イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。

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第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

『欲望と恋心が交錯する!愛と戦のビンゴバトル!!』

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会場となった大広間は、すでに異様な熱気に包まれていた。

夕食の名残で並べられた空の皿とグラスの間、ヒロインたちの目はギラついている。



「はいはーいっ! それじゃあ皆さんっ、カード配りましたね? よしよし、いきますよ~!」



カオルマネージャーがビンゴマシンをくるくると回しながら、満面の笑みで立つ。

だがその背後には、でかでかと貼り出されたホワイトボードが一枚――



【ビンゴ大会・豪華景品一覧】

⚫︎花火デート券(初日夜)…1名



⚫︎しっぽりバータイム(初日夜)…1名



⚫︎添い寝券(初日夜)…1名



⚫︎早朝お散歩&水着混浴券(2日目朝)…1名



⚫︎ジャグジー付き朝風呂デート券(2日目朝)…1名



「……はい、何それ?」



真白みなとが無表情のまま、カードを持つ手を震わせた。



「いやいやいや、ちょっと待って!? これってつまり……っ!」



「全部、“コウくんとデートできる”系じゃん!?!?」



ひよりがパチンと立ち上がり、両手でカードをばしばし叩く。



「しっぽりって何!? なにをしっぽりするの!?」



夜々はワインを飲みかけた手を震わせたまま目を逸らす。

メグはというと――



「っしゃーーーー!! 優勝するしかねえええっっっ!!!」



すでに卓に片膝を立てて、まるで勝負に挑むボクサーのような構え。



「……るる、ぜんぶ欲しい……♡」



小学六年生とは思えぬ声色で、るるはカードをじっと見つめていた。



「え、えっ……ちょ、ちょっと、みんな……落ち着いて……?」



主人公・コウの声など誰の耳にも届かない。



「ではっ!! 第一球、まいります!!」



カラカラカラ……コロン。



「Bー……12!!」



「ビンゴォオオオオオオオオッ!!!!」



「早すぎだろ!!!?」



ひよりが謎の運を発揮して、いきなり一抜け。

その手元のカードには、完璧な“縦ビンゴ”が煌めいていた。



「ひよりちゃん……おそろしい子……!」



「さすが妹力……くっそおお、負けらんないっ!」



「お、お兄ちゃん……わ、私、デート……できる……?」



頬を赤らめながらひよりがカードを差し出すと、カオルがニヤリ。



「では! ひよりちゃんにはこちら! 《2日目・早朝お散歩&水着混浴券》!!」



「~~~~~~っっっっ!!!???」



一瞬、凍る場内。

そして――



「よっしゃぁああああああああああああっ!!!」



まさかのひより本人、天を仰いで拳を突き上げる。



「明日っ……明日ついにっ……私、妹じゃなくなるんだぁああああ!!」



「……なるとは言ってない」



コウの小声ツッコミもむなしく、第二球が回される。



カラカラカラ……コロン。



「Nー……33!!」



「リーチッ!!!」



「ビンゴ!!!!」



今度はほぼ同時に、夜々とメグが声を上げる。



「よし! じゃんけんで決着よ!」



「かかってこいッ! 浴衣の下に何も着けてない私が勝つッ!!」



「その情報言うなァ!!!」



大混乱の末、じゃんけんに勝利したのは――夜々。



「ふふ……やっぱり、落ち着いた大人の余裕ってやつね」



カオルがカードを確認し、景品を掲げる。



「不知火夜々さんにはこちら! 《初日夜・しっぽりバータイム券》!」



「っ……」



夜々がカードを持ったまま、そっとコウを見つめる。



「コウくん。あとで、覚悟しておいてね?」



「な、なんの……!?」



視線を逸らすしかできない主人公に、るるのじと目が刺さる。



「むー……るるも、ビンゴしたい……! しなきゃ……!」



すると次の瞬間――



「ビンゴ☆」



あっさりとカードを掲げるるる。



「ナチュラルすぎィッ!!」



「小学生とはいったい……」



カオルがカードを確認して、笑顔で札を取り出す。



「白瀬るるちゃんにはこちらっ! 《初日夜・添い寝券》~~っ♡」



「……やったぁ♡ るる、がんばって寝ない♡」



「いや寝て!! 寝てくれお願いだから!!」



崩れ落ちるコウ。

だが大会はまだ終わらない。



「さーて、残るはあと2枚! 《初日夜・花火デート券》と、《2日目・ジャグジー付き朝風呂券》!」



「燃えろぉおぉぉ私のビンゴォオオ!!」



「お兄ちゃんっ……っ、もう誰にも渡さないんだからっ!」



「朝風呂っ……ジャグジーっ……泡……」



全員の眼光が、もはや戦闘民族のそれだった。



こうして――

本気と妄想が入り混じる、灼熱のビンゴバトルは続いていく。
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