異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?

望百千もち

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二章

7.ゆびきり

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「では翼よ。ルウたんは任せたぞい」
「ええ、お任せ下さい。うちの大切な嫁ですからね、なるべくルウ君の体に負担が掛からないよう善処します」

さっきまでケンカしていたのにいつの間にか終わっていました。···これが前に母様の言っていた『ケンカするほど仲がいい』と言う意味でしょうか?


「適応中は私も含め、この世界の住人は近づくことが出来ない決まりでね。何も説明せずにすまないが、一刻を争うことだ。どうしても分からないことは人工知能に聞くといい」
「じんこうちのう······」
「この壁のタッチパネルをね···」

たっちぱねる···?聞いた事のない言葉ばかりで分かりません。僕が首を傾げていると、ヨクさんは優しく微笑んで手を引いてカベの方につれて行ってくれました。そしてカベについていた黒い板のようなものに1度触れると、淡いひかりと一緒に黒い板の中にウサギさんが現れました!

『やぽー。ボクは適正化中フォロー人工知能のリクタンだよぅ。黒の旦那久しぶりぃ~。その子が新しいお姫様?リクタン宜しくっ何でも聞いてね』

う、···ウサギさんがしゃべりました!
板の中をぐるぐると回ってます!

「どうだい?気に入ったかい?」
「リクタン···さんっ!ルウです。宜しくお願いしますっ」
『可愛いお姫様だねっ宜しくなんだよ☆ルウちゃん』
「僕男の子ですよ···?」
『うひゃっ天然無垢ちゃんなんだねっ。可愛いから良いんだよぅ?してして解析終わったから、予想適正化時間は約2日と18時間って所なんだね☆そこの獣らは早々退散願うでござるぅ』

ウサギさんの頭にぴょこんって髪の毛生えました!

「あはは。リクタンには適わないねぇ···」
「うむ。では儂らは退散するとするかのぅ。ルウたん、また2日後に来るでの、寂しゅうなるて···」
「?」
「適正化の間は僕らは君には近づいてはいけない決まりなんだ。これは君の為でもかあるし、僕らの今後の為にもね···。いきなりこちらに来てしまったのにちゃんと説明出来なくてごめんね。適正化が終わったら全部説明するから」
「また来る。ここで大人しくしとけよ?」
「ルウ君~んぎゅっ。······楽しみにしてるね」

ラクさんは僕の頭にポンっと軽く1回ふれ、思いっきりむぎゅうと抱きしめてきたトウヤさんは「はぎゃっ」とまたナガレさん達に引きはがされます。

テキセイカというのはどうやるのか全く分かりませんが、皆さんとまた会えるのは2日後······。


「2日後······また来てくれるんですか?絶対ですか?」
「もちろんじゃ。指切りするかぇ?」
「······指切り?」
「ほれ、こう小指を立てて···小指だけ絡めるんじゃ」

ゆーびきりげーんまん、うそついたーら
はりせんぼんのーます、ゆびきった

「······は、はりせんぼん」
「ほほ。これで儂らはルウたんとの約束を完全完璧に破れなくなるのぅ···破るつもりも毛頭無いが針千本は流石の儂らも恐ろしゅうてなぁほほほ」
「いつまでも泣いてんじゃねーよ。ガキが」

はぅっ。ラクさんにデコピンされました。
いつの間にか僕は泣いていたらしいです。確かにホッペが濡れています。

「リクタン!ルウ君を任せたよっ」
『はいな』

青い色のハンカチを上着のポケットからとりだしたナガレさんはそのハンカチを僕に差し出しました。これは受け取ってもいいのでしょうか?困ってナガレさんとハンカチを交互に見ます。

「···絶対に君を迎えに来るから。泣かないで」

受け取るべきか受け取らないべきか困っていた僕に気を使ってか、差し出したハンカチで僕の目元と頬っぺを優しくぬぐってくれました。そのハンカチをそっと僕の手に握らせてくれます。
···持ってていい、という事でしょうか?
そういう事なのかな?と思って見つめると、ナガレさんは『うん』て言うように頷いてくれました。


「······はい。お待ちしてますっ」













  ✻✻✻✻✻          ✻✻✻✻✻          ✻✻✻✻✻





「いやー······君たちとルウ君の相性はかなり良いらしい」

親父······黒川翼はそう言った。
ボスも流も塔矢と個々に準備がある為、アイツをあの部屋に閉じ込めた後解散した。···閉じ込めたなんてのは良い方が悪いが、そうでもしねぇと俺らはアイツを···。
考えるだけでも背筋がピシッと凍りつくようだ。

「楽···君の考えていることは手に取るように分かる。···彼はいい子だからね、決して傷つけたくはないだろう?もっと良い方法があれば私もこんなことはしなくない。···この点は政府の開発部に任せよう」


私達、獣の遺伝子を持つ・・・・・・・・この世界の住人は、
彼らの適正化の際に発する香りには耐えきれないからね。
折角私たちの子を産んでくれる体だ。···大切にしなくては。


「楽、君の体のことについては心配しなくていい。事実君が異世界共存化計画の婿候補に選ばれたのだから子種は関係のないことだ」

「君が素晴らしい遺伝子を持っている事に変わりはないのだから。もしかしたら、我らの初代のように神が奇跡を与えてくれるかもしれないよ」

「私も早く孫の顔が見たいからね」

······うるせぇ。
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