ある日隣の変態と結婚することになりまして

望百千もち

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1章

25.相談してみて

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「僕、・・・友達とケンカしちゃって・・・」

海渡を友達と表したのに間違いはないだろう。
ケンカというのも事実だ。
・・・でも、自分で言っておいて胸がちくちくと痛んだ。

「それで・・・」

そこまで言って気がついた。
――これって言って良い系の話?
同性でこんな内容は普通おかしいし、いくら法改正で認められていたとしてもすぐにすぐ同性での・・・を理解してもらえるのかな?
第一、法改正前にだって同性愛の偏見はあったわけで僕だって偏見はないけど抵抗はあったし。
・・・そんな内容言って・・・先生、ひくかな?

「うん・・・それで、どうしたの?」
「あ、あの・・・その、それで・・・その・・・」

言えない!!
言えるわけ無い。
こんなこと言ったら僕は学校に居られるだろうか?無理!!

「あっあの、大丈夫です!!・・・すみません!やっぱり自分たちでなんとかしてみます」
「え、・・・そうか?・・・じゃあ、また困ったことがあったらなんでも言ってね」
「はい・・・。本当にすみません・・・お時間を取らせて頂いたのに・・・」
「ふふっ、良いよ。大丈夫♪・・・だって、おじさんおばさんの話聞いて頭撫でられて『はいっ良い子』ってなるより美人と一緒にお茶した方が特だしね♪」

美人・・・?
少し気になったけども一之瀬先生がすごく優しくて、話しやすい先生っていうのは分かった。

・・・僕も覚悟を決めなくては・・・。あの海渡と仲直り出来るか・・・うん、難しいかな。
でも、あんまり周りに迷惑かけたらだめだし。

「僕、頑張ってみます!・・・ちょっと不安だけど」

先生はにこっと笑って頷いた。

「うん、俺は瑠衣を応援してるからなっ!溜め込むのは善くない、少しずつでいい・・・な?」
「はいっ!!」

ここまで先生という存在を尊敬したことは無かった。
もうそろそろ戻ろうかな・・・。
そこで気がついた。・・・僕、今お金持ってない!!
ホットミルク・・・どうしよう。

「ふふっ、実は俺この学校で古典の授業担当でかなり暇だから『スクールカウンセラー』もやることになってんだよねー。・・・相談の時にホットミルクって落ち着いた?」
「え、・・・スクールカウンセラーですか・・・?」
「そう、高校生って・・・色々あるじゃん?で。・・・俺なりに相談するって考えたら緊張で何言ったらとかぐるぐるになると思ってさ・・・だからちょっとでも落ち着いて話を出来る環境を整えようと思った結果=ホットミルク」

つまりは遠回しに『お金は心配無い』と言うことのようだった。

「まだ、生徒と話す機会無いからさ・・・。どうしたら、緊張解してあげられるかな・・・っと。で、どうだったかな?」
「はい。ホットミルク、美味しかったです」
「うん、またなんかあったら北校舎2階の

ダダダダダッ

なんか凄まじい足音が・・・。

「一之瀬先生!!あなた何やってんですか!・・・ってあれ?君は2年の宮代君?」

現れたのは学年主任の大野先生。
頭が寂しそうな50代半ばのよくいる先生。

「大野先生。今、カウンセラー中です・・・ご用件は?」
「ご用件はって新任紹介だって言いましたっ!!・・・宮代君、カウンセラー中申し訳無いけど一之瀬先生をお借りしていいかな?」

そう言って、大野先生は一之瀬先生の耳を引っ張っていった。「いでででででっ」と涙目になりながら一之瀬先生は引きずられてぐ。

パシッ

「よっし!!」
「何が『よっし!!』ですか!!早くしてください」

最後に一之瀬先生がハエを捕まえたらしく喜んでたけど・・・その手、ちゃんと洗ってくださいね。

あとに残った僕はあと20分弱の時間をどう過ごすか迷った。・・・今から教室戻っても無駄に目立つだけだし。
とりあえず、保健室に向かった。










ーーーーーーーーーーーー


「だあああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

俺の・・・
俺の・・・

だああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

小型カメラが破壊された!!俺の瑠衣ちゃんへの愛が!!俺の10年の煩悩が!!
そして、俺の睡眠時間がっ!!

あ、やばい。


バタンッ


「ちょっ、どうしたんだよっ・・・海渡?」
「お、沖江君!?・・・君っ、しっかりしなさいっ」

きっと周りは驚いたよね・・・。俺が叫んだあとに急に倒れたんだもの・・・ハハハ。

俺の意識は飛んだ。




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