大杉緑とは俺様だ(完結)

有住葉月

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第2章 弁護士になって

2、世間と戦ってやる

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大杉緑という人物を知ってる諸君、幸せである。
私の泥臭い、それでいて魅力的な人生の一部を見ることができるからな。
まあ、学生時代の俺はもうダメな部分で構成されていただけの風船だったからな。

弁護士になって、親が指導するまま、俺は仕事をしていた。
しかし、先日久保と落ち合った時に戦争が近いことを聞いて社会主義活動を再開しようと思ったわけだ。

「あら大杉さん?」
街で久しぶりの女性に再会した。
それはミツの新聞部の友達でサチと言った。
「ああ、3年、4年ぶりか?」
「ちょっと、立ち話もなんだから、喫茶店入りましょ。」

サチのいうまま、俺は喫茶店に入った。
「ここね、今社会主義者のねぐらにしてるの。」
「君、社会主義者団体に入ったのか?」
「普段はタイプライターだけどね。でも、この世を変えたいのよ。」
「俺は、実は団体に戻りたいんだ。」
「大杉さんのいたところはもうほとんど解散してるけど、私が今入ってるところは絶賛募集中よ。」
「どんな団体なんだ?」
「鉱山の訴訟の反対運動とか、戦争反対主義とかね。」
「まさに、俺がしたいことだ。」
「でも、あなた今弁護士のバッチしてる。。。」

ああ、そうだ、弁護士のバッチが身につけてあった。
「俺は弁護士という立場で社会主義活動したいんだ。」
「でも、あなたお父様がだいぶ政府寄りな方だったと思うんだけど。」
「そうだ。でも。」
「お勧めしないわ。だって、仲間にも信頼されないもの。」
「どうして?」
「政府の犬と思われるからよ。スパイってね。」

あああ、俺としたことが、人生を逆に進んでいたのか。

「じゃあさ、社会主義団体に入らなくてもいい。君と時々会ってもいいか?」
「それはデエト?」
「そうとってもらって構わない。」
「ならOKよ。私も表向きは普通の職業婦人してるしね。」

ということで、互いに名刺を交換した。
この時はサチと長い付き合いになることはまだ知らなかったが。

では、今日はこの辺りで、さらばである。
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