105 / 177
第14章『マイクラ結婚式、開幕です!?配信中にプロポーズされちゃった件』
プロローグ『LinkLive村、建設開始!……で、何このチャペル!?』
しおりを挟む
「それじゃあ、今日も元気にやっていきましょう! LinkLiveコラボ企画、マイクラで理想の推し村生活、はーじまーるよー!」
――画面の向こうで、不知火夜々の軽快な声が響く。
本日の目玉配信は、Vtuber事務所《LinkLive》による大型コラボ企画。参加メンバーがマインクラフト上に自分の“理想の暮らし”をテーマに村を作っていく、というシンプルながら中毒性の高いシリーズだ。
大学一年生の天城コウ――配信者名レイは、その中で唯一の“裏方出身”新人Vtuber。元々は妹・ひよりの代役として配信を始めたはずが、今ではすっかり人気者の一角に食い込んでしまっている。
「さて、オレは今日もマイペースに……こっちの林の奥に、“隠れ家”でも作るか」
彼が手掛けるのは、木造の平屋建て。素材はシンプル、デザインも控えめ。
だが、屋根の角度や暖炉の位置、開口部の高さに至るまで、建築勢からは「無駄にクオリティ高い」と言われる完成度だった。
「お兄ちゃん、こっちに新しい部屋作ったよ~! 一緒に寝れる部屋!」
ひよりの配信画面では、“兄妹2LDK”が着々と進行中。
その手前には謎に豪華なベッド、上には“イチャイチャフラグ天井”なるオブジェが浮かんでいる。
「メグの家は今日も推しグッズがパンパンに詰まっております!」
「実況専用スペースもあるよ~。配信中に叫びすぎて窓割れる想定で、防音強化した~!」
メグは“アニメ倉庫と叫び部屋の融合体”のような家を建てていた。
建材が99%ポスターとぬいぐるみで構成されているせいで、鯖がやや重い。
「みなとは今日は和の心。お味噌汁の香りが漂ってきそうな、台所と中庭を作ります」
みなとのエリアには、竹と和紙を使った本格的な茶室と、炭火焼コンロが設置されていた。
なお、調理MODは未導入だが、見た目の再現度がエグい。
そして――事件は起きる。
「じゃーん!夜々チャペル、完成です♡」
突如、村の中央に姿を現したのは、空高くそびえる純白の塔。
ステンドグラスが煌めき、赤いカーペットがエントランスから村の広場まで敷かれている。
「……なにこれ……?」
レイの呟きに、メグがすかさずツッコむ。
「いやいやいや!? 夜々先輩!? これ何建ててるんですか!? 教会!? バグ!? それとも夢!?」
「夢……そう。これは、愛と夢の集大成……つまり——結婚式♡」
「それ、言わせる!?」
夜々はカメラ前でくるりと一回転すると、手に持ったブーケをカメラに向かって差し出した。
「皆さん、注目~♪ 今日からこのLinkLive村で、“バーチャル結婚式”プロジェクト、スタートします! 新郎役は……もちろんレイくん♡」
「聞いてないよ!? ていうか俺、建築民枠じゃなかったの!? 配信で突然、結婚式って何事!?」
レイの絶叫をよそに、コメント欄は大盛り上がり。
《え、マジ!?》《レイくん新郎とか神すぎる》《ていうか誰が花嫁?》《ってか夜々さんガチやん……》《ひよりが黙ってない予感……》
そして、案の定。
「……お兄ちゃんが、他の人と……結婚式……?」
ひよりの配信画面が、一瞬静止する。
だが次の瞬間、彼女の目の奥に謎の光が宿った。
「じゃあ、わたしもチャペル、作ります。負けてられない」
「ちょっと待ってひより!? それ、勝負じゃないって!」
だがもう遅い。
みなとも「和風神前式、いいと思います」と静かに燃え始め、
メグは「オタクの結婚式といえば“推しと実況婚”!」と実況席を建設、
るるにいたっては「ドレス衣装作りました! 自撮りも準備OK!」と、独自スキンを開発してきた。
コメント欄は「戦争が始まった」「花嫁バトル開幕www」「レイくんが過労死しそう」の声で埋まる。
——こうして、「マイクラ結婚式イベント」は、
本気の恋愛戦争へと突入してしまったのだった。
「えっ、オレ、今日配信の予定こんなんじゃなかったんだけど……?」
レイの呟きが、仮想空間にむなしく響く。
――画面の向こうで、不知火夜々の軽快な声が響く。
本日の目玉配信は、Vtuber事務所《LinkLive》による大型コラボ企画。参加メンバーがマインクラフト上に自分の“理想の暮らし”をテーマに村を作っていく、というシンプルながら中毒性の高いシリーズだ。
大学一年生の天城コウ――配信者名レイは、その中で唯一の“裏方出身”新人Vtuber。元々は妹・ひよりの代役として配信を始めたはずが、今ではすっかり人気者の一角に食い込んでしまっている。
「さて、オレは今日もマイペースに……こっちの林の奥に、“隠れ家”でも作るか」
彼が手掛けるのは、木造の平屋建て。素材はシンプル、デザインも控えめ。
だが、屋根の角度や暖炉の位置、開口部の高さに至るまで、建築勢からは「無駄にクオリティ高い」と言われる完成度だった。
「お兄ちゃん、こっちに新しい部屋作ったよ~! 一緒に寝れる部屋!」
ひよりの配信画面では、“兄妹2LDK”が着々と進行中。
その手前には謎に豪華なベッド、上には“イチャイチャフラグ天井”なるオブジェが浮かんでいる。
「メグの家は今日も推しグッズがパンパンに詰まっております!」
「実況専用スペースもあるよ~。配信中に叫びすぎて窓割れる想定で、防音強化した~!」
メグは“アニメ倉庫と叫び部屋の融合体”のような家を建てていた。
建材が99%ポスターとぬいぐるみで構成されているせいで、鯖がやや重い。
「みなとは今日は和の心。お味噌汁の香りが漂ってきそうな、台所と中庭を作ります」
みなとのエリアには、竹と和紙を使った本格的な茶室と、炭火焼コンロが設置されていた。
なお、調理MODは未導入だが、見た目の再現度がエグい。
そして――事件は起きる。
「じゃーん!夜々チャペル、完成です♡」
突如、村の中央に姿を現したのは、空高くそびえる純白の塔。
ステンドグラスが煌めき、赤いカーペットがエントランスから村の広場まで敷かれている。
「……なにこれ……?」
レイの呟きに、メグがすかさずツッコむ。
「いやいやいや!? 夜々先輩!? これ何建ててるんですか!? 教会!? バグ!? それとも夢!?」
「夢……そう。これは、愛と夢の集大成……つまり——結婚式♡」
「それ、言わせる!?」
夜々はカメラ前でくるりと一回転すると、手に持ったブーケをカメラに向かって差し出した。
「皆さん、注目~♪ 今日からこのLinkLive村で、“バーチャル結婚式”プロジェクト、スタートします! 新郎役は……もちろんレイくん♡」
「聞いてないよ!? ていうか俺、建築民枠じゃなかったの!? 配信で突然、結婚式って何事!?」
レイの絶叫をよそに、コメント欄は大盛り上がり。
《え、マジ!?》《レイくん新郎とか神すぎる》《ていうか誰が花嫁?》《ってか夜々さんガチやん……》《ひよりが黙ってない予感……》
そして、案の定。
「……お兄ちゃんが、他の人と……結婚式……?」
ひよりの配信画面が、一瞬静止する。
だが次の瞬間、彼女の目の奥に謎の光が宿った。
「じゃあ、わたしもチャペル、作ります。負けてられない」
「ちょっと待ってひより!? それ、勝負じゃないって!」
だがもう遅い。
みなとも「和風神前式、いいと思います」と静かに燃え始め、
メグは「オタクの結婚式といえば“推しと実況婚”!」と実況席を建設、
るるにいたっては「ドレス衣装作りました! 自撮りも準備OK!」と、独自スキンを開発してきた。
コメント欄は「戦争が始まった」「花嫁バトル開幕www」「レイくんが過労死しそう」の声で埋まる。
——こうして、「マイクラ結婚式イベント」は、
本気の恋愛戦争へと突入してしまったのだった。
「えっ、オレ、今日配信の予定こんなんじゃなかったんだけど……?」
レイの呟きが、仮想空間にむなしく響く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる