異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?

望百千もち

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二章

5.だいじょうぶ······です

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何度も大丈夫ですって言ったけど、僕のホハバにあわせてると転移陣というところに着くのが遅くなるからとラクさんは僕を降ろしてくれなかった。
それを聞いてナガレさんとトウヤさんはラクさんを叱っていたけれど、僕の歩く速度は背の高い皆さんより確かに遅いから、そう言われても仕方ないと思う。

「ほほ、儂のことは無視かのぅ?」

ウイさんがぽつんと呟いていたけれど、14歳の男の平均身長より少し低い僕よりも頭1つ半くらい小さいのに僕をお姫様抱っこしながら歩くラクさんの速度に遅れていないから何も言われないんだと思います。凄いです。





「あっれー?劣等種の犬がお散歩中ですかぁー?」

くすくす。


長いロウカを歩いていると、後ろからそう声をかけられました。
その声とともに笑い声が聞こえます。イヌ······ですか?

「そっかー。犬は犬でも駄犬だったよなぁ‪‪w。種のない犬なんて子を成すことも出来ない脳なしだからな」
「てゆーか?犬種も分かってねぇ劣等種が俺らみたいなエリートと同じ建物ん中にいるって可笑しくね?」

くすくす。

とても気分が悪いです。自分が言われている訳ではないと思いますが、この声は誰かをバカにしているのは確かです。そう思うととても苦しくて、悲しくなります。


「僕達に何か用ですか?」
「······チッ。······いえ」
「そうですか。では、僕達は用がありますのでこれで」

ラクさんの体で見えないのですが、ナガレさんの声がしました。それと同時にラクさんの歩みが止まります。···さっきのは僕たちに向かって言われた言葉なのでしょうか?そう聞こうとしてラクさんの顔を見上げると、ラクさんは唇を噛み締めていました。


「ラクさん······?」
「···あ、?······悪ィ」

ラクさんはそうひと言いって笑いかけてくれました。でも、さっき笑いかけてくれた時よりもその表情は固くて、辛そうで···。

「劣等種がなんであんな上位種たちと居られんのかね?やっぱ、黒川の力か?俺も黒川の養子になれば良かったかなー」
「ッ、、」
「お前が?無理だろー」

「あぁ。お前たちでは無理であろうなァ。ほほ」

ウイさん······?

「あ、」
「儂のことは無視かのぅ?」
「「海月みづき様!!」」

海月様···?僕が首を傾げるとウイさんがにっこりして自分を指さしていました。どうやら後ろから声をかけてきた2人組にはウイさんの姿が見えなかったようです。

「海月様、これには」
童共わっぱどもが。黙れ」

さっきまで騒いでいた2人組はしーんと静まります。

「まァ。上位種、中間種、下等種、幻想種、崇拝種、様々な種があるのは知っておろうが?···唯一の創造種である儂に歯向かう事など無いよなァ?」
「ヒィッ、も、申し訳ありません!」
「儂の可愛い弟子を貶す輩は許さん♡︎次、また同じようなことがあれば社会的抹殺じゃ♪覚えとれなぁ?」
「「はいィィィッ!!し、失礼しました!!」」

ウイさんに怒られて(?)声をかけてきた2人は頭をペコペコと下げながらどっかへ行ってしまった。

「ほれ楽よ。早うゆかぬとルウたんが可哀想じゃろ」
「······分かってる。行くぞ」

そう言って再び歩みを進めるラクさん。

「ラクさん······」
「······心配するな。俺は大丈夫だ」
「······うん」
「お前は···体は···辛くないか?」
「え、あ、はい。···僕は大丈夫です」
「そうか······」
「あのっ」
「どうした?」
「······あの···」

なんて言ったらいいんだろう···。
悲しそうな寂しそうなラクさんにそんな顔して欲しくなくて、何かいいたいんだけど···なんて言えばいいの?

「······なんでもないです。ごめんなさい」
「謝るなよ。······ほんと、お前つまんねぇ奴だな」

そう言ってラクさんは楽しそうに微笑んだ。

「っ!」
「?」
「ラクさん」
「ッ·······見るなよ。バカ」

ガーンっ。バカって言われちゃった······。

「ほぉっほぉっほぉっ。中々おアツいのぉ」
「楽ぅ~」
「僕も少し妬けたかな?流石に抜けがけは······ね」
「ばっ、違う。違ぇし!···つか、着いただろ」
「うむ。そうじゃな。久しぶりに黒川の坊に茶でも入れてもらおうとするかのぅ。ほほ。あれの点てた茶は美味い」


転移陣と言うところに着いたみたいです。小さなお部屋で、その床にマルとちっちゃな文字が書いてありました。

「ルウたんよ。一瞬じゃからな、一瞬浮き上がるだけじゃ」
「驚くと思うけど、僕達がいるから大丈夫だよ」
「ブォーン!シュンっ!でらくの家に着いちゃうからね」

ブォーン?シュン?

「まぁ、実際跳べば分かるだろ」


そう言ってラクさんはそのお部屋に1歩踏み出しました。
後からウイさん、ナガレさん、トウヤさんが続きます。

「やっぱ狭いな···」
「定員5人までだけど毎回ギリギリだよね」 
「早く改修工事しよーよ」
「ほい。ゆくぞーい」
「はー



ギューンッ!!  ファシュッ!


はうぅっいっしゅんってー






「着いたわい。って···あれま、ルウたん気絶しとるわ」
    
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