イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。

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第16章「夏だ!水着だ!リンクライブ撮影会♥」

エピローグ『恋と波の、そのあとで』

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──翌日、LinkLive事務所・喫茶スペース。



「ん~~~~~~っ……」



 みなとが背筋を伸ばして、ふにゃっとソファに沈む。

 テーブルには、アイスティーと差し入れのスイカゼリー。そして、そこには──



「全員、無事に生還しました……!」



 メグが白目を剥きながら、テーブルに突っ伏していた。



「無事、って言っていいのかな? るるちゃん、GIFだけで3万回再生されてるにゃ」

 るるがカフェラテをちびちび飲みながら、虚空を見つめる。



「私なんて……“スク水投げキッス”が“新たな扉を開いた”って言われてるんですけど……!」

 いのりは頬をぷくーっと膨らませたまま、スマホで検索ワードを消そうと格闘している。



「バズったから、よしとする!」

 夜々がグラスを掲げて笑うと、他のメンバーもつられて吹き出した。



 あのVRビーチの戦場を乗り越えた者にしかできない、乾杯の笑みだった。



 ──そして、ちょっと離れた窓辺の席で。



「……ひよりちゃん、元気出た?」



 コウが、少しだけ優しい声で問いかける。



 ひよりは、じーっとアイスの棒を見つめたまま、小さくうなずいた。



「うん……昨日ね、コメント欄見返したの。そしたら、すごくいっぱい、“がんばってて偉い”って言われてて……泣いた」



「……そっか」



「でも、一番嬉しかったのは……」



 そこまで言って、ふいに顔を赤らめる。



「お兄ちゃんが、“ひよりとしても似合ってた”って言ってくれたこと……かも」



「…………」



「…………」



 気まずい沈黙。

 そして、ふたりは同時に咳払いをした。



「──あっ! そういえば次回イベント、決まってますよ!」



 と、メグが唐突に話をぶった切る。



「はいこちら~。来月は《温泉リベンジロケ企画》でーす!」



「温泉……って、ことは……また、脱ぐの……?」

 ひよりの顔が真っ青になる。



「ご安心を。ちゃんと“バスタオル付きアバター”と“湯気フィルター”がついてます。※ただしランダム」

 カオルがにこやかに紅茶をすする。



「ランダムはダメにゃああああああああ!!!」

 るるが頭を抱え、いのりが悲鳴を上げ、夜々が笑いながら肩をすくめる。



「──だいじょうぶ。また“みんなで”乗り越えるんでしょ?」



 みなとの言葉に、誰からともなく、うん、と頷く声が重なった。



 仲間たちと、ちょっぴり照れくさい思い出と、

 そして、“ひと夏の黒歴史(名シーン)”を胸に。



 LinkLiveは今日も、にぎやかで、ちょっとだけ恋の予感がして──



「なあ、ひより」

 ぽつりと、コウが言った。



「次のイベントでも、また頑張ろうな。“ひよこまる”としても、君としても」



「……うんっ!」



 ぱぁっと咲いた笑顔は、太陽よりもまぶしかった。



──恋と波の、そのあとで。

LinkLiveの夏は、まだまだ続く。
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