【R18】【拠点設営】で守る乙女達の尊厳 〜世界を救うのは聖剣じゃなくて、清潔なお風呂と愛し合う夜〜

のびすけ。

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最終章 超銀河級統合リゾート、ラス・ベガス・ドリーム~ ~魔王(幼女)も骨抜きにします~

宰相の陥落と、堕落した魔王様 ~最後の砦はバニーガールに弱かった~ ☆

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魔王軍の主力部隊が「焼肉」と「アイドル」と「eスポーツ」によって骨抜きにされ、事実上の壊滅(常連客化)をしてから数時間。 
超銀河級統合リゾート要塞『ラス・ベガス・ドリーム』のメインタワー、その最上階にある特別区画『ロイヤル・スイート・フロア』への直通エレベーターが静かに到着した。

チンッ。

扉が開くとそこには赤絨毯が敷き詰められた静寂な廊下が続いていた。 
下層階の喧騒が嘘のように遮断された、選ばれし者(VIP)だけの空間。 

僕、相田ミナトは秘書役の一ノ瀬清花(いちのせ さやか)と衣装係の江藤くるみ(えとう くるみ)を従えて廊下を歩いた。

「……静かね。さっきまでのお祭り騒ぎが嘘みたい」

清花が周囲を警戒しながら囁く。

「ああ。探知係の樹里の話だとこの奥の『カジノ・スイート』に強大な魔力反応があるらしい。……おそらくそこに魔王がいる」
「ついにご対面ってわけだね。……っと、相田くん!ストップ!」

くるみが鋭く警告し僕の前に飛び出した。

「止まれぇぇぇいッ!!!」

廊下の突き当たり、豪奢な扉の前から雷のような怒号が響いた。
そこに立っていたのは、立派な髭を蓄えた長身痩躯の老人だった。

黒いローブを纏い手には禍々しい杖を持っている。
その全身から放たれる魔力は先程の将軍クラスを遥かに凌駕していた。

「貴様らか……!我が魔王軍を卑劣な『娯楽』で堕落させた不届き者は!」

老人は杖を床に突き立てた。

ドォォォン! 

廊下一帯に紫色の電撃が奔り、見えない壁(結界)が展開される。

「ワシは魔王軍宰相、バルバロス!……この先には偉大なる魔王ルル様がいらっしゃる!貴様らのような下賎な人間など一歩も通さん!」

「宰相バルバロス……。なるほど、最後の良心ってわけか」

僕は足を止めた。
彼の目は本気だ。

部下たちが楽しんでいる間も、彼だけは魔王を守るために孤独にここに立っていたのだろう。

「お引き取り願おう。さもなくばこの最強結界魔法『絶・拒絶の壁(アブソリュート・ウォール)』で塵一つ残さず消滅させてくれる!」

老人の気迫に空気がビリビリと震える。
物理攻撃も魔法攻撃も弾き返す、鉄壁の守り。

だが。
僕の隣にいた清花が眼鏡の位置を直し、妖艶に微笑んだ。

「……相田くん。ここは私とくるみちゃんに任せてくれる?」
「えっ?でもあの結界は強力だよ」
「大丈夫。……お客様(・ ・ ・)が頑固な時ほど燃えるのが接客業(プロ)でしょう?」

清花はくるみに目配せをした。

「くるみちゃん、衣装チェンジよ」
「了解ッ!……【魔糸変身(ドレス・チェンジ)】!」

シュルルルルッ……!

くるみの指先からピンク色の光の糸が噴出し、清花とくるみ自身の体を包み込んだ。
一瞬の閃光の後。

そこに現れたのは、秘書スーツでも普段着でもない。
黒と赤の光沢あるレオタードに、網タイツ、そして頭にはウサギの耳。
ハイレグが際どい極上の「バニーガール」姿だった。

「なっ、ななな、なんだそのふしだらな格好はぁッ!?」

バルバロスが狼狽えて杖を取り落としそうになる。

「ふふっ♡お客様、肩に力が入っておりますわよ?」



清花が網タイツの脚で一歩踏み出しウィンクを飛ばした。

「不届き者?いえいえ、私たちは当リゾートの『コンシェルジュ』ですもの。……お客様の疲れを癒やすのがお仕事です」
「そ、そのようなハニートラップになど引っかからん!ワシは硬派な……」
「本当に?」

くるみが猫のように素早く動き結界の隙間(魔力の継ぎ目)に魔糸を滑り込ませた。

「おじいちゃん、腰痛いでしょ? ……ずっと立ちっぱなしでガチガチだよ?」
「ッ!?な、なぜそれを……!」
「アタシたちにはわかるの。……ほら、ここ♡」

くるみの糸がバルバロスの体を優しく、しかし拘束するように絡め取った。
と同時に、清花が結界を(物理的に胸で押し切るように)突破し老人の背後に回り込んだ。

「失礼しますね……♡」

清花の手が老人の肩と首筋に吸い付いた。
温泉で僕に施してくれた、あのとろけるようなマッサージ技術。

ギュッ、ググッ、モニュッ……。

「あ、あ……あひぃッ!?」

老人の口から威厳のない声が漏れた。

「こ、そこは……長年の激務で固まっていたツボ……!」
「あらあら、ゴリゴリですわねぇ。……これでは魔力の巡りも悪くなってしまいますわ」

清花が耳元で囁きながら豊満なバニーガールの胸を老人の背中に押し付ける。

「ぬオォォッ!?や、やわらか……いや、けしからん!」
「いいじゃないですかぁ。……ねえ、もう頑張らなくていいんですよ?」

くるみが正面から抱きつき上目遣いで見つめる。

「部下のみんなも楽しんでるよ?おじいちゃんも一緒に楽園(ここ)で暮らそうよ♡」
「ぐ、ぐぬぬ……!し、しかし魔王様への忠義が……」
「魔王様もきっと貴方が元気になることを望んでいますわ。……さあ、力を抜いて……♡」

清花とくるみの、熟練のテクニックと甘い言葉の波状攻撃。
硬派で通してきた宰相の「精神の壁」が音を立てて崩れ去った。

「あ、あぁ……そうか……ワシは疲れていたのか……」
「そうですわ。……地下に『シルバー・リラックス・ルーム』をご用意しております。最高の温泉とマッサージ機がございますよ♡」
「お、温泉……マッサージ……」

バルバロスは杖を取り落とし膝から崩れ落ちた。 
その顔は憑き物が落ちたように穏やかで、そしてだらしなく蕩けていた。

「……案内してくれ。……極楽へ……」
「はい、喜んで♡」

こうして魔王軍最後の良心は、二人のバニーガールによって両脇を抱えられ、VIP専用エレベーターへと消えていった。
後に残されたのは無防備になった扉だけだった。

「……さすがだ」

僕は苦笑しながら二人を見送った。
さて、障害はなくなった。

いよいよこの魔王とご対面だ。
僕は深呼吸をし、豪奢な扉に手をかけた。

魔王ルル。
宰相が命懸けで守ろうとした存在。 
きっと恐ろしくも威厳のある、強大な魔族なのだろう。

ギィィィ……。
重厚な扉が開く。
中は薄暗くひんやりとした冷気に満ちていた。 

だが、僕が予想していた「殺気」や「瘴気」はなかった。
代わりに聞こえてきたのは――。

ピピピピピッ!ジャンジャンバリバリ!キュインキュイン! 

電子音とコインが落ちる金属音。
パリッ、ポリッ。 スナック菓子を噛み砕く音。
シュワワァ……。
炭酸飲料の泡が弾ける音。

「……は?」

僕は目を疑った。
部屋の中央、本来なら玉座があるべき場所には最新鋭の巨大なスロットマシーンが鎮座していた。
そしてその前の高いスツールに、ちょこんと座っている小さな影があった。

月明かりのようなプラチナブロンドのツインテール。 
地面に届きそうなほど長い髪を揺らし、フリルのついたゴシックドレスを着た可憐な少女。

見た目は10歳そこそこだろうか。
フランス人形のように整った顔立ちをしているが、その口元にはポテトチップスの欠片が付いている。
彼女は短い手足をバタつかせながら、一心不乱にスロットのボタンを連打していた。

「ぬオォォォッ!また外れたのじゃ!リーチ目だったのに!」

少女が悔しそうに台を叩く。

「ええい、コーラじゃ!コーラを持ってこぬか!」

彼女は空になったペットボトルを放り投げ周囲を見回した。 
その足元には空き袋と空き缶が散乱している。

「……あの」

僕が声をかけると少女はビクリと肩を震わせゆっくりとこちらを振り向いた。
その瞳は血のように紅く、縦に割れた瞳孔が怪しく光っている。
魔王としての威圧感――はあるものの、口元のポテチが全てを台無しにしていた。

「む?誰じゃ貴様は」

少女はスツールの上でふんぞり返りジト目で僕を見下ろした。

「バルバロスはどうした?……まあよい。貴様ここの店員か?ちょうどよかった!」

彼女は小さな手を突き出した。

「メダルじゃ!メダルが切れた!早く追加を持ってまいれ!」
「……えっと」

僕は状況を整理した。
この幼女が魔王ルル。

そして彼女は今、僕の作った拠点のVIPルームに勝手に入り浸り、ギャンブルとジャンクフードに溺れている。

「お客様……いえ、魔王様」

僕は努めて冷静に営業スマイルを浮かべた。

「楽しんでいただけているようでオーナーとして光栄です」
「オーナー?ほう、貴様がこの『夢の城』を作ったのか!」

ルルは目を輝かせスツールから飛び降りた。

スタッ。

着地した彼女の身長は僕の腰ほどしかない。

「褒めて遣わすぞ、人間!この『スロット』という魔導具、素晴らしいのじゃ!ボタンを押すだけで絵柄が回り、光り、音が鳴る……!余の退屈な1000年を一瞬で忘れさせる悪魔的発明じゃ!」

彼女は興奮気味にまくし立てた。

「それにこの『ポテチ』!『うすしお味』と言ったか?パリパリとした食感、絶妙な塩加減……!以前食べたドラゴンのステーキより美味いぞ!」
「それはよかったです。……で、メダルの追加でしたね?」
「うむ!早くよこせ!次は当たる予感がするのじゃ!」

僕は懐から請求書(タブレット端末)を取り出した。

「では、こちらにお支払いを」
「……は?」

ルルがキョトンとした顔をする。

「支払い?なんじゃそれは」
「代金ですよ。……当リゾートは完全前払い制もしくはクレジット払いとなっております」

僕は画面を彼女に見せた。

「VIPルームチャージ料、スナック・ドリンク代、そしてこれまで消費されたメダル5万枚……。合計で、1200万ゴールドになります」

「いっ、いっせんにひゃく……!?」

ルルが目を白黒させる。

「な、何を言っておる!余は魔王ぞ!この地にあるものは全て余のものじゃ!なぜ自分の城で遊ぶのに金を払わねばならん!」

「いえいえ、ここはもう貴方の城ではありません」

僕は窓の外を指差した。
煌々と輝くネオン、楽しげな音楽、そして歓声を上げる魔物たち。

「ここは僕の国、『ラス・ベガス・ドリーム』です。……貴方の部下たちも、みんなちゃんとお金を払って楽しんでいますよ?」
「なっ……!?」

ルルは窓に駆け寄り眼下の光景を見て呆然とした。

「あ、あれはオーク隊長……ビールを飲んで笑っておる……。ハーピーたちも、光る棒を振って踊っておる……」

彼女の世界(常識)が崩壊した瞬間だった。
絶対的な支配者だったはずが、いつの間にかただの「無一文の客」になっていたのだ。

「そんな……余の軍団が……」

ルルはへなへなと座り込んだ。

「それに……金など持っておらぬ……。余はずっと城にいたから財布など……」
「おや、それは困りましたね」

僕は彼女を見下ろし一歩近づいた。

「無銭飲食に無銭遊戯……。我がリゾートでは重罪ですよ?」
「ひっ!?」

ルルが後ずさる。

「ど、どうすればよいのじゃ……。余を警察(ポリス)に突き出すのか?牢屋に入れるのか?」
「いえいえ、そんな野暮なことはしません」

僕は彼女を壁際まで追い詰めた。 
ドンッ。
壁ドンだ。

「ひゃぅッ!?」

見上げれば可憐で整った顔立ち。
プラチナブロンドの髪からは甘いお菓子の匂いがする。 
1000年生きていても中身は箱入り娘の世間知らず。
……最高に「唆(そそ)る」素材だ。

「お金がないなら……『体』で払ってもらいましょうか」

僕が低く囁くと、ルルは顔を真っ赤にして自分の胸元を隠した。

「か、体だとぉ!?貴様、まさか……余のような幼き者を……!?」
「幼い?1000歳ですよね?立派なレディだ」
「うぅ……見た目はまな板じゃぞ!?色気などないぞ!?」
「関係ありません。……僕は貴方のような高貴で、生意気で、でも隙だらけの魔王様が大好物なんです」 

僕は彼女の顎を指ですくい上げた。

「それに……スロットより気持ちいいこと教えてあげますよ?」
「スロットより……きもちいい……?」

その言葉に好奇心旺盛な魔王の瞳が揺れた。

「そ、そんなものが……あるのか?」
「ありますよ。……大当たり(絶頂)した時の快感は777の比じゃありません」

ルルはゴクリと唾を飲み込んだ。
借金、敗北感、そして未知への好奇心。 
彼女の小さな体は抗えない運命(シナリオ)に震えていた。

「……わ、わかったのじゃ」

彼女は観念したように目を閉じた。

「余の負けじゃ。……好きにするがよい。……その代わり!」

彼女はパッと目を開け涙目で訴えた。

「優しくせよ!?余は初めてなんじゃからな!……あと、終わったらポテチもう一袋よこせ!」

「交渉成立(ディール)だ」

僕は微笑み震える小さな魔王を抱き上げた。
VIPルームの奥にはキングサイズの天蓋付きベッドが待っている。
世界征服の仕上げはこの最強の「ベッド」の上で行われるのだ。
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