望月アグリと申します

有住葉月

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第5章 生まれる!

2、眠れない夜

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望月アグリと申します。私の戯言にお付き合いいただきありがとうございます。

さて、陣痛がきて、ヨウスケさんもきて、色々とあったわけですが。

ヨウスケさんは風の如く去ってしまい、私は身悶えをしておりました。
「うー、うー。」

夜中にお母様がいらっしゃいました。
「アグリ、すぐにポンと生まれると違うから、どっしり構えるのよ。」
「そう入ってもお母様。。。」
「痛いじゃろ。」
「はい、、、、」
「この痛みを通過して子供が生まれてくるんじゃよ。」

お母様、今更ですが、3人もお子様を産んでるなんて凄すぎます。
尊敬します。というか、代わっていただきたい。。。

「あの、腰がすごく痛いんですが。」
「そう言うものなんじゃよ。」
「でも、」
「デモも無いわ。」

お母様、辛い体には染み渡ります。。。。

と言っても、何も状況は変わりませんから、お母様も自室に帰ってしまいました。

その後、夜中の3時でしょうか。
トントン。
と襖を叩く音がしました。
「どなた?」
「勇蔵です。」
「勇蔵さん?」

私は陣痛に耐えながら答えました。

「入ってええ?」
「すごく痛がってるけど平気?」
「ええよ。」
勇蔵さんが入ってきました。

「お姉さん、これ」
手渡されたのは、西洋の飲み物でした。
「これ、ココアっていうてな。チョコレートの溶かしたあったかいやつじゃ。」
「手がかかってそうね。いったた。」
「すまんの。あの、何がええかわからんくて、姉さんが前に陣痛の時飲みたかったって言ってたの思い出して。」
「私、言ってませんよ。」
「あ、姉さんて、嫁に行った僕のお姉さんじゃ。」

そうです。一度結婚式でお会いしてましたが、もう忙しかったのでお姉様のことを忘れていました。

「勇蔵さんは気が効ききますね。。いただきます。」

本当に、腰が痛かったんですが、このココアを飲んだら、心の底から美味しくて暖かくて、本当に腰の痛みが和らぐようでした。

「勇蔵さん、本当に痛いのちょっと引いたわ。」
「よかったわ。じゃあ、何かあったら、女中さん遠慮なくよんでな。」

勇蔵さん、あなたはいい旦那さまになるでしょう。
私はプイッと帰ってしまったヨウスケさんをちょっと憎んでしまいました。

今日はこの辺りで失礼します。お粗末さまでした。
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