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1章

22.でぃすてぃにー

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「うわー・・・マジかー・・・」

そこから見えたのは清らかな天使が美しく蒼い空に手を延ばし、瞳から雨を降らす。
そんな美しい絵画のような様子だった。

今は1限の授業が始まってる時間帯なのに外階段にいるあの子はどこのクラスだろ?
制服だけど生徒・・・なのかな?
だったら・・・

「ん?・・・あ、」

よく見たらその生徒ブレザーにズボン。
男子生徒だった。

「え・・・えー。なんか残念」

教師と生徒って禁断の恋みたいなのに憧れてたのに・・・まぁ、男子生徒ってのも二重の意味で禁断だけどね。

「ん、どーしよっかなぁ?」

どう見てもあの生徒は外階段から自殺しそうに見える・・・。この場合は止めるべきなんだろうな、でもこれから職員室に行って美人の先生をナンパがてらに自己紹介しないとだしなぁ・・・。
双眼鏡の拡大率を上げてその子の周辺を見る。しかしその周りに彼を気づいてあげられそうな先生はいなかった。
はぁー・・・相談したいときに信頼出来る先生が居ないってやつだねー。

「まぁ、死なれちゃ後片付けが大変だしね。あと一応は美人だしもったいないからな。・・・あ、ついでにお友達・・・違うな、頼りがいのある先生って覚えといてもらおう!で、ゆくゆくは俺のハーレムに参加・・・っと」

頭の中ではたくさんの美女と共に俺のもとに侍るその男子生徒。
・・・あー、女装もいいな。
いくら未成年でも犯罪って言うのはなしなし♪
それにこの間あった法改正で同性同士の婚姻が認められたから、その年齢も考えようって動きが政府内であるみたいだし・・・ね。
俺は最後にもう一度周辺を確認してから南校舎の外階段へ向かおうと思った。

「・・・ん、へぇ。・・・あんなの俺んとこにあったっけ?それに開発した覚えないなぁ・・・」

さらに拡大率を上げたとき、彼の頭上に光る物体があることに気づき俺は目を見張った。
それは小型のカメラのようだった。
もちろん、一之瀬財閥の開発部も政府や行政に売り込むために小型のカメラを開発中であったがまだ試作品の段階でさらに長時間空中に浮遊されることには出来ていなかったはずだ。
もって、30分から1時間と言うところかであった。

「・・・悔しいねぇ・・・まぁた、あいつらかぁ・・・。確かにこの学校にもいるらしいね。あの沖江の息子が・・・」

父さんをあんな風にした沖江鳴海。
その息子。

これもある意味『運命』なのかもしれない。と思うと反吐がでそうなくらい苦い。



「まぁ、今は美人ちゃんとお友達に・・・いや、人命救助にいかないとね♪」


俺は鞄に双眼鏡『なんでも見せちゃうぜ!君ver改Z』をしまい南校舎へと向かった。










ーーーーーーーーーーーー



「~~~~~っ。(うわー、しくった~。俺ってば何やってんだよー!!)」
「どーした?(小声)」

今は1限の科学応用の授業。
はっきり言うと俺には全く面白くはない。まぁ、授業なら一度聞けば覚えられるし・・・。
だから俺は机の下からこっそりと小型カメラのスマホ型になっているコントローラーを見ている。もちろん、カメラの画像を受信し瑠衣ちゃんの現状を見ている。
だから、
俺は今は三つ後悔している。

なんで俺は『音声認識機能』をつけなかったんだよー!!
そう、だから音がない。
画像のみ。つまり、瑠衣ちゃんが何を言っているのか分からない。つけていたらピアス型のワイヤレスイヤホンを作らなければいけなかった。まぁ、こっちはもう既に製品化してるからそれを改良するだけでいいんだけど。

もう1つは今の状況。
机の下でこそこそと何かを弄っているなんて堂々と見れないなんて・・・ストレス溜まりそう。
どうせならダテメ型の画像受信装置も作るべきだった。それなら授業を聞いてるふりしてゆっくり瑠衣ちゃんを見ていられるもん。
はぁ・・・瑠衣ちゃん、マジ天使。

最後の1つは
小型カメラに搭載された自動発電装置。それは大陽の下を小型カメラが浮遊しているときに自動で発電する。しかし、それと同時にカモフラージュ機能が薄れる。大陽光を吸収するとともに反射もしているため遠目では分かりにくいが近くにあると何かが光っていると分かる。
・・・一応、対象者にばれないような動きをプログラミングしてはあるけれども・・・。

「~~~~~っ!」
「いや、海渡。だから何だよ!」

「こらっ!!そこ。授業終わったら職員室来なさい。特に木田は反省文な」
「えっ、ちょっちょっと待ってくださいよ~」

なぜだか、先生に怒られた。

「くそ~海渡っ覚えとけよ!お前のせいで俺まで巻き沿いだぜ(小声)」

隣のやつがすごくうるさく感じた。











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手を延ばした空は遠くて

僕には遠すぎて

眩しい

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