【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

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第九章 十年越しの、聖なる初夜

聖女との聖なる初夜

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わたくしの覚悟はとうに決まっておりました。 
ううん。 
もうずっと前から。 

我が勇者様と共に魔王を討伐したあの時から、いえ、彼と出会ったその時から、決めていたのかもしれません。

聖女として、勇者様と結ばれる「聖なる行為」。 
それはわたくしにとって、恐れるものではなく、ただひたすらに誇らしく、待ち望んだものでした。 
神聖なる「聖婚の儀」。 

わたくしのすべてを勇者様に捧げ、彼の子を宿すこと。 
それこそが、わたくしの使命であり、最大の歓びだと信じておりましたから。

…ええ、昨日までは、そう信じておりましたのに。

あの方…陽奈美さんとおっしゃいましたか。 
彼女の、あまりにも生々しい『閨オリエンテーション』を受けるまでは。

『ムードが大事』? 
『キスは唇だけじゃない』? 
『指や、舌で、お互いの“そこ”を…』?

きゃあああああっ! 
思い出すだけで、顔から火が噴きそうですわ! 

あの講義以来、わたくしの心臓は、期待とは違う、もっと、こう…不純で、熱っぽい高鳴りを止められないのです。 
身体の奥が、なんだかソワソワして、熱い。

陽奈美さんたち現代組が言うには、わたくしたち異世界組の知識は「中学生レベル」だとか。 
わたくし、王族としての教育は完璧だったはずなのに…!

でも、もう、待ちきれない。 
あの、陽奈美さんが語った『すごい翔太♡』 を… わたくしも、知りたい。

湯浴みを終え、わたくしは鏡の前に立ちます。 
身に纏うのは、薄いシルクのネグリジェ。

そう。 
十年前、魔王を討伐し、わたくしたちの『初めて』が、無慈悲にも果たされなかった…あの夜と、同じ姿。

今夜こそ。 
今夜こそ、我が勇者様と…。

鏡に映るわたくしの顔は、聖女のものではなく、ただの「女」の顔で、真っ赤に染まっておりました。

ーーーーー

コンコン

控えめなノックの音が、わたくしの心臓を直接叩いたかのように、身体を震わせました。

「…!」 

来た。 
来てくださった…! 

わたくしは、陽奈美さんたちに教わった『ムード』など、もうすっかり頭から抜け落ちて、転がるようにドアへと駆け寄りました。

待ちきれずに、震える手でドアを開けると… そこには、少し緊張した面持ちの、わたくしの…わたくしだけの、勇者様が。

「セラ…」 
「翔太さま…!」 

もう、ダメでした。 
感極まって、わたくしは彼の胸に飛び込んでいました。
強く、強く抱きつきます。 

ああ、懐かしい匂い。 
これですわ。
わたくしが十年間、焦がれ続けた、彼の匂い。

「ごめんな、セラ…」 

翔太さまの太い腕が、わたくしの背中に回り、ぎゅっと、優しく、でも力強く抱きしめ返してくれます。 

「本当に、ごめん…十年も、待たせて…」 
「いいえ…いいえ…!」 

わたくしは、彼の胸に顔を埋めたまま、首を横に振ります。 

「来てくださった…それだけで、わたくしは…!」

彼が、そっと、わたくしの身体を離し、わたくしの頬に手を添えます。 
真っ直ぐな、あの頃と変わらない、優しい黒い瞳。 

「セラフィーナ」

 彼が、わたくしの名前を呼びます。 

「俺は、君に、酷いことをした。約束を、破った」 
「そん…!」 
「でも、俺は、君たちと過ごした十年間を、一度だって忘れたことはない。ずっと、君に…みんなに、会いたかった」 
「翔太さま…」

「今夜は、君だけのものだ。いや、これからは、ずっと…君を、大切にする。誓うよ」 
「…っ!」 

もう、言葉は、いりませんでしたわ。

彼の顔が、ゆっくりと近づいてくる。 
わたくしは、そっと、目を閉じました。 唇に、柔らかく、温かい感触が、触れる。 
ちゅ…と、最初は優しく。 
そして、少し角度を変えて、わたくしの唇を、確かめるように、深く…。

ああ…。 
これは、ただの口づけでは、ありません。 
わたくしたちが失った十年を取り戻す、魂の契約。

その温かさに、わたくしの脳裏に、彼と過ごした冒険の日々が、鮮やかに蘇ってまいりました。

ーーーーー

まだ、わたくしが彼を「召喚された勇者様」としか見ていなかった、冒険の初めの頃。 
ゴブリンの不意打ちに、わたくしが足をもたつかせ、彼の上に転んでしまって… 偶然、唇と唇が、ふに、と触れ合ってしまった時のこと。 
あの時の、二人して真っ赤になった、気まずい沈黙。

森の奥深くでの野営。 
わたくしがこっそり湖で水浴びをしていたら、水を汲みに来た彼と鉢合わせになってしまって… 
わたくしの、聖女としてあるまじき裸の姿を、全部、見られてしまった時のこと。 

あの時、彼は慌てて背中を向け「な、何も見ていない!」と叫んでおりましたが、耳まで真っ赤になっていたのを、わたくしは知っておりますのよ。 
あの瞬間から、わたくしは、彼を「勇者様」としてではなく、一人の「男」として、意識し始めていたのかもしれません。

そして、あの、魔将軍との死闘。 
わたくしを守るために、翔太さまは傷だらけになりながら、鬼神の如く戦ってくださいました。 

その夜、高熱を出した彼を、わたくしが寝ずの看病をしていた時のこと。 
寒さを訴える彼を、わたくしは、仕方なく…本当に、仕方なく、同じ寝袋に入って、肌で温めて差し上げました。 

彼はうわ言で「…あったかい…」と呟いて、わたくしの身体を、ぎゅっと抱きしめて… その大きな手が、わたくしの胸に、無意識に、触れて… わ、わたくしの、聖女の胸を、むにゅ…と、揉んで…っ! 

「ひゃぅっ…!」 

彼は、そのまま、朝までわたくしを抱きしめ続けて眠っていたのですけれど… わたくしは、一睡も、できませんでした…っ!

「ん…」 

思い出して、身体が熱くなってしまったわたくしを、彼は、さらに深く、強く抱きしめてくださる。 
ああ、彼の逞しい身体。 

ネグリジェ越しに感じる、無数の薄い傷跡。 
そのすべてが、彼が戦い抜いた証であり、わたくしが愛した、十年の軌跡。 
そのすべてが、愛おしい。 
愛おしくて、たまらないのですわ…♡
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