4人の勇者とЯΔMЦDΛ

無鳴-ヴィオ-

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第2章

第12篇

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数々の記憶が流れ込んできて、遠くの方から声が響く。
目を覚ますと、ゼル達が戦っている。

そうだ、戦闘していたんだった。魔物の奇襲を受けて気絶していたクー。
ゼルとレオンで交互に守りながら戦い、エルザは治療魔法をヴァレリは援護を。
ルイナは守護陣を描き結界の補助を使って他の人達の防御力を底上げ。
気絶している間、澪と来との記憶を思い出していた。ふと見た瞬間、ゼルと澪が薄っすらと重なって見えたような気がした。
しかし、それも確かだと頷けるポップがクーの目の前に表示された。
称号【信頼しあう姉弟】を獲得しました。
「澪…」とクーが呟いた時、ゼルはチラっとクーの方を見た。それによりゼルの方もまたポップが表示される。称号:【再開する姉弟(楓・澪)】と表示されるのであった。
そしてゼルは称号により新しい技を取得し、それを発動すれば逆転できると判断し何が起こるか分からない状況でも使うしかないと言って「闘牙封眼(ヴォルト・テンペスト)」を発動した。
その瞬間、ゼルは風を纏いそれを腕で振り払うように風を切るとそこにはゼルの人間の姿が出た。この時、ルイナ、クー、ヴァレリ、エルザは涙が零れそうな眼をしてゼルを見た。
そう、このスキルによりゼルは獣人から「あちら側の澪」の姿を取り、片手に剣を持っていた。
来が持っていた剣によく似た物という事をルイナは直ぐ様理解する。
そしてゼルはその剣を使って魔物を退治していく。

魔物の討伐を終えると、剣が消えると同時に剣にため込まれた魔力が解放し怪我を負っていたレオンとクーは完全治癒を受けた形となる。
しかしゼルは元の姿に戻る気配がなく、クーはゼルに近づき抱きしめた。
「澪…」
ゼルもまた記憶を一部取り戻しており、澪に抱き返した。
クーは泣き出し、ヴァレリとエルザは涙を零す。
それでもルイナは泣くに泣けずに居た。理由はただ一つ、来の事だ。地球側のあの出来事とあの感触をまだ残っている。来の剣で来を貫いた事。
そして抱き合う姉弟、そのままゼルは言った。「このまま、向かって良いのか」
その言葉に疑問を言い放つヴァレリ。
ゼルは続けて言った。
「よくない気が一つの場所に集まっている。それは恐らく、ユーリの所だ」
エルザとヴァレリとクーの魔法で強化とブーストを掛けた馬車で辺境付近までたどり着いている現在で、1週間くらい経過している中で魔物の奇襲に遭ったというのだが。
「そうとも限らないんじゃないかしら」とヴァレリは言うのだが、ゼルが前にユーリから感じ取った何かと連なる何かをその気から感じ取れると言った。
「でもここまで来たのだから、引き返せない」
ヴァレリは強気で言う。そしてそれをルイナは賛同した。
もし、それがユーリで。ユーリがもし地球側から来た転生者なら救いたい。とルイナは言うのだった。
レオンは話しに付いていけないから、馬車に戻って先に寝るぞと言ってその場から離れる。
エルザが張っている結界の内側に馬車があるので、魔物の奇襲でない限り大丈夫だろうと踏んでいる。
話の続きが行われ、ゼルとヴァレリは言い合っていた。クーは泣き疲れ大人しくなり、焚火を起こす。
もし危険なら余計助けないという選択は無いに至り、明日再び出発する事となった。
「にしても本当に、獣人に戻る気配ないな」とゼルは小声で呟くのだった。いつまで、続く…?
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