大杉緑とは俺様だ（完結）

第1章 非凡なる学生

4、学生時代にハマったこと

大杉緑とは俺様である。
諸君は俺のことが知りたいだろうが、徐々に色々伝えていこう。

転校して、駆け落ちしかけたところまで話しただろう。

両親には悪いが、僕は大学に行くつもりがなかった。
どうしても弁護士になってほしいと言われても、興味がなかった。

しかし、ある日社会主義団体で、弁護士が来たのだ。
「裁判を起こしましょう。」
ある村のダム訴訟だった。

その時、力を持っているものは必要だと感じたのだ。
帰って、両親に弁護士になることに決めたと伝えた。

それはそれは喜んで、寿司が出前できたのだ。
別に大学にも弁護士にもなっていないのに。

ということで、俺は大学に入ることにした。
しかし、帝国大とか勉強するのは面倒だと思った。
その時間があるのだったら、演説していたかった。
だから、まあ、入れるだろうという私大を片っ端から受けて、親戚からはその大学どこ？なんて聞かれるところに入学したのだった。

まあ、入ってみれば馬鹿ばっかりである。
あ、自分もか。
思い返した。思想の高い人物は本当は頭のいい大学にいるのかもしれないと。

しかし、もう遅い。
この大学で弁護士の勉強をしようかと思ったが、それも難しそうだったので、家庭教師というのがつけられた。

あああ、もう後悔したよ。
だって、大学にいるより、自宅で勉強している方が多いんだぜ。

両親はニコニコしてるさ。
大学は適当に出席してれば卒業できるようなところだった。
しかし、弁護士の勉強が阻害して、俺の社会主義活動は休止状態だった。

そうしてると、本当に俺は何をしているのかよくわからなくなってきた。
そんな時に、本屋で1人の女と出会ったのだ。職業婦人だが、俺と同い年くらいの。

「六法全書？」
「ああ、勉強中。」
「私、出版社。力になれるかしら？」

これは今でいう、ナンパというやつらしい。
それから、俺は親の目を盗んではその女性、Bとしておこう。Bと何度も逢瀬を重ねた。
初めて、自分のものにしたいと思った女だった。

ということで、今日はこのくらいにしておこう。
え？気になる？それもいいかもしれない。しばし待たれよ。