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恐ろしきBL小説の世界、性教育編
しおりを挟むお陰様で、食べ物でお腹を壊すことは無かった。以外とこの体の胃腸は強いのかも知れない。それか、人間っていうのは食に関して意外と強いのかな?
食材も意外と多くて、期限は切れているけど、長期保存のレトルト系の食品や、畑で作っている野菜。飼っている鶏に豚。ヤギ、釣ってきた川魚。トレードで手に入れる米もあるらしい。
ジフ達はゾンビ退治の対価に色々な物を貰う戦闘集団でもあるようで、なんだかファンタジーみたいだなぁと思った。
それを聞いて、ますます俺、ここに合ってないと思ったけど、それを豹兒(ひょうじ)に話したら「近くの他のグループ、元農家の年寄りばっかり、ここが良い」と引き留めてくれた。
大分なれて、呼び捨て出来るようになったし、友情が生まれて来ている。
そして彼から今日「戦わなくても良い、でも、付き合う。鍛えよう」と提案された。
「うわぁ…凄い」
工場内の一室に作られている、手作りトレーニングルームへ連れてこられた。
鉄パイプで作られた、大車輪も出来そうな鉄棒、どこからか拾ってきたであろう鉄アレイやバーベル。腹筋のベンチ。サンドバッグに、竹刀、色々な形のナイフ。重そうなボール。互い違いに立ててある棒。用途不明なモノも沢山有る。
「広いし、色々有るんだね」
「今は、ゾンビも大分へった。前はもっと危険だった」
豹兒は、長袖シャツをピアスが取れないように気をつけて脱ぎ捨て、椅子に投げた。
黒のタンクトップ姿になり、涼やかな顔からは想像出来ないバンプアップされた筋肉が晒された。だぼっとした長袖シャツだから気がつかなかったけど、肩幅も結構あるし、肩も上腕も太い。比較対象が大柄すぎて良い身体が目立ってなかっただけか。
「豹兒、凄い良い身体しているね。俺と全然違う」
ホラ、とTシャツを脱いだ。白くて筋肉と無縁な細い体を見せる。元の俺の体の方がまだ筋肉あったよ。これは酷い。見下ろした乳首が綺麗なピンクだったことにも、自分で鼻で笑ってしまった。
「……」
「腕とか半分じゃない?どのくらい鍛えたらそうなるかな」
豹兒の手首を掴んで一緒に腕を上げた。うん。四人になったことで、俺のキャシャーンな要素が入り、豹兒の逞しさも一目で分かるようになるだろう。あと一番ゴリラなレッドの凄さも増す。
「?」
あれ?豹兒の奥二重の猫目が、見開かれて彷徨っている。表情が乏しいタイプだからわかりにくいけど、困った顔している?
「トレーニングは、裸でやらない、汗で滑るから」
「あっ、ごめん」
先生のご指導通り、素早くTシャツを着た。そして「よろしくお願いします!」と敬礼をした。
すると、ちょっとぷっくりした豹兒の唇が微かに微笑んだ。うわ…可愛い。体格差結構あるけど、可愛い!
「まずは、どの程度か見せて」
豹兒が指さしたのは、鉄パイプ鉄棒だった。
鉄棒のバーは高い所にある。ジャンプして届くだろうか?とにかく、やってみようと鉄棒に下に立って腕を伸ばした。うん、伸ばしただけじゃ届かないよね。
バーを見上げて、右足を下げて少し膝を曲げた。よし!
「とぉ!」
両腕を上げて飛んだ。
しかし、バーには届かず、腕は空をかき着地した。やっぱりか……。
「……」
見ると、豹兒が顎を突き出して、驚いた目で俺を見ている。
「ぎゃはははは!!」
「っ!?」
突然入り口の方から品の無い笑い声が聞こえて驚いた。
ジフが腹を抱え、俺を指さして笑って居る。羞恥心が湧いて、顔が真っ赤になってくる。
「こ…このバーがさ!三人の身長に合わせているからだよ!レッドもジフも豹兒も背が高すぎる!」
三人は、恐らく190~180㎝を5㎝くらいで刻んでいる。このポチの身長は目線に違和感がないから、前の俺と同じか少し低い165㎝くらいだろう。
「あははは……腹いてぇ……ひぃ……」
笑いすぎて浮かんだ目尻の涙を拭い、しゃがみ込んで居るジフを睨む。ほら…しゃがんでる時に、その足が余っている感じ……ムカつく。くそっ…小説で名前でてくるような人達なら、モデル体型当たり前か!俺はジフに攻撃を仕掛けようと近づく。
「ポチ、おいで」
ジフの背中を叩いていると、鉄棒の下に移動した豹兒に呼ばれた。ふんっとジフを置き去りにして、豹兒の元へと小走りで向かう。
鉄棒まで到着すると、背後にまわった豹兒が俺のウエストを持った。
「おぉ」
軽々と俺を持ち上げる豹兒、気がつくと鼻の先にバーがある。
「離すよ」
「うん」
両手でバーをしっかり掴む。豹兒の支えがなくなり、目線が一気に下がった。
あぶなかった……そのまま落ちてジフにまた笑いものにされるところだった。
ぐっと腕に力を込めて、体を引き上げようとする。
「ふぉぉおあぁ…」
妙な声が漏れるけれど、俺の体は少しも持ち上がらない。ほんの少し、ちょっとだけ肘が曲がったけれど、そこで力尽きた。
「あぁぁぁ、無理」
手を離し、床に着地し、そのまま座り込んだ。
「お前、本気か?お前、まさか檻の中にでも入れられて暮らしてたのか?」
いつの間にか近くまで来ていたジフが、真剣な顔で聞いた。
いや、現代人だとそんなに驚くことでもないと思うんだけど……このサバイバル世界だと、異様かも知れない。ここは、男性のペニスより重いモノを持ったことが無いとボケるべきだろうか。いや、辞めておこう、笑えないかもしれない。
「んー、さあ?そんなに馬鹿にするならジフやってみてよ」
イーっと歯をむき出して言った。
役立たずでお世話になっているけれど、余りに馬鹿にされる毎日に図々しさが全開になってきた。
「見てろ犬」
ジフが鼻で笑って一歩前に出ると、その腕を豹兒が掴んだ。
「ポチ、体幹から鍛えよう」
豹兒が腕を離し、ジフの前に出て、床を指さした。追いやられたジフは、不思議そうに豹兒の背中を見ている。
「はーい」
俺の横まで来た豹兒が、床に肘をついてうつ伏せのようなポーズをとった。あぁ!これテレビで見たことあるトレーニングだ。
「このまま暫くキープする」
「これならできる!」
豹兒の横に並んで同じように床に肘をついてうつ伏せ、つま先と肘で体を支える。簡単だけど、これ……ずっとやるのはキツくない?いつまでやるの?と横の豹兒をみた。
俺と豹兒では足の長さも腕の長さも違い、差がえげつない。しかも、よく見ると、豹兒の腰の上にジフが意地悪な顔して座っている。
「すっご!」
「頑張れ豹兒、兄貴分の意地を見せろ」
ジフ、普通に軍隊の嫌な上官みたいになっているよ!その凶悪な顔が余計にそう見えるし、無口で美形な豹兒の外見が、まさに不遇な待遇に屈しない主人公みたいだ。二人が信頼で結ばれた相棒だって知っているけど。
「……」
えっ、そもそも。これって人を乗せてできるトレーニング?
俺と豹兒の間にあるジフの足は一応床に付いているけれど、がっつり体重をのせているのだろう。ポーカーフェイスだけど、豹兒の顔が段々紅くなっている。
「もう、無理」
先に俺がギブアップした。膝をついて四つん這いになってから、正座してジフがのる豹兒を見守った。
「豹兒凄い!」
今だ姿勢を一切崩さずに、無表情で耐えている。
「なかなか頑張るじゃねーか。手合わせしようぜ」
ジフが両手をボクシングのように構えて、豹兒を誘った。いつになく真剣な顔つきをしているジフは、ドキッとするくらい渋くて格好いい。
「はい。ポチ……これ縄跳び、知ってる?」
ジフに頷いた豹兒は、壁に掛かっていた縄跳びを俺に差し出した。
「うん」
受けっとた縄跳びは、案の定長かった。俺このまま飛んだら、上手く行かずにまた笑われそうだから、クルクルと少し手に巻きつけた。
「じゃあ、ソレでもやってて」
「近づくなよ、あぶねーから」
「はーい」
部屋の端っこに移動し、ピョンピョンと遅い縄跳びを必死に飛びながら、二人の手合わせを見ていた。
そして、思った。この体、動体視力も低いと……二人の動きが全然追えずに、アレ?アレ?という間に場面が変わっている。縄跳びのせいかと、飛ぶのをやめて、ハァハァしながら真剣に見つめたけれど、変わらなかった。
ポチよ……君の肉体に秘められた才能は何処にあるのでしょうか?
□□□□
その日の夜、トレーニングをして喉が乾いて沢山水を飲んだ俺は……夜中に尿意を催した。
さっさと行けばいいのだけど、問題がある。
なんと、トイレは、外だ。
そう、外なんだ!
昼は、まだ良い。この工場の周りは結構頑丈な柵が設けられているし、とにかく明るく、何か来ればわかる。
でも、現代と違って、今は、先人たちが設置してくれたソーラーのライトが所々どころあるだけで、とても暗い。
ひょっこり入り込んできた野生動物とか、割とまだ新鮮な知能の残ったゾンビとかが凄く怖い。おしっこをするという無防備な瞬間に、そんなのが現れたら……想像するだけで……たまった尿が漏れそうだった。
ぎゅっと太ももを閉じて、ベッドで上半身を起こした。
上からは激しいレッドのいびきが、聞こえる。向こう側のベッドでは、ジフが静かに寝ている。
そして、今日の見張りは豹兒だ。
一番頼りやすい人は、工場の建物の中、守衛室で見張り中だ。
「……我慢……できない」
膀胱の貯尿量は、マックスだ。いつ俺の息子さんがパラリラしてもおかしくない。
俺は、必死に耐えて隣のベッドに歩いた。
「ジフ……ねぇ、ジフ起きて……」
俺がベッドに辿り着いて声をかける頃には、気配に敏いジフは薄っすらと目を開けて俺を見た。そして、ぎょっとして頭を起こした。
いや、大丈夫、ゾンビ化してないから!
「…なんだ!」
「ジフ…お願い……俺、もう限界……我慢できない」
おしっこ一緒に行こう、なんて女子みたいな事は恥ずかしくて言えなかった。ただ内ももをモジモジさせて、右手で股間を押さえて、左手でジフの手を引いた。
「は?……おまっ……なにを……寝ぼけてんのか?」
掴んだ手は、バッとふり払われた。月明かりと、二段ベッドの上からぶら下がっている緑の蓄光ライトだけが部屋を照らしているので、やっとお互いの顔が見える。
「ジフ助けて……怖いよ…一人じゃ無理なの……わかるでしょ!」
限界に近い俺には、理不尽な怒りが湧き、半泣きになりながら、ジフの腕を掴み引き寄せた。
「い……犬待て!お……おい!」
ジフのベッドの枕元の懐中電灯はどこだろうか?あれがないと出発できない。
俺はベッドに乗り上げた。そして乗り込んだ方に無いのを確認すると、反対側か!とジフの起こしている上半身に抱きつくように、左側を探した。
「やめ……やめろ……ポチ……いくらんでも……お前……こんな」
「邪魔しないで!イケないよ!」
俺を押し返そうとするジフを叱りつけると、腕の力が緩んだ。その隙きにジフの胸板にグイグイ頬を押し付けて、腕を伸ばし、目的のものに手が触れた。
「あった!!」
「うっ!」
懐中電灯を掴み上げたと同時に、ジフの上で体を起こしたら、右手がジフの体の何か硬いものに触れた。何だろう腕?まぁいいや、それどころじゃない!
「ジフ……早く…漏れちゃう」
俺はジフの足の間で、大きな尿意の波を必死に耐えた。おしっこ貯まりすぎてちょっと立ってる。
「おまっ……いま……俺の……くっ……」
「早く立って!」
何とか波が去ったこの瞬間に立って歩かないと。俺はジフの前で頭を下げて四つん這いなった。よし、立つぞ、立つぞ。
「そんな急に言われてもだなぁ!いくらなんでも……いや……イけるか」
「あぁ……もうだめかも……ヤバい……んん」
「ポ……ポチ……」
ジフがゴクリと息を飲んだ。その大きな手が、肩に添えられた。
だ……大丈夫、いくらなんでも人のベッドで漏らしたりするものか!
頑張れ俺……立つんだ!!
「た……立てた!」
さっとベッドから出て足をつき、すかさず股間を押さえて前かがみになった。
「ポチ……」
ジフもベッドから抜け出して、立ち上がり懐中電灯を俺の手から抜いて、なぜか凄く優しく肩を抱いてくれた。
あぁ……ジフ意地悪とか皮肉屋とか思っててごめん!そうだよ、ジフは優しい仲間想いの推しキャラだったよ!
「ジフ……優しいね……凄い好き」
「……っ」
ジフの優しさに心溶かされた俺は、素直にお願いする気持ちになった。
「怖いから、早く一緒におしっこ行こう。もうヤバい」
「はああ??」
「でちゃう!早く来て!!」
俺はジフの腕にもたれかかるようにつかまり、ジフの手にの懐中電灯をオンにして、ドアへと歩いた。ジフの体は重くて、しかも散歩を嫌がる犬みたいに進まない。
「ちょ……ジフ意地悪しないで!!早く!お願い!」
「………」
なぜか虚無顔のジフが居る。
「何、してるんですか」
ドアが開くと共に、眩しい光が俺とジフを照らした。顔を顰めて目を細め光の先を見る。
いつもは表情が無い豹兒の眉が寄って、珍しく険しい顔をしてこちらを見ている。片手に懐中電灯、たすき掛けしたホルスターに拳銃、腰にはナイフが装備してある。見回りだったのかな。
これはチャンス!
「豹兒助けて!」
豹兒なら、文句言わずにトイレに付き合ってくれるはず!そう踏んだ俺は、ジフの腕を投げ捨てて、豹兒の方へ走り寄り、その引き締まった胸板に縋り付いた。
「っ!」
すると豹兒は懐中電灯を持つ方の腕で俺を抱き込み、一歩下がりナイフを抜いた。俺は豹兒の胸に顔を潰され、体勢が変わったことでフラフラと足踏みして、尿がヤバい。ちょっぴり漏れそうだ!
どうした豹兒!
「ジフ!」
頭の上から聞こえる豹兒の大きな声に、耳がキーンと響いた。
「ちょ、待て!お前も誤解しているぞ!」
ジフが後ろに下がり腕を突き出している。二人の照らす光が四方にせわしなく動き目が疲れる。
「誤解?」
豹兒の腕が少し緩み、彼の顔が俺を見下ろした。至近距離で見つめられる。暗くて顔の凹凸に影ができて、豹兒の美形がより浮き彫りになっている。すげぇイケメン。でも、今はそれどころでは無い。
「豹兒……もう我慢できない…早く……トイレ!」
「………」
豹兒の猫のようなパッチリお目々が、俺を見て、ジフを見て、また俺を見た。
「ナイフをしまえ」
「……」
豹兒はジフの指示通り、ナイフを腰に戻した。
「くそぉ……まったく人騒がせなガキだ……ほら、さっさと行けよ!そこらへんに漏らすなよ!」
ジフは腕を上げて今は結んでいない髪を掻き上げ、深いため息を吐いた。犬を追い払うように手を振った。
「急いで、豹兒!」
「あっ……あぁ…」
□□□□
「絶対置いて行かないでよ!そこに居てね!」
「……」
無事に何とか外まで辿りついて、昔は調節池だったと思われる広い窪みに向かって用を足すため、短パンの前を寛げた。
2メートルくらい後ろに立つ豹兒に声を掛けるけど、反応が無いので顔だけ振り返る。
「豹兒聞いてる?」
豹兒は、俺の方に半身を向けた姿勢で立ち、こちらに光を照らして、顔を逸らしている。暗くてよく見えないけれど、地面を睨み付けているようだ。
「あぁ……」
「ありがとう」
安心した俺は、ペニスを支え尿を解放しはじめたけれど、これって……音が聞こえるの何だかちょっと恥ずかしいなと思い至る。
「ふぉぉ……あぁー出てるぅ……我慢してたから、気持ち良い……うぅ…すっきりする……ながい……止まらない…」
音を掻き消すように、小声で実況中継のように語ってから、むしろ逆に恥ずかしいかもしれないと気がつく。
ちらっと後ろを見ると、豹兒は空いている方の手で顔を覆っている。きっと、俺が馬鹿すぎると思って居るのだろう。もういいや。
「もうちょっと……まだ出るから……豹兒…まってて……ね……もう終わるから……あぁ早く終わってよ……」
我慢しすぎたせいか、細い尿が長く続く。明日からは寝る前に行こうと心に誓う。でも、トイレもさぁ、一人で行けないの不便だ。俺に、ちぢむ君みたいな射撃の才能でもあれば。
「やった!終わった」
やっと出し終わって、ちょんちょんと尿を切ってjrを仕舞った。さて、この手を洗いに今度は入り口付近の井戸まで行かないといけない。あぁ…便利な現代生活が懐かしい。
でも、こんな世界で何とか生きていけるのは三人のお陰だよな。うん、こんな事で迷惑かけて申し訳ない。
「豹兒、ごめん。お待たせしました」
振り返り、豹兒の元へ歩み寄ると、何故か豹兒はしゃがみ込んでいた。
懐中電灯を上に向けて掲げている。
「豹兒?どうしたの?具合、悪い?大丈夫?」
洗っていないから肩に手を置くことも出来ず、ひたすら顔を傾けて豹兒の顔を覗き込もうと頑張った。
「運ぼうか?おんぶしようか?」
豹兒は膝を地面に付いて、そこへ頭を下げた。
「……」
「豹兒もトイレ?懐中電灯もっているから、どうぞ」
ジュニアを触らなかった左手で、豹兒の懐中電灯を奪い、豹兒の事を照らしてあげた。豹兒は息を呑んで何かに耐えている。
なんだろう…えっ……どうしよう、病気かな?何処か痛いのかな?
小説で肋骨折れてもポーカーフェイスで戦っていた豹兒が苦しむって、相当な事態なのでは!?
「豹兒?本当にどうしたの?苦しいの?痛いの?」
もう手が汚いとか気にしていられず、豹兒の肩を抱いて顔を覗き込んだ。
「……何でも無い……何時も、夜なって……朝……治る……平気だ」
「何?発作??ど…何処が痛くなるの?」
俺は医療関係者じゃないから役に立たないと思うけど、豹兒よりは現代的な余計な知識が豊富だから、もしかしたら少しは役に立てるかも知れない。とにかく、話を聞いてみないと。
「……言えない」
豹兒の顔が俺とは反対の方向に向いた。自分の膝に添えられた豹兒の手がギュッと握られている。綺麗なのにデカい手だ。
「話してみてよ。俺……豹兒の事が心配だよ」
あまり詳しくないけど、ハリウッドの映画みたいに豹兒と肩を組むように寄り添って、左手を豹兒の手の甲にそっとのせた。
「……」
「レッドやジフに言いにくい事も、俺には言ってよ。俺達、これからずっと一緒だろ」
俺は、この小説の通りに、レッドもジフも死んで豹兒が独りぼっちになるなんて嫌だ。ましてや、原作前に豹兒が病死なんて絶対に駄目だ。
「……場所を変えよう」
「うん」
辛そうに立ち上がった豹兒を気遣いながら、工場内に戻り守衛室にやって来た。
守衛室は、窓際にソーラー付きのライトが幾つか設置され、夜道の古い自販機前くらいの明るさがあった。部屋には、病院の診察室にあるようなベッドや、統一感の無い三脚の椅子。ガタついていそうなデスクの上に無造作に置かれた銃器、お酒、腐りにくそうなお菓子があった。
豹兒がホルスターとナイフを下ろして、二人で並んで診察ベッドに腰をかけた。
俺の足は床にぺたんとつくくらいなのに、豹兒の足はもっと前に投げ出された。足……なげぇ。
「それで……豹兒は何処が変なの?」
「……あそこだ」
ん?なんだって?あそこって何処?
意味が分からずに、俺は顔をキョロキョロ動かして周りを見た。天井には謎の黒いシミがあって少し怖い。此処も昔は恐ろしい戦いの舞台だったのだろうか。思わずぶるっと震えて、右側に座っている豹兒に寄った。
「毎日じゃない……時々、用を足す場所が……腫れる」
用を足すところ。
つまりはペニス。ペニスが腫れる!?
ペニスが腫れる病気ってなに?俺が知っている泌尿器系のことなんて、膀胱炎とか、包茎で炎症とか……えっ!?
まさか……豹兒、この黒豹のようなクールな美形で、ちんちん包茎なの!?
バッキバキに割れた腹筋の下、包茎なの?嘘だろ!平和な世だったら、綺麗な女性を抱いては捨てて、抱いては捨てる、みたいな事も出来そうなイケメンなのに、包茎!?
でも、そうか……ゾンビ世界に包茎クリニックは無い。どうしようもないじゃないか。
「豹兒……もしかしたら、豹兒のソレ、俺と違う状態なのかもしれないよ……ちょっと……見せてみて」
「……違う状態?」
豹兒の眉が、ほんの少し中央に寄っている。ナチュラルなセンター分けの前髪が眉にのって動いた。
あぁ!そうか、豹兒はゾンビ世代生まれ。同世代と卑猥な会話で盛り上がることも、エロ動画を共有することもなかったはずだ。きっと性格的にAV探して見たり、卑猥な雑誌をこっそり拾ったりもしていないだろう。
まさか、豹兒ってエッチな事に関して『ベイビーちゃん』なのでは!?うわー!うわー!俺の中で謎の衝動が駆け巡った。この美形が!この豹兒様が!平凡童貞よりもベイビーちゃん!?なんだろう、このドキドキは。
「ちょっと待ってね」
俺は、お尻を上げて、おなじみのピンクの花柄短パンをパンツごと少し下げた。俺の下半身には毛が生えていない。頭と同じピンクの毛かなって最初思ったけど、違ったのだ。
「っ!ポ…ポチ」
「ねぇ、豹兒のも見せて?同じか比べてみよう」
さぁ、その包茎を出して、俺のペニスとの違いに気がつくんだ。
豹兒がゴクリと唾を飲んだ。呼吸浅くなってない?いや……そんなに引かないで欲しい。現代の世界では、トイレとかでも相手の見えちゃうことあるし、思春期では比べっことかあるから。これは普通の事なんだ。
「……うっ……」
豹兒の手が震えている。黒いズボンの前を寛げて、パンツもずらして、自らの手でペニスを取りだした。
「!!」
豹兒のペニスは……皮を被っていない、包茎じゃなかった!
それどころか、ペニスまでしなやかに長い、美形ペニスだった。
「また……腫れてきた……くっ……」
豹兒のペニスは、ムクムクと大きく腫れていく……いや、違うよ!!
それ勃起だよ!
なっ……なんてこった、これ只、俺のペニスが豹兒より小ぶりだと晒しただけじゃないか。
っていうか……まさか……まさか、豹兒、自慰をしらない!?
俺の頭は、ガツンと鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
自慰を……しらないのか…。
なぜだか俺の鼻は広がった。
「豹兒、これ病気じゃ無いよ。違う形でもない」
「……だが……お前のと違う…」
「……」
そりゃあ、俺のは小さめだし、今は勃起してませんから!
まさか、20歳の男性に性教育をする日が来るとは思わなかった。さすがBL小説の世界。恐ろしい世界だ。
「こうやって腫れたあと……ここから白いドロドロ出てこなかった?」
俺は、自分のペニスから手を離して、豹兒の尿道口に触れた。
「ポチ!触るな!膿がでる」
豹兒は、俺の手首を強く掴んで手をどかした。豹兒のペニスは、もう完全に立ち上がっていて辛そうだ。
膿……膿だって!?
「豹兒…今まで、こなったらどうしてたの?」
俺は本気で心配なって、豹兒の太ももに手を置いて、その顔を覗き込んだ。
美しい黒豹は、ぎゅっと目を閉じて荒い呼吸をしている。
「腐ったら……嫌だが、切開する勇気が出なかった……抑えつけて寝た」
「せ…切開!!そんなの駄目だよ!!良かったよやらなくて!!怖いよ、そんなの!!」
マジで病気だと一人で悩んでいたんだな!
一人で夜な夜なペニスを切ろうとする豹兒を想像すると、俺は心がぎゅっと痛んだ。可哀想すぎる!
「豹兒ぃぃ!」
俺は、一回りは大きな豹兒の体に横から抱きついた。結構勢いよくいったけど、体幹しっかりしているから全くブレない。
「ポチ……」
豹兒は少し目を見張って、俺を見下ろしている。
「豹兒、これは病気じゃないよ。男はみんなこうなるんだよ」
「……何故」
「それは……子孫を残す為なんだろうけど……」
女性はもう居ない。
じゃあ……男の性欲やペニスって、実はもう用なしなのか?
「んん……何故と聞かれると……答えはわからないけど。一般的には、エッチなこと考えたり、貯まり過ぎると出したくなる、みたいな?」
「……」
「いや、ごめん。豹兒はエッチな事なんて考えて無いと思うよ!」
俺は、豹兒から体を離して手を振った。
豹兒が今まで見たエッチなモノって何だろう。やっぱり道に落ちてる、古ぼけたグラビアとか、水着のお姉さんのポスターとか?
んー、それに見入っている豹兒が想像できない。
「もしも、溜まってこうして腫れたら、出してあげれば良いんだよ。膿じゃないし」
「……絞るのか」
豹兒は、自らのペニスを見下ろして、恐ろしい事を言った。
「ダメ!ダメ!絶対に駄目!」
性的に無知とはなんて恐ろしいんだ。
絶対ぎゅーって握るつもりだったよね!
「……仕方ない。嫌だったら言ってね」
一度は性的奴隷も覚悟した身。これくらいで恩が返せるならば。
俺は自分のパンツとズボンをちゃんと直して、ベッドから腰を上げた。
豹兒の長い足を左右に開いて、彼の足の間に膝をついた。
「何を……」
「やり方教えるね」
豹兒を見上げて、安心させるように微笑んだ。きっと今の俺は可愛い顔した奴だから、そんなに視覚的に抵抗は無い……と思いたい。
豹兒のボッキしたペニスを、俺の右手で優しく握った。それだけで、豹兒のペニスはドクンと脈打ち更に太くなった。
「っ!!」
全身に力が入った豹兒が、顎を反らして呼吸を止めた。
「豹兒……力抜いて……怖くないよ……ほら、こっちの手繋いであげる」
俺が左手を差し出すと、しばらくその手を見つめた豹兒は、躊躇いながら、俺の手首を掴んだ。
「っぷ、違うよ、指開いて俺に向けて。手はこうやって繋ぐんだよ」
「……手を、繋ぐ……」
豹兒の大きな手の平に、俺の手のひらを合わせて指を曲げると、豹兒も真似をした。
あぁ……豹兒が主人公に恋をしなかったのは、まだ恋に至るまで、そういう心が育ってなかったのかなぁ……。
「ちょっと安心でしょ?」
「わからない。元々、不安はない。ポチの力、弱い」
あれ?まさかの悪口か!良いだろう。
俄然、燃えてきた。
「じゃあ遠慮なく」
左手をつないだまま、右手をそっと上下に動かした。
「っ!」
繋いだ手は豹兒によって、ぎゅっと強く握られた。
ガチガチに硬いペニスを覆う皮を、ずらすように優しく、ゆっくり擦った。
「うっ……ぅ」
いつになく苦悶の表情を浮かべた豹兒は、歯を食いしばっている。
それを見ながら、少しスピードを早めて、手を動かす。
痛くないように、優しく握りながら。
何度も
上下に手を動かした。
「ポチ!」
低い大きな声で名前を呼んだ豹兒に驚いて、手が止まる。繋いでいる手に痛いくらい力が入っている。豹兒の表情は殆ど変わっていないのに、目は細められて潤み、ふっくらとした唇は噛みしめられている。艶のある黒髪は乱れて額に張り付き、色気に満ちている。
「それは……駄目だ……離せ」
豹兒の左手が、俺の右手首を掴んだ。
ぐっと横に逸らされて、豹兒のペニスから手が離れてしまった。しかし、ガチガチに硬くなったペニスが触れて欲しいと反り上がって主張している気がする。
「駄目じゃ無いよ……気持ち良いって言うんだよ」
きっと豹兒は怖いのだろう。今まで勃起しても我慢していたのだし。気持ち良いことも、自慰をしてイクことも知らないから。
人の初めての自慰をみるなんて思わなかったけれど……今、俺は凄く興奮している。
俺より大きくて強い豹兒が、ちんちんを触られているだけで、こんなに狼狽して身もだえるなんて。
胸の奥からドキドキと、ざわざわする気持ちがわき上がる。
もっと、めちゃくちゃにしたい。
泣かせてみたい。
「……これは……おかしい」
俺の両手を離さず、自分のペニスを見下ろして豹兒が言った。
「大丈夫……大丈夫だよ」
豹兒の顔が泣いているように見えて。衝動的にその綺麗な頬に唇を寄せてから、勃起するペニスに顔を近づけた。部屋が暗いので、目の前まできて、やっとハッキリと見えた。すごく格好いい。
「豹兒のおちんちん、凄く格好いいね」
「なっ!!」
ペニスに格好いいっていうのも変かもしれないけれど、それが一番ピッタリくる。豹兒肌も髪も、艶々で綺麗だけど、まさかのペニスまでだ。
同じ男のペニスなのに嫌悪感が湧かない。
つい、抵抗がなかったから悪戯心で、亀頭の傘のすべすべな場所を舌でペロっと舐めてみた。
「ポチ!」
豹兒の体はビクッと揺れて、目の前の腹筋が波打って動いた。手首を持たれていた右手が解放されたので、すかさずペニスを握り、亀頭のしたの皮が集まっている所を弄り、尿道口をペロペロと舐めた。
「ぐっ……うぁあ!……うぅ…」
ぴゅっと、少しだけ白濁の精液が飛び出たので、それを舌に纏わせて亀頭を口に含み、くちゅくちゅと刺激しながら、竿を右手でしごいた。
「うぅああ!ポチ!駄目だ!ポチ!うっあぁ!」
ビクビクと震えるペニスから大量の精液が飛び出してきた。顔を離そうとしたけれど、豹兒の鍛えた太ももに体をガッチリと挟まれて、うまく逃げられず、口の中と顔に飛び散った。
ハードなトレーニングをしても息が上がらなかった豹兒が、荒い呼吸で肩を上下させている。
放心状態の整った顔が、精液まみれの俺を見下ろすと、目を見開いた。
「ポ…ポ…ポチ!すまない!」
正気を取り戻した豹兒は、慌てて俺を足に挟むのを辞めて、自分の黒い長袖のTシャツを脱いで、俺の顔を拭き始めた。
「まじゅ……」
流石に飲む気にもなれず、舌の上に乗っている精液を口を開けて見せた。
俺のおでこを拭いていたくれた豹兒の手がとまる。
「まって」
ズボンとパンツを急いで上げた豹兒は、守衛室の備え付けのキャビネットから箱をもってきた。
テッシュだ!まだ絶滅してなかったんだ。
「ぺっ、して」
引き抜いたテッシュを口の前に広げられ、そう言われた。
うん、普段クールな美青年のぺって可愛いな。
俺が、素直にソコにぺって出すと、豹兒の水筒が差し出された。
一瞬、またおしっこ行きたくなったらどうしようと思ったけど、なんかもういいやと思ってゴクゴクのんだ。その間、豹兒の腕が俺の背中を支えるように回され、ベッドに座るように誘導された。
座った俺から水筒を受け取り、今度は何処からか持ってきたウェットテッシュで手を拭いてくれた。
おぉ…この守衛室、結構便利なグッツが置いてあるんだな。何故だ。
あれ?まさか……レッドとジフって……ここで見張りの時にオナってるんじゃ……。
俺の中で一つの疑惑が生まれた。
「……」
俺は、ひとしきりお世話をされ、豹兒は新しいTシャツを着ると、再び拳銃のホルスターとナイフを装着して、キャスターの付いた椅子に座り、俺の前で指を組み合わせ、肘を足の上に置き、頭を下げて沈黙した。
「豹兒どうしたの?」
やっぱり嫌だったのかな?まさか自慰でトラウマを植え付けてしまっただろうかと心配になった。
確かに、いくら今は可愛い顔しているといえども同じ男に良いようにされて……彼のプライドは傷ついたかもしれない。どうしよう、追い出されたら。
「…豹兒……ごめんね……嫌だった?……怒った?俺の事追い出す?」
興奮して、調子に乗って好き勝手やったけど、ここに来て己の立場を思い出した。
まずい。これは非常にまずいかもしれない。
しかし、俺の言葉が終わらないうちに顔を上げた豹兒が、ブンブンと頭を振った。
そして、大きなため息をついた。
「あれは…本当に膿じゃ無いのか……ポチの体に悪くない?」
捨てられた子犬ならぬ、黒豹の顔に思わずキュンキュンしてしまった。
えっ…なんなの?イケメンなのに、格好いいのに可愛いの?
「大丈夫!あれは精液っていって、子供の種だから。美味しくも無いけど害はないよ」
「せいえき」
えっ…ちょっと待って、そこから?
恐ろしい世界だ。ゾンビウィルス。女子滅亡、ゾンビはびこる、生きるのに必死、逃げて隠れて戦って、それどころじゃなかったんだろうな。特に子供は。豹兒綺麗な体に傷跡一杯あったしな。レッドもジフもだけど。
「もしまた豹兒のソコが腫れたら、さっき俺がしたように手ですると精液でて収まるから。絶対に病気じゃ無いし、我慢も切開も必要ないよ」
「……あぁ」
問題が解決したはずなのに、豹兒の表情は何だか暗い。
「どうしたの?なにか気になる?」
「……ポチも」
「ん?」
「ポチも腫れるのか?」
豹兒は俺から顔を逸らして聞いた。
「あっ、うん。まぁ…ここに来てからはまだ…してないけど……きっとそのうち」
この世界にもう少し馴染んだらそういう気分になるかもしれない。
「……そのとき……あそこでは駄目だ」
「は?」
「あの部屋。二人も寝てる。だから駄目だ」
まぁ、あの部屋ではちょっとやらないよね。あっ、そうか、豹兒にも人前でやるものじゃないって言っておいた方が良いのかな?
「ポチ、するなら……俺が見張りの時、ここでしろ。言っておいてくれれば迎えに行く」
「……」
いやいやいや!!えっ、色々ちょっと待って!
つまり「俺、今日自慰したいよ」って宣言して迎えに来てもらって、見張られてするの?違う!違う!
「やだ!こっそり一人でするから大丈夫」
「ゾンビ来たら?」
豹兒が椅子を動かして迫って来た。
「ひ……昼間する!」
今度は俺が、見つめてくる豹兒から顔をそらした。
「昼もたまに居る」
「……」
豹兒が腰をあげて、俺の足を挟むようにベッドに手をついた。至近距離で見られている。
「俺、性欲薄いから全然機会は無い!」
「……じゃあ、そのときは言えよ」
「わかったよ」
と、答えたけど、絶対に言わない。ぜーーったいにだ。
「もう、俺ここで寝る!」
俺は、そう言って診察ベッドの上に横になり、豹兒に背を向けた。
すると、豹兒がバスタオルを取り出してきて、かけてくれた。
うん、この部屋、今度何があるのか色々探してみよう。
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