夢は職業婦人〜カラクリ御曹司と偽お嬢様の恋

有住葉月

文字の大きさ
171 / 419
第十一章 櫻の冬休み

11、新年の仕事始め

しおりを挟む
1月4日に仕事始めとなった。身分は女学生なので一応、まだ冬休み中であるが、経験も含めて出社することを選んだ。

「櫻さん、無理しなくていいのよ。」
アグリが朝食の時間に声をかけてくれた。
「いいえ、私、お仕事して修行したいんです。」
「なら、いいけど、あなたはいろんな経験もね。」

櫻としてはアグリの店を手伝うのもいつまでかわからないので関わっていたかった。

4年生になったらもしかすると、養女になったとしたら、、。

「じゃあ、ちょっと書斎に来てくれる?」
「はい、では食後に。」

食後に櫻はアグリの書斎に行った。

「最近は私が櫻さんに相談してばかりだったわね。」
「いえ、だってアグリ先生が抱えているものは多いですから。」
「私ね、本当にあなたには人を助ける力があるとおもってるの。」
「そんな。私を買い被りすぎです。」
「あなたが、佐藤支店長のところに行くようになったら、こうやって話すこともできなくなるのね。」
「まだ、決まったわけではないので。」

「実はね、私、年末に佐藤支店長とランチしたのよ。」
「え、、知りませんでした。」
「言うべきか迷ってたしね。」
「だったら、無理せず言わなくて大丈夫です。」
「ううん。やっぱり言うべきだとおもって。」
「先生本当にいいんです。」
「そんな深刻な話じゃないから、というかいい話だから。」
「いい話?」

ニコニコしながらアグリは話す。
「それでね、佐藤支店長、実は秩父に行ってきたらしいのよ。」
「秩父に?私の父ですか?」
「ううん、そうじゃなくて、あなたの婚約者の家に。」
「ああ、親戚だっったんですよね。」

「それでね、その親戚の方とじっくり話をしたそうなの。」
「それは私の婚約者とですか?」
「ううん。お舅さんになる方かしら。」
「それで。。。」
「早めに、話をしてくれればあなたと解放してくださる方向に行けそうだって言うことよ。」
「どう言う流れで?」
「要は、破談になったのも表向きは子供ができない体とかにして、結納破断金を支払えば大丈夫だって言うことらしいのね。」
「私にここまで話してしまっていいんですか?」
「佐藤支店長には許可はとってある。あなたは養女にいけそうよ。」

嬉しかった。と同時に、婚約者の家のがめつさが嫌だと思った。
そう言うことは、望月洋装店の修行者という身分が自分からなくなることになる。

「それで、今回、仕事始めから仕事してくれるっていうけど。」
「いいえ、先生、私出来うる限り、望月洋装店とは関わっていたいんです。」
「そう、本当にいいの?」
「皆さんと働けるのは私の職業婦人見習いとして本当にいい経験です。」
「なら、今日からどうぞよろしくね。」
「はい、頑張ります。」

そうして、仲間の弟子たちと出社した。
櫻はこの愛おしい時間を大切に働こうと思った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

処理中です...