【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

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第九章 十年越しの、聖なる初夜

乙女たちへのオリエンテーション

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あの「ハーレム同盟」結成の夜から数日後。 
僕が(現代組と異世界組の板挟みによる)疲労困憊でダンジョン攻略から帰還し、自室で(今夜は理奈と瑠奈の襲撃だな…)と覚悟を決めていた頃。
 僕の知らない場所で、再び「彼女たち」だけの円卓会議が開かれていた。

「――さて、皆さん。本日は、我がハーレム同盟の最重要課題、『異世界組(ウブ)への閨(ねや)オリエンテーション』を開始します!」

場所は、またしてもあの豪華すぎるゲストルーム。 
仕切り役は、当然、僕の「正妻」こと鮎川陽奈美。 

その隣には、現代組(モダン・ガールズ)の面々が、どこか楽しげに、あるいは真剣な面持ちで座っている。 
そして、向かい合う異世界組(ワールド・トラベラーズ)の四人は… 既に、顔が真っ赤だった。

「け、閨(ねや)オリエンテーション、ですって…!?」 

セラフィーナが、王女の威厳もどこへやら、淑女(しゅくじょ)にあるまじき大声で叫ぶ。 

「な、なんと、はしたない響き…!」

「フン…」

ルナリアが、必死に平静を装って腕を組む。

「妾(わらわ)は書物で知識は完備しておる。下等な人間に教わることなど…」 
「ふーん?」 

陽奈美が、ニヤリと笑ってルナリアを見つめる。 

「じゃあ、ルナリアさん。『キス』の先、どうするか知ってる?」 

「むっ…! そ、それは…その…唇の次は、首筋、そして鎖骨(さこつ)へと…」 
「その先は?」 
「う、胸部…」 
「その先は?」 
「ふ、腹部…そして…その…下腹部…」 
「で、どうするの?」 
「……書物には、『互いの魔力を感じ、高め合う』と…」

「「「「((((ダメだこりゃ)))) 」」」」 

現代組の四人が、盛大にため息をついた。

「魔力感じてる間に、翔太、寝ちゃうわよ!」 

陽奈美が、ビシッとセラたちを指差す。 

「いい!? まず、あんたたちの性知識が、どれだけヤバいか、あたしたちが把握するから!」

そこから始まった、異世界組の「性知識」確認。 
その結果は、現代組の想像を遥かに絶するシロモノだった。

セラフィーナ:「勇者様の『種』を、わたくしの聖なる『器』で受け止め、神聖なる『聖婚(せいこん)の儀』を完了いたします!」
(※キス=契約、セックス=子作り儀式、と思っている) 

ブリジット:「団長の『命令』とあらば、この身、いかなる『試練』にも耐えてみせます!」
(※セックス=主君への奉仕、痛みを伴うもの、と思っている) 

ルナリア:「肉体的な接触は、魔力交歓(まりょくこうかん)のための、前段階(ぜんだんかい)に過ぎぬ」
(※セックス=効率の悪い魔力交換、と思っている) 

ミミ:「ご主人様と、ぎゅーってして、ちゅーってして、そしたら赤ちゃんができるんだぴょん!」
(※キス=妊娠、と思っている)

「「「「(((((深刻すぎる…ッ!!))))) 」」」」 

陽奈美は、頭を抱えた。 

「これ…中学生レベルどころじゃないわよ…。今時の中学生、もっと進んでるわ…!」

「仕方ありませんわね」 

それまで黙っていた凛花さんが、スッと伊達(だて)メガネを押し上げた。 

「データが皆無(かいむ)の状態では、最適解(さいてきかい)は導き出せません。わたくしたちが、基礎(きそ)から『流れ』というものを、インプットしますわ」

そこから、現代組による、必死の「セックス・レクチャー」が始まった。

「いい!? まずね!」と陽奈美が教壇(きょうだん)(テーブル)を叩く。

「いきなり『挿(い)れる』なんて、ダメ! 絶対! そこに至るまでの『流れ』…『ムード』が一番大事なの!」 

「む、むーど…?」 

「そう!」

今度はエレオノールが、頬を染めながらも、騎士の教官のように厳しく説く。

「まずは、雰囲気(ふんいき)ですわ! 部屋を少し暗くしたり、優しい言葉をかけあったり…そして、焦(じ)らして、焦らして…」 
「じ、焦らす…!?」 

セラフィーナの顔から、カッと火が噴(ふ)きそうだ。

「そうアル!」

麗華が、ニカッと笑う。

「スパーリングと一緒ネ! いきなり奥義(おうぎ)は出さないアル! じわじわと、相手の『弱いトコ』を攻めるネ!」 
「よ、弱いトコ…!?」 

ブリジットが、ゴクリと唾(つば)を飲む。

「そして…」 

陽奈美が、くい、と自分の首筋を指差した。 

「キスも、唇だけじゃないの。耳とか、首とか…あと、ここ」 

彼女の指が、鎖骨(さこつ)へ、そして胸の谷間(たにま)へと、ゆっくり降りていく。 
異世界組の四人が、その指先を、まるで神託(しんたく)でも見るかのように見つめている。

「そ、そそそ、そんな場所まで…っ!」 

セラフィーナが、もじもじと自らの豊かな胸元を押さえる。 

「は、はしたない…!」 
「はしたなくない!」 

陽奈美が、一喝(いっかつ)する。 

「翔太はね、そういうのが…ううん、男の子はみんな、そういう『流れ』が、大好きなんだから!」

「そして、いよいよ、ってなっても、すぐに『おちんちん』を受け入れちゃダメ」 
「「「「お、おちんちん!?」」」」 

(ミミ以外が)異世界組の顔が、爆発しそうなくらい真っ赤になる。 

「ま、まあ、その…『勇者様の剣(つるぎ)』?
(ルナリア談) 

『団長の槍(やり)』?
(ブリジット談) 

『ご主人様のニンジン』
(ミミ談)

陽奈美も、さすがに恥ずかしくなってきたのか、顔が赤い。

「そ、その…『そこ』に触れる前に、お互いの『そこ』を、指とか…舌とかで…」 

「「「「((((舌(した)ぁあああ!?)))) 」」」」 

セラフィーナとルナリアとブリジットが、あまりの衝撃に、完全にフリーズした。 

「あ、ああ、あの、神聖なる『器』を、舌で…!?」 
「書物には、そのような記述(きじゅつ)は、一切…!」 
「じ、自分の『そこ』を、団長に…!? あ、いや、団長の『そこ』を、自分が…!?」 

三人が、完全にキャパオーバーを起こしている。

「…はぁ」 

陽奈美は、もう一度、深いため息をついた。 

「もう、いい! 理屈(りくつ)はいいから、これだけ覚えて!」

彼女は、真剣な顔で、ウブな乙女たちを見つめた。 

「最後は、素直(すなお)に、甘えちゃえばいいのよ」 
「あまえる…?」

「そう。翔太は、優しいから。絶対に、あんたたちが嫌がることはしない」 

陽奈美の瞳が、ふっと、愛(いと)しさに細められる。 

「だから、もし、翔太がしてくれることで、気持ちよかったら…ちゃんと、言葉にして伝えてあげて?」 「『そこ、気持ちいい…♡』とか、『もっと、欲しい…♡』とか」 
「そしたらね…」

陽奈美は、とろけるような、悪戯(いたずら)っぽい笑みを浮かべた。

「翔太は、すごいから♡」

その一言が、異世界組の乙女たちの、貧弱(ひんじゃく)な想像力を、限界まで膨(ふくら)ませた。 ((((翔太(勇者様)(主様)(団長)が…すごい…♡)))) 

四人(ミミは「赤ちゃんいっぱいだウサ!」と喜んでる)は、まだ見ぬ快感(かいかん)への妄想(もうそう)で、顔を真っ赤にして、ふわふわと、完全に使い物にならなくなっていた。



「――セラフィーナさん」 

オリエンテーション(という名の拷問(ごうもん))が終わり、ゲストハウスに戻ったセラフィーナに、陽奈美が声をかけた。

「ひゃ、ひゃい!? な、なんですの!?」 

さっきまでの王女の威厳はゼロ。
すっかり「教え子」の顔になったセラが、びくんと肩を揺らす。

「早速(さっそく)だけど、今夜、いきなさい」 

「え」

「えええええええええええええええっ!?」 

セラフィーナの素っ頓狂(すっとんきょう)な声が、廊下(ろうか)に響き渡った。 

「こ、こ、今夜(こんや)!? い、いきなり!? で、ですが、わたくし、心の準備が…! そ、それに、勇者様のご都合も…!」

「大丈夫。翔太には、あたしから言っとくから」 

陽奈美は、ニヤリと笑う。 

「どうしたの? 十年待ったんでしょ?」 

彼女は、急にしおらしくなった王女様の耳元で、悪魔のように囁(ささや)いた。

「…『しない』の?」

「…………っ!」 

セラフィーナは、カッと顔を赤らめ、ぷるぷると震えた。 
そして、腹を括(くく)った聖女の顔で、陽奈美をキッと睨み上げた。

「……し、」

「しますッ!!!」

「はい、わかりました…!」 

彼女は、スカートの裾(すそ)をぎゅっと握りしめ、深呼吸を一つ。

「が、がんばりますわ…!」



その夜。 
僕は、自室で(今日は誰の番だっけ…)と、恐怖のローテーションに備えていた。 

コンコン、と控えめなノック。 

「(…来たか! 今日は誰だ!?)」 

身構(みがま)える僕の前に現れたのは、意外にも、陽奈美だった。 しかも、一人で。

「陽奈美? どうしたの、今日は確か、エレオノールの番じゃ…」 
「…ちょっと、変更」 

陽奈美は、部屋に入ってくると、僕の前に、まっすぐに立った。 
その顔は、いつもの太陽みたいな笑顔じゃなく、どこか、泣き出すのを必死にこらえているような、そんな顔だった。

「翔太」 
「…うん」 
「…今夜は、セラフィーナさんのところへ、行ってあげて」

「え?」 

僕は、何を言われたのか、一瞬、理解できなかった。 

「な、なんで…? 陽奈美、あんなにセラたちのこと…」

「…うるさいな」 

陽奈美の瞳から、ついに、堪(こら)えていた涙が、一粒、ぽろり、とこぼれ落ちた。 

「あたしだって、嫌(いや)に決まってるでしょ…!」 彼女の声が、震える。

「翔太は、あたしだけの翔太でいてほしい…! 他の誰にも、触(ふ)れさせたくない…! 今だって、こんなこと言うの、胸が張り裂(さ)けそうなくらい、痛くて、苦しいんだから…!」 

わっ、と、彼女は子供みたいに泣き出した。 

「…でも」

陽奈美は、ぐしぐしと涙を拭(ぬぐ)うと、僕の胸を、ドン、と押した。 

「…でも、あたし、翔太に、十年越しの『約束』 を破(やぶ)らせるような、そんな、ケチな女には、なりたくないの…!」 

「陽奈美…」

「十年だよ!? あたしが翔太に会えなかった十年、あの子たちは、あんたのことだけを信じて、待ってたんでしょ…!? そんなの、あたしが勝てるわけ、ないじゃん…」 
「だから、行きなさいよ、バカ翔太!」

彼女は、僕の背中を、小さな両手で、思いっきり押した。 

「…その代わり」 陽奈美は、最後に、僕の服の裾を、ぎゅっと掴んで、上目遣(うわめづか)いで、こう言った。

「ちゃんと、…『大切』に、してあげるのよ」

彼女の優しさと、覚悟と、そして、どうしようもないほどの深い愛情に、僕は胸を打たれた。 

(…敵(かな)わないな、陽奈美には) これが、僕の「正妻」の器(うつわ)か。

僕は、彼女の頭を、一度だけ、強く、優しく撫でた。 

「…うん。ありがとう、陽奈美」

彼女に背を向け、部屋を出る。 背後で、陽奈美が、声を殺して泣き崩れる音が、小さく聞こえた。 
その音を胸に刻みつけ、僕は、異世界組が待つゲストハウスへと、真っ直ぐに向かった。

セラフィーナの部屋の、扉の前。
ごくり、と、自分の喉(のど)が鳴るのが分かった。 
十年越しの、約束の夜が、今、始まろうとしていた。
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