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1章
8話
しおりを挟むダミアーノさんに連れられてやってきたお屋敷はとても大きかった。仮にも公爵家であるご主人様たちのお屋敷が小さいはずがない。けれどもこのお屋敷はご主人様たちのお屋敷にも勝るとも劣らない大きさを誇っていた。
「ダミアーノさん、本当にここにお世話になっても宜しいのですか?」
「もちろん、あなたのために用意しましたのでご自由にお使いください。これから共同で過ごしていくのです。私のことはルヴァとお呼びください。それと敬語もなくしていただけると嬉しいのですが...」
「確かにそうですね!ではこれからよろしくねルヴァ、私のこともアナと呼んで、敬語もなしでいいから」
「っ!あぁ!よろしくアナ!」
(っ!!なんかこの感じすごい懐かしい気がする...いやそんなはずあるわけないわ...あの暗闇の世界から出たことなんてないじゃない...あの時から...)
「どうかしたか?顔色が悪いけど...」
「ううん、大丈夫よルヴァ。心配かけてごめんなさい」
「あんまり無理するなよ?」
「ところで大精霊様はずっとそばにいるのか?」
「えぇ、ずっとそばにいるわよ。ルヴァの精霊さんは水の精霊さんかしら?とても綺麗な髪だわ」
「っ!!俺の精霊が見えるのか⁉︎」
「あたりまえだサルヴァトーレ、その方は大精霊様の愛し子だぞ?他の精霊たちも見えるに決まってる。お目にかかれて光栄だ大精霊様の愛し子、私の名前はハースだ。」
「よろしくハース。私のことはアナと呼んで。」
「ルナあなたのことも紹介したいのだけど...」
「愛しのアナの頼みとなれば断れないな。ほんとはお目にかかれる存在じゃないんだぞ?」
そう言ってルナはホワイトタイガーに変身した。大きさは2倍ぐらい大きいけれど。
「俺の名前はルナ。アナ以外の人間と馴れ合うつもりはないから」
「ルナはちょっと拗ねてるだけだから気にしないで。今日はもう眠ってもいい?」
「あぁ今日は色々あったから疲れただろ。おやすみアナ」
「おやすみなさいルヴァ。ルナ行くよ?」
部屋に入り、ルナの毛をくしで解いてあげていると
「なぁアナ、俺のこと嫌いか?今日だって全然かまってくれねぇし。まぁそうだよな...アナ以外の人間には俺愛想すげぇ悪いし、頭だってよくねぇ。今まで精霊たちとも関わったことなんてなくて、迷惑ばっかかけちまってるもんな。だけどこんな気持ち初めてなんだ。他のやつにはどう思われてても関係ねぇって思ってたのにお前だけには愛してほしいと思っちまう。出会ってすぐにこんな人間でもねぇやつに言われたって迷惑だってわかってる。けどお前だけなんだ...こんなに笑ってほしいって思うのも、俺に笑いかけてほしいって思うのも、もっと俺を頼ってほしいって思うのも...でももし迷惑って言うなら俺はお前の意見を尊重したい。きっと俺の愛し子はお前だけだ。これから何十年何百年と月日が経ってもお前だけだって俺には分かる。だからそんなお前が俺のこと迷惑だって言うなら俺は喜んで姿を消す」
今にも泣きそうなルナ顔を見て、私は思わず抱きしめてしまった。こんなにも優しいルナを私はこんなにも追い詰めてしまったのか。私がしっかり愛を伝えてあげられなかったから。ならやる事はひとつしかない。愛というものを今はよくわからないけれど、ルナとなら一緒に見つけられる気がした。
「ルナ、私はルナのこと迷惑だなんて1回も思ったことないわ。今日ルナにかまってあげられなかったのは、大精霊様って言われてるぐらいだから、あんまり他の人に知られちゃいけないかなって思ったからなの。ルナが悲しそうな目をしてたのは知ってた。自分の思い込みでルナにこんな思いをさせてしまってごめんなさい。今日1日でそんなにたくさんの人に会ったわけじゃないけど、ルナには特別な感情を抱いてるっていうのはわかる。他の人とは違う感情を抱いてるって...これがルナの言う愛してるってことなのかは分からないけど、私はこれからもずっとルナと一緒にいたいと思ってるわ。ルナがそばにいてくれるならね!だから嫌かもしれないけどルナには他の人たちにも見えるこの格好でいてほしいなって思ってしまうの。そうしたら人がいても撫でてあげたり、こうして抱きしめてあげれるでしょ?」
「俺のこと嫌いじゃねーの?俺これからも他の人間とは仲良く出来ねぇ、きっとアナがいないと話したくもねぇって思っちまうこんな俺でも一緒にいていいのか?」
「えぇもちろん!ルナのことを私に独り占めさせて?」
「アナ!!ほんとにすき、愛してる。やっぱ俺はお前しかいらねぇ」
そう言ってルナは頭をお腹にぐりぐりと押し付けてきた。ついでに喉もゴロゴロとなっていて、幸せそうな顔をしていたからつられて私も嬉しくなった。
(こんな日々を幸せと言うのね...)
ひと通りルナの毛をとかし終わると外は真っ暗になっていた。もう寝ないといけないと思いお風呂をさっさと済ませると、ルナが嬉しそうな顔でベッドの上に乗って待機していた。(あのルナが乗っても潰れないなんてほんとに大きなベッドだわ...)
「アナ!!遅いぞ!早く寝よーぜ?俺の毛並みには自信があるからいくらでももふもふしていいからな!」
そうルナが言ってくれたので遠慮なくダイブさせてもらう。想像以上の気持ちよさにあっという間に夢の中へ旅立っていった。
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