【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

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第十章 ハーレム同盟、初陣!

900階層の合同訓練

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セラフィーナ、ルナリア、ブリジット、ミミ… 異世界組の四人との十年越しの「初めて」の夜が嵐のように過ぎ去った。 
俺の身体は、正直、EX級のステータスをもってしても、少し、いや、かなり疲労困憊気味だったが… 

それ以上に、俺の心は、不思議なほどの達成感と決意に満ちていた。 
四人の、あの蕩けきった幸せそうな顔。 
十年待たせた「約束」をようやく果たせたのだ。

そして、あの日、俺の部屋で結成された「ハーレム同盟」がついに本格的に始動することになった。 
陽奈美とセラフィーナという、二人の「正妻(自称)」が仕切る、奇妙な、しかし恐ろしく強力な共同戦線。 

彼女たちの、当面の、そして唯一の共通目標は… 「「翔太(勇者様)を、二つの世界を救う、真の英雄(王様)にする!」」 …ということらしい。 

(俺の意思はどこに…)

まあ、いい。 
目的は定まった。 
千階層のボスを倒し、二つの世界を繋ぐポータルを制御下に置く。 
そして、異世界を蝕む時空の歪みの原因を叩き潰す。

「というわけで、まずは連携強化よ!」 
「ええ、その通りですわ!」

 仕切り役の陽奈美とセラの鶴の一声で、俺たち九人(俺+八人の嫁)は、早速ダンジョンへと繰り出すことになった。 
目指すは前人未到の九百階層。 

これまでの七百階層、八百階層のボスは、俺や陽奈美たちのパーティーでギリギリ倒せる相手だった。 だが、この九人(ハーレム同盟)が揃った今、もはや敵ではないはずだ。

「フン…」 

九百階層、炎が吹き荒れる灼熱の火山地帯に降り立った瞬間、ルナリアが、現代組の装備を見て鼻を鳴らした。 

「なんとも、貧相な装備じゃな。そんな薄っぺらい『防弾チョッキ』のようなもので、魔物の爪が防げると思っておるのか?」 

ルナリアが指差したのは、凛花が着ている最新鋭の魔導繊維で編まれた賢者用のローブだった。

凛花は、カチリ、と伊達メガネを押し上げる。 

「…これは、あなたの言うような『原始的な』ものではありませんわ。魔力伝導率を最適化し物理衝撃を95%カットする、科学の結晶です」 
「か、科学…? あの、レンジを爆発させた、あれか? フン、笑わせるわ」 
「あら。あなたのその、肌の露出が多い『コスプレ』のような服よりは、よほど効率的かと」 
「な、なんじゃと! これは森の精霊の加護を受けた、ハイエルフの『正装』じゃ!」

バチバチッ! 早くも、賢者組(インテリ)が火花を散らしている。 

(やれやれ…前途多難だ)

「エレオノール殿!」 
「なんですの、ブリジットさん」 

今度は聖騎士組(ナイト)だ。 
ブリジットが、エレオノールの白銀に輝く流麗なデザインの鎧を見て、むぅ、と眉を寄せた。 

「その鎧、確かに美しい。だが、あまりにも装飾が過ぎるのではないか? 実戦において、その肩の『羽飾り』は邪魔になるだけであります!」 
「まあ! 失礼ですわね! これは、わたくしの『ヴァロワ家』に伝わる、誇り高き聖騎士の装束! あなたの、その鉄塊(てっかい)のように、無骨なだけの鎧とは美意識が違いますの!」 

「む! わたくしの鎧は、王国騎士団最強の証! 実用性を極めた究極の『守り』であります!」 
「美しくない守りなど、守りとは言えませんわ!」

バチバチバチッ! こっちも一触即発だ。 
陽奈美とセラは、そんな二組をはぁ…とため息をつきながら見ている。 

「…翔太(勇者様)」 
「「連携、大丈夫かしら(ですわね)…?」」 

(お前ら二人が、一番バチバチしてるんだけどな)

俺は、その言葉を、ぐっと、飲み込んだ。

「グオオオオオッ!」 

そこへ九百階層の洗礼。 
溶岩の中から、炎を纏った『ヘルハウンド』の群れが十数体現れた。 

「来たわね!」 
「おしゃべりは、そこまでですわ!」

 瞬時に、八人が戦闘態勢に入る。 俺は一歩下がって彼女たちの連携を見ることにした。

「陽奈美! お主の『支援』とやら、見せてもらおうか!」 
「ルナリアさんこそ、口だけじゃなきゃいいけどね! 【オール・ブースト】!」 

陽奈美の、詠唱破棄の支援魔法が全員に飛ぶ。 
その瞬間、異世界組の四人が目を見開いた。 

「なっ…!?」 
「この、魔力の流れ…!?」 
「力がみなぎる…! しかも、わたくしたちの魔力特性に合わせて最適化されて…!?」 
「ご主人様! ミミ、足がすっごく早くなったぴょん!」

「フン…」 

ルナリアが悔しそうに鼻を鳴らす。 

「…やるではないか、人間。だが、魔法の『格』というもの教えてやろう! 【ボルテックス・ブリザード】!」 

ルナリアが指を鳴らした、次の瞬間。 
灼熱(しゃくねつ)の火山地帯に、局地的な絶対零度の吹雪が巻き起こりヘルハウンドの半数が、一瞬で氷漬けになった。 

「「「「((((((すご…)))))) 」」」」 

今度は、現代組が息を呑む番だった。 
陽奈美の支援魔法が高度な『バフ』だとしたら、ルナリアの魔法は理不尽なまでの『破壊力』だ。

「残りは、わたくしたちで!」 
「いくぞ、エレオノール殿!」 

ブリジットとエレオノールが、氷を逃れた残りのヘルハウンドに同時に突っ込む。 

「【アイアン・ウォール】!」 
「【セイクレッド・パリー】!」 

ブリジットが、真正面からヘルハウンドの炎の牙を大盾で受け止める! 
ガンッ!と、一歩も引かない鋼の守り。 

「(((硬い…!)))」 

それとほぼ同時に、エレオノールは別の個体の爪による攻撃を流麗な剣さばきで受け流した! 
キィン!と、火花が散りヘルハウンドが体勢を崩す。 

「(((上手い…!)))」

「「はぁっ!」」 

二人の聖騎士は、互いの「獲物」を同時に切り捨てた。 
そして、互いに、ちらり、と、視線を交わす。 

「…フン。力任せの脳筋剣術でありますな!」 
「そちらこそ! 避けるという思考がないようですわね!」 

バチバチッ! …まだ認めてないらしい。

「あーもう! 二人とも、邪魔アル!」 

そこに、麗華が飛び込んできた。 

「そんなデカい獲物、二人でちまちまやってないで、こっち手伝えアル!」 

麗華は、ヘルハウンドの群れに単身突っ込むと、炎のブレスを身をかがめて避け、そのまま空中で回し蹴りを放つ! 

「奥義! 【炎龍脚(えんりゅうきゃく)】!」 

炎の魔物相手に炎の技! ヘルハウンドが仲間(?)の炎に包まれて怯む。 

「な、なんと、無謀な…!」

(ブリジット談) 

「科学的(?)に非効率な…!」

(凛花談)

「ご主人様! 宝箱の気配発見だぴょん!」 

その、戦闘のど真ん中を、ミミが影のようにすり抜けていく。 

「あ、こら、ミミ! 戦闘中だぞ!」 
「宝は、早い者勝ちだぴょん! 【アンロック】!」 

ミミは戦闘そっちのけで、遠くの壁際にある、罠だらけの宝箱を一瞬で開けてしまった。 

「…あ」 
「「「「((((((マイペースすぎる…)))))) 」」」」 

全員の心が一つになった。

「…まったく。前途多難ですわね」 
「同感だ、陽奈美」 

セラと陽奈美が、額(ひたい)に手を当てている。 

「ですが、行きますわよ!」 
「ええ!」 二人のリーダーが顔を見合わせ頷く。 

「【ホーリー・レイン】!」 
「【ワイド・ヒール】!」 

二人の広範囲(こうはんい)回復魔法が全員のかすり傷を、瞬時に癒していく。 

「((((お、おお…)))) 」 

今度は、残りの六人が感心する番だった。 

「セラの魔法、相変わらずえげつない回復量だな…」 
「陽奈美さんの、回復(ヒール)…? なんだか魔力だけじゃなくて、やる気まで回復してくる…!」

俺は、その後ろで、ただ苦笑いしていた。 

((((((すげえ、バラバラ…)))))) 
((((((でも、個々の能力、高すぎだろ…))))))

この九百階層の道中は、そんな感じで進んでいった。 
凛花とルナリアが、古代の魔法陣をお互いの知識(科学と魔法)でマウントを取り合いながら解読し。 エレオノールとブリジットが、「わたくしの方が、団長(翔太さま)のお役に立てます!」と、競い合うように敵をなぎ倒し。 

麗華とミミが、「そっちの敵、ワタシの獲物アル!」「早い者勝ちだぴょん!」と、獲物(と宝箱)の取り合いを繰り広げ。 
陽奈美とセラが、そのめちゃくちゃな六人を聖母(せいぼ)のような、あるいは鬼のような(?)顔で回復させ、支援し、叱咤(しった)する。

そして、ついに九百階層のボス部屋に、到達した。 
そこには、『インフェルノ・ゴーレム』が待ち構えていた。 

「…ルナ、凛花。分析は?」 

俺が、初めて口を開く。 

「フン。見たまんまじゃ。超高温の魔力炉心(まりょくろしん)で動く、ただの鉄くずじゃな」 
「同感ですわ。冷却(れいきゃく)さえすればただの置物。問題はどうやってあの常時展開されている灼熱(しゃくねつ)のバリアを突破するか…」 

二人の賢者が同時に結論を出す。

「「わたくし(自分)が、やります(であります)!」」 

二人の聖騎士が同時に名乗りを上げる。 

「麗華! ミミ!」 
「「任せろ(ぴょん)!」」 

二人のアタッカーが目を輝かせる。

「陽奈美、セラ」 
「「ええ(うん)!」」 

二人のリーダーが頷く。

「…いいか」 

俺は、八人の最強の花嫁たちを見渡した。 

「ブリジット、エレオノール。お前たちが同時に、最大防御で突っ込め。バリアに一瞬だけ穴を開けろ」 「「御意(承知)!」」 

「ルナ、凛花。その穴に、お前たちの最大の氷結魔法を叩き込め。タイミングは、合わせろよ」 
「「フン、誰に言っておる(のですか)」」 

「麗華、ミミ。冷却で動きが止まったその瞬間。ゴーレムの両足の関節(かんせつ)を破壊しろ」 「「任せろ(ぴょん)!」」 

「陽奈美、セラ。全員に最大出力の支援(バフ)と守護(しゅご)を。一瞬でも切らすな」 
「「「「翔太(勇者様)!?」」」」

俺の、完璧な指示。 八人の最強の連携。

「「「「「「「「はぁぁぁぁぁぁっっ!!!」」」」」」」」

ブリジットとエレオノールの、二つの聖なる盾が、灼熱のバリアに激突する! 

「ぐ、うううううっ!」 
「負けません、わ!」 

バリアに一瞬亀裂(きれつ)が走る。 

「「今じゃ(ですわ)!」」 

ルナリアと凛花の、最大級の氷結魔法がその亀裂に吸い込まれる! 
ジュウウウウウウウウウッ! 

ゴーレムが白い蒸気(じょうき)に包まれる! 

「「そこアル(だぴょん)!」」 麗華とミミが、蒸気(じょうき)の中から、まだ動けないゴーレムの両足に致命的な一撃を叩き込む! 

ガシャンッ! 
巨体がバランスを崩す。 

「「「「((((((とどめは!)))))) 」」」」

全員の視線が、俺に集まる。 
俺は、仕方ないな、という顔で、剣(てか、もう素手)を構えた。 

「…ああ、分かったよ」

俺は、一瞬でゴーレムの、懐(ふところ)に飛び込むと、 その魔力炉心(まりょくろしん)に静かに手刀(しゅとう)を突き刺した。

ピシ… 九百階層のボスは、一撃で、内側から崩壊(ほうかい)し塵(ちり)となった。

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

静寂。 
八人の花嫁たちが、呆然(ぼうぜん)と俺を見ていた。 

「…よ、よし。九百階層クリア」 

俺がそう言うと、 「「「「「「「「翔太(勇者様)が、ぜんぶ、持っていったぁあああああ!」」」」」」」」 と、俺は八人の愛の抗議(こうぎ)に包まれることになった。 
まあ、いい。 
千階層は、もうすぐそこだ。
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