侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。

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第一章 覚醒編

初めてのダンジョン攻略

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「さあ、今日は本気のダンジョン攻略だよ。全員、よろしくね!」



朝日が差し込む中、僕――イッセイ・アークフェルドは、仲間たちと共に王都近郊の未踏ダンジョン《古代遺跡ダリム》に向かっていた。



今回は僕の初任務でもあるけれど、それ以上に重要なのは――



「今日こそ、“主さま”を守ってみせるにゃん!」



「……私も、戦えるようになりたいウサ」



「やれやれ、仕方ないわね。背中くらいは守ってあげるから」



ミュリル(豹人)、フィーナ(兎人)、セリア(ダークエルフ)。

三人の亜人少女たちも正式に同行する初の冒険だった。



「イッセイくん、ダンジョンは初めてじゃないでしょ。気を抜かないで」



「はは、わかってます、メルティ先生」



「今回は私も本気でいくわよ。命を預ける以上、訓練とは訳が違うから」



剣の師匠・セリナ、魔法の師匠・メルティ先生も加わり、万全の布陣。

いよいよ、冒険者としての“最初の本気”が始まる。







遺跡の入口は、崩れた石柱とツタの絡まる古代構造。

内部はひんやりとした空気と、どこか漂う不穏な魔力の気配があった。



「足元注意。ここ、罠もある可能性が高いわ」



「了解です。ミュリル、前方確認お願い」



「任せるにゃ!」



シュンッ、と猫のように滑る動きでミュリルが前方へ。



「右側の床、少し浮いてるにゃ。踏んだら落ちるにゃん」



「すごい……ミュリルちゃん、頼りになるね」



「ふふーん、もっと褒めてもいいにゃ!」



そのまま慎重に進んだ先で、第一の戦闘が訪れた。



「来たウサ! 魔物……三体!」



現れたのは石皮に覆われたゴーレム。鈍重だが一撃が重い。



「私が正面から受ける。メルティは援護を!」



「任せたわ。イッセイくんは後方支援お願い!」



「了解!」



「私も行くにゃっ! 側面から――《猫爪乱舞》!」



ミュリルがゴーレムの脇に回り込み、高速の爪撃を放つ。

そのスピードに、一瞬ゴーレムの動きが止まった。



「隙ありウサ――《跳躍斬り》!」



フィーナが軽やかに飛び上がり、ゴーレムの頭に蹴りを入れる。

衝撃でバランスを崩したその隙を――



「《雷槍の術》!」



セリアの放った魔法が命中。ゴーレムがバラバラに砕け散った。



「……やるじゃない。少しは頼れるようになったわね」



「えへ……主さま、見てたウサ?」



「もちろん! すごかったよ、みんな!」



(戦いの中で、確かに彼女たちは成長してる。剣も魔法も、訓練通りに動けてる――いや、それ以上だ)







進行を続ける中、僕も随時、指示を出しながら仲間の動きを確認する。

状況判断、支援魔法、時には直接戦闘も。



「メルティ先生、次の魔法障壁はどうすれば?」



「重ねがけされてるタイプね。解除には魔力の干渉が必要――あなたなら、できるでしょ?」



「よし、やってみます!」



魔力を集中し、詠唱速度と制御精度を高め――



「《ディスペル・コードブレイク》!」



魔法障壁が弾け飛び、奥の階段が現れる。



「やったにゃ! 主さま、かっこよすぎるにゃ!」



「……惚れ直したウサ」



「べ、別にすごいなんて思ってないんだから!」







最奥部ではボスモンスター《鎧霊の番犬》が待ち構えていた。



巨体と呪いの鎧をまとった狼型魔物。

剣を弾き、魔法を歪める特殊耐性を持つ強敵だった。



「連携で崩すしかない。セリナ先生、正面を!」



「了解、盾は任せて!」



「ミュリルとフィーナ、左右から攪乱! セリアは援護魔法を!」



「了解にゃん!」



「うさっ! 突っ込むよ!」



「……イッセイ、私も《火力》いくから、ちゃんと見てて」



作戦通りに連携が決まり、僕の最後の一撃――



「《終焉の炎》!」



炸裂する紅蓮の柱が、番犬の巨体を飲み込み――

ついに、ダンジョンボスを撃破した。







「……これで、クリアだね」



「はぁっ……はぁっ……みんな……無事でよかったにゃ……」



「うん……なんか、自信ついたウサ」



「はっ……ふん、当然でしょ……でも、まあ……お疲れさま」



彼女たちが、少し誇らしげに笑っていたのが、なにより嬉しかった。



「……僕も、もっと強くなろう。君たちを守れるように」



静かに誓う。

これはただの一回きりの冒険じゃない。

僕たちは、これからも“仲間”として、共に成長していくのだから。
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