【R18】クラス転生で俺のスキルが【万物配送(アー・マ・ゾーン)】?じゃあ勇者が泥水すすってる間に、現代物資で聖女と××します

のびすけ。

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後日譚 聖女の祈りと、新しい命の鼓動

最高品質の配送(プライム・デリバリー)~新しい命と、受け継がれる愛~

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⚫︎魔王城の最新鋭・産科病棟

その日、魔王城リゾートの最上階にはかつての決戦前夜とは異なる、しかしそれ以上に張り詰めた緊張感が漂っていた。

「……陣痛間隔、5分を切りました。子宮口、全開大まであと少し」

冷静な声で告げるのは、白衣(A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)製)を身に纏った賢者ユミだ。 
彼女はタブレット端末と接続された**『最新鋭・胎児モニタリング装置』**の波形を見つめ、的確に状況を分析している。

「うむ。……魔力供給、安定しておる。母体の体力も十分じゃ」

その横でハイエルフのセラフィナが、部屋全体に**『癒やしと安らぎの結界』**を展開している。 
彼女の魔力は陣痛の痛みを和らげ、母体の回復力を高める効果を持っていた。

そして部屋の中央に設置された**『全自動電動分娩台』**の上には、汗だくになりながら荒い息をつくサオリの姿があった。

「はぁ、はぁ……っ!うぅ……っ!」
「頑張れ、サオリ。……あと少しだ」

カイトはサオリの手を強く握りしめ汗を拭っていた。 
この部屋にあるすべての機材――無影灯、麻酔吸入器、保育器、そして滅菌されたガーゼの一枚に至るまで――は、カイトがA_ma_zon(アー・マ・ゾーン)スキルで取り寄せた、地球の最新医療セットだ。 

異世界の魔法と現代の医療技術。 
この二つが融合したこの場所は、今や世界で最も安全な分娩室となっていた。

「カイト、さん……。……きます……!赤ちゃんが降りてきて……ッ!」

サオリがカイトの手を握り潰さんばかりに力を込める。 
痛みはある。
だが、それ以上に「会える」という喜びが彼女を突き動かしていた。

「アタシもいるよ!お水飲むにゃ!?」
「余も応援しておるぞ!サオリ、負けるななのじゃ!」

ショコラとヘルヴィも、部屋の隅でタオルやお湯を用意しながら祈るように見守っている。 
ハーレム全員が一つのチームとなって新しい命を迎えようとしていた。

⚫︎産声(うぶごえ)という奇跡

「サオリ、次の波に合わせていきむのよ。……はい、吸って、吐いて!」

ユミの指示が飛ぶ。

「んんぅぅぅーーーッ!!!♡」

サオリが声を上げ、いきむ。 
カイトは彼女の上半身を支え、声をかけ続けた。

「いいぞサオリ!上手だ!頭が見えてるぞ!」
「はぁ、はぁ……っ!カイトさん、カイトさん……っ!♡」

汗で髪が額に張り付き、顔は紅潮している。 
その姿は、どんな着飾った時よりも美しく神々しかった。 
愛する人の子供を産む。 
その行為の崇高さにカイトは胸が熱くなった。

「……ラストだ!サオリ、いけぇッ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

サオリが渾身の力を振り絞る。 
セラフィナの光魔法が輝き、ユミが素早く動く。

そして――。

「オギャアアアアアッ!オギャアッ!オギャアッ!」

元気な泣き声が魔王城に響き渡った。
それは、かつて死と破壊の象徴だったこの場所が生命と希望の場所に変わったことを告げる高らかなファンファーレだった。

「……生まれた」

ユミが慣れた手つきでへその緒処置を行い、産湯を使わせ、清潔なタオルで包む。 
そして、その小さな命をサオリの胸元へと運んだ。

「……おめでとう。元気な男の子よ」

サオリの腕の中に温かい重みが乗せられる。 
真っ赤な顔をして、一生懸命に手足を動かしている小さな生き物。 
黒い髪はカイトに似て、ぱっちりとした瞳はサオリに似ている。

「あ……あぁ……♡」

サオリの目から大粒の涙が溢れ出した。

「はじめまして……赤ちゃん……♡わたくしがママですよ……♡」

彼女は震える手で我が子の頬を撫でた。 
その瞬間、赤ちゃんが泣き止みサオリの指をぎゅっと握り返した。

「カイトさん……見てくださいまし……。わたくしたちの宝物です……♡」
「ああ……。よく頑張ったな、サオリ。……ありがとう」

カイトはサオリと赤ちゃんをまとめて抱きしめた。 
今まで感じたことのない重厚な感動。
世界を救った時よりも、魔王を倒した時よりも、今この瞬間が一番「誇らしい」と感じた。

「うわぁぁーん!よかったにゃあぁぁ!」
「うむ……!尊いのじゃ……!」

ショコラとヘルヴィが抱き合って泣き、セラフィナも目を潤ませ、ユミも眼鏡を外して涙を拭っていた。 新しい家族の誕生。 
それは、この楽園における最高のハッピーエンドだった。

⚫︎A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)への感謝

その夜。 
サオリと赤ちゃんが眠るベッドの傍らで、カイトは一人、テラスに出て夜空を見上げていた。 
手にはスマートフォン。 
画面にはA_ma_zon(アー・マ・ゾーン)の注文履歴が表示されている。

『分娩台』『医療セット』『ベビーベッド』『紙おむつ(新生児用)』……。

これらがなければ、今日の奇跡はもっと過酷なものになっていただろう。 
もしかしたら、命の危険もあったかもしれない。

「……ありがとな」

カイトは画面に向かって、静かに呟いた。

「俺はこのスキルの本当の使い方を、やっと理解した気がするよ」

【万物配送・A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)】スキル。 
それは単に武器を取り寄せ、敵を倒すためのチート能力ではなかった。 
大切な人を守り、生活を豊かにし、そして新しい命を育むための「兵站(ライフライン)」だったのだ。

カイトは深く一礼し、画面を閉じた。 
彼の心には、システムへの、そしてこの不思議な運命への深い感謝が満ちていた。

⚫︎数年後:賑やかな楽園

そして、時は流れた。

「パパー!待てー!」
「こらこら、廊下を走るとママに怒られるぞー」

魔王城リゾートの長い廊下を、3歳になった黒髪の男の子が走り回っている。 
カイトとサオリの長男だ。 
カイトがそれを追いかけていると、リビングから賑やかな声が聞こえてきた。

「あらあら、元気ですわねぇ♡」

ソファに座り穏やかに微笑んでいるのはサオリだ。 
その腕には、すでに二人目の赤ちゃんが抱かれている。 
すっかり「肝っ玉母ちゃん」の貫禄がついた彼女は、聖女時代よりも遥かに妖艶で幸せオーラを放っていた。

「……データ更新。うちの子の魔力測定値、また上がってる」

キッチンで離乳食を作っているのはユミだ。 
彼女のお腹もまた大きく膨らんでいる。

「効率的な遺伝子配合」を求めた結果、彼女もまたカイトの子を宿し、今は妊娠8ヶ月のマタニティライフを満喫中だ。

「カイトー!見て見て!この子が初めて弓を持ったのじゃ!」

庭から駆け込んできたのはセラフィナ。 
彼女の背中には、尖った耳を持つハーフエルフの女の子がおぶさっている。 
美意識の高い彼女は、「自分の美貌を受け継ぐ娘」を溺愛していた。

「にゃう~!お腹空いたにゃ~!チビたちも騒いでるにゃ!」

床でゴロゴロしているのはショコラ。 
彼女の周りには猫耳と尻尾を生やした双子の獣人ベビーがじゃれついている。 
ショコラは「アタシが一番産んだもんね!」と誇らしげだ。

「余も!余の子が一番可愛いのじゃ!見ろ、この立派な翼を!」

ヘルヴィが抱き上げているのは、背中に小さな黒い翼を持つ男の子。 
次期魔王(予定)の彼は、すでにポテチを握りしめて将来有望な風格を漂わせている。

カイトはリビングを見渡し、苦笑しながらも目尻を下げた。

「……随分と、大所帯になったな」

一人の勇者から始まった物語は、今や一つの「部族」ができそうなほどの大家族になっていた。 
全員がカイトの妻であり、カイトの子供たちの母親。 
カオスで、騒がしくて、そして世界一愛おしい光景。

「あなたー!A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)からオムツが届きましたわよー!」

サオリの声が響く。

「はいはい、今行くよ!」

カイトは長男を抱き上げ、愛する妻たちの元へと歩き出した。 
この幸せを守るためならいくらでも働ける。 
いくらでも注文できる。

⚫︎配送完了(デリバリー・コンプリート)

カイトはふと、宙に浮かぶA_ma_zonアー・マ・ゾーン|のウィンドウを見つめた。 
そこには、いつもの検索バーと膨大な商品リストがある。

これからも色々なものが必要になるだろう。 
子供たちの服、学用品、誕生日プレゼント。
 妻たちへの記念日、老後の楽しみ。

人生という名の長い旅路。 
必要なものは、すべてここにある。

カイトは微笑み、心の中で最後のレビューを書き込んだ。

【商品名:異世界転生とハーレム生活】
【評価:★★★★★(星5つ)】
【コメント:最高の商品でした。一生大切にします】

「さあ、ご飯にしようか!」

「「「「「はーい!♡」」」」」

青空の下、家族の笑い声がいつまでも響き渡る。 
相田カイトの【万物配送・A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)】生活は、まだまだ続いていく。 
皆様からのご注文(応援)がある限り、物語は終わらない。

――配送完了(デリバリー・コンプリート)。

ご利用ありがとうございました。
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