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第一章 最初に堕ちるは、現代(となり)の乙女たち
隣の席の君の、潤んだ身体と恋心
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相川翔太が異世界から帰還した翌日。
彼にとって十年ぶりとなる通い慣れたはずの教室は、まるで飢えた雌ライオンの群れが待ち構える、猛獣の檻の中のようだった。
「(近い、近い近い近い!)」
授業中だというのに、翔太の左腕には常に柔らかく、そして確かな弾力を持つ感触がまとわりついている。原因は隣の席の幼馴染、鮎川陽奈美だ。
「ねぇ翔太♡、ここの問題、ちょっとわからなくて…」
そう言って、彼女は「教科書を見せて?」という口実で、翔太との間の僅かなスペースを完全にゼロにしていた。
彼女の豊かな双丘が、むにゅっと心地よく、そして非常に危険な圧力を翔太の腕に加え続けている。
翔太のチートスキル【鑑定】が、彼の意思とは無関係に視界の端に無慈悲な情報を表示する。
【鮎川 陽奈美】
状態:軽い興奮状態。対象(相川翔太)との密着により、心拍数、体温が上昇中。
制服と肌が擦れる感触に、弱い快感を覚えている。
「(もうやめてくれぇ!)」
翔太は心の中で悲鳴を上げた。
クラスの、いや、廊下ですれ違う女子生徒全員が、彼に熱っぽい視線を送ってくるのだ。休み時間にトイレに立とうとすれば、行く先々で女子たちが「偶然」を装って彼の進路を塞ぎ、スカートが翻るのも構わずに物を拾ったり、上目遣いで話しかけてきたりする。
そのたびに【鑑定】スキルが発動し、『好意:80』『性的興奮度:75』『性癖:【束縛願望】【被虐趣味LV1】』などといった、およそ高校生活に必要のない情報ばかりが脳内に流れ込んでくる。おかげで翔太は、常に情報過多によるパニック寸前だった。
中でも、幼馴染である陽奈美の異常さは群を抜いていた。
異世界へ転移する前は活発で、少し男勝りなところもある、元気な美少女だったはずだ。
それが今では、「距離感が完全にバグった美少女」になっていた。
「翔太、はい、あーん♡」
休み時間になれば、手作りのお弁当のおかず(ハート型にくり抜かれた卵焼きだ)を箸でつまみ、翔太の口元へと運んでくる。
「い、いいよ自分で食べるから!」
「だーめ♡。翔太、なんだか疲れてるみたいだから。ね? 私の愛情、食べて♡?」
潤んだ瞳でそう懇願されてしまえば、翔太に拒否権はない。
彼の【魅力:MAX】スキルが、彼女の元々の好意を『言うことを聞かなければならない』というレベルの強制力にまで高めてしまっているのだ。
翔太が観念して口を開けば、クラス中の女子から「「「キーッ!!」」」という幻聴が聞こえてくるようだった。
さらに、翔太が他のクラスの女子に話しかけられただけで、背後からそっと抱きついてきて、
「…翔太が知らない女の子と仲良くするの、私許さないからね?」
と、甘く冷たい声で耳元に囁いてくる始末。独占欲がカンストしているとは、まさにこのことだった。
そして、昼休み。
その事件は起きた。
翔太が購買で買ったパンをかじっていると、陽奈美がむっとした顔で彼の隣に座った。
「翔太、またそんなので済ませてる。今度から、私がお弁当二つ作ってきてあげるからね」
「いや、悪いよそんなの…」
「悪くない! 翔太の健康は、私が管理するの!」
その甲斐甲斐しさは嬉しい。嬉しいのだが、彼女の瞳の奥で燃え盛る独占欲の炎が、翔太には見えすぎてしまう。その時、クラスメイトの男子が翔太に声をかけた。
「よぉ相川! 今日の放課後、カラオケ行かね? 女子も何人か誘ってるんだけど」
「え、ああ、僕は…」
翔太が断ろうとした、その瞬間だった。ガタッ、と音を立てて陽奈美が立ち上がり、翔太の手を強く掴んだ。
「翔太は、行かないから!」
「え、ちょ、陽奈美!?」
有無を言わさぬ力で、陽奈美は翔太を引っ張って教室を飛び出した。彼女の小さな身体のどこにこんな力が、と驚く翔太をよそに、陽奈美はずんずんと人気のない方へ、体育館裏の、今は使われていない部室が並ぶエリアへと彼を連れ込んでいく。
【陽奈美視点】
もう、我慢できなかった。
教室にいるだけで、翔太が他の女の子の視線に晒されるのが許せない。私以外の誰かと話しているのを見るだけで、胸の奥が黒い炎で焼かれるみたいに苦しくなる。
子供の頃から、私がずっと、ずっと好きだった翔太。
昨日から突然雰囲気が変わった。今までの翔太だけど、なぜか大人びた表情、鍛えられた身体、そして、私を狂わせる甘い匂い。
全部、私のものだ。誰にも渡したくない。
人気のない、体育館裏の壁に、翔太をドン、と押し付ける。驚いた顔の翔太。そんな顔も、愛おしい。
「ひな、み…?」
「…っ」
言葉が出ない。代わりに、私は翔太の胸に自分の身体をぎゅうっと押し付けた。
制服の薄いブラウス越しに、彼の引き締まった胸板の感触が伝わってくる。
ああ、翔太の匂い。汗と、太陽みたいな、雄の匂い。
「しょ、うた♡…」
もっと、もっと感じたい。私は背伸びをして、自分の柔らかな胸を彼の胸にぐりぐりと擦り付けた。
腰も、無意識に動いてしまう。
翔太の固い太ももに、自分の腰骨のあたりを何度も、何度も押し付ける。
「んっ…ふ、ぅ♡…」
だめ。こんなこと、はしたないってわかってる。
でも、身体が熱くて、言うことを聞かない。
翔太に触れているだけで、お腹の奥が、きゅうんって甘く疼いて、秘部がじゅわ…っと濡れていくのがわかる。
「あっ…んんぅ…っ♡!」
腰を擦り付ける動きが、だんだん速くなる。
翔太の太ももの固さが、制服のスカート越しに、私の敏感なところを間接的に刺激する。
もう、頭が真っ白。翔太のことしか考えられない。
「しょ、たぁ♡…すき、ぃ…♡♡っ」
その瞬間、びくんっ!と全身が痙攣した。甘い痺れが腰から全身へと駆け巡り、脚の力が抜けていく。
「ひゃっ…ぁう…♡!」
思わず短い悲鳴が漏れ、私はその場にへたり込んだ。
スカートの内側に、じわりと熱いものが広がるのを感じながら。
【翔太視点】
目の前で起こった出来事が、翔太にはすぐには理解できなかった。
陽奈美が、自分に身体を擦り付けて、そして、喘ぎ声と共に脱力してしまった。
【鑑定】するまでもない。彼女は、今、いってしまったのだ。
服を着たまま、ただ身体を押し付けただけで。
「(俺の【魅力】スキル…、こんなに、やばいのか…?)」
顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる陽奈美。
その姿は庇護欲をそそるどころか、今の翔太にとっては恐怖の対象でしかなかった。
彼女のステータスを恐る恐る確認する。
『好意:98、独占欲:MAX、性的興奮度:85(一時的に95まで上昇)』
もともと彼に長年片想いをしていた純粋な恋心が、翔太の制御不能なスキルによって、ちょっとした刺激で理性が飛んでしまうほど危険なレベルまで増幅されてしまっていたのだ。
そんな気まずい事件があった日の午後。
ホームルームで、担任教師から重大な発表がなされた。
ーーーーー
「――以上のように、政府は『第一次冒険者育成計画』を正式に発表した。これに伴い、全国に『冒険者養成高等学校』、通称『冒険者学校』が設立される。この学校からも、希望者は編入試験を受けることが可能だ」
教室が、どよめきに包まれる。
ダンジョンが出現して数年。枯渇した石油に代わる新エネルギー「魔石」の発見により、世界は一変した。
ダンジョンに潜り、魔石や素材を持ち帰る「冒険者」は、今やトップアスリートやIT長者と並ぶ、富と名声を得られる花形の職業となっていたのだ。
男子生徒たちが、興奮したように将来の夢を語り始める。
その時、翔太の手が、隣からそっと、しかし力強く握られた。
陽奈美だった。彼女はまだ少し火照りの残る頬で、しかし真っ直ぐな、決意に満ちた瞳で翔太を見つめていた。
「私、冒険者になる!」
「え?」
「冒険者学校に行く! 翔太と一緒がいい。ううん、翔太と一緒にダンジョンに行くんだ!」
彼女の真剣な眼差しに、翔太は言葉を失う。
「だって、私、翔太のこと…守りたいから!」
その言葉は、翔太の胸に深く突き刺さった。
彼女の純粋な想い。しかし、その想いを危険なレベルまで煽っているのは、紛れもなく自分自身のスキルなのだという後ろめたさ。
だが、同時に翔太は理解していた。この変貌した世界で、一般人である彼女が平穏に生きていくのは難しいだろう、と。ならば、自分がそばにいて、自分の力で彼女を守るのが最善の道なのではないか。
「…わかった。僕も、受けるよ。冒険者学校」
「翔太…!」
ぱあっと、陽奈美の顔が太陽のように輝いた。
陽奈美はまだ知らない。彼女の十年分の恋心が、翔太のせいで甘く暴走を始めた、いつ爆発してもおかしくない爆弾に変わってしまったことを。
そして翔太もまだ知らない。
この幼馴染との再会と決意が、彼の二十六年(精神年齢)守り抜いてきた、鋼鉄の童貞を終わらせる、最初の引き金になるということを。
彼の日常が崩壊する、その序曲はまだ、始まったばかりだった。
彼にとって十年ぶりとなる通い慣れたはずの教室は、まるで飢えた雌ライオンの群れが待ち構える、猛獣の檻の中のようだった。
「(近い、近い近い近い!)」
授業中だというのに、翔太の左腕には常に柔らかく、そして確かな弾力を持つ感触がまとわりついている。原因は隣の席の幼馴染、鮎川陽奈美だ。
「ねぇ翔太♡、ここの問題、ちょっとわからなくて…」
そう言って、彼女は「教科書を見せて?」という口実で、翔太との間の僅かなスペースを完全にゼロにしていた。
彼女の豊かな双丘が、むにゅっと心地よく、そして非常に危険な圧力を翔太の腕に加え続けている。
翔太のチートスキル【鑑定】が、彼の意思とは無関係に視界の端に無慈悲な情報を表示する。
【鮎川 陽奈美】
状態:軽い興奮状態。対象(相川翔太)との密着により、心拍数、体温が上昇中。
制服と肌が擦れる感触に、弱い快感を覚えている。
「(もうやめてくれぇ!)」
翔太は心の中で悲鳴を上げた。
クラスの、いや、廊下ですれ違う女子生徒全員が、彼に熱っぽい視線を送ってくるのだ。休み時間にトイレに立とうとすれば、行く先々で女子たちが「偶然」を装って彼の進路を塞ぎ、スカートが翻るのも構わずに物を拾ったり、上目遣いで話しかけてきたりする。
そのたびに【鑑定】スキルが発動し、『好意:80』『性的興奮度:75』『性癖:【束縛願望】【被虐趣味LV1】』などといった、およそ高校生活に必要のない情報ばかりが脳内に流れ込んでくる。おかげで翔太は、常に情報過多によるパニック寸前だった。
中でも、幼馴染である陽奈美の異常さは群を抜いていた。
異世界へ転移する前は活発で、少し男勝りなところもある、元気な美少女だったはずだ。
それが今では、「距離感が完全にバグった美少女」になっていた。
「翔太、はい、あーん♡」
休み時間になれば、手作りのお弁当のおかず(ハート型にくり抜かれた卵焼きだ)を箸でつまみ、翔太の口元へと運んでくる。
「い、いいよ自分で食べるから!」
「だーめ♡。翔太、なんだか疲れてるみたいだから。ね? 私の愛情、食べて♡?」
潤んだ瞳でそう懇願されてしまえば、翔太に拒否権はない。
彼の【魅力:MAX】スキルが、彼女の元々の好意を『言うことを聞かなければならない』というレベルの強制力にまで高めてしまっているのだ。
翔太が観念して口を開けば、クラス中の女子から「「「キーッ!!」」」という幻聴が聞こえてくるようだった。
さらに、翔太が他のクラスの女子に話しかけられただけで、背後からそっと抱きついてきて、
「…翔太が知らない女の子と仲良くするの、私許さないからね?」
と、甘く冷たい声で耳元に囁いてくる始末。独占欲がカンストしているとは、まさにこのことだった。
そして、昼休み。
その事件は起きた。
翔太が購買で買ったパンをかじっていると、陽奈美がむっとした顔で彼の隣に座った。
「翔太、またそんなので済ませてる。今度から、私がお弁当二つ作ってきてあげるからね」
「いや、悪いよそんなの…」
「悪くない! 翔太の健康は、私が管理するの!」
その甲斐甲斐しさは嬉しい。嬉しいのだが、彼女の瞳の奥で燃え盛る独占欲の炎が、翔太には見えすぎてしまう。その時、クラスメイトの男子が翔太に声をかけた。
「よぉ相川! 今日の放課後、カラオケ行かね? 女子も何人か誘ってるんだけど」
「え、ああ、僕は…」
翔太が断ろうとした、その瞬間だった。ガタッ、と音を立てて陽奈美が立ち上がり、翔太の手を強く掴んだ。
「翔太は、行かないから!」
「え、ちょ、陽奈美!?」
有無を言わさぬ力で、陽奈美は翔太を引っ張って教室を飛び出した。彼女の小さな身体のどこにこんな力が、と驚く翔太をよそに、陽奈美はずんずんと人気のない方へ、体育館裏の、今は使われていない部室が並ぶエリアへと彼を連れ込んでいく。
【陽奈美視点】
もう、我慢できなかった。
教室にいるだけで、翔太が他の女の子の視線に晒されるのが許せない。私以外の誰かと話しているのを見るだけで、胸の奥が黒い炎で焼かれるみたいに苦しくなる。
子供の頃から、私がずっと、ずっと好きだった翔太。
昨日から突然雰囲気が変わった。今までの翔太だけど、なぜか大人びた表情、鍛えられた身体、そして、私を狂わせる甘い匂い。
全部、私のものだ。誰にも渡したくない。
人気のない、体育館裏の壁に、翔太をドン、と押し付ける。驚いた顔の翔太。そんな顔も、愛おしい。
「ひな、み…?」
「…っ」
言葉が出ない。代わりに、私は翔太の胸に自分の身体をぎゅうっと押し付けた。
制服の薄いブラウス越しに、彼の引き締まった胸板の感触が伝わってくる。
ああ、翔太の匂い。汗と、太陽みたいな、雄の匂い。
「しょ、うた♡…」
もっと、もっと感じたい。私は背伸びをして、自分の柔らかな胸を彼の胸にぐりぐりと擦り付けた。
腰も、無意識に動いてしまう。
翔太の固い太ももに、自分の腰骨のあたりを何度も、何度も押し付ける。
「んっ…ふ、ぅ♡…」
だめ。こんなこと、はしたないってわかってる。
でも、身体が熱くて、言うことを聞かない。
翔太に触れているだけで、お腹の奥が、きゅうんって甘く疼いて、秘部がじゅわ…っと濡れていくのがわかる。
「あっ…んんぅ…っ♡!」
腰を擦り付ける動きが、だんだん速くなる。
翔太の太ももの固さが、制服のスカート越しに、私の敏感なところを間接的に刺激する。
もう、頭が真っ白。翔太のことしか考えられない。
「しょ、たぁ♡…すき、ぃ…♡♡っ」
その瞬間、びくんっ!と全身が痙攣した。甘い痺れが腰から全身へと駆け巡り、脚の力が抜けていく。
「ひゃっ…ぁう…♡!」
思わず短い悲鳴が漏れ、私はその場にへたり込んだ。
スカートの内側に、じわりと熱いものが広がるのを感じながら。
【翔太視点】
目の前で起こった出来事が、翔太にはすぐには理解できなかった。
陽奈美が、自分に身体を擦り付けて、そして、喘ぎ声と共に脱力してしまった。
【鑑定】するまでもない。彼女は、今、いってしまったのだ。
服を着たまま、ただ身体を押し付けただけで。
「(俺の【魅力】スキル…、こんなに、やばいのか…?)」
顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる陽奈美。
その姿は庇護欲をそそるどころか、今の翔太にとっては恐怖の対象でしかなかった。
彼女のステータスを恐る恐る確認する。
『好意:98、独占欲:MAX、性的興奮度:85(一時的に95まで上昇)』
もともと彼に長年片想いをしていた純粋な恋心が、翔太の制御不能なスキルによって、ちょっとした刺激で理性が飛んでしまうほど危険なレベルまで増幅されてしまっていたのだ。
そんな気まずい事件があった日の午後。
ホームルームで、担任教師から重大な発表がなされた。
ーーーーー
「――以上のように、政府は『第一次冒険者育成計画』を正式に発表した。これに伴い、全国に『冒険者養成高等学校』、通称『冒険者学校』が設立される。この学校からも、希望者は編入試験を受けることが可能だ」
教室が、どよめきに包まれる。
ダンジョンが出現して数年。枯渇した石油に代わる新エネルギー「魔石」の発見により、世界は一変した。
ダンジョンに潜り、魔石や素材を持ち帰る「冒険者」は、今やトップアスリートやIT長者と並ぶ、富と名声を得られる花形の職業となっていたのだ。
男子生徒たちが、興奮したように将来の夢を語り始める。
その時、翔太の手が、隣からそっと、しかし力強く握られた。
陽奈美だった。彼女はまだ少し火照りの残る頬で、しかし真っ直ぐな、決意に満ちた瞳で翔太を見つめていた。
「私、冒険者になる!」
「え?」
「冒険者学校に行く! 翔太と一緒がいい。ううん、翔太と一緒にダンジョンに行くんだ!」
彼女の真剣な眼差しに、翔太は言葉を失う。
「だって、私、翔太のこと…守りたいから!」
その言葉は、翔太の胸に深く突き刺さった。
彼女の純粋な想い。しかし、その想いを危険なレベルまで煽っているのは、紛れもなく自分自身のスキルなのだという後ろめたさ。
だが、同時に翔太は理解していた。この変貌した世界で、一般人である彼女が平穏に生きていくのは難しいだろう、と。ならば、自分がそばにいて、自分の力で彼女を守るのが最善の道なのではないか。
「…わかった。僕も、受けるよ。冒険者学校」
「翔太…!」
ぱあっと、陽奈美の顔が太陽のように輝いた。
陽奈美はまだ知らない。彼女の十年分の恋心が、翔太のせいで甘く暴走を始めた、いつ爆発してもおかしくない爆弾に変わってしまったことを。
そして翔太もまだ知らない。
この幼馴染との再会と決意が、彼の二十六年(精神年齢)守り抜いてきた、鋼鉄の童貞を終わらせる、最初の引き金になるということを。
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