首が勝手に右へ右へ回る奇病！～プロ棋士を目指す長男と中学受験の長女を抱えながらのジストニア闘病記～

「エクソシスト」 ～旅人～

「エクソシスト」というホラー映画がある。そこでは、悪魔に取りつかれた少女が、悪魔祓いによって救われる。この映画は、実在の話をもとに作られているといわれている。主人公の呪われた少女の首が後ろに一回転する印象深いシーンがある。有名なシーンだ。今の私は、まさに首が右回りに一回転しそうなエクソシスト状態だった。どこまでも右に回ろうとする。

　私は1月くらいから首に違和感を覚えていた。最初は首や肩の凝りだと思って、頻繁にマッサージに通っていた。しかし、どうも症状が改善しない。痛み、凝り、形容が難しい。とにかく、首に異変があることは間違いなかった。具体的にどんな異変があるかと言うと、首が右へ回ろうとする。自分の意思とは関係なく、勝手に右へ右へ回ろうとするのだ。

　仕事をしている間は、左手で首を抑えて何とか耐えるしかない。しばらく、首や肩の凝りをほぐすなど、こちらも首への対抗措置をとった。

　桜の開花が待ち遠しい季節に、もはや私の首には限界がきていた。電車に乗るのもままならない。家の中でも、平衡感覚がなくなり始めて、ところどころ足や肩をぶつけてしまう。

　仕事はちょうど繁忙期だが、病院を優先した方がいいと判断した。

　折しも、同じ時期に、小学校1年生の長男は、将棋教室に通い始め、小学校5年生の娘は、受験勉強を開始し始めていた。

　そのときは、これから長い闘病という旅に出かけるとは思いもよらなかった。

※1話目の副題について
「旅人」は私の好きなアーティストである、「福山雅治」「ミスターチルドレン」「高橋優」の三人が奇しくも同名の楽曲を作成していた。