異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?

望百千もち

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二章

【視点】浅井 流

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「で?どーすんの」
「どうしようもねぇだろ。大幅でなくとも突然の嫁とり時期の変更。提案の決定は向こうのくせに、管轄はお前らだろって政府は手を貸してくれねぇ」
「資料はうちにあるから別にいいんだけどねー。番の魔法陣の方はどうだったの?借りれそう?」
「こっちは問題ないよ。まぁ1ヶ月も早く来てしまったからあっちもバタバタしてたけどね。それに本部の方は政府に帰属してないし、あっちの人達は凄く怒ってた」
「当たり前だろ。俺達はバラバラに動いても意味ねーんだ。またいつ“あれ”が落ちてきたって不思議じゃねぇし、忙しいのは分かるが対策対策ってアイツらは学習能力ゼロか?先祖と違って俺達には力があるだろうが。もっと冷静に頭使えっての」
「もぅ、ら~く?今はお馬鹿さん政府にグチグチ言ってないで、ルウ君のことでしょ~?俺たちが幸せにしてあげないでどーすんの。そんなだと嫌われちゃうぞっ?」
「·······うるせぇ」


彼には凄く悪い事をした。いや、現在進行形でしている。
僕達には彼が必要だし、彼がこの世界で生きていくにも僕達は必要不可欠な存在であることは変わらない。

こうして僕らも世界も“共存”するんだ。


この世界に存在する組織は大きく分けて2つ。
行政を統括する『政府』
古来からの儀式を遂行する『継寺』

僕らの所属する異世界共存化計画企画部は政府にも属し、継寺にも属する。まぁ、これは建前でしかないのだけど。


「烏丸たちはなんて?」
「······政府がやっと災害救助用AIの導入を検討し始めたとかでそっちで手一杯だとよ。魔法陣の機動式だけ送ってきやがった」
「まぁ僕らだけでも出来ないことは無いし構わないんじゃない?·······それに、他の誰かに見せたくないって言うか···」

5つも歳が離れてるのにね。
適正化で見た目が変わるんだろうけど、ルウ君を見てると···なんて言うのかな?自分が自分じゃ無くなる···みたいな。もどかしい気持ちになる。···あと悪いことしてるみたいな。

ん?楽と塔矢······なんか驚いてる??


「へぇー。あのお堅い流サマがなぁ···」
「独占欲ぅ?」

あ、これ···からかわれてる感じ?
目を丸くしてたと思ったら2人ともニヨニヨしてるし。

「違うよ。······多分」
「ま、俺も分かんなくねぇけどな。···アイツ、なんか目が離せなくなるっつーか」
「ほんの数時間前に会ったばかりなのにねー。可愛くて可愛くて仕方ないし······可愛くてって言うよりも愛しくてって感じかなぁ?」

2人ともそれぞれ感覚は違うがルウ君のことを『特別』と本能が認識しているようだ。···それは僕も同じなんだけど。2日後が待ち遠しい。


「んで、アイツの後見人は誰になるんだ?」

そうだった。
話が脱線してしまっていたけれどこれが本題。

「やっぱりボスにお願いしてみる?」
「···駄目だろ」
「権力が集中しちゃうとってまた政府と継寺がうるさいよ?雅のときもそうだったー。で、結局うちが後見したし···。ナガレは仕方ないじゃん?ラクは無理そ?」
「きっとボスもそれを分かってたから黒川さんの所でルウ君の適正化をお願いしたんじゃないかな?場所も環境もルウ君にとっては1番マシだろうし」
「てめ、他人の家を」
「まあまあラク落ち着いて~。一応儀式の準備は整ってる訳だし、あとはルウ君に説明するための資料をもうちょっと分かりやすく纏めとくくらいでしょ?どうせ今回は忙しいとかって言って賓客とか来ないだろうから、今のうちに黒川さんにお願いしに行こーよ」

塔矢······君はそうしっかりしてれば優秀な子なのにね。
小鳥遊は弟の雅君が継ぐ予定だと聞いた。確かに去年の春頃に嫡男が生まれていたし、小鳥遊としては安心なんだろうね。

「······チッ」 

楽は渋々と言った様子だ。確かに楽は養子の立場だから、あんまり黒川さんにお願いしたりとかしにくいんだろう。···うちの敷居が低ければ、僕も提案出来たんだけどそれはきっと父上が許さないと思う。あの人がいる限り僕に自由はない······。


「······分かった。今日はもう遅いし、親父も書斎に引きこもってるし、明日の朝アポ取る。んで昼頃に時間貰えないか聞いてみる」
「わぁ~。ラクありがとぅ!じゃあそろそろ切ろうか?俺もお風呂入って寝たーい」
「そうですね。夜も遅いですし、僕もそろそろ失礼します」
「おぅ」



楽と塔矢に少し挨拶してアプリケーションを終了。
マイクを外し、パソコンの電源を切る。

ふぅ······。


ルウ君、本当に可愛かったな···。
数時間前に別れた彼を思い出す。この世界に突然来てしまって、まだ僕らもちゃんとした説明をしてあげられずに1人にしてしまった···。彼の為ではあるのは分かっているけれど、あの涙が目に焼き付いて離れない。

彼を絶対に幸せにしよう。



「流、まだ起きていたのか」

っ、、!!

「······父上」
「お前の部屋の明かりが見えた。遅くまで何をやっている?嫁の件ならもう明日にして休みなさい。仕事の効率が落ちる。お前は浅井の名を汚す気か」
「······申し訳ございません。気をつけます」
「ただでさえお前の血は穢らわしいと言うのに······。折角の機会だ。子は白蛇でなく、龍の子を産ませろ。浅井の名に相応しい龍の子だ。もし子が龍なら、お前も嫁も大切に扱ってやる」
「·········」

そう言い残し、僕の父は部屋を出ていった。
··········。









✻✻✻✻✻          ✻✻✻✻✻          ✻✻✻✻✻


視点変更のお話がもう少し続きます。


早くルウ君視点に戻りたい···。ほのぼの系が書きたい(泣)
そしてネタバラシしたい······。
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