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第34話
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次の日の月曜日の放課後、俺はこの日からキョウヘイと一緒に期末試験対策の勉強をすることをカジワラとハタケに伝えると、「私たちもイチノミヤくんと一緒に勉強したい。」と言い出したのでカジワラとハタケとも一緒に勉強することになった。
こうなるともう予想が付くと思うが、中間試験の時と同じくカジワラは分からない所をキョウヘイばかりに質問してしまい俺には全く質問してこなかった。
まあ、カジワラより勉強のできるキョウヘイとカジワラより勉強のできない俺のどちらに質問するかと考えたらキョウヘイを選ぶのは当然だろうということは分かってはいる。だけど試験勉強中という話しかけるチャンスが質問するときしかない場においてカジワラから質問されなければ俺から質問するしかないのだが、俺から質問するのは恥ずかしくてできなかった。もちろん、俺よりカジワラの方が成績がいいことはカジワラも知っていたのだが、なぜか俺には心の奥底にある変なプライドがあり、俺からカジワラに質問にすることはできなかった。
こうなったら今度の期末試験こそはカジワラよりいい点数を取ってやろう!と意気込んで1人で黙々と勉強していると、「ねぇ?トツカくん、この問題分かる?」とハタケが俺に質問してきた。
「俺でいいの?キョウヘイに聞いた方がいいんじゃない?」と俺が聞き返すと、ハタケは申し訳なさそうに、「本当はそうしたいけど、レーちゃんがイチノミヤくんに質問していて、今は私の質問に答えられなさそうだから、申し訳ないけどトツカくんに質問したんだ。」と答えた。
まあ、そうだろうな。キョウヘイの代わりじゃなければ俺に質問することはないよな。そこは問題じゃない。問題はハタケの質問は俺に答えられるような問題なのかどうかということだ。
「分かった。俺に答えられればいいけどね。それでどこの問題が分からないんだ?」
おそるおそるハタケの指差す問題を見てみると、俺でもなんとか解ける数学の問題だったので、ホッとしながら、「ああ、この問題はこう解くんだよ。」とハタケに解き方を教えた。
そのあともカジワラはキョウヘイにだけ質問して俺に質問してくることはなかった。
「あ!もう5時になるな。そろそろ帰るか。」
キョウヘイの発言を聞いて、教室の時計を見ると時計の針は4時58分を指していた。
「そうだな。そろそろ帰ろうか。」
「セイ、ちょっといいか?」
「いいけど。どうした?」
「実は、このあとうちで一緒に試験勉強はできないんだ。ごめん。」
俺は中間試験の時みたいに、このあとはキョウヘイの家で試験勉強できると思っていたので、当てが外れてしまい少し残念だったが、キョウヘイにも予定があることは理解しなくちゃいけないので、あまりそういう気持ちを表情に出さないように、「そっか。気にしないでくれよ。このあとも一緒に試験勉強しようと思ってくれたことだけでもありがたいんだからさ。」と伝えた。
それでもキョウヘイは申し訳なさそうに、「ごめんな。うちの母親がセイがうちに来ることで俺と一緒に晩ご飯食べられないことをあまりよく思ってなくてさ。あ!もちろん、うちの母親はセイのこと嫌いじゃないぜ。誤解しないでくれよ。」と言ってきた。
「分かってるって。」
このあとは1人で試験勉強しなくちゃいけないのかぁ。まあ、今回は絶対にカジワラよりもいい点数を取ってやろう!と思っているわけではないからいいんだけどさ。でも、このままでカジワラと2人で試験勉強デートはできるのだろうか?ちょっとカジワラに聞いてみるか。
「なぁカジワラ、ちょっといいか?」
下校準備をしているカジワラに俺は話しかけた。
「ん?なに?」
「俺と一緒に2人きりで試験勉強ってしてくれるか?」
「う~ん?ヒナタさんとは2人きりで試験勉強した?」
「まだだけど、する予定ではある。」
「う~ん?そっか。う~ん、でもごめん!やっぱりしないかも。」
「え?どうして?」
「だってトツカくん、私より成績良くないんだもん。」
「……。」
俺は何も言い返せなかった。カジワラは俺の彼女ではなく愛人なので、メリットがなきゃ俺とは付き合わないのは当然だからだ。本物の愛人みたいにお金を払いでもしない限り、つまらないことに付き合ってはくれないだろう。
「用件はそれだけ?それじゃあ、私は帰るね。行こう、ミーちゃん。」
「う、うん。」
それだけ言うとカジワラはハタケと一緒に下校していった。何も言わずに佇んでいる俺の肩をキョウヘイがポンと叩き、「分からないところがあったら、いつでもラインで聞いてくれていいからさ。頑張れよ!」俺を励まして下校していった。
俺も帰るか。
早く帰宅して試験勉強をしようと考え、この日はナツキの部活が終わるのを待たずに下校した。
できるだけ早く歩いて帰宅したら、すぐに自室に向かい試験勉強を始めた。
数学に飽きたら英語をやる、英語に飽きたら古文をやるといった具合に、中間試験の時と同じく集中力が途切れないような勉強法を取った。そのおかげで母さんが晩ご飯ができたと呼びに来るまで、ずっと試験勉強を続けることができた。晩ご飯を食べ終えた後も風呂に入る前に少し勉強をしようと部屋に戻った。
部屋に戻るとスマホからラインのメッセージの着信音が鳴った。確認するとナツキからで、「明日から試験前で部活が休みになるから勉強教えて。」とあった。
もうナツキと一緒に勉強するメリットがないように感じ、断ろうかという考え一瞬頭をよぎったが、誰かに教えるというのは教える側も勉強を理解するのにいいと聞いたことがあるので、断らずに、「了解。どこでやる?」と返信した。
すると、ナツキから、「セイの部屋がいい。」と返信があった。中間試験の時は嫌がったのにどういう心境の変化だ?と不思議に思ったが、特に断る理由もないので、「了解。」と返信した。
ナツキとのラインのやり取りが終わったら、また試験勉強を始めた。この日は24時近くまで試験勉強をしてから寝た。
こうなるともう予想が付くと思うが、中間試験の時と同じくカジワラは分からない所をキョウヘイばかりに質問してしまい俺には全く質問してこなかった。
まあ、カジワラより勉強のできるキョウヘイとカジワラより勉強のできない俺のどちらに質問するかと考えたらキョウヘイを選ぶのは当然だろうということは分かってはいる。だけど試験勉強中という話しかけるチャンスが質問するときしかない場においてカジワラから質問されなければ俺から質問するしかないのだが、俺から質問するのは恥ずかしくてできなかった。もちろん、俺よりカジワラの方が成績がいいことはカジワラも知っていたのだが、なぜか俺には心の奥底にある変なプライドがあり、俺からカジワラに質問にすることはできなかった。
こうなったら今度の期末試験こそはカジワラよりいい点数を取ってやろう!と意気込んで1人で黙々と勉強していると、「ねぇ?トツカくん、この問題分かる?」とハタケが俺に質問してきた。
「俺でいいの?キョウヘイに聞いた方がいいんじゃない?」と俺が聞き返すと、ハタケは申し訳なさそうに、「本当はそうしたいけど、レーちゃんがイチノミヤくんに質問していて、今は私の質問に答えられなさそうだから、申し訳ないけどトツカくんに質問したんだ。」と答えた。
まあ、そうだろうな。キョウヘイの代わりじゃなければ俺に質問することはないよな。そこは問題じゃない。問題はハタケの質問は俺に答えられるような問題なのかどうかということだ。
「分かった。俺に答えられればいいけどね。それでどこの問題が分からないんだ?」
おそるおそるハタケの指差す問題を見てみると、俺でもなんとか解ける数学の問題だったので、ホッとしながら、「ああ、この問題はこう解くんだよ。」とハタケに解き方を教えた。
そのあともカジワラはキョウヘイにだけ質問して俺に質問してくることはなかった。
「あ!もう5時になるな。そろそろ帰るか。」
キョウヘイの発言を聞いて、教室の時計を見ると時計の針は4時58分を指していた。
「そうだな。そろそろ帰ろうか。」
「セイ、ちょっといいか?」
「いいけど。どうした?」
「実は、このあとうちで一緒に試験勉強はできないんだ。ごめん。」
俺は中間試験の時みたいに、このあとはキョウヘイの家で試験勉強できると思っていたので、当てが外れてしまい少し残念だったが、キョウヘイにも予定があることは理解しなくちゃいけないので、あまりそういう気持ちを表情に出さないように、「そっか。気にしないでくれよ。このあとも一緒に試験勉強しようと思ってくれたことだけでもありがたいんだからさ。」と伝えた。
それでもキョウヘイは申し訳なさそうに、「ごめんな。うちの母親がセイがうちに来ることで俺と一緒に晩ご飯食べられないことをあまりよく思ってなくてさ。あ!もちろん、うちの母親はセイのこと嫌いじゃないぜ。誤解しないでくれよ。」と言ってきた。
「分かってるって。」
このあとは1人で試験勉強しなくちゃいけないのかぁ。まあ、今回は絶対にカジワラよりもいい点数を取ってやろう!と思っているわけではないからいいんだけどさ。でも、このままでカジワラと2人で試験勉強デートはできるのだろうか?ちょっとカジワラに聞いてみるか。
「なぁカジワラ、ちょっといいか?」
下校準備をしているカジワラに俺は話しかけた。
「ん?なに?」
「俺と一緒に2人きりで試験勉強ってしてくれるか?」
「う~ん?ヒナタさんとは2人きりで試験勉強した?」
「まだだけど、する予定ではある。」
「う~ん?そっか。う~ん、でもごめん!やっぱりしないかも。」
「え?どうして?」
「だってトツカくん、私より成績良くないんだもん。」
「……。」
俺は何も言い返せなかった。カジワラは俺の彼女ではなく愛人なので、メリットがなきゃ俺とは付き合わないのは当然だからだ。本物の愛人みたいにお金を払いでもしない限り、つまらないことに付き合ってはくれないだろう。
「用件はそれだけ?それじゃあ、私は帰るね。行こう、ミーちゃん。」
「う、うん。」
それだけ言うとカジワラはハタケと一緒に下校していった。何も言わずに佇んでいる俺の肩をキョウヘイがポンと叩き、「分からないところがあったら、いつでもラインで聞いてくれていいからさ。頑張れよ!」俺を励まして下校していった。
俺も帰るか。
早く帰宅して試験勉強をしようと考え、この日はナツキの部活が終わるのを待たずに下校した。
できるだけ早く歩いて帰宅したら、すぐに自室に向かい試験勉強を始めた。
数学に飽きたら英語をやる、英語に飽きたら古文をやるといった具合に、中間試験の時と同じく集中力が途切れないような勉強法を取った。そのおかげで母さんが晩ご飯ができたと呼びに来るまで、ずっと試験勉強を続けることができた。晩ご飯を食べ終えた後も風呂に入る前に少し勉強をしようと部屋に戻った。
部屋に戻るとスマホからラインのメッセージの着信音が鳴った。確認するとナツキからで、「明日から試験前で部活が休みになるから勉強教えて。」とあった。
もうナツキと一緒に勉強するメリットがないように感じ、断ろうかという考え一瞬頭をよぎったが、誰かに教えるというのは教える側も勉強を理解するのにいいと聞いたことがあるので、断らずに、「了解。どこでやる?」と返信した。
すると、ナツキから、「セイの部屋がいい。」と返信があった。中間試験の時は嫌がったのにどういう心境の変化だ?と不思議に思ったが、特に断る理由もないので、「了解。」と返信した。
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