13 / 40
前篇
三村由希子
しおりを挟む
午後二時頃。ピークも終わり、客足が引いた。僕はある程度チキンをストックしたら、休憩室に向かう。同じタイミングで由希姉も休憩室に来た。
「けっこうお客さん来たね」
「ああ」
タイムカードを切って休憩に入る。
由希姉は、かばんからコンビニで買っておいたハムやレタスのサンドイッチとインスタントのカップスープを取り出す。僕はリュックから弁当箱を取り出した。中身は焼きそばと卵焼きだ。これとは別におにぎりが一個と温野菜サラダのタッパがある。
「いいなあ、おいしそう! お母さんに作ってもらったんでしょ?」
うらやましがる由希姉に対し、僕はドヤ顔で言う。
「自分で作ったんだよ」
「ええ!?」
「昨日は母が仕事だから僕が作ったんだ。焼きそばとサラダは昨日の夕飯を多めにしておいた。卵焼きは今朝、自分で焼いた」
「かずくん、料理できるんだ!」
由希姉が近くに寄ってきてのぞきこむ。あの、僕の膝をあなたの太ももが挟んでいるんだけど。
「何かちょうだい」
「だめ」
僕は無下に断って、さっさと焼きそばを食べ始めた。
「けちー」
「自分の弁当を食べて何がけちじゃ」
僕はどんどん食べ進める。休憩は一時間だから、さっさとしないと夕方からの仕事の準備ができない。
由希姉はうらめしそうに自分のサンドイッチを食べ始める。……ちょっとかわいそうだったかな?
「卵焼き、一つあげようか?」
僕は自分が食べる卵焼きを箸でつかみながら言った。三切れあるので一個くらいはいいか。
「やったあ!」
そう言うや否や、由希姉は弁当箱にある卵焼きでなく、僕が箸でつかんでいる方をパクッと食べた。
「は!?」
「んー甘くておいしい☆」
普通、弁当箱にある方をとらない? というかそれ、間接キス…まあいいや。
自由奔放で、ほかの男ともなれなれしく接する。彼氏がいるって知らなければ、勘違いする男が続出するタイプである。
僕は焼きそばとサラダとおにぎりを交互に食べ進める。すると、サンドイッチを食べ終わった由希姉が、僕のおにぎりをじーっと見つめる。
「おにぎり食べたい」
「あのな……」
おにぎりは一個しかない。しかも僕の食べかけで、あと一口くらいだ。ところが由希姉は、そのおにぎりを僕の手もろとも「パクッ」とくわえ込んだ。
「ちょっ…」
さすがに焦る。すると由希姉は口をしばらくそのままにして、舌を動かしながら「んんっ」と色っぽくうめいた。誰かに見られると恥ずかしいぞ。
「おいしかった。今度は私のも作ってね」
上目づかいで見られ、心臓の鼓動が早くなるのが分かる。何なんだ、一体……。
「けっこうお客さん来たね」
「ああ」
タイムカードを切って休憩に入る。
由希姉は、かばんからコンビニで買っておいたハムやレタスのサンドイッチとインスタントのカップスープを取り出す。僕はリュックから弁当箱を取り出した。中身は焼きそばと卵焼きだ。これとは別におにぎりが一個と温野菜サラダのタッパがある。
「いいなあ、おいしそう! お母さんに作ってもらったんでしょ?」
うらやましがる由希姉に対し、僕はドヤ顔で言う。
「自分で作ったんだよ」
「ええ!?」
「昨日は母が仕事だから僕が作ったんだ。焼きそばとサラダは昨日の夕飯を多めにしておいた。卵焼きは今朝、自分で焼いた」
「かずくん、料理できるんだ!」
由希姉が近くに寄ってきてのぞきこむ。あの、僕の膝をあなたの太ももが挟んでいるんだけど。
「何かちょうだい」
「だめ」
僕は無下に断って、さっさと焼きそばを食べ始めた。
「けちー」
「自分の弁当を食べて何がけちじゃ」
僕はどんどん食べ進める。休憩は一時間だから、さっさとしないと夕方からの仕事の準備ができない。
由希姉はうらめしそうに自分のサンドイッチを食べ始める。……ちょっとかわいそうだったかな?
「卵焼き、一つあげようか?」
僕は自分が食べる卵焼きを箸でつかみながら言った。三切れあるので一個くらいはいいか。
「やったあ!」
そう言うや否や、由希姉は弁当箱にある卵焼きでなく、僕が箸でつかんでいる方をパクッと食べた。
「は!?」
「んー甘くておいしい☆」
普通、弁当箱にある方をとらない? というかそれ、間接キス…まあいいや。
自由奔放で、ほかの男ともなれなれしく接する。彼氏がいるって知らなければ、勘違いする男が続出するタイプである。
僕は焼きそばとサラダとおにぎりを交互に食べ進める。すると、サンドイッチを食べ終わった由希姉が、僕のおにぎりをじーっと見つめる。
「おにぎり食べたい」
「あのな……」
おにぎりは一個しかない。しかも僕の食べかけで、あと一口くらいだ。ところが由希姉は、そのおにぎりを僕の手もろとも「パクッ」とくわえ込んだ。
「ちょっ…」
さすがに焦る。すると由希姉は口をしばらくそのままにして、舌を動かしながら「んんっ」と色っぽくうめいた。誰かに見られると恥ずかしいぞ。
「おいしかった。今度は私のも作ってね」
上目づかいで見られ、心臓の鼓動が早くなるのが分かる。何なんだ、一体……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる