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第八章 ハーレムな日常と、八百階層の追憶
恋する乙女の停戦協定
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「……」 「……」
あの日、僕の(物理的な)土下座によって異世界組(ワールド・トラベラーズ)の滞在が許可されてから数日。
僕の日常は、昼は学校で現代組(モダン・ガールズ)の熱い視線に晒(さら)され、夜はゲストハウス(という名の魔窟)で異世界組の過剰な「お世話」にすり潰される、地獄のようなローテーションで回っていた。
(体が…いくつあっても足りない…!)
そして、その元凶である二人の女――僕の「正妻」を自称する鮎川陽奈美と、僕の「花嫁」を自称するセラフィーナ・ルミナス・フォン・アインツベルグは、ある一点において、ついに意見を一致させていた。
「「このままでは、翔太(我が勇者様)が、精神的(物理的)にすり減ってしまう…!」」
その夜。
僕が(明日のダンジョン攻略の準備と、妹たち&義母さんの相手で)疲れ果てて自室で泥のように眠っている頃。
僕に内緒で、学校の、あの忌ま(いま)わしきゲストルームに、全ての「関係者」が召集されていた。
円卓を囲む、総勢八名の美少女たち。
その空気は、八百階層のボス戦直前よりも、よほど殺伐(さつばつ)としていた。
「――さて」
口火を切ったのは、現代組のリーダー、陽奈美だった。
彼女は、あえてセラフィーナの真正面に座り、テーブルに肘(ひじ)をついて、真っ直ぐに彼女を睨(にら)みつけた。
「単刀直入に聞くけど。あなたたち、いつになったら自分たちの世界に帰ってくれるわけ?」
「あら、ごきげんよう」
セラフィーナは、王女の笑みを崩さない。
「随分と排他的(はいたてき)ですこと。
わたくしたちは、愛する勇者様を『お迎え』に上がっただけ。
帰るも何も、わたくしたちの居場所は、勇者様のおそば以外にありえませんわ」
「はっ! 『愛する』ですって? よく言うわ!」
陽奈美が、バン!とテーブルを叩く。
「あんたたちこそ、いきなりしゃしゃり出てきて! 十年間も翔太を苦しめた世界から、どの面(つら)下げて来たわけ!?」
「まあ」 セラフィーナの瞳が、スッと冷たくなる。
「後から来たのは、そちらではございませんこと? わたくしたちは、貴女がその…『翔太さま』と、幼馴染(おさななじみ)ごっこをしていた、遥(はる)か昔から、彼と『約束』を交わしていたのですから」
「『約束』ですって!? そっちこそ、翔太が『魅力』スキルで混乱してるのに乗じて、彼をたぶらかしたんでしょう!」
「たぶらかした、ですって…?」
バチバチッ!と、二人の間に、目に見えない火花が散る。
「フン…下等な争いじゃ。主様は妾(わらわ)の主(ぬし)様じゃ。それ以上でも、それ以下でもないわ」 ルナリアが、つまらなそうに爪を磨きながら呟く。
「ミミは、ご主人様の子どもが産めれば、それでいいウサ! 一番強い子を産むのは、ミミだぴょん!」 ミミが、無邪気に(そして最も本質的な)爆弾を投下する。
「なっ…! こ、子ども!?」
陽奈美とエレオノールの顔が、カッと赤くなった。
「ワタシは、強い男(ひと)の隣に立つのが道理と思うアル。翔太の隣は、一番強いワタシがふさわしいネ!」
麗華が、腕を組んで自信満々に言う。
「団長の隣は、わたくしが守ると決めている! 貴様たちにその場所を譲る気は、毛頭ないであります!」 ブリジットが、ガタッと立ち上がり、剣の柄(つか)に手をかける。
「おやめなさい、ブリジット!」
「麗華さんも、抑えてくださいまし!」
セラとエレオノールが、それぞれの「騎士」を制止する。
「…そもそも、この状況は、論理的に破綻(はたん)していますわ」
それまで黙ってデータを収集していた凛花さんが、伊達(だて)メガネの位置を直しながら、冷静に分析を始めた。
「相川君の魔力、体力、そして…時間(リソース)。その全ては有限です。それを、我々八名で分割(ぶんかつ)しようとすること自体が、愚(ぐ)の骨頂(こっちょう)。最適解(さいてきかい)は、彼にとって最も貢献度(こうけんど)の高いパートナーを一名選出し、残りは身を引くべきかと」
「「「「はぁ!?」」」」
凛花さん以外の全員(ミミを除く)の声が、綺麗にハモった。
「「(((((((それ(一番)は、あたし(わたくし)(妾)(自分)(ワタシ)でしょ!?)))))))」
一触即発(いっしょくそくはつ)。
もはや、話し合いなど不可能。
世界の垣根を越えた「正妻戦争(ハーレム・ウォー)」が、今まさに、物理的な戦闘へと発展しようとした、その時だった。
「――貴女たちは」
凛(りん)とした、しかし、どこか深い悲しみを湛(たた)えたセラフィーナの声が、室内に響き渡った。
「貴女たちは、我が勇者様の、一体『何』を、見ていらっしゃるのかしら」
「…は? 何よ、さっきから…」
陽奈美が、苛立(いらだ)たしげに返す。
「わたくしたちが愛した『勇者様』と、貴女たちが慕(した)『翔太』は、果たして同じお方なのかしら、と申し上げているのです」
その言葉に、陽奈美たちは、キョトン、とした。
セラフィーナは、そっと目を伏せ、十年前の、あの血と硝煙(しょうえん)にまみれた日々を思い出すように、語り始めた。
「…わたくしたちが知る『勇者様』は、いつも、たった一人で、世界の全てを背負っておられました」
「魔王軍、数十万の軍勢を前にしても、彼はわたくしたちに『下がってろ』と、ただ一言告げるだけ。 己の身がどれほど傷つこうと、血を流そうと、決して弱音を吐かず、涙を見せることもなく、ただ、平然と敵を殲滅(せんめつ)なさる」 その声は、震えていた。
「彼は、誰よりも優しかった。けれど、誰よりも、孤独でしたわ。 わたくしたちがどれだけ『おそばにいます』と申し上げても、彼の心は、いつも、わたくしたちの手の届かない、遥か遠い故郷(ふるさと)を見ておられました」
「団長は…」
ブリジットが、唇を噛みしめながら、セラの言葉を引き継ぐ。
「団長は、いつもわたくしたちを庇(かば)い、一番危険な場所に、一番先に立たれる方でした。…わたくしは、聖騎士失格です。彼に、守られてばかりだった…!」
「主様はな…」
ルナリアが、尊大(そんだい)な仮面を外し、ポツリと漏らす。
「あの世界で、唯一、神の理(ことわり)を超えた存在じゃった。最強で、絶対で…そして、誰にも理解されぬ、ただ一人の超越者(ちょうえつしゃ)。…妾は、それが、見ていて、たまらなく…苦しかったのじゃ」
「ご主人様…いつも、『大丈夫だ』って、笑ってたウサ…。ミミが怪我した時も、自分の腕が折れてるのに、ミミのことだけ心配して…笑ってた、ウサ…」
ミミが、思い出したように、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。
異世界組が語る、圧倒的な「英雄」の姿。
孤独な、絶対強者の、悲しいまでの、孤高(ここう)の姿。
ゲストルームは、静まり返っていた。
陽奈美も、エレオノールも、凛花さんも、麗華も、息を呑んで、その「自分たちの知らない相川翔太」の物語に、聞き入っていた。
エレオノールは、ゴクリと喉(のど)を鳴らす。
(それが…わたくしの理想とした、真の『聖騎士』の姿…! 翔太さまは、異世界で、そのような戦いを…!)
凛花さんは、カチリ、とメガネの奥で瞳を鋭くさせる。
(…なるほど。彼のあの規格外の強さ(ステータス)と、時折見せる達観(たっかん)した眼差し…その『原因(ソース)』は、それほどの過酷な体験(トラウマ)だったと…)
麗華は、目を輝かせていた。
(数十万の軍勢…! なんて男アル…! ゾクゾクするネ! ますます、お主の『最強』が欲しくなったヨ、翔太!)
そして、陽奈美は。
陽奈美は、ただ、呆然(ぼうぜん)としていた。
((うそ…))
((そんなの、あたしの知ってる翔太じゃ、ない…))
陽奈美が知っている「翔太」は。
十年ぶりに再会した彼は、確かに大人びていたけれど。
あたしが作ったお弁当を、あんなに幸せそうに食べてくれて。
あたしが「あーん」ってすると、顔を真っ赤にして照れてくれて。
あたしがちょっと無茶すると、本気で心配して叱ってくれて。
そして、あの夜、ダンジョンで、あたしを抱きしめてくれた腕は、すごく強かったけど…すごく、優しくて、温かかった。
孤独な英雄なんかじゃない。 不器用で、優しすぎる、たった一人の「男の子」。
「…ちがう」
陽奈美が、絞り出すように呟いた。
「あんたたちの言ってる翔太は、あたしの知ってる翔太じゃない…!」
「あたしが知ってる翔太は、そんなに強くない!」
「ええ、強いよ! めちゃくちゃ強いけど! でも、そんな、なんでも一人で背負い込むような、そんなの…そんなの、可哀想(かわいそう)すぎるじゃない!」
陽奈美の目から、大粒の涙が溢(あふ)れ出した。
「翔太はね、あたしがいないとダメなの! あたしが、あいつの帰る場所になってあげなきゃって、そう思わせるような…! ほっとけない、ただの、男の子なのよっ!」
「「「「……!」」」」
今度は、異世界組が息を呑む番だった。
セラフィーナの、完璧な王女の仮面が、わずかに揺らぐ。
(((わたくしたちの知らない、『勇者様』…?)))
二つの世界の乙女たちが語る、「相川翔太」の姿。
それは、あまりにも、かけ離れていた。
「……そうか」
沈黙を破ったのは、またしてもセラフィーナだった。
彼女は、陽奈美の涙を、まるで眩(まぶ)しいものでも見るかのように見つめ、そして、ふっと、心の底から優しく微笑んだ。
「…そう、でしたのね。わたくしたちが救えなかった『勇者様』の心を、貴女は…救って差し上げていたのですわね」
「え…?」
「彼が、故郷(ここ)に帰りたがっていた理由が、ようやく分かりましたわ」
セラフィーナは、すっと立ち上がり、陽奈美の前に進み出た。
そして、彼女は、アインツベルグ王国の第一王女としてではなく、ただ一人の「恋する女」として、陽奈美に、深く、深く頭を下げた。
「…ありがとうございます。わたくしたちの愛する人を、支えてくださっていて」
「ちょ、ちょっと、何してんのよ! 頭、上げてよ!」
陽奈美が、慌ててセラの手を取る。
その瞬間、二つの世界の間にあった、氷の壁が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていくのが分かった。 彼女たちは、お互いの話を通して、ようやく理解したのだ。
自分たちは、彼の「過去」と「現在」…その両方を知って、初めて、「相川翔太」という一人の人間を、真に理解できるのだと。
「…彼の重荷を、私たちで、分けてあげましょう」
セラフィーナのその一言に、陽奈美は、涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、こくん、と力強く頷(うなず)いた。
「当たり前でしょ…!」
いがみ合っている場合ではない。
全員で彼を支え、愛し、そして、二つの世界を救うのだ。
ここに、セラフィーナを総代(リーダー)、陽奈美を現代方面の代表(サブリーダー)とする、史上最強の「ハーレム同盟」が、正式に結成された。
◇
「…さて、と」 和解(わかい)ムードに包まれ、全員でお茶(ルナリアの怪しいポーションは却下された)を飲んで一息ついた、その時。
「女子会」の本当の議題が、セラフィーナによって、厳(おごそ)かに切り出された。
「同盟も結べたところで、本題に入りますわ」
「え、本題?」 陽奈美が、きょとんとする。
「千階層(せんかいそう)攻略ですわ。我が勇者様を、万全の態勢(たいせい)で最終決戦に臨(のぞ)ませるため…わたくしたち、異世界組の、十年越しの『約束』を、果たさなければなりません」
「『約束』って…あ」
陽奈美の顔が、サッと赤くなる。
そう、あの時の…
「ええ」
セラフィーナも、王女の威厳はどこへやら、頬をリンゴのように真っ赤に染めている。
「わたくしたち四人、魔王を討伐(とうばつ)した暁(あかつき)には、彼と…その…け、結婚し、初夜(しょや)を迎える、と…!」
「「「「((((ゴクリ…)))) 」」」」
異世界組の(ミミ以外の)三人が、顔を赤らめ、緊張したように唾(つば)を飲み込んだ。
「…で、でもさ」
陽奈美が、気まずそうに、もじもじと指を絡(から)ませる。
「翔太の『初めて』って…その…」
「ええ、存じておりますわ」
セラフィーナが、ジトッとした目で陽奈美を睨む。
「…貴女が、その…『フライングゲット』なさったことは」
「うぐっ…! し、仕方ないでしょ、あの時は、あんな雰囲気で…!」
陽奈美が、しどろもどろになる。
「い、いいのです! わたくしたちにとっての『初めて』が、大事なのですから!」
セラフィーナが、開き直ったように叫んだ。
「ですが…!」
しかし、彼女は、そこで急に、しおしお…としぼんでしまう。
「…ですが、わたくし、その…『ちしき』が、ございませんの…。勇者様を、その…『よろこばせる』ための、具体的な…」
「…妾も、エルフの交合(こうごう)は、魔力交歓(まりょくこうかん)が主(おも)じゃったからの。肉体的な作法(さほう)は、書物でしか…」
「じ、自分は、騎士として、団長に『捧(ささ)げる』ことしか考えていなかったであります…! 『悦(よろこ)ばせる』など、おこがましい…!」
「ミミは、いつでもOKだぴょん! 赤ちゃん作るウサ!」
((ミミは黙ってて))
異世界組の、あまりのウブな反応。
それを見て、陽奈美、凛花、麗華、エレオノール…現代組の四人は、顔を見合わせた。
((((うそでしょ…))))
「…はぁ」
陽奈美が、天を仰(あお)いだ。
「あんたたち…そんなんで、あの翔太を満足させられると本気で思ってんの?」
「むっ…! ど、どういう意味ですの!」
「あのね!」
陽奈美が、バン!と再びテーブルを叩く。
「翔太はね! 普段はあんなに優しいけど、ベッドの中じゃ、すごいのよ!?」
「「「「((((ゴクリ…)))) 」」」」
現代組の四人が、あの夜(や、あの日)のことを思い出し、顔を赤らめる。
「そ、そんな翔太を、あんたたちみたいな『素人(しろうと)』に任せたら…」
陽奈美は、決意した。
(こうなったら、あたしが「正妻」として、このハーレム、完璧に仕切ってやる…!)
「…分かりました。その『約束』、あたしたち現代組が、完璧に『プロデュース』してあげます!」
「ぷ、ぷろでゅーす…?」
セラフィーナが、聞き慣れない言葉に、首を傾げる。
「そう!」
陽奈美は、悪戯(いたずら)っぽく、そして、誰よりも頼もしい「正妻」の顔で、ニヤリと笑った。
「十年待ったんでしょ? なら、最高の『初めて』にしなきゃ、嘘(うそ)でしょ?」
「翔太を、骨の髄(ずい)まで蕩(とろ)けさせる、最高の夜を…」
「あたしたちが、一から十まで、全部、仕込んであげる♡」
こうして、二つの世界を救うための「ハーレム同盟」は、その最初の活動として、「異世界組(ウブ)に、現代式の最高のセックスを伝授(でんじゅ)する」という、とんでもない極秘(ごくひ)プロジェクトを開始することになったのだった。
あの日、僕の(物理的な)土下座によって異世界組(ワールド・トラベラーズ)の滞在が許可されてから数日。
僕の日常は、昼は学校で現代組(モダン・ガールズ)の熱い視線に晒(さら)され、夜はゲストハウス(という名の魔窟)で異世界組の過剰な「お世話」にすり潰される、地獄のようなローテーションで回っていた。
(体が…いくつあっても足りない…!)
そして、その元凶である二人の女――僕の「正妻」を自称する鮎川陽奈美と、僕の「花嫁」を自称するセラフィーナ・ルミナス・フォン・アインツベルグは、ある一点において、ついに意見を一致させていた。
「「このままでは、翔太(我が勇者様)が、精神的(物理的)にすり減ってしまう…!」」
その夜。
僕が(明日のダンジョン攻略の準備と、妹たち&義母さんの相手で)疲れ果てて自室で泥のように眠っている頃。
僕に内緒で、学校の、あの忌ま(いま)わしきゲストルームに、全ての「関係者」が召集されていた。
円卓を囲む、総勢八名の美少女たち。
その空気は、八百階層のボス戦直前よりも、よほど殺伐(さつばつ)としていた。
「――さて」
口火を切ったのは、現代組のリーダー、陽奈美だった。
彼女は、あえてセラフィーナの真正面に座り、テーブルに肘(ひじ)をついて、真っ直ぐに彼女を睨(にら)みつけた。
「単刀直入に聞くけど。あなたたち、いつになったら自分たちの世界に帰ってくれるわけ?」
「あら、ごきげんよう」
セラフィーナは、王女の笑みを崩さない。
「随分と排他的(はいたてき)ですこと。
わたくしたちは、愛する勇者様を『お迎え』に上がっただけ。
帰るも何も、わたくしたちの居場所は、勇者様のおそば以外にありえませんわ」
「はっ! 『愛する』ですって? よく言うわ!」
陽奈美が、バン!とテーブルを叩く。
「あんたたちこそ、いきなりしゃしゃり出てきて! 十年間も翔太を苦しめた世界から、どの面(つら)下げて来たわけ!?」
「まあ」 セラフィーナの瞳が、スッと冷たくなる。
「後から来たのは、そちらではございませんこと? わたくしたちは、貴女がその…『翔太さま』と、幼馴染(おさななじみ)ごっこをしていた、遥(はる)か昔から、彼と『約束』を交わしていたのですから」
「『約束』ですって!? そっちこそ、翔太が『魅力』スキルで混乱してるのに乗じて、彼をたぶらかしたんでしょう!」
「たぶらかした、ですって…?」
バチバチッ!と、二人の間に、目に見えない火花が散る。
「フン…下等な争いじゃ。主様は妾(わらわ)の主(ぬし)様じゃ。それ以上でも、それ以下でもないわ」 ルナリアが、つまらなそうに爪を磨きながら呟く。
「ミミは、ご主人様の子どもが産めれば、それでいいウサ! 一番強い子を産むのは、ミミだぴょん!」 ミミが、無邪気に(そして最も本質的な)爆弾を投下する。
「なっ…! こ、子ども!?」
陽奈美とエレオノールの顔が、カッと赤くなった。
「ワタシは、強い男(ひと)の隣に立つのが道理と思うアル。翔太の隣は、一番強いワタシがふさわしいネ!」
麗華が、腕を組んで自信満々に言う。
「団長の隣は、わたくしが守ると決めている! 貴様たちにその場所を譲る気は、毛頭ないであります!」 ブリジットが、ガタッと立ち上がり、剣の柄(つか)に手をかける。
「おやめなさい、ブリジット!」
「麗華さんも、抑えてくださいまし!」
セラとエレオノールが、それぞれの「騎士」を制止する。
「…そもそも、この状況は、論理的に破綻(はたん)していますわ」
それまで黙ってデータを収集していた凛花さんが、伊達(だて)メガネの位置を直しながら、冷静に分析を始めた。
「相川君の魔力、体力、そして…時間(リソース)。その全ては有限です。それを、我々八名で分割(ぶんかつ)しようとすること自体が、愚(ぐ)の骨頂(こっちょう)。最適解(さいてきかい)は、彼にとって最も貢献度(こうけんど)の高いパートナーを一名選出し、残りは身を引くべきかと」
「「「「はぁ!?」」」」
凛花さん以外の全員(ミミを除く)の声が、綺麗にハモった。
「「(((((((それ(一番)は、あたし(わたくし)(妾)(自分)(ワタシ)でしょ!?)))))))」
一触即発(いっしょくそくはつ)。
もはや、話し合いなど不可能。
世界の垣根を越えた「正妻戦争(ハーレム・ウォー)」が、今まさに、物理的な戦闘へと発展しようとした、その時だった。
「――貴女たちは」
凛(りん)とした、しかし、どこか深い悲しみを湛(たた)えたセラフィーナの声が、室内に響き渡った。
「貴女たちは、我が勇者様の、一体『何』を、見ていらっしゃるのかしら」
「…は? 何よ、さっきから…」
陽奈美が、苛立(いらだ)たしげに返す。
「わたくしたちが愛した『勇者様』と、貴女たちが慕(した)『翔太』は、果たして同じお方なのかしら、と申し上げているのです」
その言葉に、陽奈美たちは、キョトン、とした。
セラフィーナは、そっと目を伏せ、十年前の、あの血と硝煙(しょうえん)にまみれた日々を思い出すように、語り始めた。
「…わたくしたちが知る『勇者様』は、いつも、たった一人で、世界の全てを背負っておられました」
「魔王軍、数十万の軍勢を前にしても、彼はわたくしたちに『下がってろ』と、ただ一言告げるだけ。 己の身がどれほど傷つこうと、血を流そうと、決して弱音を吐かず、涙を見せることもなく、ただ、平然と敵を殲滅(せんめつ)なさる」 その声は、震えていた。
「彼は、誰よりも優しかった。けれど、誰よりも、孤独でしたわ。 わたくしたちがどれだけ『おそばにいます』と申し上げても、彼の心は、いつも、わたくしたちの手の届かない、遥か遠い故郷(ふるさと)を見ておられました」
「団長は…」
ブリジットが、唇を噛みしめながら、セラの言葉を引き継ぐ。
「団長は、いつもわたくしたちを庇(かば)い、一番危険な場所に、一番先に立たれる方でした。…わたくしは、聖騎士失格です。彼に、守られてばかりだった…!」
「主様はな…」
ルナリアが、尊大(そんだい)な仮面を外し、ポツリと漏らす。
「あの世界で、唯一、神の理(ことわり)を超えた存在じゃった。最強で、絶対で…そして、誰にも理解されぬ、ただ一人の超越者(ちょうえつしゃ)。…妾は、それが、見ていて、たまらなく…苦しかったのじゃ」
「ご主人様…いつも、『大丈夫だ』って、笑ってたウサ…。ミミが怪我した時も、自分の腕が折れてるのに、ミミのことだけ心配して…笑ってた、ウサ…」
ミミが、思い出したように、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。
異世界組が語る、圧倒的な「英雄」の姿。
孤独な、絶対強者の、悲しいまでの、孤高(ここう)の姿。
ゲストルームは、静まり返っていた。
陽奈美も、エレオノールも、凛花さんも、麗華も、息を呑んで、その「自分たちの知らない相川翔太」の物語に、聞き入っていた。
エレオノールは、ゴクリと喉(のど)を鳴らす。
(それが…わたくしの理想とした、真の『聖騎士』の姿…! 翔太さまは、異世界で、そのような戦いを…!)
凛花さんは、カチリ、とメガネの奥で瞳を鋭くさせる。
(…なるほど。彼のあの規格外の強さ(ステータス)と、時折見せる達観(たっかん)した眼差し…その『原因(ソース)』は、それほどの過酷な体験(トラウマ)だったと…)
麗華は、目を輝かせていた。
(数十万の軍勢…! なんて男アル…! ゾクゾクするネ! ますます、お主の『最強』が欲しくなったヨ、翔太!)
そして、陽奈美は。
陽奈美は、ただ、呆然(ぼうぜん)としていた。
((うそ…))
((そんなの、あたしの知ってる翔太じゃ、ない…))
陽奈美が知っている「翔太」は。
十年ぶりに再会した彼は、確かに大人びていたけれど。
あたしが作ったお弁当を、あんなに幸せそうに食べてくれて。
あたしが「あーん」ってすると、顔を真っ赤にして照れてくれて。
あたしがちょっと無茶すると、本気で心配して叱ってくれて。
そして、あの夜、ダンジョンで、あたしを抱きしめてくれた腕は、すごく強かったけど…すごく、優しくて、温かかった。
孤独な英雄なんかじゃない。 不器用で、優しすぎる、たった一人の「男の子」。
「…ちがう」
陽奈美が、絞り出すように呟いた。
「あんたたちの言ってる翔太は、あたしの知ってる翔太じゃない…!」
「あたしが知ってる翔太は、そんなに強くない!」
「ええ、強いよ! めちゃくちゃ強いけど! でも、そんな、なんでも一人で背負い込むような、そんなの…そんなの、可哀想(かわいそう)すぎるじゃない!」
陽奈美の目から、大粒の涙が溢(あふ)れ出した。
「翔太はね、あたしがいないとダメなの! あたしが、あいつの帰る場所になってあげなきゃって、そう思わせるような…! ほっとけない、ただの、男の子なのよっ!」
「「「「……!」」」」
今度は、異世界組が息を呑む番だった。
セラフィーナの、完璧な王女の仮面が、わずかに揺らぐ。
(((わたくしたちの知らない、『勇者様』…?)))
二つの世界の乙女たちが語る、「相川翔太」の姿。
それは、あまりにも、かけ離れていた。
「……そうか」
沈黙を破ったのは、またしてもセラフィーナだった。
彼女は、陽奈美の涙を、まるで眩(まぶ)しいものでも見るかのように見つめ、そして、ふっと、心の底から優しく微笑んだ。
「…そう、でしたのね。わたくしたちが救えなかった『勇者様』の心を、貴女は…救って差し上げていたのですわね」
「え…?」
「彼が、故郷(ここ)に帰りたがっていた理由が、ようやく分かりましたわ」
セラフィーナは、すっと立ち上がり、陽奈美の前に進み出た。
そして、彼女は、アインツベルグ王国の第一王女としてではなく、ただ一人の「恋する女」として、陽奈美に、深く、深く頭を下げた。
「…ありがとうございます。わたくしたちの愛する人を、支えてくださっていて」
「ちょ、ちょっと、何してんのよ! 頭、上げてよ!」
陽奈美が、慌ててセラの手を取る。
その瞬間、二つの世界の間にあった、氷の壁が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていくのが分かった。 彼女たちは、お互いの話を通して、ようやく理解したのだ。
自分たちは、彼の「過去」と「現在」…その両方を知って、初めて、「相川翔太」という一人の人間を、真に理解できるのだと。
「…彼の重荷を、私たちで、分けてあげましょう」
セラフィーナのその一言に、陽奈美は、涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、こくん、と力強く頷(うなず)いた。
「当たり前でしょ…!」
いがみ合っている場合ではない。
全員で彼を支え、愛し、そして、二つの世界を救うのだ。
ここに、セラフィーナを総代(リーダー)、陽奈美を現代方面の代表(サブリーダー)とする、史上最強の「ハーレム同盟」が、正式に結成された。
◇
「…さて、と」 和解(わかい)ムードに包まれ、全員でお茶(ルナリアの怪しいポーションは却下された)を飲んで一息ついた、その時。
「女子会」の本当の議題が、セラフィーナによって、厳(おごそ)かに切り出された。
「同盟も結べたところで、本題に入りますわ」
「え、本題?」 陽奈美が、きょとんとする。
「千階層(せんかいそう)攻略ですわ。我が勇者様を、万全の態勢(たいせい)で最終決戦に臨(のぞ)ませるため…わたくしたち、異世界組の、十年越しの『約束』を、果たさなければなりません」
「『約束』って…あ」
陽奈美の顔が、サッと赤くなる。
そう、あの時の…
「ええ」
セラフィーナも、王女の威厳はどこへやら、頬をリンゴのように真っ赤に染めている。
「わたくしたち四人、魔王を討伐(とうばつ)した暁(あかつき)には、彼と…その…け、結婚し、初夜(しょや)を迎える、と…!」
「「「「((((ゴクリ…)))) 」」」」
異世界組の(ミミ以外の)三人が、顔を赤らめ、緊張したように唾(つば)を飲み込んだ。
「…で、でもさ」
陽奈美が、気まずそうに、もじもじと指を絡(から)ませる。
「翔太の『初めて』って…その…」
「ええ、存じておりますわ」
セラフィーナが、ジトッとした目で陽奈美を睨む。
「…貴女が、その…『フライングゲット』なさったことは」
「うぐっ…! し、仕方ないでしょ、あの時は、あんな雰囲気で…!」
陽奈美が、しどろもどろになる。
「い、いいのです! わたくしたちにとっての『初めて』が、大事なのですから!」
セラフィーナが、開き直ったように叫んだ。
「ですが…!」
しかし、彼女は、そこで急に、しおしお…としぼんでしまう。
「…ですが、わたくし、その…『ちしき』が、ございませんの…。勇者様を、その…『よろこばせる』ための、具体的な…」
「…妾も、エルフの交合(こうごう)は、魔力交歓(まりょくこうかん)が主(おも)じゃったからの。肉体的な作法(さほう)は、書物でしか…」
「じ、自分は、騎士として、団長に『捧(ささ)げる』ことしか考えていなかったであります…! 『悦(よろこ)ばせる』など、おこがましい…!」
「ミミは、いつでもOKだぴょん! 赤ちゃん作るウサ!」
((ミミは黙ってて))
異世界組の、あまりのウブな反応。
それを見て、陽奈美、凛花、麗華、エレオノール…現代組の四人は、顔を見合わせた。
((((うそでしょ…))))
「…はぁ」
陽奈美が、天を仰(あお)いだ。
「あんたたち…そんなんで、あの翔太を満足させられると本気で思ってんの?」
「むっ…! ど、どういう意味ですの!」
「あのね!」
陽奈美が、バン!と再びテーブルを叩く。
「翔太はね! 普段はあんなに優しいけど、ベッドの中じゃ、すごいのよ!?」
「「「「((((ゴクリ…)))) 」」」」
現代組の四人が、あの夜(や、あの日)のことを思い出し、顔を赤らめる。
「そ、そんな翔太を、あんたたちみたいな『素人(しろうと)』に任せたら…」
陽奈美は、決意した。
(こうなったら、あたしが「正妻」として、このハーレム、完璧に仕切ってやる…!)
「…分かりました。その『約束』、あたしたち現代組が、完璧に『プロデュース』してあげます!」
「ぷ、ぷろでゅーす…?」
セラフィーナが、聞き慣れない言葉に、首を傾げる。
「そう!」
陽奈美は、悪戯(いたずら)っぽく、そして、誰よりも頼もしい「正妻」の顔で、ニヤリと笑った。
「十年待ったんでしょ? なら、最高の『初めて』にしなきゃ、嘘(うそ)でしょ?」
「翔太を、骨の髄(ずい)まで蕩(とろ)けさせる、最高の夜を…」
「あたしたちが、一から十まで、全部、仕込んであげる♡」
こうして、二つの世界を救うための「ハーレム同盟」は、その最初の活動として、「異世界組(ウブ)に、現代式の最高のセックスを伝授(でんじゅ)する」という、とんでもない極秘(ごくひ)プロジェクトを開始することになったのだった。
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