虐待され続けた少女は何を願う

みな

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1章

10話

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「アナ!起きろ!!アナ!」
「っ!!ハァハァハァ...なんで...急に昔のことを...」
(あれっ?でもあの子なんていう名前なんだっけ?初めて遊んでくれた子なのに...私の顔を初めて見せた子...そして私のせいで死んだ子...どうしても名前が思い出せない)


「大丈夫か?だいぶ魘されてたけど」
「えぇ大丈夫よ、少し悪い夢を見てしまったみたい。起こしてくれてありがとうルナ。お願いがあるのだけれど...少しの間抱きついてもいい?」
「あぁ!もちろんだ!アナは特別だからな!どんなに抱きついてもいいぞ?」
「ありがとう」
私がルナに抱きつくと、ルナは私を慰めるかのように体に尻尾を巻きつけ、ぺろぺろと顔を舐めてくれた。そのまましばらく時間が経ち、ルヴァに扉をノックされるまで私たちはそうしていた。


「アナ、朝ごはんの時間だけど下に降りてこれる?」
「えぇ!今すぐいくわ」


朝食すごく豪華で、ご主人様が下さった本のおかげか食事のマナーを咎められることもなかった。ただ食事の時間が好きではなく、あまり食べてこなかったせいもあるのか出されたほとんどの食事を残してしまった。


「そんだけでいいのか?この調子じゃ昼と夜もあまり食べないんだろ?シェフに少し量を減らすように言っておくけど、徐々に食べる量を増やしていけよ」
「わざわざありがとう。あっそうだ王宮騎士団の件はどうなりそう?」
「まだ昨日の今日だからな、そんなすぐ返事は来ないだろ。今日はアナの生活用品を揃えに街へ行こうと思ってる。」
「もう生活に必要なものはだいぶ揃ってるから何もいらないわよ?」
「いやほら...流石に服とかまでは揃えられなかったからさ、そこら辺を買いに行こうかなって思ってな。その...サイズとかも...知らねぇし...」


「あっそうだ!お金とかは心配すんなよ!どうせ王宮騎士団に入るんだ。お金なんて腐るほどもらえるだろうからな」
「そうなの?じゃ昼はお買い物ね!楽しみだわ!」
そんな話をしているうちにルヴァとルナは朝ごはんを食べ終え、各自昼に向けて支度をしに部屋に戻ることに。


「ねぇルヴァ、何か欲しいものはない?」
「精霊に向かって欲しいものを聞くなんてアナぐらいだな、でもそうだな...何かアナとお揃いのものが欲しい...嫌か?」
「そうねぇ...あっそうだ!ネックレスとかはどう?ルナも首からかけられるでしょう?」
「いいな!!じゃネックレスを買おう!!」
きらきらとした目で嬉しそうに話すルナを見てつい抱きしめてしまった。


「こんなことで喜んでくれるなんて、ほんとにルナはかわいいわね」
「っ///  急に抱きつくな!!それと俺はかっこいいって言われてぇ...でもこうやってアナとくっついてるのは大好きだ!!」


そんなことをしてルナと戯れているうちにいい時間になり、玄関に行くと今回はルナも乗るからかとても大きな馬車が止まっており、ちょうどルヴァとも会うことができた。


「ちょうど今から呼びに行こうと思っていたところだ。さぁいくか!お手をどうぞアナ」
ルヴァにエスコートされながら馬車に乗った。


街に着くとたくさんの人で賑わっていてとても活気のある街だった。
「なんて素敵な街なの⁉︎早くいろんなお店をまで回りたいわ!!」
思わず興奮してしまいルヴァの方を振り向くと、ルヴァは優しく微笑みながらエスコートして街を案内してくれた。


ルナがいても全然邪魔にならないぐらい大きな通りだったけれど、流石に店の中には入れなかったのでその時は店の外でお留守番をしてもらった。
ひと通り服を買い揃えルナとのお揃いのネックレスも買った。それをみたルナもお揃いの何かを買おうと提案してくれたので、ピアスを1つ買うことにした。ルヴァは右耳につけ、私は左耳にそのピアスをつけることにした。


これで必要なものは買い揃えられて、街も探検できたのでもう家に帰るのかなとルヴァにこの後の予定を聞くと、一件だけ行きたいところがあると言ったので、そこについて行くことにした。


「いらっしゃいませ」
「すいません、この女性に会う装備と武器を作って欲しいのですが...」
そう言って連れてこられた店は武器を取り扱う店で、ルヴァの言葉を聞く限り私の装備と武器を作るために来たらしい...(確かにこれから私は騎士になるんだから、武器とかは持っててあたりまえっていうことね!すっかり忘れていたわ)


そんなことを考えているうちにルヴァと店員さんが話し終わり、店員さんはマントのようなものと小さな刃物のようなもの、そしてさらに本のようなものを持ってきてくれた。


「お嬢様はあまり力があるようには見えませんでしたので鎧などの防具は重いと思い、こちらのマントにさせていただきました。鎧に比べ防御力は落ちますが、とても軽いため小回りのきく動きをすることができるでしょう。こちらの本は魔法書と呼ばれるものなのですが、この魔法書の特徴は自分でランダムに作り替えることができるということです。あなたが使いたいと思う魔法を頭で思い浮かべ本を開けば、その呪文が写し出されます。そのため他人から見てもこの本はただの白紙の本にしか見えず、魔法がバレると言った心配もございません。魔法は基本遠距離ですが、もし仮に相手に拘束されてしまったり、近距離に入られた場合はこちらの暗器をお使いください。体に隠し持っておく武器で、相手の動脈を刺せば致命傷を与えることもできるでしょう。」


出会った数分でこんなにも私にぴったりな武器と防具を揃えることができるなんてすごい店だと感心する。
「ありがとうございます。あの...お代の方はいくらでしょうか...?」

「あら、こちらのお店は初めてご利用ですか?このお店はお代はいただきません。その代わりにお客様を選ばせていただいているんですよ。武器が選んだお客様にその武器をお譲りする。そのためいくら他の武器が欲しいとおっしゃっても武器がその方を選ばない限りお渡しすることはできない。そういうやり方で商売をさせていただいているんです。まぁお代の変わりに何か依頼があった時とかは無償で依頼を受けていただくという方法をとらせていただいています。ですからお代は不要ですよ」


こうして私は武器と防具をいただき、家に帰った。
「今日の買い物はどうだった?」
「とっても楽しかったわ!本当にありがとう」
「それならよかった!ローベルト教皇様からさっき連絡が来たんだけど来週から王宮騎士団に正式に入隊することになったらしい。特例中の特例だが色々なことを言われるかもしれねぇけど俺がいるから大丈夫だからな!アナのことは絶対に俺が守ってやるから」
「あっ...ありがとう///」


「それで明日から体験みたいな感じで午前に練習に軽く参加して午後からは実力の測定があるらしい。まぁ気負わなくても大丈夫だけど明日は大変だろうから早く寝とけよ」
「ありがとう、そうさせてもらうわ。明日からお互いに頑張りましょう」
「あっそうだ!アナの前では俺こんな感じだけど、普段はアナと最初にあったあんな感じだから合わせてくれるか?」
「そうなの?私は今のルヴァの方が好きだけど、ルヴァがそういうなら任せて!」
「ありがとうな、おやすみアナ」
「おやすみなさいルヴァ」
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