。結婚して、今日でちょうど一年」

彼はまだ寝ぼけ眼で、それでも私の手からマグカップを受け取って、そっと笑った。

「ほんと、あっという間だったな」

「うん。いろいろあったけど、幸せだったよ」

私がそう言うと、彼はちょっと驚いた顔をして、それから頷いた。

「俺も。毎日、未来のごはんが食べられて、帰る場所が未来で、ほんとによかったって思ってる」

思わず笑ってしまう。
料理のこと、やっぱり言うんだなぁって。

でも、そんな言葉のひとつひとつが、私にはちゃんと伝わっている。



夜は、お互いにちょっとしたサプライズを用意していた。

私は手作りのフォトアルバム。
出会った頃の写真、初めての家族ディナー、動画を手伝ってくれている晴翔くんの真剣な顔――

そして、今日の朝撮ったばかりのパンケーキの写真。

「……懐かしいな、この写真。これ、結菜がアイスこぼした日だよな?」

「そうそう! 服がベッタベタになって、『未来お姉ちゃん、責任とって!』って言われたの」

「言いそう……」

ふたりで笑いながらページをめくる。
写真の中の私たちは、少しずつ、でも確かに“家族”になっていっていた。



そして、彼からのサプライズ。

「……ほら」

手のひらにそっと置かれたのは、小さなガラスの置物。
中には、ふたりで並んで立つ小さな人形と、“1st Anniversary”の文字。

「わっ、かわいい……これ、もしかして手作り?」

「うん。ネットでガラス細工の体験見つけて、ちょっと通ってた」

「えええ!? 全然気づかなかった!」

「未来にだけは見つからないように、がんばったからな」

そう言ってちょっと照れた顔。
私はその表情が大好きだった。

「ありがとう、晴翔くん。ずっと大切にするね」

「これからも、いっぱい記念日つくっていこう」

「うん、毎年、いろんな“はじめて”を」



窓の外には、春の夜風。
カーテンがゆらりと揺れて、リビングに月の光が差し込んでいた。

今日も“ふたり”でいられることに、心から感謝しながら――
私はそっと、彼の肩に寄りかかった。
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