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書斎と男
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気付いたらそこにいた
ただ寝ていたはずだったのに
目を覚ましたら、全く知らない場所にいる
そこは書斎だった、大きな書斎だ
ずらりと並んだ本が、僕の背を軽々と越える大きな大きな棚に、並べてある
本棚には足場がかけられていて、梯子がかかっている
縦長の広い部屋で、誰の気配もしない
自分は部屋の中心にいて、縦長の前の方には、読書のための机があり
後ろの方には外に通じてるのか、ドアがある
僕は立ち上がって、ドアに向かった
地面の硬い感触が足裏で感じられて、足音が、書斎に響く
しかし、本に吸収されるのか、殊の外物静かに響く。
ドアが近づく、その瞬間
「でない方がいい」
いきなりの声に体が固まる、途端後ろに振り返った。
先ほどの誰もいなかった机に、男性が座って本を読んでいた
老人だった
「えっと・・」
人がいた、それだけで
一気に情報が頭に入り込んできた
謎の書斎、知らない場所、寝てる間に、見知らぬ老人、理解不能
今の出来事はただの夢だと思ってぼんやりしていたことだけはわかった
これは現実だ、理解のできない、非現実的な現実だ
目の前の知らない老人がそれを実感させた
頭にいろんな思考が巡っているうちにも、男は右手に本を開いたまま、ひたすらこちらに視線を注いでいる
その落ち着いているともいえて、不気味ともいえる雰囲気が一段と僕の口を固くした
「ここは・・どこですか、あなたは?」
思い切って出した声が、また物静かに響く
厳かな雰囲気では、どれくらいの声で喋ればいいかも難しかった
そして、目の前の老人は、答える様子はない、でも間違いなく視線はこちらに向いていた。
「僕は、家で寝ていたんですけど、突然ここにいたんです、なんでこんなところに・・」
あたりを見渡しながら、すがる思いで、言葉を投げる、老人のまっすぐな目線と目があった
無言だった、聞こえてないのか?
どんどん居た堪れなくなってきて、あらゆるところに目線が泳いだ
すると男が喋った
「3つ」
「え?」
「3つも一気に質問をしないでくれたまえ、次、そういうことがあれば私は君の質問には答えないだろう」
「す・・すいません」
「今回は君のくどい質問攻めにも特別答えるが、その前に私の質問に答えてもらってもいいかな」
男はそう言うと、右手の本を閉じて、音もなく机に置いた
「え、はい」
男の発する、妙な雰囲気に引きずられながら、細い手綱にすがる様に、男の言葉を受け入れた
「どう思った?」
「はい?」
「先ほどの沈黙の間、君は私に対して、どう思い、どういう印象を抱いた?」
男は手と手を机の上に合わせて、すこし乗り出す様にしていた
本当に興味がある、そういった雰囲気だった
言葉が通じて少し安心してものの
どう答えればいいのか、一切わからなかった
「正直に答えてくれていい」
その心を読み取ったかのように、絶妙なタイミングで口を挟んでくる。
「不気味だな、、と思いました」
「ふむ、他には?」
老人はたじろぐ様子もなく、依然として視線をまっすぐ、こちらに合わせてくる。
僕も目線を外してはいけないような気がした。
「耳が、聞こえない方なのかな、と思いました」
「ふむ、いいだろう」
いやなにがいいんですか
と心で呟いた
男は続いて喋る
「ここは書斎だ、私はドアと言う、この部屋に閉じ込められた、ただの老人だ」
そう言った後に
「君は目を覚ましたら、いつのまにかここにいた、と言ったが、私からしても、君がいつのまにかそこで寝ていたのだ、なぜここに来たのかは、私にもわからない」
老人ドアはすこし早口気味に、回答の一つ一つを処理していった
僕が返事をできずに、固まっている様子を確認した後に、ドアはまた口を開いた
「思ったより喋るな、と思ったか?」
「・・あ、はい」
また、妙なタイミングで心を語られる
「すこしの間に印象はコロコロと変わる、人とは不思議な物だ」
そう言うと、老人は満足気に(無表情なのでわかりづらいが・・)本に目線を移した。
書斎に音がなくなる
この空間は、会話をやめると、ずっと換気のしていない夏場の車のようなムンとした空気を感じさせる
高い本の壁の圧力なのか、老人の出す雰囲気が原因なのかはわからない、窓もなかった
「あ、、あなたは自分のことをただの老人だと言いましたが、ただそれだけの人とは思えません、さっきもその机には誰もいなかったのに、あなたは突然現れた」
老人は先ほどのように、また答えない
しかし、しばらく待つと、視線をこちらに向けた
「すまないね、興味深いページがあったもので」
「え・・あっ、はい!」
「それについては簡単だ、君が起きそうだったので、本を読むのを中断して、机の下に隠れたんだ」
「え」
あまりにもあっさりとした回答だった
「なんでそんなことを?」
老人はすこし、考えるような悩むようなそぶりを見せると
「君がどういった行動にでるか、興味があったんだ」
「なんですって?」
もう一つあっさりとした回答で、思わず力が抜ける
そのためにわざわざ、椅子から降りて、机に身を隠し、しめしめと観察していたと考えると、子供のイタズラのようで大変滑稽に思えた
「こんな老人がそんなことをしてると、滑稽に思うだろう」
「え、いや、そんなことは」
見ている、見られている、心を
「言った通りだ、人の印象は簡単に変わる」
そしてドアはニヤリと笑った
その鋭い目つきとは裏腹に、その表情は、まるで子供のようだった
「無理もないんだ、なにせ、人と会ったのはこれが初めてでね」
すこし笑ったまま、ドアは驚くべきことを言った
「はじめて!?」
つい、書斎の静寂に大きな声を響かせてしまい、焦って口を噤む
「本当にここはどこなんですか?」
「書斎だ」
「ただの書斎じゃないでしょう!」
「わたしはただの老人だし、ここはただの書斎だ」
淡々と答える老人をみて、後ろの扉を見やった
「外には、でてないんですか?」
「一度もでたことがない」
聞いたことをただ答えるだけのドアに少し苛立ってきた。
僕は老人に少し近付きながら
「と言うことは、外のことを知らないんですよね?なんで先ほど、外にはでない方がいいなどとおっしゃったのです」
そう言うとドアは左手の人差し指を本棚に向けて
「そこの青い本を取ってくれ」
そう言った
「質問に答えてくださいよ!」
ここにきてからの動揺が嘘のように僕はただただ腹を立てた
しかし、老人は姿勢を変えることなく
「お願いだ、取ってくれ」
そう変わらぬペースで言った
その言葉は、不思議と心に響いて、僕は自然と落ち着いた心持ちになった
建前だけ、怒りを装いながら
言われた本棚の本を取り無言でドアに渡す
ドアはページの三分の1あたりを開いて、僕の方に向けた
「これが、今の外の様子だ」
本には一枚の絵が載っていて、その絵を見た瞬間、少しゾッとした
その絵は赤かった
人の部位のようなものが、たくさん散らばっているようだったし、炎のようなものも描かれている、黒い煙が周囲を覆って、忌々しさを醸し出している
見ているだけで、なぜか不安になる絵だった
なぜか、外の景色がありありと想像できた。
「外にはでない方がいい」
ドアは声をひとつ低くして、一度言った言葉を繰り返した
その声はズシンと胸のあたりに響いて、その緊迫感に満ちた心持ちで、僕を埋め尽くすようだった
そうしてドアは静かに本を閉じた
「この本を返しておいてくれ」
僕は本を元の場所に返したら
「ありがとう」
ドアのその一言が謎の温かみを纏っていて、妙に安心した
安心と混乱と不安と今まで感じたことのない、感覚に陥った
僕はその後彼のもとで、長く過ごすことになる
それはそれは楽しくて充実した日々になった
そして、この部屋の扉を開けることになったのはその5年も先のことだった
ただ寝ていたはずだったのに
目を覚ましたら、全く知らない場所にいる
そこは書斎だった、大きな書斎だ
ずらりと並んだ本が、僕の背を軽々と越える大きな大きな棚に、並べてある
本棚には足場がかけられていて、梯子がかかっている
縦長の広い部屋で、誰の気配もしない
自分は部屋の中心にいて、縦長の前の方には、読書のための机があり
後ろの方には外に通じてるのか、ドアがある
僕は立ち上がって、ドアに向かった
地面の硬い感触が足裏で感じられて、足音が、書斎に響く
しかし、本に吸収されるのか、殊の外物静かに響く。
ドアが近づく、その瞬間
「でない方がいい」
いきなりの声に体が固まる、途端後ろに振り返った。
先ほどの誰もいなかった机に、男性が座って本を読んでいた
老人だった
「えっと・・」
人がいた、それだけで
一気に情報が頭に入り込んできた
謎の書斎、知らない場所、寝てる間に、見知らぬ老人、理解不能
今の出来事はただの夢だと思ってぼんやりしていたことだけはわかった
これは現実だ、理解のできない、非現実的な現実だ
目の前の知らない老人がそれを実感させた
頭にいろんな思考が巡っているうちにも、男は右手に本を開いたまま、ひたすらこちらに視線を注いでいる
その落ち着いているともいえて、不気味ともいえる雰囲気が一段と僕の口を固くした
「ここは・・どこですか、あなたは?」
思い切って出した声が、また物静かに響く
厳かな雰囲気では、どれくらいの声で喋ればいいかも難しかった
そして、目の前の老人は、答える様子はない、でも間違いなく視線はこちらに向いていた。
「僕は、家で寝ていたんですけど、突然ここにいたんです、なんでこんなところに・・」
あたりを見渡しながら、すがる思いで、言葉を投げる、老人のまっすぐな目線と目があった
無言だった、聞こえてないのか?
どんどん居た堪れなくなってきて、あらゆるところに目線が泳いだ
すると男が喋った
「3つ」
「え?」
「3つも一気に質問をしないでくれたまえ、次、そういうことがあれば私は君の質問には答えないだろう」
「す・・すいません」
「今回は君のくどい質問攻めにも特別答えるが、その前に私の質問に答えてもらってもいいかな」
男はそう言うと、右手の本を閉じて、音もなく机に置いた
「え、はい」
男の発する、妙な雰囲気に引きずられながら、細い手綱にすがる様に、男の言葉を受け入れた
「どう思った?」
「はい?」
「先ほどの沈黙の間、君は私に対して、どう思い、どういう印象を抱いた?」
男は手と手を机の上に合わせて、すこし乗り出す様にしていた
本当に興味がある、そういった雰囲気だった
言葉が通じて少し安心してものの
どう答えればいいのか、一切わからなかった
「正直に答えてくれていい」
その心を読み取ったかのように、絶妙なタイミングで口を挟んでくる。
「不気味だな、、と思いました」
「ふむ、他には?」
老人はたじろぐ様子もなく、依然として視線をまっすぐ、こちらに合わせてくる。
僕も目線を外してはいけないような気がした。
「耳が、聞こえない方なのかな、と思いました」
「ふむ、いいだろう」
いやなにがいいんですか
と心で呟いた
男は続いて喋る
「ここは書斎だ、私はドアと言う、この部屋に閉じ込められた、ただの老人だ」
そう言った後に
「君は目を覚ましたら、いつのまにかここにいた、と言ったが、私からしても、君がいつのまにかそこで寝ていたのだ、なぜここに来たのかは、私にもわからない」
老人ドアはすこし早口気味に、回答の一つ一つを処理していった
僕が返事をできずに、固まっている様子を確認した後に、ドアはまた口を開いた
「思ったより喋るな、と思ったか?」
「・・あ、はい」
また、妙なタイミングで心を語られる
「すこしの間に印象はコロコロと変わる、人とは不思議な物だ」
そう言うと、老人は満足気に(無表情なのでわかりづらいが・・)本に目線を移した。
書斎に音がなくなる
この空間は、会話をやめると、ずっと換気のしていない夏場の車のようなムンとした空気を感じさせる
高い本の壁の圧力なのか、老人の出す雰囲気が原因なのかはわからない、窓もなかった
「あ、、あなたは自分のことをただの老人だと言いましたが、ただそれだけの人とは思えません、さっきもその机には誰もいなかったのに、あなたは突然現れた」
老人は先ほどのように、また答えない
しかし、しばらく待つと、視線をこちらに向けた
「すまないね、興味深いページがあったもので」
「え・・あっ、はい!」
「それについては簡単だ、君が起きそうだったので、本を読むのを中断して、机の下に隠れたんだ」
「え」
あまりにもあっさりとした回答だった
「なんでそんなことを?」
老人はすこし、考えるような悩むようなそぶりを見せると
「君がどういった行動にでるか、興味があったんだ」
「なんですって?」
もう一つあっさりとした回答で、思わず力が抜ける
そのためにわざわざ、椅子から降りて、机に身を隠し、しめしめと観察していたと考えると、子供のイタズラのようで大変滑稽に思えた
「こんな老人がそんなことをしてると、滑稽に思うだろう」
「え、いや、そんなことは」
見ている、見られている、心を
「言った通りだ、人の印象は簡単に変わる」
そしてドアはニヤリと笑った
その鋭い目つきとは裏腹に、その表情は、まるで子供のようだった
「無理もないんだ、なにせ、人と会ったのはこれが初めてでね」
すこし笑ったまま、ドアは驚くべきことを言った
「はじめて!?」
つい、書斎の静寂に大きな声を響かせてしまい、焦って口を噤む
「本当にここはどこなんですか?」
「書斎だ」
「ただの書斎じゃないでしょう!」
「わたしはただの老人だし、ここはただの書斎だ」
淡々と答える老人をみて、後ろの扉を見やった
「外には、でてないんですか?」
「一度もでたことがない」
聞いたことをただ答えるだけのドアに少し苛立ってきた。
僕は老人に少し近付きながら
「と言うことは、外のことを知らないんですよね?なんで先ほど、外にはでない方がいいなどとおっしゃったのです」
そう言うとドアは左手の人差し指を本棚に向けて
「そこの青い本を取ってくれ」
そう言った
「質問に答えてくださいよ!」
ここにきてからの動揺が嘘のように僕はただただ腹を立てた
しかし、老人は姿勢を変えることなく
「お願いだ、取ってくれ」
そう変わらぬペースで言った
その言葉は、不思議と心に響いて、僕は自然と落ち着いた心持ちになった
建前だけ、怒りを装いながら
言われた本棚の本を取り無言でドアに渡す
ドアはページの三分の1あたりを開いて、僕の方に向けた
「これが、今の外の様子だ」
本には一枚の絵が載っていて、その絵を見た瞬間、少しゾッとした
その絵は赤かった
人の部位のようなものが、たくさん散らばっているようだったし、炎のようなものも描かれている、黒い煙が周囲を覆って、忌々しさを醸し出している
見ているだけで、なぜか不安になる絵だった
なぜか、外の景色がありありと想像できた。
「外にはでない方がいい」
ドアは声をひとつ低くして、一度言った言葉を繰り返した
その声はズシンと胸のあたりに響いて、その緊迫感に満ちた心持ちで、僕を埋め尽くすようだった
そうしてドアは静かに本を閉じた
「この本を返しておいてくれ」
僕は本を元の場所に返したら
「ありがとう」
ドアのその一言が謎の温かみを纏っていて、妙に安心した
安心と混乱と不安と今まで感じたことのない、感覚に陥った
僕はその後彼のもとで、長く過ごすことになる
それはそれは楽しくて充実した日々になった
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