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1 異世界with妖刀
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「それでは私達の退職を祝って!カンパーイ!」
周りがちょっと振り向いて来るのはさておき、俺を含みテーブルを囲む4人の顔は夜の東京に負けないくらい明るい。
「いやあ~今回の功労者は間違いなく三田ちゃんですわ。あのおびただしい数のボイレコと映像のデータ!俺も少しは撮ってはいたけど天と地ほどの差を見せつけてきましたわ」
「ふふふ、私の執念を舐めて貰っちゃ困りますよ、あのセクハラ上司の他、本社の上層部にも爆弾を落として華麗に退社してやると決めてましたから」
三田さん……なんて悪い顔をしてるんだ。
「それに狩野先輩こそ凄かったじゃないですか~このまま行けば今の顧客のほとんどが先輩が新しく作る会社に流れますよ~」
「このまま俺たちが辞めてはい、終わり~はなんかな、ふはは、みとけよ、あのズラ!」
高笑いする狩野とにこにこな三田さん、この2人結構気が合うんじゃ……と、あまりに2人の圧が強すぎで後輩の村上くんと俺はガクブルだ。
「怜さん……」 「村上くん……」
「あっそこ!なーに2人で同盟組んでやがる!」
「そうですよ~!2人して固まらないでください」
顔を見合わせる俺と村上くん、だって、ねえ?
「そ、そういえば怜さん、今日は本当に大丈夫だったんですか?」
「ああ、もう四十九日も終わったし、とりあえず一息ってところだから。まだ整理とかまったく出来てなくてそのまんまなんだけどな、もう少しだけこのままにしておきたくて」
まだばぁちゃんが亡くなった実感がわかず、思い出の家は片付けられないままだ。
「悪いな、ほぼ任せちゃったのに、呼んでくれてありがとう」
「いつも俺らの方が頼ること多かったろ?こんくらいなんでもないって、それに今回の件で辞める決心もついたしな」
「そうですよ!たった1人の家族が亡くなったって言うのに、休ませて貰えないどころかあんな風に……」
「ほとほと愛想もつきましたよ……!」
本当にいい仲間に巡り会えたものだ。飲みすぎた狩野をタクシーに押し込み、後輩2人と別れて家に帰ったあともしみじみとそう思う。
風呂上がり、ばあちゃんと暮らしていた頃のように浴衣に着替え、縁側で夏の足音を感じる風に吹かれながら懐かしさに浸っているとどこからか小さな祭囃子が聞こえてきた。
この季節に祭りの予定なんてあったか?今年から開催されることになったのだろうか。
……行ってみるか。確かここに……あった、可愛らしい巾着だ。俺が持つのには可愛すぎるだろうか……まぁ皆祭りに夢中で気にしないだろう。
小銭とハンカチが入ったそれは、いつもお祭りの時ばぁちゃんが持ってたものだ。
「行ってきます」
写真の前で挨拶をして家を出た。
からん、かちゃん、下駄の音がうっすらと聞こえる祭囃子に合いの手を打つ。
神社へと続く長めの階段の脇にやけに明るく橙に輝く提灯がところせましと並んでいて、お祭りの気配に心が浮き立った。
ずんずんと階段を登ると一気にお祭りの喧騒と明かりが押し寄せる。見上げても横を向いてもオレンジ色のあかりに照らされ、夜の方が隙間から除くほど明るかった。
光に吸い寄せられるように色々なお店をくるくると見てまわってはしゃいでいたのだが、やけに視線を感じる。
そしてふと行き交う人皆お面をしていることに気づいた。
おかめ、鬼、かっぱ…?とにかく様々なお面をつけていて、あれ、もしかしてこのお祭りって仮面舞踏会的なやつなのか?お面必須装備?視線を感じたのはそういう事か。
なんてことだ、マナー違反してたのか。どうしよう……目立ってしまっているみたいだ。きょろりと辺りを見渡すと【なんでも屋】と書かれた看板を掲げた黒い天幕のようなお店があった。ちょうど占いのお店みたいな感じだ。
とりあえずあそこに入ろう…!お面もあるかもしれないしな。隠れるように布でできた入口に身を滑り込ませた。外の喧騒がすっと遠ざかり、やけに静かになる。
店内は思っていたより広く、布の壁にはおびただしい数の小物がぶら下がり、棚には刀や壺、異国風の仮面、用途不明のガラクタが所狭しと並んでいてなかなか見応えがある。
「いらっしゃい、お客さん」
背後から急に声をかけられ肩が跳ねる。全く気配を感じなかった…
カウンターの奥に座っていたのは、どこか年齢不詳な雰囲気を持つ店主だった。長い白髪が黒い衣に映え、目元は見えない。薄い笑みを浮かべた口元が印象的で、袖から覗く指は細く白くまるで陶器のようだった。
「お面をお探しかな?」
「あ、ええと……そう、なんですよ。外のお祭り、お面必須なんですか?」
「ふふ、それに気づくとは、なかなか鋭いねぇ」
店主はどこか楽しそうに微笑むと、カウンターの下をごそごそと漁り、ことり、と音を立てて鬼の面を置いた。
「君にはこれが似合いそうだ。……お代はいいから、ついでに占いなんてどうだい?」
「占い?」
「うんうん、せっかくの縁だしね。お代はいいよ。こういうのは、ちょっとしたお遊びだからね」
「じゃあ、せっかくだしお願いします。仕事運とか占えますか?」
「よしよし、恋愛運ね~それじゃあ……君の運命の人は――ふんふん、なるほど」
店主は何やらひとりで頷きながら、占いの結果を見ているらしい。俺仕事運って言ったよな……
「あの、仕事運を……」
「おや、そうだったかな?」
「まあいいです。で、どうでした?」
「気になるのかい?」
「そりゃまあ……気にはなりますよ、一応」
占い結果なんて当たるとも限らないが、何を言われるのかくらいは気になる。
「ふふ、そうだねぇ……じゃあ、そんな君のラッキーアイテムはこちらでーす!」
どんっと、目の前に置かれたのは一振りの刀だった。
「……え?」
「貴方のこれからは前途多難!この刀で運命を切り開いていくのをおすすめするよ。ふふ、綺麗にすっぱり切れるからねぇ」
「物理的に?!」
「ほら、ちょっと握って見てごらんよ」
「ああ、はい……」
結果聞いてないんだが……
月のない夜のように黒い艶やかな鞘に収まったそれを握った途端、ぞわっと全身が震えるような感じがし、そして不思議と手に馴染んだ。
「ふうん……やっぱりねえ」
「なんですかさっきから、はっきりお願いします」
「いや、私の見立てが間違ってなかったようで安心したのさ。そうそう、お代は500円ね、日本円でいいよ」
「いやいや、まだ買うなんて言ってな…500円!?やっす!ワンコインやっす!怪しい!」
「怪しくなんてないさ、ほら、私を信じて?」
「いやどこからどう見ても怪しいですよね!」
「絶対役に立つから、ね?今がお買い得だよ。」
これは買うまで帰してくれないルートだ…仕方ない、潔く小銭入れから500円玉を渡した。
店主がほくほくと受け取り、うっとりとした表情で500円玉を眺める。
「これこれ~やっぱり人間の作る硬貨は造形がいいんだ。特に500円が大きめでいいねぇ」
硬貨のコレクターさんなのか?刀を背負うための紐もおまけしてもらった。
「そうそう、ラッキースポットは海ね。もうすぐ日付が変わってしまうから、今日のうちに急いでいくのといい」
「海……?」
刀まで買っちゃったし、ここまで来たら行ってみるか。
挨拶もそこそこに、しっかりとお面を被って橙のあかりに照らされた外にでる。
「まいど~そうだ、風には気をつけてねぇ、ふふ…」
背後からの笑い声がすぅ…っと小さくなっていく。
「風…?それは占い的な感じで?」
意味深なことを言われ振り返ると、たった今出てきたはずの店がまるまる、綺麗っさっぱりと消え失せていた。
「なっ…」
お祭りの空気に当てられて変な夢でも見てたのか…?いや、刀もお面もちゃんと持っている……狐につままれたような気分だ。この刀、ただの棒切れに化けたりしないよな…
これ以上お祭りに参加する気にもなれず静かな場所を求めて、結局俺は海近くの崖に来ていた。
暗闇の向こうには、ぼんやりと光る海面が広がっている。
ざぁ……っと一際強い潮風が吹いた。
「いって……!」
何かが目に入り、反射的に目をこすろうとして足がもつれた。
風に煽られ、体がぐらりと傾く。一瞬の浮遊感の後、視界がぐるんと回り、重力に引っ張られる感覚。
━━あ、落ちる。
水面が迫る。
次の瞬間、冷たい水の感触とともに、意識が真っ白になった。
周りがちょっと振り向いて来るのはさておき、俺を含みテーブルを囲む4人の顔は夜の東京に負けないくらい明るい。
「いやあ~今回の功労者は間違いなく三田ちゃんですわ。あのおびただしい数のボイレコと映像のデータ!俺も少しは撮ってはいたけど天と地ほどの差を見せつけてきましたわ」
「ふふふ、私の執念を舐めて貰っちゃ困りますよ、あのセクハラ上司の他、本社の上層部にも爆弾を落として華麗に退社してやると決めてましたから」
三田さん……なんて悪い顔をしてるんだ。
「それに狩野先輩こそ凄かったじゃないですか~このまま行けば今の顧客のほとんどが先輩が新しく作る会社に流れますよ~」
「このまま俺たちが辞めてはい、終わり~はなんかな、ふはは、みとけよ、あのズラ!」
高笑いする狩野とにこにこな三田さん、この2人結構気が合うんじゃ……と、あまりに2人の圧が強すぎで後輩の村上くんと俺はガクブルだ。
「怜さん……」 「村上くん……」
「あっそこ!なーに2人で同盟組んでやがる!」
「そうですよ~!2人して固まらないでください」
顔を見合わせる俺と村上くん、だって、ねえ?
「そ、そういえば怜さん、今日は本当に大丈夫だったんですか?」
「ああ、もう四十九日も終わったし、とりあえず一息ってところだから。まだ整理とかまったく出来てなくてそのまんまなんだけどな、もう少しだけこのままにしておきたくて」
まだばぁちゃんが亡くなった実感がわかず、思い出の家は片付けられないままだ。
「悪いな、ほぼ任せちゃったのに、呼んでくれてありがとう」
「いつも俺らの方が頼ること多かったろ?こんくらいなんでもないって、それに今回の件で辞める決心もついたしな」
「そうですよ!たった1人の家族が亡くなったって言うのに、休ませて貰えないどころかあんな風に……」
「ほとほと愛想もつきましたよ……!」
本当にいい仲間に巡り会えたものだ。飲みすぎた狩野をタクシーに押し込み、後輩2人と別れて家に帰ったあともしみじみとそう思う。
風呂上がり、ばあちゃんと暮らしていた頃のように浴衣に着替え、縁側で夏の足音を感じる風に吹かれながら懐かしさに浸っているとどこからか小さな祭囃子が聞こえてきた。
この季節に祭りの予定なんてあったか?今年から開催されることになったのだろうか。
……行ってみるか。確かここに……あった、可愛らしい巾着だ。俺が持つのには可愛すぎるだろうか……まぁ皆祭りに夢中で気にしないだろう。
小銭とハンカチが入ったそれは、いつもお祭りの時ばぁちゃんが持ってたものだ。
「行ってきます」
写真の前で挨拶をして家を出た。
からん、かちゃん、下駄の音がうっすらと聞こえる祭囃子に合いの手を打つ。
神社へと続く長めの階段の脇にやけに明るく橙に輝く提灯がところせましと並んでいて、お祭りの気配に心が浮き立った。
ずんずんと階段を登ると一気にお祭りの喧騒と明かりが押し寄せる。見上げても横を向いてもオレンジ色のあかりに照らされ、夜の方が隙間から除くほど明るかった。
光に吸い寄せられるように色々なお店をくるくると見てまわってはしゃいでいたのだが、やけに視線を感じる。
そしてふと行き交う人皆お面をしていることに気づいた。
おかめ、鬼、かっぱ…?とにかく様々なお面をつけていて、あれ、もしかしてこのお祭りって仮面舞踏会的なやつなのか?お面必須装備?視線を感じたのはそういう事か。
なんてことだ、マナー違反してたのか。どうしよう……目立ってしまっているみたいだ。きょろりと辺りを見渡すと【なんでも屋】と書かれた看板を掲げた黒い天幕のようなお店があった。ちょうど占いのお店みたいな感じだ。
とりあえずあそこに入ろう…!お面もあるかもしれないしな。隠れるように布でできた入口に身を滑り込ませた。外の喧騒がすっと遠ざかり、やけに静かになる。
店内は思っていたより広く、布の壁にはおびただしい数の小物がぶら下がり、棚には刀や壺、異国風の仮面、用途不明のガラクタが所狭しと並んでいてなかなか見応えがある。
「いらっしゃい、お客さん」
背後から急に声をかけられ肩が跳ねる。全く気配を感じなかった…
カウンターの奥に座っていたのは、どこか年齢不詳な雰囲気を持つ店主だった。長い白髪が黒い衣に映え、目元は見えない。薄い笑みを浮かべた口元が印象的で、袖から覗く指は細く白くまるで陶器のようだった。
「お面をお探しかな?」
「あ、ええと……そう、なんですよ。外のお祭り、お面必須なんですか?」
「ふふ、それに気づくとは、なかなか鋭いねぇ」
店主はどこか楽しそうに微笑むと、カウンターの下をごそごそと漁り、ことり、と音を立てて鬼の面を置いた。
「君にはこれが似合いそうだ。……お代はいいから、ついでに占いなんてどうだい?」
「占い?」
「うんうん、せっかくの縁だしね。お代はいいよ。こういうのは、ちょっとしたお遊びだからね」
「じゃあ、せっかくだしお願いします。仕事運とか占えますか?」
「よしよし、恋愛運ね~それじゃあ……君の運命の人は――ふんふん、なるほど」
店主は何やらひとりで頷きながら、占いの結果を見ているらしい。俺仕事運って言ったよな……
「あの、仕事運を……」
「おや、そうだったかな?」
「まあいいです。で、どうでした?」
「気になるのかい?」
「そりゃまあ……気にはなりますよ、一応」
占い結果なんて当たるとも限らないが、何を言われるのかくらいは気になる。
「ふふ、そうだねぇ……じゃあ、そんな君のラッキーアイテムはこちらでーす!」
どんっと、目の前に置かれたのは一振りの刀だった。
「……え?」
「貴方のこれからは前途多難!この刀で運命を切り開いていくのをおすすめするよ。ふふ、綺麗にすっぱり切れるからねぇ」
「物理的に?!」
「ほら、ちょっと握って見てごらんよ」
「ああ、はい……」
結果聞いてないんだが……
月のない夜のように黒い艶やかな鞘に収まったそれを握った途端、ぞわっと全身が震えるような感じがし、そして不思議と手に馴染んだ。
「ふうん……やっぱりねえ」
「なんですかさっきから、はっきりお願いします」
「いや、私の見立てが間違ってなかったようで安心したのさ。そうそう、お代は500円ね、日本円でいいよ」
「いやいや、まだ買うなんて言ってな…500円!?やっす!ワンコインやっす!怪しい!」
「怪しくなんてないさ、ほら、私を信じて?」
「いやどこからどう見ても怪しいですよね!」
「絶対役に立つから、ね?今がお買い得だよ。」
これは買うまで帰してくれないルートだ…仕方ない、潔く小銭入れから500円玉を渡した。
店主がほくほくと受け取り、うっとりとした表情で500円玉を眺める。
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硬貨のコレクターさんなのか?刀を背負うための紐もおまけしてもらった。
「そうそう、ラッキースポットは海ね。もうすぐ日付が変わってしまうから、今日のうちに急いでいくのといい」
「海……?」
刀まで買っちゃったし、ここまで来たら行ってみるか。
挨拶もそこそこに、しっかりとお面を被って橙のあかりに照らされた外にでる。
「まいど~そうだ、風には気をつけてねぇ、ふふ…」
背後からの笑い声がすぅ…っと小さくなっていく。
「風…?それは占い的な感じで?」
意味深なことを言われ振り返ると、たった今出てきたはずの店がまるまる、綺麗っさっぱりと消え失せていた。
「なっ…」
お祭りの空気に当てられて変な夢でも見てたのか…?いや、刀もお面もちゃんと持っている……狐につままれたような気分だ。この刀、ただの棒切れに化けたりしないよな…
これ以上お祭りに参加する気にもなれず静かな場所を求めて、結局俺は海近くの崖に来ていた。
暗闇の向こうには、ぼんやりと光る海面が広がっている。
ざぁ……っと一際強い潮風が吹いた。
「いって……!」
何かが目に入り、反射的に目をこすろうとして足がもつれた。
風に煽られ、体がぐらりと傾く。一瞬の浮遊感の後、視界がぐるんと回り、重力に引っ張られる感覚。
━━あ、落ちる。
水面が迫る。
次の瞬間、冷たい水の感触とともに、意識が真っ白になった。
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