異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?

望百千もち

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二章

8.かれーらいす

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ヨクさんが「ではまた来るよ」と言って、ウイさん、ナガレさん、ラクさん、トウヤさんと順番にお部屋から出ていってしまいました。皆さん最後に手を振ってくれたり、優しく笑いかけて下さって、寂しいような嬉しいような何だか胸の辺りがポカポカしました。



『ルウちゃん寂しい?』

たっちぱねると言う板の中にいるリクタンさんと言うウサギさんがピコピコとお耳を動かしてそう話しかけてきました。

「リクタンさんがいるので大丈夫です。それに皆さんまた2日後に来て下さるそうなので···約束なので」
『きゅきゅ~ん♡︎リクタン感動したよ~っ。ルウちゃんはいい子なんだね!疲れてない?眠くない?お腹すいてない?』
「リクタンさんは母様みたいですね」
『えーそーかなぁ?じゃあリクタンはみんなのお母ちゃんなんだね!』

リクタンさんがいつの間にかエプロンとバンダナをして、長いクネクネした首で胴体の丸いキカイ(?)を持っていました。何でしょう?ブォォ~という音も聞こえます。

『あ、そだ!そんなことよりも!』

一瞬で元のウサギさんに戻りました。
お耳のピコピコが可愛いです。



『早速ですがルウちゃん、今日の所はお疲れのネムネムさんだと思うのね。ご飯食べて、お風呂入って、眠るのね!ついでにリクタンはリクタンでいいんだよぅ!』

キランッと黒く光るメガネを掛けたリクタンさんーリクタンは、そう言って下を指さします。ん?下ですか?···あ。
たっちぱねるの下に穴が空いてます!
あれ?空洞?···あ!オボンだ!!

『衣・食・住はリクタンが面倒みるんだよぅ。まずはご飯なのね。ルウちゃんこっち来てからサイダーしか飲んでないみたいだね?お腹すいてるよ?トレーを取ってみて!今日のルウちゃんの晩ご飯だよぅ』
「······かれーらいすですか!?」

たっちぱねるの下の空洞にあったオボンを引き寄せると、ほかほかと湯気のたったジャガイモやニンジンがたくさん入ったかれーらいすがありました。オボンを抱えて、お部屋にあった丸いテーブルの上に置きました。とっても美味しそうです。

『やっぱりちょこっとずつ計画は進展してるのね』
「?」
『何でもないんだよぅ。ルウちゃんは成長期なんだからしっかり食べるのねー♪おかわりも沢山あるよぅ。お水もあるよぅ』
「ありがとうございます。リクタン」
『はうぅ~♡︎リクタン萌え萌えずっきゅーん♡︎』

膝を抱えてゴロゴロと転げ回るリクタン。···折角なので暖かいうちに頂いちゃおうかな···。かれーらいすのいい匂いがお部屋にいっぱいになって、何だかとてもお腹が空いてきました。

「いただきます」

ごろごろのお野菜とこれはオークでしょうか?お肉が入ってます!でもなんか筋が多い気が···味もオークのお肉よりもなんか独特です。···母様もよくかれーらいすを作ってくださいました。お肉は少なかったですが、代わりにジャガイモがいっぱい入っててトロトロで、母様のかれーらいす は凄く美味しかったのを覚えています。僕はまだあのトロトロのかれーらいすは作れないけれど、いつか絶対作ります。

···僕のいた世界には、僕たちのお家にはもう戻れないのでしょうか?
贄の儀式を行う前に、世界の為に、贄になる決意はしていたはずです。でも僕自身がまだ生きている、生きていられる、そう思うと戻る方法が無かったとしても···家に帰りたいと思ってしまいます。


僕はこの世界で何をすればいいのでしょうか?

ウイさんたちは、僕がお嫁さんだと言っていました。そして僕のすることはラクさん、ナガレさん、トウヤさんの子供を産むこと。そして幸せになること。方法は分かりませんが、きっと男の僕でも子供を産むことが出来るのでしょう。
···2日経ったら、きっと皆さんが教えてくれます。


もし、僕があの凄くカッコイイ人達のお嫁さんになれるのだとしたら···みんなで一緒に暮らすのかなぁ?僕がお嫁さんで、皆さんがお婿さんで···皆さんがお仕事に行くのにいってらっしゃいって言ったり、帰ってきておかえりって言ったりお出かけして来てただいまって言ったりして···。

毎日お料理して、かれーらいすも作って、そしてラクさん達に食べて貰いた······あぅ。もし口に合わなくて『バーカ』とかって言われちゃったらどうしよう。···でもラクさんはきっとバーカって言いながらも、ちゃんと食べてくれるんだろうな···。


「ふふふっ」
『ルウちゃんなんか楽しそー♪』
「僕も悩んでばっかりじゃだめだなぁと思いまして。よく近所の同い年の子達にもばかにされてたので、自覚はあるんです。えへへ。···この世界でも僕はちゃんと生きます」
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